空き家問題の2020年最新状況は? 増加の原因と対策・解決策

空き家問題は都市部も含めた日本の大きな問題です。
空き家対策特別措置法が施行された後、初めて行政によって取り壊しが行われたのも、神奈川県横須賀市の空き家でした。

大きな原因は人口減少です。一方で新築の着工数は引き続き多く、空き家は増加し続けています。
世帯数の減少もいよいよこれから始まる中、問題はますます深刻になると見られています

その一方で国や自治体は対策を、民間企業は今後を見据えたサービスの提供を始めています。

もしあなたの親が持ち家やマンションを持ち、離れて住んでいるなら、いずれ相続する日が来ます。
空き家問題は決して他人事ではありません

空き家問題の最新状況をニュースや事例も踏まえながら解説します。

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空き家問題、2020年の現状

空き家はどのくらい増えているのか?まずは単純なこのテーマから取り上げます。
空き家にも種類があり、「常時住んでいないが使っている」、「貸したいのに借り手がいない」、「売りたいのに買い手がいない」、「その他」に分類されます。

空き家の4分類
  • 二次的住宅(常時住んでいないが使っている)
  • 賃貸用住宅(貸したいのに借り手がいない)
  • 売却用住宅(売りたいのに買い手がいない)
  • その他(用途がなく使われていないか分類不能)

これらの中で明らかに問題とされるのは、「その他」に分類される空き家です。
その他に該当する空き家には、例えば介護施設への入所で空き家になる場合や、所有者が亡くなって空き家になる場合などを含みます。

空き家は過去最高に増えている

総務省統計局では、5年ごとに住宅・土地の統計調査を公表しており、その推移を確認することで、空き家がどのくらい増えているのか知ることができます。

空き家率の推移

全国の空き家率は増加の一途で、平成25年においては空き家数が820万戸、空き家率が13.5%となりました。
5年前に比べると、空き家数は63万戸の上昇、空き家率は0.4%の上昇です。

空き家数と空き家率の推移

(「総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査 特別集計」より)
平成30年の調査では、空き家率は13.6%になり過去最高の数字です。
空き家率は調査開始以来常に増加し続けており、今後も増える見込みです。

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準工業地域

 

空き家の種類別割合とその推移

空き家の種類別割合でみると、二次的住宅、賃貸用住宅、売却用住宅の割合はいずれも減少傾向にあるのに対し、その他に分類される空き家の割合が増えました。
この傾向は、問題とされるその他の空き家に、対策が必要なことを裏付けています。

種類別空き家数

(「不動産流通促進センター 2015不動産業統計集」より)

空き家問題は地方に限らない

空き家率は地方で高くなっていますが、空き家数に注目すると、住戸数の多い都市部の方が多くあります。

空き家数の多い都道府県ランキング
都道府県空き家数
東京都817,100
神奈川県486,700
愛知県422,000
大阪府678,800

(データ:平成25年住宅・土地統計調査)

4つの都府県を合計すると、約240万戸の空き家が存在します。
全体が820万戸ですから、4都府県で約29%にも達し、対策が急がれるのはむしろ都市圏であるとわかります。

空き家問題はマンションでも

株式会社東京カンテイの調査によると、平成28年のマンション化率は、全国平均で12.31%、最もマンション化率が高い東京都では27%でした。

株式会社東京カンテイ|2016年のマンション化率

マンションの建て替えや除却は難しい

マンションは朽ちた戸建の空き家と異なり、構造が頑丈で自然倒壊は考えにくいですし、管理組合の運営が適正なら、修繕積立金で必要な修繕が行われているはずです。
したがって、周辺に与える危険性での問題は小さいのですが、老朽化したマンションは空き家の解消が難しく、なおかつ建て替えも除却もしにくい特徴があります。

解体や建て替えの場合、分譲で区分所有権を持っている権利者との調整は、極めて難航します。
法律上は、4/5以上による多数の決議を要し、建て替えに反対する一部の権利者に対しては、区分所有権の売り渡し請求をする流れです。決議のための総会を開くにしても、空き家になった理由が死亡によるときは、相続人を対象とするのでさらに面倒です。

