太陽光発電における見積もり依頼の方法やポイント

太陽光発電を検討するとき、パネルメーカーやパワーコンディショナーといった設備類や、売電収入がどのくらいあるかといった収支予測をする人は多くても、実際の見積もりにどのくらい差があるのか、比較検討する人はそれほど多くありません。

というのも、システム費用や売電収入を考えていく段階で、ある程度自分の中に必要な費用が概算見積もりされており、実際の見積もりと大きく差がなければ、計画通りと考えてそれ以上は追及しないからです。

また、価格を追い求めて手抜き工事をされては本末転倒ですから、消費者としては安からず高からずの見積もりを選びやすいのでしょう。
太陽光発電の見積もりをする前に、考えておきたいポイントを解説します。

 

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1.依頼先の候補

太陽光発電の見積もり先は非常に多く、それは政策として普及を進めた結果、同時に新規参入してきた業種も多くあったからです。
どこに頼んでも、見積もりだけでお金を取られることはなく、断るのが嫌でなければ、好きなだけ頼んで問題ありません。

  • 専門業者
  • 家電量販店、ホームセンター
  • 地元工務店
  • ネット販売業者
  • 一括見積もりサイト

専門業者

太陽光発電の施工を専門もしくはメインで請け負っており、特化した会社なので知識面や技術面でも期待できます。
ただし、下請けとして存在している可能性もあり、地域の実態を掴むのは難しいところです。

また、規模が小さい業者では、個人住宅のような500万円未満の小口契約を狙い、建設業の許可なしで工事している可能性が高くなります(違法ではありません)。
同じく規模が小さいと、倒産や撤退のリスクも考えておきたいところでしょう。

専門業者は訪問による営業を行っていることも多いのですが、悪徳業者による劣悪な施工が問題になったこともあり、インターネットで探すか一括見積もりサイトなどを経由した方が安全です。

家電量販店、ホームセンター

太陽光発電とは業種が違うことでも分かるように、家電量販店やホームセンターは受注だけ行い、下請け業者に施工をさせてマージンを得る方法で営業しています。
知名度が高い安心感と、身近にある存在が集客できる要因です。

マージンは発生しますが、企業規模が大きいので仕入れ単価は安いと考えられ、価格面で他に引けを取らない競争力を持っています。
施工に下請け業者を使うことは至って普通なので、自社施工ではないことが評価を下げる理由にはなりません。

家電量販店やホームセンターは、店内に受付カウンターがあるか、インターネットでも店舗名から容易に探せるので依頼しやすい対象先です。

ヤマダ電機の太陽光発電

地元工務店

顔が見える付き合いができる安心感、工事の専門業者なので施工技術も高いです。
本業ではないため、太陽光発電業界が縮小しても影響は小さく、信用商売で成り立っている都合上、施工不良があってもフォローしてくれるはずです。

ただし、価格面ではどうしても安くならず、工務店とはいえすべての工事を請け負えると限らないので、下請け任せになる可能性もあります。
もし心配なら、電気工事業(屋根材一体型は屋根工事業)の建設業許可を持っているか確認しておくと、自社施工もできる工務店だと判断できます。

工務店と付き合いを持っている人は少ないので、インターネットやタウンページで地元工務店を探し当てても、その評判は未知数です。
家を建てた人に聞く、商工会に紹介してもらうなど、人づてで当たってみるくらいです。

ネット販売業者

賛否両論ありながら、価格面を重視する層から支持されています。
営業がネット上なので、連絡先になる簡易な事務所程度で成り立ち、営業担当が外を歩き回るような事業形態ではありません。

営業経費の安さは価格の安さにそのまま繋がり、施工も下請け業者に手配します。
施工や倒産・撤退への不安と、価格の安さを天秤にかけて、製品保証はメーカーにあるからと割り切って利用されているようです。

ネット販売業者は、ホームページで見積もりを随時受け付けています。
ただし、ホームページに辿りつくのが一苦労なので、ネット販売業者の比較サイトを経由などすれば比較的容易に見つかるでしょう。

