土地売却に地盤調査は必要なのか、調査方法やメリットを解説

地盤調査は土地に建物を建てる際に安全性を確保するための調査です。
調査は一般の戸建ての住居を建てる場合に行われるものマンションやビルなどの規模の大きな建物の場合に行われるもので違いがあります。
また、土地の売却前に地盤調査を行うことにはたくさんのメリットがあり、行うことでトラブルの回避にもつながります。
この記事では地盤調査の方法や地盤調査を行うメリットなどを解説しているため、土地売却の前に調査を行うかどうか検討する際の参考にして見てください。

1.土地売却時に地盤調査はしなくてはいけない?

土地売却時に地盤調査はしないとダメ?

地盤調査には費用もかかりますし、余計な手間が掛かると気が進まない人も多いでしょう。
地盤調査はいえを売却する際に必ず行わなくてはいけないものではありません。しかし、地盤調査を行うことで、買主から信頼を得られたりリスクを抑えることができる場合もあります。

1.1 売主の義務はないが実施が増えている

土地を購入する人は、家を建てて住むことを前提にしている人がほとんどです。
そのため、土地に瑕疵(かし)が見つかって、家を建てられなかったり、家を建ててから傾いたりしては、本来の目的である家を建てて住むということができなくなります。
家を建てる前には、その土地に埋設物がないか、建物を建てても大丈夫なだけのしっかりとした地盤であるか、土壌が汚染されていないか、液状化のリスクはないかなどの調査が行われます。
そして、この地盤調査は買主が購入後に行うことが通例でした。
しかし、平成22年契約の際に土地改良が必要だということは伝えた際の説明が曖昧な説明だったため、買主が購入後に必要になったとして土地改良費を売主に請求する裁判が行われました。
判決では買主が勝訴し、売主が土地改良費を負担することとなりました。この判決結果により、地盤調査は売主がすべきものという風潮ができたのです。
家を建てるための土地は、家を建てることを目的として売っています。
そして、土地は売られている状態で家が建てられることがベストの状態です。
そのため、以前は買主が行っていた地盤調査も、最近では法的に義務はありませんが売主が事前に行うことが増えてきています。

1.2 売却後の欠陥発覚を防ぐ

土地の売却前に地盤調査を行う義務は売主にはありません。しかし以下のような理由で売却前に調査を行う人が多くなっています。
売主には、売却した物件に対して引き渡しから1年間は瑕疵担保責任が発生します。
これは、引き渡し後に買主が気が付かなかった隠れた土地・建物に関する欠陥が発見された時に、その修繕や土地改良のための費用を売主が負担することを保証したものです。
土地に関する瑕疵(かし)には、土壌汚染や地盤沈下、軟弱地盤、地中埋設物などがあたります。
これらが引き渡し後、建築前の調査段階で発見された時には、土地改良及び撤去等の費用を売主に請求できます。
そして、それでも家を建てられないような状態の場合には、契約の解除を行うことができます。
土地改良に関わる費用は高額になるケースが多く、数百万円にも及ぶ場合があります。
そのため、瑕疵担保責任を負うくらいなら、事前に地盤調査を行って値引きして瑕疵担保責任を免責にするか、事前に土地改良を行うということも考えられます。

2.土地売却時の地盤調査をするメリット

地盤調査のメリットとは

売主が事前に調査を行わなくても、買主は家を建てる前には必ず地盤の調査を行います。
建物の安全性を確保するためには必要な調査です。
では、事前に売主が調査を行うメリットとは何でしょうか。

2.1 地盤に問題なければ瑕疵の免責交渉ができる

地盤調査は必ず売却前に行わないといけないわけではありません。
しかし、購入希望者の立場で考えると、地盤調査を済ませている土地なら安心して購入することができます。
地盤調査で問題がなければ、調査結果を見せて瑕疵担保責任を免責にする交渉材料にもなります
そして、もし問題があった場合でも、事前に対処することができて引き渡し後のトラブルを回避できます。
ただし、この瑕疵担保責任の免責は、全てにおいて免責されるわけではありません。地盤調査でわかった内容に対して免責になるので、注意してください。

2.2 高額売却が期待できる

土地の中にある隠れた瑕疵は、土地を見ただけではわかりません。
そのため、事前に地盤調査が行われている土地だと余計な不安を抱えずに購入できます。
そして、盤調査済みとして土地を売り出せば、地盤調査を行っていない土地に比べて調査済みの信頼できる土地として地高値売却が期待できます。
本来ならば、地盤調査は売主にとっては不利になる状況に置かれかねません、しかし、あえて地盤調査を先に行うことで購入希望者からの信頼を得ることができ、早期売却へとつなげることもできます。

2.3 結果的に費用面で安く済む場合がある

地盤調査の費用は、建てる建物や地盤の状態にもよりますが、およそ5万円から25万円程度です。この価格の幅については後で詳しく解説します。
一般的な戸建てを建てるための土地あれば、5万円程度になることが多いようです。
土地に関わる瑕疵担保責任を負うトラブルは多く発生しており、裁判になることも少なくありません。
そして、判例を見てみると、土地改良の費用だけでなく、慰謝料やその間の家賃、慰謝料、弁護士費用までも売主が負担する判決がでることもあります。
そのため、このようなトラブルが発生して高額の負担を強いられるよりも、先ほども説明した通り、事前に地盤調査を行い適切な対処をする方が、負担を少なくできる場合もあります。

3.土地の地盤調査の方法とかかる費用

地盤調査の方法と費用
地盤調査の方法にはいくつかあり、一般的な住宅用の土地の調査であれば、スウェーデン式サウンディング試験が行われています。

調査方法費用の目安期間の目安調べられる深さ
スウェーデン式サウンディング試験5~6万円半日地下10mまで
ボーリング調査20~25万円2週間10m以上も可
表面波探査法10万円半日~1日浅い地層のみ
平板載荷試験15万円1日金属板の大きさによる

