空き家を所有して放置するリスクは? 空き家問題の現状と対策

日本全国で「空き家問題」として、放置された空き家のリスクを耳にするようになりました。
人口減少が進み、世帯減少時代に突入し、空き家の数はどんどん増えて社会問題化しています。
2018年の総務省による住宅・土地統計調査(総務省統計局)では、空き家は848万9千戸と3.6%の増加、また空き家率は過去最高の13.6%と発表され、空き家の増加によるトラブルは増えています。(総務省統計局平成30年住宅・土地統計調査)

実際に、両親の家を相続して所有したものの、空き家として放置しており、トラブルの起こるリスクがないか悩まれている方もいらっしゃるでしょう。
また、2015年に施行された「空き家対策特別措置法」から固定資産税が上がるリスクなどを知り、他に考えられるリスクや適切な対策はないか考えているかと思います。

今回は、空き家の具体的なリスクと対策、またそれを踏まえた活用方法について考えていきましょう。

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空き家の放置による6つのリスク

空き家を所有して放置した際のリスクを見ていきましょう。
空き家も適切に管理すれば通常の住居と大差ありませんが、放置した途端に問題が生じやすくなります。
この点が、空き家のリスクとして注意しなくてはいけない点です。

まず空き家問題として捉えられている、空き家によるリスクを確認していきましょう。
国土交通省の「空き家の現状と課題」では、下に挙げるような問題が挙げられています。

空き家の放置により発生するリスクのある問題
  • 防災性の低下(倒壊、崩壊、屋根・外壁の落下、火災発生の恐れ)
  • 防犯性の低下(犯罪の誘発)
  • ゴミの不法投棄
  • 衛生の悪化・悪臭の発生(蚊、蠅、ねずみ、野良猫の発生、集中)
  • 風景景観の悪化
  • 樹枝の越境、雑草の繁茂(樹枝の越境、雑草の繁茂、落ち葉の飛散など)

空き家に関する問題をイメージできましたら、上記以外のリスクも含めて代表的な空き家リスクを具体的に見ていきましょう。

【リスク①】空き家の破損や倒壊など防災リスク

放置しなくても家は老朽化していきますが、放置するとさらに傷みやすくなります。
その理由は、採光・換気がされないことによる湿気と、痛みに気づけず進行前に修繕する意思が働かないためです。

人が住まず、管理もされていない空き家は想像を超えるスピードで劣化していきます。
近年増加する空き家に多い木造の家は特にそうですが、それ以外の家でも劣化のスピードは速いものです。

劣化が進んだ家では、内装や外装、屋根などが破損したり、酷い場合には災害に併せて倒壊したりする可能性もあります。
家だけでなく、塀や草木などにも倒壊リスクはあるでしょう。

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【リスク②】空き家を犯罪に使われてしまう

誰も使っていない家は犯罪者の温床になったり、不法侵入されてそのまま不法侵入者が居座ったりしてしまう可能性が考えられます。
家が不法利用されたり、家の中が荒らされたりするリスクに加え、犯罪に巻き込まれる可能性もあり大きなリスクとなるでしょう。

【リスク③】害虫や害獣の発生など近隣トラブル

犯罪リスクに加え、害虫や害獣の発生、ゴミの散乱、木や草が伸びて隣家との境界線を超えてしまうなど、近隣の住人とトラブルになる可能性は常にあります。
何かトラブルが発生し、「嫌な思いをする」程度で済めばまだマシな方です。
空き家の所有者には、空き家を適切に管理する義務があり、放置してそれを怠り第三者に損害を与えてしまった場合、損害賠償請求を受けることもあります。
損害賠償となれば、金銭的な支出を大きく伴う可能性がある点に加え、裁判による消耗や近隣からの目も気になることでしょう。
空き家の放置は、常に近隣トラブルに繋がるリスクの火種を持っていると意識することは大事です。

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【リスク④】資産価値が下がってしまう

今の時代において、再開発地域や人気のブランドマンションなど余程の事情がなければ、家の市場価値が維持されるとは考えられません。
空き家であるかどうかに関係なく、築年数が増すごとに家の資産価値は徐々に下がっていきます

それだけではなく、放置された空き家が周辺に悪影響を与えるレベルに達すると、周辺物件も価値の下落を招き、同時に土地も価値を下げるでしょう。
荒れてしまった家や土地は、元に戻すリフォームやリノベーション費用、また解体費用込みで取引されるのが一般的で、売る側にとって常にマイナスです。