一括見積もりサイト

一括見積もりサイトは、施工業者として運営されているのではなく、複数の施工業者を同時に紹介するサービスとして存在します。
同じことを何度も相手に伝えたり、入力したりするのが面倒な人には便利です。

また、自動的に地域で登録された業者を紹介してくれる点は、自分からアプローチする他の依頼先と異なり、必要な情報を入力して連絡を待つ方法です。
短期間で複数の見積もりを取りたい人は、一括見積もりサイトが適しています。

タイナビNEXT 画像運営会社株式会社グッドフェローズ
対象エリア全国
累計利用者数約100万人
提携会社数350社
同時依頼社数5社

2.依頼先の選び方と依頼の目安

見積もりの依頼先を選ぶ目的は、単に価格を知りたいこと以外にも、希望どおりの施工が可能な業者であるか知る目的もあります。
見積もりですべてを知ることは難しくても、どのように選んでいくべきか考えてみます。

依頼先の選び方

何も決めていない段階では、複数プランの提案を受けたいので、見積もりの依頼先に任せると、自社で扱っているメーカーから複数プランを提示してくれるはずです。
もし、メーカーや価格にある程度の計画を持っていて、施工可能な業者を依頼先にしたいということなら、次のような点を考えてみましょう。

取り扱いメーカーについて

設置したい機器構成が決まっているなら、そのメーカーを取り扱っていることが依頼先を選ぶポイントになりますから、やみくもに見積もり依頼すると、使う予定のないメーカーが出てきます。

見積もりの段階でメーカー選択ができるサイトもありますが、不明なら取り扱いメーカーを聞いてみるか、ウェブでは備考欄に入れるなどしてメーカーや型番を指定しましょう。

施工IDについて

取り扱いメーカーにも関係しており、太陽光発電パネルのメーカーは施工業者にIDを発行して、IDのある施工業者が施工した場合のみ保証をしています。
自社で施工IDを持っていなくても、下請け業者が持っていれば施工は可能なので、見積もり先の施工IDを確認することにあまり意味はありません。

最近では、施工IDを持たずに施工する悪徳業者は随分と減ったようですが、それでも心配なら施工IDを持っているか、または施工IDを持っている下請けに施工させるのか、確認してみるとよいでしょう。

建設業許可について

太陽光発電に限らず、500万円未満の工事は、建設業許可なしで請け負うことができます。
したがって、見積もりの依頼先が建設業許可を持っていないことは十分に考えられ、建設業許可の有無と、依頼先としての信頼度は別の問題です。

前述のとおり電気工事業(屋根材一体型は屋根工事業)の建設業許可を持っていると、自社施工が可能な業者なのは確かですが、許可を持っている業者だから自社で施工するとは限らず、許可を持たない下請け業者に施工させることもあります。

どうしても建設業許可のある業者に自社施工させたいのなら、依頼先はかなり限定されますし、下請けを禁止する必要もあって、そこまでこだわるなら検討してみましょう。

簡易見積もりと訪問見積もり

簡易見積もりとは、設置場所の情報を伝えて、概算を出してもらうことです。
訪問見積もりは、実際に設置場所を見てもらって、より現実的な見積もり額を出してもらいます。

太陽光発電では、パネルなど設備費用は容易に見積もることができても、実際に現場を見て工事費用を見積もってもらわないと、見積もりに意味がありません。
不動産査定などとは異なり、見積もりは「その金額で工事できる」とした仮の金額が必要で、簡易見積もりで工事を依頼しても、後になって差額が出てくるからです。

設置場所の状況を知らず、工事費用を正しく見積もりできないのは、依頼する側にも業者側にもメリットがないので、できるだけ訪問見積もりしてった方が無駄も少ないでしょう。

野立てでも訪問見積もりが必要か?

