法改正もある不動産売却時の瑕疵担保責任とは。リスク軽減方法を知る

瑕疵担保責任とは

不動産を売却する機会は一生のうちにそう何度も行う人は少ないでしょう。そのため、売却時にトラブルが起きないかと不安を感じる人も多いと思います。
トラブルを回避するためにも不動産売却時に必ず知っておきたいことが瑕疵(かし)担保責任です。
売主は売却後に不動産に瑕疵が見つかると、大きな負担を強いられることがあります。
ここでは、瑕疵担保責任とはどのようなものかを理解し、リスクを減らすための方法などを解説しています。
売却時の不安を少しでも減らすためにも正しく理解して売却に備えましょう。

1. 不動産売却時における瑕疵担保責任の重要性

瑕疵担保責任の重要性
瑕疵担保責任を正しく理解していないと、大きなトラブルに発展する可能性があるため、トラブルに発展させないためにも瑕疵担保責任がどういうものかをしっかり熟知しておく必要があります。

1.1 瑕疵内容によっては契約解除の可能性

瑕疵担保責任とは、不動産の売買を行う時に売主がその瑕疵を把握しておらず、買主も契約時に発見できなかった不動産の欠陥や不具合について一定期間、賠償責任や補修や修理のための費用負担を請求できるものです。
ここで気を付けなければならないことが、売主はその瑕疵について不注意や過失がなくとも責任を負わなければならない点です。
通常、自分が長年住んでいた家であれば、住めないような瑕疵は自分で見つけていることがほとんどだと思われます。
しかし、目に見えない場所でゆっくりと瑕疵の原因となる劣化が進んでいる場合もあり、素人では全ての瑕疵を確認することは難しくなります。
このような場合でも、売却後に住めないような瑕疵が発見された場合には、買主は売買契約の解除を請求することができます。

1.2 賠償が行われない場合は契約解除の可能性

原則、売却後に瑕疵が見つかると、瑕疵担保責任の期間中は責任の範囲に対して補修や修理の費用を負担したり、賠償請求に対する支払いをする責任があります。
しかし、高額などの理由で買主からの請求に対して対応できないと、契約自体を解除される可能性があります。
この瑕疵担保責任は、民法上で定められた不動産を取引する際のルールです。これは不動産の取引を安全に安心して行えるようにするためのものです。
民法上では、不動産の引き渡し後1年以内なら瑕疵担保責任を追及できると定めています。
しかし、個人での売却の場合には、売買契約書に特約を付けることでこの瑕疵担保責任の期間を短縮することができます。買主と瑕疵担保責任の期間や範囲の取り決めを行い、売買契約書に明記するのです。

2. 不動産売却時に課せられる瑕疵担保責任の内容

不動産売却時の瑕疵担保責任の内容

リスクを回避するためには正しい知識を備えることが大切です。どのようなものが瑕疵として扱われるのか。また、瑕疵が見つかった場合の対処の仕方などを見てみましょう。

2.1 瑕疵に対する費用負担

前段でも解説しましたが、得に短縮などの契約をしていない場合、一年以内に見つかった瑕疵は買主が請求すれば、売主が修復やその費用を支払わないといけません。
どのような瑕疵に対して責任を負うかは、契約内容にもよりますが、基本的には構造躯体部の瑕疵や、雨水の侵入を防ぐための部分の瑕疵等があります。

また、土地に埋設物がある場合にも瑕疵担保責任が付きます
土地に対する瑕疵担保責任を負わないようにするためには、地盤調査をして鑑定書を作成して見せることで責任が免れることがあるので、地盤調査をすることをおすすめです。
費用に関しては数十万円しますが、瑕疵担保責任を負って払う金額よりも安く済むとされています。

土地の瑕疵は見ただけではわからないため、土地の購入には慎重になる人がほとんどです。その点、Fi地盤調査済の土地ならスムーズに売却できます。ここでは、事前に地盤調査を行うメリットや方法を解説しているので土地の売却の際に参考にして下さい

