空き家の相場とは?維持費や費用を確認して売却や活用を検討しよう

空き家の相場を知りたい

少子高齢化が顕著になった現代、後継者不足による空き家問題が全国各地で深刻化しています。相続などで空き家を譲り受けた場合、所有者が遠方に居住しているなどの理由で放置されがちです。

このような状況を受けて、国土交通省は空家等対策の推進に関する特別措置法を施行し、各自治体でも空き家バンクの運営やリフォームする際の補助金制度を設けるなど、さまざまな対策に乗り出しています。この制度では空き家を放置した所有者に対する罰則を設けているので注意が必要です。

また、空き家は不動産であるため、所有者に対して毎年固定資産税が課せられます。空き家を所有しているだけでも固定資産税や維持管理費が必要なのにも関わらず、空き家を放置して行政からの勧告を無視した場合、固定資産税が増額されるリスクが潜んでいます。

ここでは、空き家に掛かる費用の相場を示し、売却する際のポイントについて解説していきます。

1.空き家を放置するデメリット

空き家を放置するデメリットとは
空き家問題は一部の地域に限った問題ではなく、全国各地で深刻化しています。その数は6,000戸を超えており、劣化した建物の倒壊やゴミの不法投棄といったさまざまなリスクが懸念されています。

空き家を放置すると近隣への悪影響があると共に、以下のようなデメリットがあります

1.1 傷んだ空き家は「特定空き家」に指定される恐れがある

住宅は誰も居住しないまま放置していると早く劣化してしまいます。劣化が早くなる原因としては、家が閉め切った状態になり、適切に換気が行われないために湿気がたまってしまい、カビが発生することなどが挙げられます。
さらに、空き家として放置するとやがて雑草が生い茂り、害虫や害獣の棲み家となる可能性があります。この他にも以下のようなリスクが潜んでいるため、放置するのは危険です。

  • 景観問題
  • 異臭トラブル
  • 不法投棄
  • 野良猫やカラスが集まりやすくなる
  • 建物の倒壊や崩壊         など
  •    

このように放置された空き家へのリスクが高いことに加えて、各自治体から指導や勧告を受ける可能性もあります。国が空き家対策に法を整備したことをきっかけとして、各自治体が空き家の所有者に対して段階的な措置を講じれるようにになりました。建物が倒壊する危険性が高い状態であったり、衛生上有害など一定の条件に該当する空き家の場合、特定空き家に指定されます。

各自治体の調査を受けた上で特定空き家に指定されると、まずは所有者に対する助言や指導が行われます。それでも改善が認められない場合は自治体から勧告を受け、建物が建っていることで優遇されていた固定資産税に対する「住宅用地の軽減措置特例」の適用外になってしまいます。

この罰則では固定資産税が更地と同じ税額を課せられることとなり、住宅用地の約6倍となってしまいます。各自治体からの勧告を無視した場合、最大50万円の罰金だけでなく、空き家の所有者に代わって自治体が必要に応じて空き家の解体や撤去といった行政代執行が講じられます

空き家を解体するのにかかった費用などは空き家の所有者に請求されますが、支払いを怠った場合には所有者の財産が差し押さえられる事態へと発展します。

1.2 空き家もお金がかかる

活用せずに放置された空き家でも、毎年のように固定資産税の支払い義務が発生します。さらに特定空き家に指定されないためには、雑草の処理などの維持管理費が掛かります。

空き家の管理を業者に依頼した場合に掛かる費用相場

所有している空き家が近くにある場合は、管理や維持に対してそれほど負担はないかもしれません。しかし、遠方で適切な管理が難しい場合、業者に管理を依頼すると月額で5,000円~1万円程度の費用が掛かります。

また、豪雪地帯では雪かきや雪寄せが必要になるため、オプションで3,000~5,000円程度の費用が掛かります。さらに冬季に水道の凍結を防ぐための水抜きには、2万円程度掛かります。

空き家に掛かる税金

不動産所有者には毎年固定資産税が課せられ、地域によっては同時に都市計画税も課せられます。税額は各自治体が定める不動産の価値課税標準をベースとして決められるため、毎年1月1日時点での不動産所有者に納税通知書が送付されます。

これらの税金は誰も居住していない不動産に対しても課せられるため、空き家も同様に支払わなくてはなりません。空き家のように住宅として利用することを目的とした建物が建っている土地の場合、固定資産税は最大6分の1、都市計画税は最大3分の1になる「住宅用地の軽減措置特例」が設けられています。