野立ての太陽光発電は、架台を設置してパネルを載せていく工事なので、平坦な土地なら広さだけでかんたんに見積もりできそうに思います。
ところが、野立ては地盤の強弱で工事内容が変わり、風圧に耐えられる強度が架台の基礎に求められます。

そのため、土壌を判断してもらわないと適切な見積もりは出てきません。
当然、平坦でなければ造成が入ってくるので、その費用を見積もるためにも、訪問見積もりの方が適しています。

さらに、周辺に建物があれば、その高さによって設置方向もよく考慮しなければいけないことは分かりますが、遠くにある山が日射量に影響することもあります。
発電量が最大になるようすると、設置枚数が変わってくることもありますので、やはり現地調査が欠かせません。

営業担当者への応対が必要か?

太陽光発電の見積もりは、住宅なら屋根を見て、野立てなら土地を見てもらえば出ます。
ようするに、設置場所の状態と、住宅なら足場の設置場所が確保できるかなど、標準的な工事が可能か外観から分かれば、大体は価格も出てくるというわけです。

よって、応対を考えなくても、勝手に見て見積もりしていく業者もいるほどですが、営業的な側面から実際に話をしたいと言ってくる業者もあるでしょう。
その場合でも事前連絡はあるはずで、応対が嫌なら他社も検討した上で連絡すると言ってかわすくらいでしょうか。

依頼数の目安は?

今どき相見積もりで嫌な顔をする業者は、最初から相手にしなくても大丈夫です。
ただし、何社に依頼しても問題ないとはいえ、同じ設備で価格差が大きいならともかく、工事費が異なっても同じ施工品質とは限らず、手を広げすぎると迷います。

最終的には1社に絞る前段階で、価格重視とアフターサポート重視を1社ずつ含めた、合計3社~5社くらいまでが、対応の面倒さも含めて妥当ではないでしょうか。
大切なのは依頼数ではなく、価格帯の把握とそれぞれの価格を比較検討することです。

また、見積もりの段階で計画を持っているなら、その計画に合った見積もり先を選ぶのでもう少し減るでしょうし、提案される多様なプランから選びたいなら、多めに見積もり依頼して選択肢を広げるなど、目的に応じて依頼数も変わってくると思われます。

3.見積もりに必要な情報や書類

土地では所在地や広さで済んでも、屋根設置の場合は複雑です。
必ず求められる情報とは限りませんが、屋根の形状・方角・勾配、屋根材の種類、広さが分からないと、どのくらいパネルが載るのか(どのくらいの発電量が欲しいのか)想像もできず、見積もりがしにくいからです。

・屋根の形状
屋根が三角形になっている切妻屋根、一方から切ったような形の片流れ屋根、4面の屋根がある寄棟屋根、フラットな陸屋根などの種類があります。
詳しくは訪問で確認してもらうとして、ウェブの見積もりでは形状の選択肢が用意されていることも多いです。
・方角
パネルの方角については南向き正面がベストで、南東・南西、東・西の順に発電量が多くなり、パネルの設置もこれらの方角を優先します。
すべての方向に十分な広さの屋根があるとは限らないため、できるだけ南向きにパネルを多く設置することを考えておきます。したがって、細かいことは現場を見てもらうとして、見積もり依頼の段階でも、図面を提出して屋根勾配や屋根面積を計算してもらい、希望の予算や発電量まで伝えておくと、具体的なプランに近い見積もりになるはずです。
・屋根材の種類
瓦屋根、スレート屋根、金属屋根といった種類があります。
屋根材の種類を伝えるのは、施工方法や屋根材一体型の選択に関わってくるからです。
もちろん、野立てでは関係ありません。
・勾配
一般には、水平10寸に対する高さを寸で表す方法が使われますが、大体の角度を求められるケースもあって、両方確認しておきたいところです。
建築確認申請に使った立面図があれば、たいてい屋根勾配が記入されています。目安としては、3寸勾配で16.7°、4寸勾配で21.8°、5寸勾配で26.6°、6寸勾配で31°です。
・屋根の広さ
屋根はその目的が建物を雨水から防ぐためにあるため、建物からはみ出た庇部分を含めると、建築面積よりも広くなるのが通常です。
勾配によって屋根面積は変わりますが、目安としては建築面積の1.2倍程度です。
・希望容量
野立てでは、㎡あたり0.07kW ~0.1kW程度です(パネルの角度でも変わります)。
屋根設置では、屋根の広さなどに大きく左右されて一概に言えないですが、資源エネルギー庁では住宅用を4.2kWとして試算されているので、1つの目安にはなるでしょう。