2.2 一般的に引き渡しから2~3か月の期間

一般的に、個人間で中古物件の売買を行う時の瑕疵担保責任は、2カ月から3カ月の期間が設けられることが多いようです。民法上は個人間の取引での期間は定めておらず、売買契約時に明文化することで決められます。

ちなみに、宅地建物取扱い業者が扱う新築物件の販売の場合は10年の瑕疵担保責任があり、特約を付けることはできません。

2.3 不動産の瑕疵内容は4種類

不動産に起こる瑕疵と言えば、物理的な瑕疵を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、その他にも注意しなければならない瑕疵があるので、ここでは不動産売却時に起こる瑕疵について見てみましょう。

物理的瑕疵

不動産の売買の中で一番多い瑕疵が物理的瑕疵です。
これは、水漏れや雨漏り、シロアリによる被害、耐震強度不足など、直接生活に影響する瑕疵です。
これらの物理的瑕疵は素人には確認することが難しく、売主も把握してないことがありトラブルの原因となります。

法律的瑕疵

法律的瑕疵とは、法律で定められた規則に適していない物件のことを言います。
原則、再建築不可の物件や建築制限がある物件は販売の際に表示義務があります。
そのため、これらのことは買主も説明を受け納得済みでの購入となるため、後日、責任を追及されることは少ないでしょう。
瑕疵は事前にきちんと重要事項説明の際に記載し、説明を行うことで瑕疵担保責任を負うことはありません。
しかし、建築制限があることや、建ぺい率や容積率がオーバーしていること、将来、道路の建設予定地であることなどを知っていて告知しないと、告知義務違反になるので注意が必要です。
中には、昔から立っている建物だとその時の建築基準は満たしていても、都市計画法などの法整備が行われたのちの建築基準を満たしていない場合があるので気を付けましょう。

心理的瑕疵

その家に住むにあたって心理的に負担になることを心理的瑕疵と言います。
例えば、その物件で病死したり、自殺者がでたり、他殺があったりする物件が該当します。
また、自然死や孤独死も心理的瑕疵を与える可能性があります。
これらは人の受け取り方によって異なりますが、気にする人気にしない人がいます。
そのため、自分が気にならないからと言って伝えないと、後々トラブルとなり隠れた瑕疵と同じように責任を問われることもあるため、告知を怠った場合、契約解除されたり損害賠償請求を受けたりする可能性があります。

環境的瑕疵

周辺環境も瑕疵に該当するものがあります。
葬儀場や産業廃棄物処理施設、暴力団事務所、宗教団体の施設
などが挙げられるでしょう。これらの施設の側には住みたくないという人も多くいます。
そのため、周辺にこれらの施設がある場合には初めに伝えておく方が無難です。
また、繁華街などがそばにあり、夜中でも人通りが多く騒音があることやご近所トラブルも瑕疵の原因になることもあります。
周辺環境の瑕疵は、自分が気にならないことでも伝えられることは些細なことでも全て伝えておくことで、トラブルの回避につながります。しかし、環境的瑕疵で訴えられた場合は、建物自体に瑕疵があるわけではないため、契約解除までは認められていないという判例があります。その代わり大体売買価格の10%~20%の損害賠償を請求され、裁判で認められた事例もあります。。

2.4瑕疵担保責任は法改正される予定

2020年4月1日に瑕疵担保責任が廃止され、代わりに契約不適合責任というものになります。責任が軽くなるものではなく、むしろ売り主の責任は重くなります。これまで隠れた瑕疵に対する責任でしたが、隠れたという概念も廃止され、契約内容に沿っているかどうかが重要となります。