しかし、前述したように特定空き家に指定された上で勧告を無視した場合、税金の優遇措置から除外されるので気をつけましょう。

1.3 空き家を売却するのか活用するのか考えよう

空き家を活用しないまま放置していても、税金や維持管理費などのコストがかかります。

しかし、人に貸したり解体した上で更地として売却する上手に対処すれば、空き家は資産に変わります。人に貸す場合は契約期間中は利益を生み出し、売却する場合はまとまった金額を手に入れられます。放置した場合のコストを考慮して活用方法の検討をおすすめします。

ただし、空き家の状況や条件によって活用方法は変わってくるので、十分に考え空き家をどうするのか考えましょう。空き家を活用するなら、いくつか方法はあります。以下の記事に活用方法が記載されているので確認してください。

空き家の活用は貸して貸家とするか、売却して他の活用を考えるのが大半ですが、思い通りにいく物件ばかりではありません。そこで今回は、住居以外にした事例や自治体の取り組みも含めた、空き家活用の方法を紹介します。

2.空き家を解体する際に掛かる費用について

空き家の解体費用の相場
土地の活用方法は幅広いですが、建物が建った状態よりも更地にした方が買い手がつきやすい傾向にあります。しかし、建物を解体する際には決して安くない費用が掛かります。

2.1 解体の費用相場

建物を解体する際の費用は、以下の表で示すように坪数や構造によって異なります。

構造1坪30坪50坪
木造2.5~4万円85~110万円120~180万円
鉄骨造3~5万円70~120万円150~325万円
鉄筋コンクリート造3.5~6万円90~150万円175~350万円

このように木造よりも鉄筋コンクリート造の方が費用の相場が高く、どの構造でも50坪を超えると100万円以上の費用が掛かることがわかります。なお、解体費用は構造や坪数だけでなく、以下のような状況によって変動します。

  • 周辺の道路幅
  • 隣接する建物との距離
  • 解体方法
  • 付帯工事の有無
  • 廃棄物の種類 など

インターネット上には解体費用の見積もりを依頼できる一括見積もりサイトがあるため、複数社に依頼して費用を比較することをおすすめします。

なお、解体費用のより詳しい相場を知りたい場合は、以下の記事の見積もり事例を参考にしてみてください。

相続などで手に入った住宅は古い場合が多く、そのままで売れない場合は建物の解体を検討してくはいけません。 解体費用は解体したい家...

2.2 解体費用を抑えるには

建物を解体する際には、一般的な30坪の面積でも85~150万円程度の費用が掛かります。自治体によっては解体工事に掛かった費用を補助してくれる制度を設けている場合があります。補助金制度の適用条件や補助額は自治体によって異なるため、自治体の公式ホームページなどをチェックしてみましょう。

例えば秋田県秋田市の場合、対象となる工事費用のうち50万円を上限として半分を補助してくれます。
このように補助金制度を利用することで解体費用が抑えられますが、空き家に放置された家財道具などの不用品がある場合は追加で費用が掛かる場合があります。そのため、不用品はリサイクルショップに持ち込んだり大型ゴミとして処分するなど、解体前に各自で処分しておくと解体費用を抑えられます。

3.空き家のリフォームに掛かる費用について

空き家リフォームの相場
築年数が経過した空き家の場合、水まわりなどの各種設備が古く、不具合が生じている可能性があります。痛んだ箇所だけでもリフォームすれば、綺麗な印象に生まれ変わります。

3.1 リフォームの費用相場

空き家対策の一環として、自治体や各種団体による空き家バンクが運営されています。空き家バンクとは、空き家を活用したい所有者が登録し、利用希望者とのマッチングを図るためのサイトです。しかし、空き家バンクに登録しても、築年数が浅く見た目が綺麗な物件の方が需要は高いと言えるでしょう。
特に生活に欠かせない水回りは劣化しやすいため、リフォームすると水漏れなどの心配もなく印象アップに繋がります。リフォームに掛かる費用は場所によって異なり、以下のような相場となっています。

場所範囲・リフォーム方法費用の相場
キッチン全体100~150万円
風呂場全体100~150万円
トイレ全体50~100万円
床壁天井6畳天井+壁で10~15万円
屋根塗り変え+少しの補修100平方メートルにつき20~50万円
屋根ガルバリウム銅板の重ねぶき100~150万円
屋根瓦の葺き替え200万円

このように場所や範囲によってリフォーム費用は異なり、どこまでリフォームするかによって費用は変動します。

空き家の購入希望者の中には、お得に住宅を購入した上で自分好みにリフォームしたいと考える人も多いです。
また、リフォームには上記の表で示したように決して安くはない費用が掛かりますし、そのままリフォーム費用を売り出し価格に上乗せすることはできません。
さらにリフォームに費用を従って、積極的にリフォームする必要はないと言えるでしょう。