4.見積もり額について

複数の業者に見積もりを依頼すると、当然に価格差が生じます。
そして、見積もりの内訳を見ると、業者によって見積もりの方法が違うと気付きます。

結局は支払額で判断するため、同じ工事をしてもらえるなら内訳は関係ないとしても、基本的な考え方として、一式工事などの名目で内訳を省略する業者ほど、何でお金を取られているか分からない(業者側が明かしたくない)傾向だけは知っておきましょう。

見積もりの内訳

見積もりは大きく分けて、設備費用、工事費用、諸費用です。
業者によって若干の違いはありますので、大体の目安として考えてください。

【設備費用】

  • 発電パネル
  • パワーコンディショナー
  • 接続箱(パワーコンディショナー一体型ではない場合)
  • 架台
  • ケーブル
  • モニター
  • 売電メーター

【工事費用】

  • 取り付け工事(架台・パネル)
  • 電気配線工事(本体・モニター)

【諸費用】

  • 申請代行(電力会社や自治体の補助金)
  • 系統連系の立ち会い
  • 工事管理費(ない場合も多い)
  • 工事保証費(ない場合も多い)
  • 消費税

見積もり額のバラつきについて

業者間で見積もり額がバラつくのは、原価から異なる場合、企業努力によるもの、利益率の水準が違う、施工技術(経験差)などです。

  • 設備費用の仕入れ単価が異なる
  • 人件費が異なる(単価・人数)
  • 施工に対する保証が付いている
  • 業者の利益に大小がある
  • キャンペーンなどで値引きがある

複数のプランで見積もりがされている場合には、できるだけ設備構成が近いものを選ぶと、業者間における設備費用や工事費用の差を確認できます。
本来であれば、同じ工事を行うのに価格差が生じてはならないのですが、逆に施工の品質や保証に関わっているかもしれず、その判断は難しいところです。

しかし、同じ設備構成で設備費用の見積もりが異なれば、それは仕入れ過程や業者利益で生じている価格差ですから、安さで選んでも大丈夫でしょう。

値引きについて

値引きにもいくつか種類があり、端数調整のための値引き、定価見積もりに対する実質代金の値引き、優遇による値引きです。
端数調整はサービスのようなもので気にする必要もないですが、値引きして実質代金にしている場合と、優遇による値引きはよく考えてみましょう。

そもそも、最終的な見積もり金額が同じなのに、内訳でわざわざ値引きをして、見積もり金額を調整する必要はありません。
ところが、同じ金額でも値引きがあると消費者心理は異なります。

例えば、同じ150万円の見積もりがあるときに、値引きして150万円にした方が、「本当はもっと高い」というイメージを消費者が持つので、値引きは1つのテクニックとして使われています。

同じように「特別」や「優遇」という言葉、キャンペーンなどを謳った値引きは、消費者に特別扱いの印象を錯覚させる効果でよく使われます。
最初から値引き後の金額だと考えれば、値引きの大きさで迷うことはなく、むしろ値引きを使わずきちんと見積もっている業者の方が好感を持てます。

まとめ

太陽光発電は、国の補助金制度(既に終了)が始まった頃から一気に多種多様な業者が参入し、トラブルも多くなってきた経緯があります。
トラブルは工事してから起こるため、見積もりの段階では見抜けません。

可能であれば、設備構成を同じにして、各社の設備費用と工事費用を比べてみるのが、横並びで最も分かりやすい見積もりの比較です。
したがって、先に主要な機器構成を決めてしまった方が比較は楽なはずです。

ただし、取り扱い可能なパネルは業者でも異なるため、マイナーなメーカーは見積もりの数をそろえるのに手間取ることだけは覚えておきましょう。

タイナビNEXT 画像運営会社株式会社グッドフェローズ
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提携会社数350社
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