買い主は請求できる権利が増え、契約に沿っていなかった場合には売り主に修繕してほしいと依頼できる追完請求ができるようになります。さらに代金減額請求もあり、追完請求しても売り主が応じない、または修繕自体ができない場合に代金を減額できる権利になります。仮に売り主に過失なくても請求できます。その他にも損害賠償請求、契約の目的が達成できる場合でも契約解除ができるようにもなります。

こういった法改正により、買い主の権利は増えますが売り主の負担はその分多くなってしまうのでより、売主と買主との間の契約が重要になっていきます。す。

3. 瑕疵担保責任のリスクを回避する方法

瑕疵担保責任を回避するには
大きなリスクを回避するためには、保険を利用することで瑕疵の回避につながるでしょう。それ以外にも、ホームインスペクションを利用することでリスクを減らすことができます。ホームインスペクションとは、建物の状況を調査することで、プロに不動産を調査してもらうことで、隠れた瑕疵や将来的な修繕の見積もりなどを目的として行われます。

3.1 既存住宅売買瑕疵保険に加入する

不動産の瑕疵に多い躯体部の補修や外壁の工事は、高額になることが多く売主にとっても買主にとっても大きな負担となります。そのため、瑕疵が見つかった時にこれらの補修や修理をスムーズに行うための保険があります。

既存住宅売買瑕疵保険では、規定の検査を行い保険に加入することで売主が買主に対して負う瑕疵担保責任の費用を保険で支払うことができます。この保険は、国交省が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」が運営しています。
保険期間は5年と1年を選ぶことができます。500万円、1,000万円を限度に瑕疵に対する費用が保険会社から支払われます。保険によって違いますが、たとえば床面積100㎡~125㎡の一戸建てで期間を5年、保険金額1,000万円とすると45,000円程度です。また、買主が売主に対して修理・請求等が行われたにもかかわらず履行されなかった場合には、買主は直接保険会社に費用を請求できます。
ただし、土地についての瑕疵担保責任はつかないので、気をつけてください。
保険の対象となるのは、柱や外壁など構造上の耐力的に重要な部分や、窓や屋根などの雨水の侵入を防ぐ部分が対象となります。
この保険に加入することで、瑕疵が見つかった場合にも補修や修理に関する費用を保険でカバーできるため、大きな費用の負担を強いられるリスクを減らせます。

3.2 不動産会社による保証サービス

不動産会社にも瑕疵担保責任に関する保証サービスがあります。
保証する期間や範囲は不動産会社によって異なりますが、期間は2年間が多いようです。
不動産会社の保証サービスでは、引き渡しから3カ月の間は売主の瑕疵担保責任を保証して、その後の期間は買主が瑕疵を見つけた場合の補修費用を保証するものです。
不動産会社が用意っする保証サービスでは、支払われる限度額は200万円から500万円程度になることが一般的です。

3.3 近隣住民に不動産を購入してもらうケース

不動産を売却する時に、近所の人に購入してもらえれば瑕疵担保責任を負う可能性を下げれる可能性があります。
これは周辺の住民なら環境的瑕疵や心理的瑕疵については理解していることが多いためです。
また、近所の人なら道路や周辺の開発や整備状況に関しても、すでに理解していることがほとんどでしょう。

全くその地域に馴染みのない人に売却するよりも、その地域を理解した人に売却するほうが瑕疵担保責任が発生する可能性は下げることができます。

4. 瑕疵担保責任の注意点とポイント

瑕疵担保責任の注意点
瑕疵担保責任のリスクを減らすには、正しく理解して備えることが大切です。また、現状有姿での引き渡しでも注意が必要です。

4.1 契約上の取り決めががなくても責任が発生する

瑕疵担保責任は不動産の取引において、民法上に定められているものです。
そのため、契約時に取り決めをしていなくても、一年以内であれば自動的に責任を負うことになります。
個人間の売買では、責任を負う期間は正確には定められていないため、契約の際に瑕疵担保責任をどのように取り決めるのか相談しましょう。