このように空き家が多いマンションの建て替えは、合意形成から難問が山積みで、廃墟化していく様相が目に浮かびます。

廃墟となってしまう前に空いたマンションは売れないか、不動産会社に査定をしてもらい見てもらうと良いでしょう。

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空き家問題の原因

ここでは、空き家が空き家になる原因について取り上げてみましょう。

世帯数の増加以上に住宅は増えている

平成25年の総世帯数は約5,245万世帯で、1世帯あたりの戸数は1.16でした。
1世帯あたりの住宅戸数は年々増加しており、空き家が増えて続けていることに一致します。

年度別住戸数と世帯数の推移
平成10年平成15年平成20年平成25年
総世帯数(単位:千)44,36047,25549,97352,453
住宅総数(単位:千)50,24653,89157,58660,629
戸数/世帯1.131.141.151.16

(データ:国土交通省 平成29年度住宅経済関連データ「世帯数及び住宅戸数の推移」)

費用面を抜きにすれば、新しくて綺麗な住宅の人気が高いのは当然です。
資金的な都合などで、中古住宅の需要もあるとはいえ、誰もが潜在的に持っている新築住宅への憧れは、供給側にとって大きな利点でしょう。

また、住宅を仲介する不動産会社でも、新築で価格の高い物件ほど利幅が大きく、こうした三者三様のメリットから、どうしても新築住宅が増えやすい土壌があります。

新設住宅着工戸数は滅失戸数を上回っている

いつかは新しい住宅に住みたい需要があることは普通ですし、それ自体は環境面を除けば問題なく、経済的観点ではむしろよいことです。
問題は新設によって不要となった住宅が、無くならないことにあります。

単純計算で建てられる戸数と解体される戸数を比べれば、どのくらい住宅が増えているかが分かります。

新設住宅着工戸数と滅失戸数の推移
(単位:千)平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年
新設住宅着工戸数775819841893987
滅失戸数112137115125127
その差663682726768860

(データ:国土交通省「新設住宅着工戸数の推移」及び「住宅の滅失戸数の推移」)

世帯に対する住宅数が過剰になっていることが明らかなのに、住宅が増え続けているのは、やはり新築住宅への需要が大きいからでしょう。

例えば、古いマンションを壊して複数の戸建を新築する例は少ないですが、複数の古い戸建を壊して(用地買収して)新しくマンションが建つ例はよく見られるように、それだけでも新築住宅を増やす要因です。

滅失戸数が増えない理由

空き家になっていても解体されない、つまり滅失戸数が増えない原因は、特に個人所有であるとき顕著に現れます。

1つは経済的な理由で、住宅がない土地では固定資産税の特例がなくなり税率が6倍に増えてしまうこと、解体のために費用を要する点です。
つまり、お金を使って解体したのに税金が上がるので、使っていなくても解体しようと考える人が少ないのは道理でしょう。

また、家の存在は所有者にとって経済的な価値以上に「想い」を含んでおり、解体をためらってしまう側面があります。

もう1つ深刻な問題があり、古い空き家では、現行の建築基準法施行以前に建てられ、再建築が認められない土地になっているケースがあります。
再建築できないのですから、解体してしまうと宅地としての用を足さず、放置するしかなくなっている空き家が存在します

住宅需要の減少

世帯数は増加傾向でも、日本の人口は既に減少し始めており、やがて世帯数も減少に転じることは明らかです。

世帯数の減少は、それだけ住宅の需要が失われることに直結し、新築住宅が増加し続けていることを考えれば、近い将来に必ず住宅の過剰供給が問題になるでしょう。
つまり、売れない・貸せない時代の到来は、現状が続けば間近に迫っています。

中古住宅の人気がない

リフォームやリノベーションによる中古住宅の再生は、費用を抑えて質の高い住空間を得るために有効ではあっても、既に住宅を取得している層が中心です。
これから取得する人は、どうしても品質が確実な新築住宅に目が向きます。

ところが、一般に住宅の価値は、最初の10年で大きく下落するのに対し、住宅ローンの残高は返済初期に減りにくい特性から、いわゆるオーバーローン状態になって売りにくい状況が続いてしまいます。
しかも、新築住宅が増えるとそれだけ中古住宅も増えていくわけで、市場原理から価格下落が加速して、中古住宅は飽和状態が止まらなくなります。