また、マンションは戸建てよりも資産価値の下落が鈍く、部屋単位での老朽化も考えにくいものですが、空き家が増えすぎると管理組合の意思決定に支障をきたします。
それにより修繕等の対策ができずにスラム化して、資産価値を大きく下げてしまう懸念もあります。

 

【リスク⑤】特定空き家や更地は固定資産税が高くなる

更地と比較して、空き家でも家付きの土地は、固定資産税が最大1/6になる制度があります。
この制度により、たとえ住んでいない家でも解体するより残しておいた方が節税の観点で得、と広まりました。

ですが、2014年に制定された空き家対策特別措置法により、空き家が「特定空き家等」に指定されてしまうと、その段階で税金の優遇が効かなくなってしまうことになりました。
空き家が「特定空き家等」に指定された場合、固定資産税の優遇措置がなくなり、税率が最大6倍に変化するため注意が必要です。

空き家と固定資産税の詳細は、以下の記事で更に詳しく解説しています。

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【リスク⑥】損害賠償など損失のみで利益にならない

空き家を所有して放置していると、ただ劣化して周辺環境に危害を加え損害賠償となるなど上記のリスクが膨らんでいるだけでなく、何の利益にもならないリスクもあります。
上手に活用することで収益となり、税金を払う可能性はありつつもプラスの財産となる可能性を捨ててしまっている点も考慮が必要です。
利益にならない空き家を所有し続けることは大きなリスクですので、そのリスクへの対策や、それを踏まえて活用方法を考えていきましょう。

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空き家リスクへ3つの対策

家の劣化などを防ぎ、特定空き家と判断されず、空き家リスクを問題化させないための有効な対策はどのようなものでしょうか。

具体的な対策としては、以下の3点が有効だと考えられます。

空き家リスクへ3つの対策
  • 空き家を管理する
  • 空き家を活用する
  • 空き家を売却する

これら対策をひとつずつ見ていきましょう。

空き家を管理する

空き家に関するリスクや問題は、主に空き家が利用されていないことから生じています。
同じ家でも、普段から人の住んでいる家では起こりにく問題が多くなっています。

一方で、空き家の持ち主には別の家があるなど、住居として使っていないからこそ空き家になっている背景もあります。
住むことは難しい空き家を劣化させたくない場合は、適切に管理することが重要です。
定期的な住宅設備の挙動確認など点検や通水、風通し(通風)など自分で行う方法もありますが、維持管理費がかかってきます。以下から、維持費用がどのくらいかかるか確認してみると良いでしょう。

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空き家の相場を知りたい

また、維持管理費用がかかってきますが、管理サービスを提供している会社に依頼することも有効でしょう。
月額数千円~1万円程度で空き家を管理してもらえ、サービスによって通常レポートはもちろん、動画レポートで報告を受けることも可能です。空き家を放置した場合の損害リスクを考えれば、十分支払う価値のある金額と言えるでしょう。

空き家の管理を具体的に検討したい場合は、管理サービスを行っている会社を比較していますのでご覧いただければと思います。

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空き家を活用する

家に住むのは、自分だけでなくても構いません。
一般的な賃貸や民泊として他の人に貸したり、公共用途に活用したり、家を他の人に利用してもらいリスクを抑える方法もあります。

空き家を活用する魅力は、何と言っても「リスクの高いマイナス資産」だったはずの空き家が、収益を生む資産に変わることです。
他社にとっても魅力的な空き家を所有している場合には、空き家の活用も検討しましょう。
具体的な空き家を活用するメリット・デメリットや、どのような人に向いているかは以下のコラムをご確認いただければと思います。

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空き家を売却する

どうしても空き家を手放したくない理由がなく、所有して放置しているだけで活用しないのであれば、売却を検討することも有効です。
基本的に家は、家は基本的に時間が経つほど資産価値が下がっていき、さらに空き家の状態であれば更に劣化が進むため、資産価値の下落が大きくなる傾向にあります。
また、保有すればするほど支払う固定資産税額の累積も大きくなりますので、使用しない空き家は売れる見込みのある時点での売却がおすすめです。