4.2 売主に有利な内容に修正することもできる

民法上は瑕疵担保責任は1年間となっています。
しかし、個人間での売買の場合には、売主買主同意のもと、期間や保証の範囲などを決めることができます。これを「契約自由の原則」と言います。
「契約自由の原則」では、売主買主間で契約内容を自由に決められるというものです。
そのため、合意が得られるのであれば、瑕疵担保責任の期間を短縮したり、免責にすることもできます。
ただし、瑕疵担保責任を免責にすることを理由に、大幅な値下げを要求されることもあるので注意が必要です。

4.3 現状有姿は瑕疵担保責任の免責ではない

不動産の広告やチラシを見ていると、「現状有姿で引き渡し」と表示されているものを見かけます。
これは、現状のままでの不動産の引き渡しを意味します。
これは、契約から引き渡しまでの間に不動産に変化があってもそのままでの引き渡しできるということです。
ただし、この「現状有姿」は、瑕疵担保責任が免責されるわけではありません。
現状での引き渡しにはなりますが、その後、瑕疵が見つかれば期間内であれば特約がない限り責任を負うことになります。
そのため、「現状有姿での引き渡し」と表示しての売却の際にも、売買契約書には瑕疵担保責任の期間や範囲を明記することが重要です。

4.4 不動産売却の交渉材料にできる

売主も故意に瑕疵を隠して売却するわけではありません。
売主にとっても瑕疵がないことがベストの状況です。
しかし、瑕疵は起こる時期などもわかりませんし、どのような瑕疵が起こるかもわかりません。
そのため、瑕疵が見つかった場合の補修費用もどれだけかかるかを想像できないことがほとんどでしょう。
大きな支払いのリスクを避けるためにも、瑕疵担保責任を免責にできるとその後の瑕疵の心配をすることなくストレスを減らせます。
瑕疵担保責任を免責にしたい場合には、売却価格を値引きすることで受け入れてもらえる場合があります。
売却額より、売却後のストレスを軽減したいのであれば、瑕疵担保責任の免責と引き換えに値引きを提案するのも手です。

5. 不動産売却を進める際はまず一括査定サイトを利用しよう

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近頃ではネット上に多くの不動産の一括査定サイトが存在し、気になる人も多いのではないでしょうか。
不動産の一括査定サイトは、売却の際に不動産会社を選ぶ時や、所有している不動産の価値を知りたい時に利用できるサイトです。
不動産の売却を行う時には、売却を有利に進めるためにも所有している不動産の相場価格の把握が欠かせません。
相場価格を把握するには、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額を比較すると予測できます。
一括査定サイトを利用すると、数分の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができます。
自宅から時間も手間もかからず依頼できるので、売却時には多くの人が利用している方法です。
そして、一括査定サイトなら所有する不動産の売却に適した不動産会社をピックアップしてもらえます。
選ばれた不動産会社は、厳しい審査を通った不動産会社が登録されているので、トラブルに巻き込まれる可能性も低くなります。
不動産の売却時には所有している不動産に合った不動産会社を選ぶことで、高値での売却につなげられるのですが、不動産会社を見極めるのは素人の人にはなかなか難しいことです。
それも一括査定サイトなら自動的に行ってもらえます。
そして、相場価格を把握することで適切な販売価格を設定できるため、早期売却につなげられ長期間に渡って買主が見つからず、値下げをし続けるという事態も避けることができるでしょう。
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6. 瑕疵担保責任の内容はよく理解して売却後のトラブルを回避しよう

瑕疵担保責任を理解して不動産売却を
瑕疵担保責任は売主にとって大きな負担になる場合があります。
そのため、出来る限り負担を減らすためには、事前に対策することが重要です。
瑕疵担保責任とはどのような時に発生するのかや、どうすればリスクを減らすことができるかを正しく理解しておくことが大切です。
ここでの瑕疵担保責任に対する知識を活かし、不動産を売却する際には細心の注意を払って備えましょう。