また、木造の売買物件は、築10年で半額程度まで下落しますが、木造の賃貸物件では、築10年で家賃が新築時の半分になることは考えられません。
その結果、中古の賃貸物件は借りる側にとって割安感が小さく、賃貸でも大きく家賃に差がない新築に流れて、中古物件の空き家を増やしていきます。

ようするに、売ることも貸すこともできない状況に陥る物件が増えるのです。

空き家予備軍の増加

人間に寿命がある以上、高齢者世帯ほど空き家になる可能性が高まり、それが単身世帯なら、なおさら空き家になりやすいのは避けられません。
全世帯に占める高齢者(65歳以上)がいる世帯は、平成7年が31.1%、平成17年で39.4%、平成27年には41.7%にもなりました。

全世帯に占める高齢者がいる世帯

(「内閣府 平成29年版高齢社会白書」より)

そして、空き家予備軍となる世帯(高齢者の単身世帯、高齢者を含む夫婦のみ世帯)の割合は、平成7年が12.9%、平成17年で20.2%、平成27年は27.2%です。
高齢者がいる世帯との比率から、空き家予備軍が過半数を超えたことがわかります。

高齢者世帯はまだまだ増える傾向

全体の世帯数はいずれ減りますが、世帯主年齢が65歳以上の世帯は、平成27年から25年間で324万世帯増えると推計されています。

しかも、高齢者の単身世帯数は25年間で271万世帯も増えると予測され、空き家になりやすい単身世帯が最も多い構成に辿りつきます。
こうした人口と世帯の推計から、このままでは空き家の増加は避けられないのがよくわかります。

Uターン率が低いと実家の空き家が増える

平成28年の人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、出生県から移動し、調査時点で出生県に戻っているUターン率は約20%です。
推移としては上昇傾向にあるとはいえ、それでも1/5しか戻っていません

よくある事例では、子供が県外へ移動後結婚して戻らない場合、親を呼び寄せる・親が亡くなることで、実家が空き家になります。
もちろん、全国的・全体的な数字なので、かんたんには分析できませんが、実家が空き家になる割合は高いと推測できるでしょう。

管理できない空き家が増え、老朽化していっている

冒頭でもお伝えした通り、問題になるのは、売却用や賃貸用、二次利用の対象になっていない空き家です。
そしてその中でも実害に繋がりやすいのは、適切な管理がされていない空き家です。
実際には誰も住んでおらず、管理されていない空き家程、換気がされず、早く老朽化が進みます。

全国で相続などで空き家を受け継いだけれども、多忙や、家が遠いことを理由に適切な管理がされない状況が増えています。
今後もこのような管理されていない空き家が増えていく懸念は十分にあります。

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管理

空き家が増えると何が問題になるのか

日本全国で空き家が増えていったとして、所詮は他人の家ですし、自分には関係ないと思うかもしれません。
しかし、実際には国が対策に動き出すほど、重要かつ緊急の課題でもあるのです。

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老朽化した空き家の周辺環境や住民への悪影響

たとえ空き家になっても、自然に朽ち果てて土に還るものではなく、人工物が残ります。
徐々に傷んだ空き家は、次第に崩れ、倒壊の危険が増したり、屋根材などが飛散したりと、その敷地内だけの影響では済まなくなっていきます。

また、人がいないと害獣・害虫の温床になりやすく、やがて周辺へ拡散をみせます。
最近頻繁に起こる、集中豪雨による浸水被害を受けてもそのまま放置されるので、極めて不衛生かつ危険な状態に変わってしまうのです。

さらに言えば、古くなった家は耐震性能も失われ、巨大地震に抵抗できません。
極端な例では、震災時に最初に倒壊して、重要な道路を塞いでしまうかもしれず、周辺住民の避難や救出に障害になる可能性すら秘めています。

ようするに、空き家を放置すると近所迷惑になりやすい要素が多く、地域によっては景観上の問題にも発展して、その影響度は大きいと考えられています。

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空き家をきっかけにした犯罪の増加

空き家があることで犯罪が増加するとしたら、まずは不法侵入や不法占拠です。
ただし、それだけでは所有者に対する不法行為なので周辺まで至りません。

ところが、死角になった空き家の内部で犯罪が行われるようでは、周辺の治安にも影響しますし、安心して暮らすことができなくなります。
そして最も悪影響を与えると思われる犯罪は、空き家への放火の増加です。