売る前に相場が知りたい方は、以下で相場をご確認いただければと思います。

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空き家の相場を知りたい

ですが、あくまでも相場でしかなく、立地条件や周辺状況によっては相場よりも高くなる可能性もあります。
また、ポイントを押さえておけば高値で売却することも可能です。

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相場を知って高値で売却するポイントを押さえても、実際にいくらなのかは査定をしないとわかりません。
すぐに売るわけではなくても、売却したらいくらになるのか見積もりを得るだけでも今後の判断の手助けになります。一括査定を利用して見積もりを出してもらうのに費用はかかりませんので、まずは一括査定を利用して空き家を査定してみましょう。

HOME4U運営会社株式会社NTTデータ・スマートソーシング
運営開始時期2001年11月
対象エリア全国
累計利用者数700万人
提携会社数1,300社
同時依頼社数6社

売却を検討するなら早期に動くことが正解です。
家を売る具体的な流れや、高値売却のポイントは以下の記事をご参照ください。

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空き家リスクを対策する活用方法

空き家リスクの対策は、管理する・活用する・売却するの3つであることをご紹介しました。
ここでは、空き家リスクを抑えるために活用する方法をご説明します。

賃貸併用住宅や二世帯住宅へ建て替える

例えば、父が亡くなり母とマイホームで一緒に住むことになり、一先ず空き家を相続した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合には、空き家を賃貸併用住宅や二世帯住宅へ建て替える方法があります。
賃貸併用住宅に建て替えると、住居としてそこで生活しながら、賃貸物件として貸し出して収入を得られます。
二世帯住宅に建て替えると、母が生きているうちは母と自分の家族で、子どもが所帯を持つと自分たち夫婦と子ども世帯で住むことが可能です。
このように将来を見通して建て替えると、空き家をうまく活用できます。
建て替えの前には解体が必要な場合もありますので、以下で見積もりしておくと良いでしょう。

空き家を所有して別荘にする

田舎や避暑地、豪雪地帯に空き家がある場合は、あえて所有して別荘にする活用方法もあります。
羽を伸ばすための宿泊施設にしたり、スキーやスノボーなどウインタースポーツを楽しむ拠点にしたり、さらに親戚と共同で使えるようにすると便利かもしれません。
家は使用することで劣化を防げますので、1年に何度か使用すると良いでしょう。

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空き家を賃貸にする

空き家は賃貸物件にして貸し出すことで、放置して固定資産税を払い続けるマイナス資産ではなく、収益を生むプラス資産になります。
賃貸にする前には、賃貸物件としてどのくらい価値があるのか、相場や収益の見込みを知っておくことが重要です。
どのくらいの収益となるのか、査定をしてもらい確認しておきましょう。その際の査定には費用がかかりません。空き家にどのくらいの資産価値があるのか、ひとまず査定額を知りたいだけでも相談してみることをおすすめします。

 

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空き家をホテルやカフェにする

リフォームやリノベーションなどで手を入れて、空き家をホテルなどの民泊施設にしたり、カフェなどの商業施設にする方法もあります。
巷で有名な古民家カフェのように、空き家となった古民家をリノベーションすることで、外国人旅行客に大人気な古民家カフェに生まれ変わったケースも見てきました。
また、古民家バーのように趣のあるお店や、アーティストの個展を開ける施設として活用する方法も有効です。

もちろん、近年話題となっている民泊施設としてリフォームするのもおすすめします。
実際に、1階はカフェ&バーでアーティストとコラボして期間限定の個展を開きつつ、2階以上はカプセルホテルのような民泊施設として収益を上げている施設もあります。
改修工事に300万~上手く活用することで、空き家を活用して収益を生み出すことも可能です。

空き家のリフォームやリノベーションをお考えの場合には、1度いくら費用がかかるのか見積もりを出しておくことをおすすめします。思ったよりも費用がかかる場合もありますので、まずは無料で見積もりを出してもらい、金額を確認してからどのように空き家を活用するか考えると良いでしょう。

空き家を解体して土地活用する

空き家を解体して一旦更地にした上で、収益を生む土地にして土地活用する方法もあります。
思い出のある家でどうしても解体したくないなどの場合には、収益を生むとわかっていても、解体して更地にすることに心理的ハードルはあるかもしれません。
解体するにしてもそれなりに費用もかかりますので、空き家の解体費用を以下から査定してもらい、見積もりを確認してから考えると良いでしょう。

