主な土地活用13の方法を一覧で比較

土地活用比較

一口に土地活用といっても、かんたんに始められるものから、大きな借金を背負って行うハイリスクの活用まで様々です。
どんな土地も唯一の存在ですから、土地によって活用方法は違って当然でしょう。

また、誰でも同じような土地活用ができるとは限らず、個々に事情がありますので、土地活用は、活用する「土地」と活用する「人」の組み合わせで変わってきます。
そこで、主要な判断項目を挙げて、多角的に土地活用を比較してみたいと思います。

なお、今回は比較が中心になりますので、各方法の概要はこちらをご覧ください。

土地の有効活用方法一覧
田舎での土地活用は、市場が活性化しておらず、どうしても制限されるのは否めません。 だからといって、せっかく手に入れた土地や建物を、...

各活用方法とその比較表

土地の活用方法を比較できるように、比較表を用意しました。
リスクとリターンが相反することは誰でも知っていますが、回収期間や転用性、相続時評価額は、出口戦略に関係してくるので判断を誤らないようにしたいものです。

なお、比較表は建物がない更地を保有している前提で作成しています。
あくまでも一般的な評価であることに注意して、参考にしてください。

費用 回収
期間
転用性 相続時
評価額
リスク 収益性 実現性
アパート経営 ×
マンション経営 × ×
戸建賃貸経営
賃貸併用住宅 ×
サービス付き
高齢者住宅経営
× × × ×
事業用賃貸
店舗併用住宅 × ◎※
駐車場経営 △※ ×
トランクルーム △※
太陽光発電 ×
貸地 × ×
自己使用 ○※
売却

※駐車場の相続税評価額は舗装で減らすことができます。
※トランクルームの相続税評価額は貸家建付地として評価されると減額されます。
※自己使用の相続税評価額は自宅を建てることで減額されます。
※店舗併用住宅の収益性は自宅で使用しない前提です。

1.費用・予算で選ぶ

基本的に建物を建てる土地活用で、費用が少ないものはありません。
それでも、土地や建物には担保価値があるので、借入金を利用すれば、現金での支出は大幅に抑えることができ、自己資金は少なくても可能です。

現金で始めるとしたら、土地だけを貸す貸地では負担が無いに等しく、借主さえいればかんたんに始めることができます。
次いで、月極の青空駐車場(未舗装)も初期投資は非常に少なくて済みます。

10台程度の規模と仮定して、コインパーキングでは300万円~500万円程度、アスファルト舗装して有人の時間貸駐車場にしても、100万円前後+人件費程度です。
立体駐車場になると、設備が必要になり投資も増える代わりに、駐車効率がよくなって収益が上がるので、予算と需要で判断すればよいでしょう。

トランクルームや太陽光発電も同様で、広さに応じて当然必要な資金量は変わりますが、個人が行うレベルの規模なら数百万円で始めることができます。
ただし、費用負担が小さい分だけ、収益性(キャッシュフロー)は小さくなります

借入金によるレバレッジ効果

土地と建物を担保にして、借入金で行う賃貸経営では、総費用の2割程度の自己資金があれば、大きな金額での土地活用が可能で、手持ちの資金よりも大きな資金で運用することを、「レバレッジ」と呼びます。

例えば、500万円の資金で50万円の利益を得られるとすれば、利回りは10%です。
しかし、土地と建物を担保に2,000万円借り入れて、合計2,500万円で運用すれば、10%の利回りで250万円の利益が出ます。

このとき、自己資金の500万円に対する250万円の利益は50%にもなり、たった2年で回収できてしまいます。
2,000万円の借入金は、土地と建物の資産価値を相殺すると大きな金額ではありません。

リスクも当然大きくなりますが、このように少ない自己資金で大きな成果(レバレッジ効果)を出せるのが、賃貸経営のよいところです。
予算や費用を現金に限定すると、リスクが小さい代わりに土地活用の幅も狭まります。

2.資金回収期間や転用性で選ぶ

住宅の賃貸経営(自宅併用を除く)は、利回りが10%程度、つまり資金回収期間が10年程度になることを、基本的な目安として運用します。
言い方を変えれば、不動産投資の世界で、利回りが10%あれば及第点です。

テナントに頼る事業用賃貸は、住宅よりも家賃が高くできるので回収期間が短い代わりに、テナントが埋まらなければ回収できない事態になります。
そこで、店舗併用住宅にして、リスクを軽減することも視野に入るでしょう。

これらの賃貸経営は、建物ありきの運用で転用性に劣りますが、回収前でも売却できる点から、総合的な転用性は極端にひどくありません。

賃貸経営以外の回収期間や転用性は?