最近は、空き家への放火がニュースで取り上げられることも多くなっています。
しかも放火犯は、連続して放火をする傾向が強く、空き家の多い地域は格好のターゲットになってしまうことから、朽ちた木造住宅は相当危ないと言えます。

知ってのとおり、日本の住宅事情では火災が起きると近隣への被害は免れず、近くに管理されていない空き家があるだけで、不安な時代が来ていると自覚しましょう。

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住宅市場の需給バランス悪化

現時点でも総世帯数以上に住宅は供給されており、供給が過剰な状態です。
しかし、地域の住宅数に合わせて人が集まるわけではなく、ある程度は過剰な状態でなければ、望んだ地域に住むこともできなくなってしまうため、“ストック”は必要です。

それでも、人口減少と世帯数減少が始まって、住宅が減らないとなれば、空き家が増えすぎて、住宅の資産価値が下がっていくかもしれません。
空き家が中古市場に溢れかえり、価格崩壊に繋がったとき、空き家ではない住宅の所有者も、その影響を大きく受けることになります。

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空き家をどうするか

空き家問題の解決に向けた対策

今や全国的に対策が急がれる空き家問題は、以前までそれほど騒がれていませんでした。
人口減少と少子高齢化で世代バランスが崩れ、空き家問題が浮上してくるのは必然でしたが、国民生活の日常に直接関係し、財政的な問題でもある社会保障制度のように、世論でも注目されていたわけではなかったのです。

空き家問題に直面するのは、空き家がある地域の自治体と住民で、これまでも自治体は問題が大きい空き家の対策をしてきました。
しかし、厳しい地方財政では効果的な空き家対策は進まず、空き家の所有者も対策意識は低かったのですが、空き家対策特別措置法の施行で注目度が増しています。

それは、他人事としか考えていなかった空き家の所有者でも、固定資産税の上昇や、行政代執行により空き家の強制的な取り壊しを理由に空き家対策を考える必要が出てきたからです。

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空き家問題に特化した法律「空き家対策特別措置法」

2015年2月に施行され、5月に全面施行を迎えた空き家対策特別措置法は、空き家全体の中で、特に危険度が高い空き家を「特定空家等」と定義し、行政の介入による対策に法的根拠を持たせています。

空き家が特定空家等に指定されてしまうと、所有者は自己負担で早急に改善しなければ、行政からの強制対処(除却等)を求められることになり、土地の固定資産税に対する特例措置も外されて税負担が増す(最大4.2倍)ことになります。

空き家対策特別措置法の趣旨は、あくまでも自発的な空き家対策を促し、所有者に解決させようとするものですが、対策を講じない所有者を想定した規定もされています。

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空き家 物件

自治体の条例や解体費用の補助

空き家対策の実施主体である自治体は、空き家対策特別措置法の施行以前から、条例を定めて空き家対策を推進してきました。
あまり知られていないですが、従来からある住環境の整備事業としての空き家対策には、自治体から所有者への補助がありますし、国から自治体への補助もあります。

空き家である空き家ではないに関係なく、損傷・老朽化が激しい住宅については、除却(解体)の費用を補助し、もし住居に困る住民が存在すれば、自治体が住宅を用意してまで転居させる整備が行われるほど、実は力の入っている事業です。

ところが、いくら老朽化しているとはいえ、個人の財産に対する公権力の介入は財産権の侵害にもあたりますから、早くから人口減少と空き家問題に気付いていた自治体でも、住環境の整備には大きな壁が立ちはだかっていました。

空き家対策特別措置法の施行は、空き家対策に法律上の枠組みを用意し、自治体の空き家対策にとって後ろ盾となっています。

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空き家バンクや自治体独自の取り組み

空き家の所有者にとって頭が痛いのは、空き家を活用したくても相手が見つからず、結果的には放置になってさらに傷んでくる現実です。
自治体にとっては、単に費用補助するだけでは目ざましい効果は得られず、一歩踏み込んだ施策によって空き家対策を進めていく必要性がありました。