3.1 一般的なスウェーデン式サウンディング調査

一般的な戸建てを建てるための土地の地盤調査では、スウェーデン式サウンディング調査を行います。
この調査は、ドリル状の先端部分が付いた鉄の棒に錘をつけて、回転させながらどれくらいの重さや回転数で地中に沈むかで、地盤の状態を調べる方法です。
持ち運びできる手動で行うものから、自動で行えるものもありますが、狭いスペースでも行えるのが特徴です。そのため、家が建っている状態でも調査ができます。
調査の時には、敷地の中で5カ所ほど選び調査します。通常、一カ所の調査の所要時間は30分程度なので半日もあれば調査は終わります。
ただし、土壌のサンプルを採取することができないので、液状化のリスクを調べることはできません。
また、地中にコンクリート片のような硬いものがある場合には、調査が行えない場合もあります。
費用は5万円から6万円程度が目安です。

3.2 マンションなどの建築時はボーリング調査

マンションや大きなビル等鉄骨造や鉄筋コンクリート造の3階以上の建物を建てる時には、ボーリング調査が適しています。
サンプラーと呼ばれる棒をハンマーを落下させて、何回で30cm沈むかを測定して地盤の状態を調べる調査方法です。
土や石のサンプルを採取したり、地下の水位も想定できるため多くの情報から地盤の状態を把握することができます。
そして、過去から現在までのデータの蓄積量も多いため、精度の高い結果を得ることができます。
しかし、大型の機械を使用するため調査にはスペースの確保が必要です。また、現地での調査後報告書が上がるまで、約2週間かかります。費用も他の調査に比べて高額で、25万円から30万円ほどかかります。
そして、掘削する深さが深くなるほど費用も上がります。
この調査方法は、費用も高額で時間もかかるため、木造住宅のような一般的な戸建ての建設の際には、あまり利用されません。

3.3 その他に補助的な調査の方法

スウェーデン式サウンディング調査とともに下記の調査方法も用いることがあります。

表面波探査法

人工的に地表から地中に向かって波を起こしてその波の伝わるスピードで地盤の強度を測る調査方法です。敷地内の5カ所程度を測定し調査を行います。ただ、深度が深くなると波が伝わりにくくなるため、浅い部分のみの調査となります。
調査は半日くらいですみ、費用は約8万円から12万円です。

平板載荷試験

建てる建物によって、その重さやサイズは変わります。そして、その大きさや重さによって、土地の必要な強度も変わってきます。
この調査では、建てる住宅の必要な強度を計算し、その強度が土地にあるかを調べます。金属の板を基礎になる部分の深さに埋め込み、建物と同じ重量をかけて強度が足りるかどうかをチェックするものです。
調査はだいたい1日で終わり、費用は一カ所につき15万円程度です。

4. 地盤調査の結果は隠してはいけない

地盤調査の結果はどうする
地盤調査の結果を売却時に隠すと、その後、訴訟問題に発展しトラブルを大きくする可能性があります。誠実さをアピールするためにも、全て内容を伝えてできる限りトラブルを回避しましょう。

4.1 調査結果は隠さずに伝える

売却前に地盤調査を行えば、調査結果次第では土地改良等が必要になる場合があります。
この場合、費用の負担は売主の負担となります。土地改良は場合によっては高額になるケースもあり、負担が大きくなることもあります。
しかし、地盤調査を行わずに売却してその後、土地改良が必要な瑕疵が見つかればその費用を請求されることになります。
そして、地盤調査を行って、土地改良が必要なのを知っていたのに、それを買主に告げずに売却すると、瑕疵担保責任の免責の特約を付けていても、隠していたことに関しては免責されません。
そのため、地盤調査を行った時には、その調査結果を買主に隠さずに伝えることでトラブルの回避にもつなげられます。

4.2 調査結果は不動産会社と相談して買主に伝える

土地の売却では、地盤調査を行うことで後の瑕疵担保責任を負う確率を減らし、トラブルを避けることにもつながります。
そして、地盤調査を行っていると、それを理由に価格や瑕疵担保責任についても交渉が行えます。
そして、地盤調査の結果、不具合が見つかった場合には買主に細かい部分まで説明する必要があります。
しかし、土地の不具合があることを伝えるタイミングはとても重要で、瑕疵があることを物件情報として登録してしまうと、購入を避けられる可能性があります。
そのため、不具合が見つかった場合には、不動産会社にいつ、どのようにして購入希望者に伝えればよいかを相談しましょう。
このような購入者とのトラブルに発展する状況の時に、柔軟に対応し、親身になって考えてくれる不動産会社を選んでおきましょう。
一括査定を利用すれば、土地の売却に適した不動産会社を簡単に見つけることができます。
そして、いくつかの不動産会社の査定を見ながら比較し、担当者と話すことで、その担当者との相性や売却手腕を確認して不動産会社を選ぶとよいでしょう。
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5.土地売却の前に地盤調査をしよう

土地を売却する際に地盤調査をしよう
地盤調査は土地売却前に必ず行わなければいけないわけではありません。
しかし、地盤調査を事前に行うメリットは多く、結果的には売主にも有利に働き、買主も安心感を得られます。
少しの費用負担をして地盤調査を行えば、その後のリスクを回避することもできますし、売却後に余計なストレスを感じることもありません。
そして、スムーズな売却にもつながり、高値で売却できる可能性も上がります。土地の売却を検討しているのであれば、地盤調査についても検討してみましょう。