太陽光発電でも、賃貸経営同様10%の利回りが目安で、回収期間は10年が目安です。
太陽光発電ではランニングコストが小さく、利回りがそのまま回収期間に反映されます。

転用性については、回収まで転用しないでしょうから10年程度は縛られます。
回収前に設備ごと譲渡も可能ですが、導入時に補助金等を受けている場合は、一般に権利移転は制限されます(不正受給防止のため)。

また、コインパーキングやトランクルームは、稼働次第で10%を超えるかもしれません。
これらは住宅ではないので転用性も高いですが、フル稼働を想定するのは楽観視しすぎで、現実にはそこまで達しないのが普通です。

他には、転用性だけに注目するなら、自己使用で機会をうかがうのもよいでしょう。
自宅を建てたとしても、賃貸や売却に切り替えることができるからです。
売却も資産の転用を考える上で、最も選択肢が多い万能性を持っています。

3.リスクの小ささで選ぶ

リスクの大きさは、初期投資金額に連動することを考えると、建物を建てない土地活用をメインに考えるしかありません。
平面の駐車場経営や太陽光発電が、建物を建てない土地活用に該当します。

トランクルームも建物を建てないように思えますが、屋外での設置は建築確認申請が必要で、即ち建築物に該当します。
それでも、手続きが面倒なだけで、投資リスクとしては小さい部類です。

広い視点でリスクを考えると、多額の資金で建物を建てる土地活用でも、収益性が悪ければ売却してリスクを軽減できそうに思えるかもしれません。
しかし、収益物件の買主は特に収益性で選びますので、売却できない可能性が高く、リスクの軽減は難しくなります。

リスクは投資だけではない

賃貸経営では戸数の多さが、空室リスクと連動しますから、アパートやマンションで戸数を増やすと、戸建よりも空室リスクは減ります
その分、投資によるリスクは大きいので、リスクを総合的に判断するしかないでしょう。

また、土地だけを貸す貸地では、短期の契約ならリスクは小さくても、建物を建てる借主に貸すと、借地権により数十年単位の契約になります。
それだけ地代の滞納や相続トラブルの可能性が高まり、転用性も大きく失われます。

他に、自己使用や売却もありますが、自己使用はリスクが小さいというよりもリスクの回避で、売却は安く売れるリスクを伴っても、現金になればリスクが無くなるという、他の土地活用とは違った意味合いを持ちます。

4.収益性で選ぶ

土地活用の収益性(キャッシュフローの大きさ)で選ぶとなると、投資が大きくてリターンが大きくなるマンション経営や、サービス付き高齢者住宅になります。
店舗併用住宅でも、店舗と住宅の両方から収入があり、なおかつ店舗から収入は大きいので、うまくいけば高い収益を得られます。

しかし、マンションや店舗併用住宅は立地に大きく影響されますし、サービス付き高齢者住宅は立地が重要視されなくても、用途が限定された建物で転用性に欠けます。
したがって、高い収益性と引き換えに、条件が厳しい点を自覚しなくてはなりません。

また、いずれも初期投資が大きく借入金が多くなるため、返済も利息負担も膨大です。
収益の悪化で、途端に赤字経営になるリスクを抱えながらの運用になるでしょう。

そこで、アパートや戸建賃貸のミドルリスク・ミドルリターンに人気が集まりますが、考えることは皆同じですから、地域の需要を確実に把握して実行するべきです。
アパートも戸建賃貸も、一般人には大きな投資であることを忘れてはなりません。

太陽光発電と動産担保融資

最初の比較表は小規模な太陽光発電を前提にしていますが、土地が広ければ大規模に太陽光発電を展開するプランもあります。
太陽光発電の売電収入は、ほとんどが利益になるため、規模を大きくすれば十分なキャッシュフローを得られます

ところが、地価が安い田舎で土地を担保にしても、大規模に太陽光発電を展開するほどの資金を得られない状況が起こってしまいます。
この点を解消する仕組みが、「動産担保融資(ABL)」と呼ばれる融資の方法です。

動産担保融資では、太陽光発電の設備と売電収入を担保として、事業資金を融資します。
取り入れている金融機関(特に地方銀行)は多いので、チャレンジする価値はあります。

ただし、動産担保融資は、固定価格買取制度による安定した売電収入が前提です。
以前と違い、固定価格買取制度の先行きが不透明な現状では、金融機関も融資を慎重にならざるを得ず、ましてや個人で借りられるかどうかは未知数です。

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5.相続対策として選ぶ

相続税の評価減を受けるには、小規模宅地等の特例貸家貸付地の評価減貸家の評価減を受ける方法が一般的です。
したがって、建物が建っている土地活用なら、相続税対策になります。