そこで登場してきたのが、空き家バンクと呼ばれる地域の空き家へのマッチングサービスで、多くの自治体によって(もしくは自治体が委託して)運営されています。
空き家バンクの存在は、空き家を探している側にもメリットが大きいでしょう。

空き家バンクは各自治体が運営しているものですが、LIFUL HOME’Sのように全国の空き家バンクの情報を集めているサービスも存在します。

また、移住を考えている人に向けた空き家の開放、公共施設としての活用、福祉用途、観光分野など、その地域に必要な空き家の活用方法を考えた、自治体独自の取り組みも行われてきています。

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空き家バンク

空き家管理サービスの増加

空き家の所有者にとって使っていない期間の管理は、空き家が遠隔地になるほど深刻で、かんたんな管理でも行くのが面倒というケースは相当数考えられます。
そこに目を付けた民間業者が、定期的な空き家管理サービスを提供するようになり、その数は増え続けています。

需要がなければ当然こうしたサービスが増えるはずもなく、空き家対策特別措置法の施行や、メディアが空き家問題を取り上げるようになったことで、空き家管理が重要であると認知され始めた影響なのでしょう。

費用は月1回の巡回で10,000円程度が多く、この金額を高いとみるか安いとみるかは、空き家の所有者によって異なります。
費用を惜しんで空き家管理を怠ると、やがては行政指導を受ける時代ですから、人によっては費用対効果が高いのかもしれません。

民間団体などの取り組み

自治体だけではなく、財団法人、公益法人、NPO法人など、民間団体による空き家対策への取り組みや空き家バンクの運営もされています。
全国に多くの団体が存在するため、ここで紹介できるのはほんの一例に過ぎませんが、基本的に活動範囲が地域に絞られることから、小規模な団体も数多くあります。

一般財団法人 世田谷トラストまちづくり

東京23区でも最も人口が多く世帯数も多い世田谷区で、トラスト活動(良質な環境の保全)の一環として、空き家問題への取り組みにも定評のある団体です。
地域貢献に空き家を提供しても良いと考える所有者と、利用希望者との間に入り、相談業務やマッチングを行うことで、住みよい街づくりを目指しています。

ホームページ:http://www.setagayatm.or.jp/

特定非営利法人 空き家コンシェルジュ

空き家に特化したNPO法人として、奈良県内で活動している団体です。
奈良県内の一部の自治体から委託されて空き家バンクも運営しながら、空き家管理・空き家活用に関する情報提供を行っています。

ホームページ:http://www.akiyaconcierge.com/

国土交通省による空き家対策の人材育成・相談体制の整備

平成30年7月31日に国土交通省から「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の採択事業を決定したという報道発表がされました。
広がる空き家問題に対して

空き家対策モデル事業の目的
  • 空き家対策加速化させるための人材育成と相談体制の整備
  • 空き家の発生抑制を図り共通課題を解決する

を目的に、モデル事業を採択し、支援を行うというものです。

この中には、例えば、以下のような事業が採択したものとして含まれています。

採択された空き家問題対策のモデル事業
  • 空き家所有者の多様な相談に対応できる地域密着型相談窓口を創設し、相談員を育成する建築事務所
  • 空き家のポテンシャルの重要性を伝えるセミナーなどを開催する一般社団法人
  • 空き家の状況を調べて民間図書館として利用可能にするNPO
  • 周辺の町会関係者から放置空き家ににありそうな物件をヒアリングして把握し、リノベーションするNPO

出典:国土交通省 報道発表資料:「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の採択事業58件を決定!

このように政府、国でも空き家問題の解消に対して、積極的な取り組みを行っています

空き家活用方法の多様化

空き家を有効活用することで、老朽化を防いだり、特定空き家に指定されるような状況を減らせるような取り組みも増えています。
前段でお伝えした空き家バンクのような、公的な仕組みの他にも、空き家活用方法の1つとして「全国定額で住み放題」のADDressのようなサービスも始まっています。(2019年4月サービス開始)

また、Airbnbに代表されるような、民泊サービスも空き家活用の方法として注目を集めています。

空き家に住み放題という状況や、日本国外の人にも開放されている民泊の利用で、これまで活用の対象にならなかった空き家の活用が進む可能性があります。
空き家の隠れた魅力が生きるようなサービスの広まりは、空き家問題に一石を投じる可能性があります。