今回はおすすめの方法を3つご説明しますが、より詳しく他の方法を知りたい場合には以下をご覧いただければと思います。

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・太陽光発電

広く日当たりの良い土地に限られますが、ソーラーパネルを設置して太陽光発電とする方法もあります。
太陽光発電による電気は電力会社に送電して収益を生みますし、自然エネルギーによる電気でエコにも繋がります。
土地活用としておすすめしましたが、自宅に設置することも可能です。
実際に、知り合いが相続した家に太陽光発電を設置し、電気代を浮かせていましたし、他に供給して「太陽光発電で街の人の生活に貢献している」とも言っていました。
初期費用はかかるものの、収益を生みつつ町にも貢献でき、さらにエコにも貢献できますのでおすすめです。

・駐車場経営

更地のまま活用できる方法として、駐車場経営として月極駐車場とコインパーキングの2つの方法があります。
駐車できるように土地を整備し、コインパーキングの設備を設置するくらいの準備で済みますので、簡単に始められるでしょう。
ただし、住宅街のど真ん中にある土地や変形した土地の場合、駐車場にできない可能性もあります。
また、舗装の行き届いた土地で初期費用0円、アスファルト舗装を施せば4~5,000円/㎡と費用がかかる点には注意が必要です。

・コインランドリー経営

コインランドリー経営は比較的に固定費がかかるため、少し心理的ハードルは高いかもしれません。
初期費用として約3,500万円ほど必要となりますが、場所をしっかり選んで利用客のことを考えた店舗作りを意識したら、初期投資を超える収入を得られるでしょう。

適した土地の活用方法は、土地がどのような場所にどれくらいあり、どのような状況であるかによって異なってきます。具体的に土地をどのように活用できるか、最大限に活用するとどのくらいの収益を生み出せるか、大手企業から無料でプランを出してもらって比較してみるのも良いでしょう。下のリンクから土地の情報を1分入力するだけで、土地活用プランを無料で提案してもらえます。土地の活用をお考えであれば、まずはプランを取り寄せることをおすすめします。

 

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空き家を解体して土地を賃貸にする

築年数がかなり経過している空き家は、そのまま売却することも難しければ、リフォームやリノベーションするより新しく建てた方が安く済む場合もあります。
ですが、また戸建てやマンションを建てるのも費用がかかるものです。
そのような場合には、空き家を解体して更地にした後、賃貸にする方法もあります。
賃貸を検討する場合には、まずは一括査定でいくらになるのか見積もりを出してもらい、金額を見て考えると良いでしょう。

また「等価交換」といって、土地を所有したまま、ディベロッパーなどの業者が建設費を負担して建物を建て、土地と建物の出資比率で所有する方法もあります。
比較的リスクを負わなくて済みますが、収益は自分で建設したときよりも少なくなりますのでよく検討しましょう。

収益を生むことを目的とした空き家の活用方法については、以下でメリットデメリットや成功・失敗事例をまとめていますのでご確認ください。

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空き家問題の自治体による対策と補助金

冒頭で触れたとおり空き家問題は深刻化しており、市町村単位で進められてきた空き家対策は、これからの人口減少時代を踏まえ重要な国策となりました。
そのため、国は空き家対策特別措置法などの法整備を進めて、市町村の空き家対策を支援しています。
現状でどのような対策が行われているのか、確認してみましょう。

空き家対策特別措置法による特例適用の除外と強制解体

空き家対策特別措置法の施行により、周辺に悪影響を及ぼしている、またはそのおそれがある危険な空き家は「特定空き家」と認定されて措置の対象になります。
具体的な措置の内容は段階的で、次のような流れで進みます。

  1. 市町村から改善のための助言・指導
  2. 改善がなければ勧告され固定資産税の特例適用除外
  3. 改善勧告に従わなければ改善命令
  4. 改善命令にも従わなければ代執行により強制対処

まず、市町村から助言・指導が入る時点で、もはや猶予がないことを告知されたのも同然ですから、速やかに改善を施して悪影響を取り除かなくてはなりません。
そして、助言・指導で改善されない場合は、改善勧告を受けます。

改善勧告は、同時に土地の固定資産税・都市計画税が上がるペナルティを伴います。
住宅の敷地は、固定資産税が最大で1/6、都市計画税が最大で1/3に軽減されますが、勧告によって軽減の対象から外れ税額が3倍~4倍程度に上がります。