小規模宅地等の特例は、宅地に対して最大80%の評価減(面積に限度あり)をするもの、貸家貸付地の評価減は、貸家の敷地を特定の割合で評価減するもの、貸家の評価減は、文字通り貸家を特定の割合で評価減するものです。

これらをすべて考えると宅地、貸家の敷地、貸家のすべてを満たす賃貸経営全般が有利です。
相続税対策としてアパート経営が有名なのは、現金(借入金)を土地と建物に換えることで、資産価値をそれほど損なわずに、相続税評価額を大きく下げる手法だからです。

また、自宅も条件次第で小規模宅地等の特例を受けられるので、現金よりも大きく評価減にできる対策となり得ます。

相続対策は相続人のために

相続対策は、ほとんどが相続税評価額を下げることをポイントとして語られます。
相続税の税率は高く、評価額を下げるほど税額が安くなるため、相続人を思ってあらかじめ評価額を下げておこうとするのは、決して間違いではありません。
いわば相続“税”の対策です。

ところが、評価減を受けられるからと何でも不動産に換えてしまうと、今度は相続人が相続税を支払うための現金が不足します。
すぐに売れない不動産より、相続税が高くても現金が歓迎されることもあるでしょう。
つまり、時には売却が“相続対策”にもなり得るということです。

また、不動産が共有名義で相続されると、多くの場合でトラブルが発生します。
相続させる側としては、相続後にトラブルを起こすのは本望ではなく、土地を分筆して遺産分割協議がスムーズにされる工夫も相続対策の1つです。

6.実現性で選ぶ

実現性とは土地活用が始めやすいことを意味しますが、自己使用と売却を除く中で、1つだけ異なる特徴の活用方法があります。
それは太陽光発電で、太陽光発電だけが「貸さずに」できる唯一の方法です。

他の土地活用は、すべて賃貸借による家賃や地代、使用料等を基礎としているため、借りてくれる人がいないとどうにもなりません。
太陽光発電のよさは、中心部から山林まで成り立つ実現性の高さと自立性です。

もちろん、少ない費用で始められる条件を実現性と捉えれば、入口がある更地にロープを張って「駐車場空きあり」と看板を立てれば、かんたんに駐車場が始められますし、土地を貸す貸地なら、借主との契約書1枚で始められます。

一方で建物を建てる土地活用は、借主と初期費用の両方を必要とする上、土地によっては用途地域による法制限もあるため、実現性には優れません。

またサービス付き高齢者住宅経営のように、サービス事業者という第三の存在も必要とする方法では、大きな資金と綿密な事業計画で進めなくてはなりません。

実現性には物理的な側面も含む

資金があって借主の需要があっても、土地が狭い、不整形地などの理由で実現できない土地活用も当然存在します。
物理的に実現できない活用方法はともかく、何か使う方法がないか考えてみましょう。

駐車場は狭い土地の代表的な活用方法で、トランクルームや太陽光発電のように、小さい設備なら配置を工夫して十分活用できます。
比較表にはないですが、間口が狭ければ、バイク用のコンテナという選択肢もあります。

他にも、自動販売機、広告看板、小規模なコインランドリーなど、アイデア次第で活用方法は広がるので、諦めずに検討することが大切です。
隣地の所有者に売却し、別な資産運用に取り組むのも土地自体の運用ではありませんが、土地資産の立派な活用です。

まとめ

今回は、多くの判断項目から、土地活用の可能性を分析してみました。
1つの特性に着目すると、まったく違う活用方法が優位に立つとわかるのではないでしょうか?

どんな土地活用でも万能ではなく、必ずメリットとデメリットがあります。
人によってはメリットを過大に評価し、人によってはデメリットを恐れ、負うべきリスクと得られる収益の比較、将来の予測など迷うことも多いでしょう。

不動産は次世代に受け継がれていくので、現在有効な活用方法が、将来も有効とは限らず、株のようにかんたんに売買できないこともあり、長期的な運用計画が求められます

また、当サイトが紹介している方法だけがすべてという訳でもありません。
活用への道は1つでも多くの例を知ることが大切なので、次のような紙の資料からも、情報収集してみるとよいでしょう。

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土地活用プラン一括比較
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土地はあくまで保有する資産の1つで、自己使用や現金に切り替える売却も、“資産活用”の1つです。
その上で、一般的に土地活用と呼ばれる賃貸経営を行うのであれば、1つでも多くの可能性を探り、十分検討することが欠かせません。
賃貸経営は数十年の長期的な運営となるため、スタートしてからの方向転換は困難で、最初の準備にすべてがかかっていると言っても過言ではないのです。

各社のプランはバラエティ豊かなので、最初はプランを見比べるところから始めるだけでも勉強になるでしょう。
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