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対象エリア全国
累計利用者数700万人
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空き家の活用については、後ほどもう少し詳細を記載します。

空き家の所有者が行うべき対応

空き家問題を深刻化させないために、また自分の空き家に関するトラブルに合わないために、空き家の
オーナーは何をすればよいのでしょうか。

個人でできる空き家問題の対策としては以下のような方法が考えられます。

個人でできる空き家問題対策
  • 空き家を活用する
  • 空き家を管理する
  • 空き家を解体する
  • 空き家を売る

これらの情報は今空き家を保有している人や将来保有する予定の人の他、空き家問題について考える人にとっても対策を感が会える際のヒントになる内容です。
1つずつ順番に見ていきましょう。

空き家問題対策としての空き家活用

先程も記載したように、空き家を活用するのは有力な方法です。
利用されてさえいれば、空き家の管理や維持はしやすいですし、収益を得られればそのお金を使って空き家を修繕することも可能です。

空き家活用の方法としては、やはり賃貸として人に貸すのが一番です。
特に民泊などによる活用は近年注目を集めています。

空き家活用についての詳細はこちらの記事を御覧ください。

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空き家

空き家を管理して問題を予防

空き家問題が発生するのは、主に適切に管理されていない空き家においてです。
空き家を管理するのはとても大切な一方、実際にはそれほど楽ではありません。
空き家から遠方に住んでいる空き家オーナー、多忙なオーナーなどは外部の管理業者に委託するのも1つの手です。

月々5,000円~10,000円程度で空き家の管理をしてもらい、会社によっては詳しいレポートや、防犯対策などもしてもらえます。

空き家の放置は老朽化と問題化を早めてしまいます。
適切な管理を行いましょう。

空き家管理を行う場合は以下の記事を御覧ください。

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相続や転勤などで空き家の所有者になった場合、空き家の管理をどうするのか、は大きなポイントです。 記事では以下のような点をお伝えします。 記事のポイント 空き家管理のポイント 空き家管理サービスの比較 自己管[…]

管理

空き家を解体して問題の元を断つ

空き家を解体してしまえば、空き家問題の原因そのものを無くすことが出来ます。
管理も活用もできないが、土地を手放したくない場合空き家を解体してしまうのも1つの手です。
空き家自体がなくなることで、空き家問題の原因をなくすことが出来ます。

また、地方自治体では、例えば横須賀市のように、空き家の解体費用の助成を行っているケースもあります。
自分の空き家のある自治体でどのような補助・助成がされているかは一度確認してみましょう。

「(お住まいの地域名) 空き家解体 補助金」などと検索すればすぐに見つけることが可能です。
問い合わせ先も併記しているケースが多いので、気になる場合はぜひ探してみましょう。

横須賀市 空き家に対する解体助成制度

注意点としては、空き家を解体した場合は、固定資産税額が増えてしまうことがあげられます。
家がある場合、「住宅用地の特例」により固定資産税率は低く抑えられています。
空き家を解体するとこの特例の対象外となるため、税率が最大6倍になるため注意が必要です。

ただし、福岡県豊前市の「老朽危険家屋除去後の土地に対する固定資産税の減免」制度のように、特定条件に合致する空き家を解体して更地にした場合、住宅用地の特例を解除して固定資産税率を6倍にするのではなく、1/6の税率を維持したり、固定資産税の上がり方を緩やかにする制度がある自治体もあります。

空き家の問題対策をして売却する

相続や遺贈で空き家を入手した場合に、空き家問題対策をして売却をすると、売却益に対する譲渡所得税が安くなる特例があります。
ただ売却するだけではなく、空き家問題の対策をすることがポイントです。
具体的には、「空き家を解体して売却する」「空き家を耐震補強して売却する」という方法のいずれかを取ることになります。

国としても空き家問題対策には力を入れているため、このように問題化しそうな空き家を減らすためには、減税というメリットをもって対応しています。
相続した空き家の対応に困った場合はこのような制度を利用するのも良いでしょう。

空き家の売却はその土地の不動産会社に売却を依頼するのが1番です。遠方でどの不動産会社が良いか分からない…といった場合は以下のサービスを利用して不動産会社を探してみるのも手です。
家を査定してもらい、空き家の状況を見てもらいましょう。