それでも改善されない場合は改善命令が発令され、命令も無視すると市町村が代わりに改善を施す代執行によって、強制的に悪影響の要因が取り除かれます。
解体することでしか改善できない空き家では、所有者負担で強制解体となります。

空き家バンク

空き家バンクとは、市町村や市町村に委託されたNPO法人等が、登録された地域の空き家情報を提供することで、空き家の利用者とのマッチングを行うサイトです。
全国の約7割の市町村が、空き家対策の一環として空き家バンクを開設しています。

売買・賃貸をあっ旋する仕組みとしては有用ですが、運営主体が市町村単位であることから仕様が統一されておらず、全国規模での情報検索に難がありました。
利用者側の手間が大きいことは、空き家バンクの活用意欲を低下させ、実際に空き家バンクは期待されたほどの成果を上げていません。

この状況を見て、国土交通省の国土審議会は空き家バンクの物件情報を一元化し、標準システムを整備するよう政策提言をしました。
それにより予算を割いて2017年度からモデル事業が開始され、不動産ポータルサイトとして運用実績のあるLIFULL(ホームズ)とアットホームがモデル事業に参加し、試行運用のサイトも既にオープンしています。

LIFULL HOME’Sのサイト
アットホームのサイト

こうした動きは、空き家対策にITを取り入れ、増えすぎた空き家の利活用を促進させるもので、空き家対策が重要な課題であることを示していますが、2018年1月12日時点で、1/4程度の自治体しか全国版空き家バンクへの参加を表明していません。
完全な意味での「全国版」は、まだまだこれからの段階です。

空き家の除却や解体に対する補助金

空き家の解体には、建てるほどではありませんが、それなりに大きな費用がかかります。
自治体によっては、この解体費用の補助金を負担しています。

条件として、空き家であることに加えて築年数が古かったり、耐震強度が弱かったりを認めてもらう必要があります。

一部の解体費用を支給されるケースが多くなっていますが、費用が多額になるため数十万円単位の補助金となることもあります。
解体を考えている場合は、まずは解体費用の見積もりを出してもらい、金額や適用条件などを必ず確認しましょう。

空き家のリフォーム(改修)に対する補助金 解体やリフォーム補助金

市町村にとって空き家の存在は、地域の衰退と住民税の減収に結び付きます。
人が住んでくれれば最良ですが、建て替えや解体が行われるだけでも経済効果を生み出し、空き家対策のコスト低下として歓迎されている状況です。

そこで、多くの市町村が空き家に対する何らかの補助金制度を導入しており、空き家の所有者としては積極的に利用しやすくなっているでしょう。
一例として、次のような費用への補助金が多く見られます。

  • 解体費用
  • リフォーム費用
  • 家財の撤去費用
  • 管理費用

実際に、10万円以上のリフォーム費用がかかる場合、費用の半分まで最大50万円の補助金を支給している自治体もあります。
空き家に関わる補助金は、空き家バンクと結び付けている(空き家バンクへの登録を条件にしている)市町村もありますので、空き家バンクの利用と並行して考えたいところです。
空き家をリフォームすると具体的にいくらかかるか、無料で見積もりを出してもらってから、補助金を適用できないか相談してみることをおすすめします。

空き家のリスクは売却すると解決!

空き家のリスクと対策、また対策の中から活用方法についてご説明しました。
空き家問題についてもっと詳しく知りたい方は、以下をご覧いただければと思います。

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そのまま空き家を持っていても出費しかなく、さらに資産価値を落とし続けるという二重の損失があります。
最もリスクが増大するのは、対策も何もしないまま空き家を放置し続けることです。
空き家対策特別措置法で行政の介入が許されるようになった今、空き家の所有者は真剣に空き家リスクへの対策や活用を考えなくてはなりません。

思い入れの強い空き家は、手放すことに抵抗はあるかもしれませんが、経済的に余裕のある人を除くと、やがてお荷物になってしまうのは目に見えています。

管理する場合はしっかりと管理する、そうでない場合は売却するのか、活用するのかを明確にして早め早めに行動しましょう。
売却するにしても活用するにしても、空き家にどのくらいの価値があるのか、一括査定で確認しておくことはおすすめです。

HOME'S運営会社株式会社LIFULL
運営開始時期2014年
対象エリア全国
累計利用者数612万人
提携会社数約1,700社
同時依頼社数6社