4.空き家の整理に掛かる費用について

空き家整理の費用の相場
近年では、遺品整理などを業者に依頼する人が増えています。空き家を解体したり売却する際には、できるだけ家財道具などを整理しておくと費用が抑えられる一方で、空き家の整理を業者に依頼した場合には費用が掛かります。

4.1 整理を業者に依頼した場合の費用相場

空き家の整理を業者に依頼した場合、以下の表で示すように空き家の所在地や間取りによって費用が異なります。

間取り費用の相場
1R3~8万円
1DK5~12万円
1LDK7~20万円
2DK9~25万円
2LDK12~30万円
3DK15~40万円
3LDK17~50万円
4LDK以上22万円~

部屋の数が増えるほど費用の相場は高くなります。また、回収する家財の量によって費用は変動しますが、まだ使用できるものは買い取ってくれる場合もあります。

4.2 整理に掛かる費用を抑えるには

部屋の数や回収する家財の量が多いと、空き家の整理に費用が掛かるのが現状です。しかし、以下のようなポイントを押さえておけば費用を抑えられます。

  • 回収してもらう家財の量をできるだけ減らす
  • まだ使用できる不用品は誰かに譲るか買い取ってもらう
  • オークションサイトに出品する など

不用品の状態によっては、まだ使用できるものもあります。このような場合、リサイクルショップなどに持ち込めば買い取ってもらえる可能性もあります。

一部のリサイクルショップでは宅配買取サービスを行っており、配送料を負担してくれる業者もあるので利用してみましょう。この他にも、便利なフリマアプリやインターネット上の広告掲示板に不要品を掲載できるサイトが登場しており、不用品の処理はしやすくなっています。

5.空き家はまず売却価格の相場を把握しておくことが大切

空き家売却の相場
空き家への需要が乏しいとは言っても、必ずしも売却額が低くなるとは限りません。空き家を放置していたり相続する可能性がある場合、まずは空き家の相場を知って売却を検討すると良いでしょう。

5.1 自分で相場価格を調べる方法

各自治体や各種団体が運営している空き家バンクでは、低価格で取引されているケースもあります。50万円以下という破格で売り出しているケースもあるため、高値での取り引きは難しいと考えがちです。住宅は土地と異なり、築年数に応じて価値が下がるのが一般的です。木造住宅の場合は、築20年を超えると価値がほとんどなくなると考えられています。

しかし、地価が高い地域や立地条件が良い場合、築年数が古くても高値で取り引きされる場合もあります。まずは以下のような方法で相場を調べてみましょう。

不動産サイトで検索

不動産ポータルサイトでは、売り出し中の物件が掲載されているケースがほとんどです。この中から自分が所有する物件と似た情報を検索すると、相場を調べられます。

土地総合情報システムの活用

土地総合情報システムとは国土交通省が運営するサイトで、過去に取引された不動産の取引価格を閲覧できます。不動産取引においては値引き交渉が頻繁に行われるため、売り出し価格と取引価格は一致しないケースがほとんどです。

このサイトでは、物件の売り出し価格ではなく実際に取引された価格が掲載されているため、自分が所有する物件と似た情報を得ることでより正確な相場を把握できます。

5.2 正確に知るには不動産会社の査定がおすすめ

空き家の大まかな売り出し価格や取引価格は、不動産ポータルサイトや土地総合情報システムを利用することで把握できます。しかし、正確な相場を知る方法としては、不動産会社による査定がおすすめです。

家の価格は立地、状態によって異なり、1つとして同じものはありません。よって、他の家の価格を見ても、大体の相場にしかならず正確性は欠いてしまいます。自身の家を査定してもらうことで、やっと正確な相場が分かります。

しかし、不動産会社1社にお願いしたのでは相場は分かりません。不動産会社の査定は国や一般的な情報と不動産会社の基準をかけ合わせて算出されます。そのため各社の査定額にはばらつきが出てしまうのです。
1社に絞らずに複数社に査定を依頼しましょう。

各社から提示された査定額を比較することで、正確性が高まります。このような場合、複数社に一括で査定を依頼できる一括査定サイトが便利です。
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6.空き家の対処は早めに行うことが大切

空き家の売却は早めに
築年数の古い空き家の場合、低価格でしか売却できないと諦めてしまいがちです。しかし、地価の高いエリアや立地条件が良ければ高値で売却できる可能性もあります。

また、空き家を放置していると特定空き家に指定されて固定資産税が増額になるなど、デメリットが多いのが現状です。そのため、できるだけ早い段階で駐車場経営といった活用方法の検討、売却の検討をおすすめします。