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空き家問題に関する2020年最新のニュースと事例

国土交通省発表の市区町村の最新空き家対策状況

国土交通省は定期的に各市区町村の最新空き家対策状況を調査して発表しています。
発表によると、2018年度末時点で6割以上の市区町村で対策計画が策定されており、2019年度末には7割を超える市区町村で計画策定がなされる見込みです。

また、空き家対策特別措置法に基づく「特定空家等」について、助言・指導、勧告等の措置の件数は年々増えており、その数も発表されています。

平成30年度末までに行われたのは以下のような数字です。

2018年度末までに全国の市区町村で行われた指導など
対応種別件数
助言・指導15,586
勧告922
命令111
代執行165

強制解体時の費用回収が自治体の問題に

空き家対策特別措置法に基づく代執行を行った場合、空き家の解体にかかった費用は自治体が空き家の所有者から回収できることになっています。
しかし、日経ビジネスの空き家問題に関する記事によると、費用回収ができているのはごく一部の事例で、大半の事例で費用が自治体の負担となっています。

調査対象となった全48件、合計で約1億3000万円の撤去費用がかかった事例において、費用全額を回収できたのは5件に過ぎません。
中には1円も解体費用回収できず全額が自治体の負担になっている場合もあります。

今後、総務省はこの現状を鑑みて空き家法の改正を検討しています。
空き家法の改正は2020年を予定しています。

各自治体の空き家問題対策や補助金

各自治体では引き続き空き家問題の対策のための制度作成が続いています。
補助金の範囲や多様性も増えています。
例えば、兵庫県神戸市群馬県富岡市では空き家の片付けに対する補助金が出るようになっています。

また、京都府の福知山市では、空き家問題対策のために弁護士や、建築士、建物取引士、家屋調査士などの専門家団体と連携して解決を進めていく動きを行っています。
両丹日日新聞

2019年の空き家解体事例

2019年にも続々と代執行による空き家解体が行われています。
ニュースから一部事例をご紹介します。

滋賀県野洲市では老朽化が進んだ分譲マンションの解体が行われました。(東京新聞の記事
1972年築で外壁が破損し、中身が見えている非常に危険な状態の建物で、10年以上前から空き家になっていたそうです。
分譲マンションの解体事例はまだ珍しいですが、適切な管理が行われていないマンションの解体事例は今後増えていく見込みです。

和歌山県那智勝浦町では、所有者が不明の空き家の略式大執行による解体が行われました。(紀伊民報
所有者不明で費用回収ができないため、町では解体費用を予算化した上で、今後更地の売却による費用回収も検討しているとのことです。

空き家問題は売却して解決!

高度成長期から続く住宅の供給は、不動産に対する投資効果と資産価値の上昇を生み出し、日本の経済発展に貢献してきたことは間違いありません。
しかし時代は変わり、人口が減少に向かい、いつかは転換しなくてはならない状況を自覚していても、住宅は建設され続け、除却が進まない空き家問題が浮き彫りになってきました。

空き家対策は所有者個人だけではなく、様々な悪影響から地域レベルでも自治体レベルでも真剣に考えなくてはならないほど深刻で、公費投入=住民負担になってでも行うべきというのが大勢を占めています。

そして政府も空き家対策を推進しようとしていますが、空き家を有効活用するほど、新規住宅の需要が落ち込む図式から、この2つは利益相反するものです。
となれば、建てる分だけ壊していかなくては需給バランスが保てず、リサイクル・リユースの概念からは程遠い、無駄だらけの住宅事情になるでしょう。

だからといって住宅供給を規制し、政治的にも巨大なスポンサーたる建設業界を縮小させることは、経済への影響だけではなく、そこに利権がある限り到底期待できません。
結局は体裁だけの不十分な空き家対策で、空き家の所有者は税負担が増し、地域住民の税金は使われるという、何とも不思議な構造ができあがっていくのを予感させます。

HOME`s 運営会社株式会社LIFULL
運営開始時期2014年
対象エリア全国
累計利用者数476万人
提携会社数約1,700社
同時依頼社数6社

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体験談について詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。

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