古い家で在宅介護はできる?使える補助金とリフォームの必要性

古い家で介護をする
高齢者となった親や義理の両親がある日病気やケガをして介護が必要な体になってしまうことがあります。

まだ寝たきりじゃないし…と在宅介護を選ぶ方は少なくありません。

しかし、古い家で行う介護は危険が多く、介護のために多額の費用が必要になる場合も。

本当に今の家で在宅介護が可能なのか、家族みんなが辛い介護にならないか考えてみましょう。

1.古い家でも介護はできる?

古い家で介護はできる?
介護を親や義父母の家でやろうと考えた際、持ち家で古い家に住んでいるということはよくあります。古い家での介護は可能か?結論を言うと無理ではありませんが、危険です

介護をするにあたって、古い家の以下のような部分に危険が潜んでいます。

玄関や部屋と廊下にある段差

古い家はバリアフリー化されていないことが多く、玄関や部屋と廊下の間などに小さな段差がよくあります。

元気な時は何でもない段差でも、車椅子や杖などを使って住宅内を移動する際に邪魔になります。たった5cmの段差でも、足や車輪を取られしまい転倒の恐れがあります。

高齢者になると転倒で足をケガしてそのまま寝たきりになってしまうケースが多いので、要介護レベルを上げないためにも、普段の生活から転倒は極力避けなくてはいけません。

床との高低差がある深い浴槽

深い浴槽は出る時に大きく足を上げなくてはならず、筋力の衰えている高齢者にとっては一苦労ですし、足を上げたつもりが上がりきっておらず、浴槽のフチに足をひっかけてしまう恐れがあります。

また、入る際もお湯で床と浴槽の底との高低差をつかみづらくなっています。その中に片足ずつ足を入れるのはバランスも取りづらく、高齢者の危険と恐怖心が増します

滑りやすい床

古い家の場合、トイレやお風呂場の床にタイルが使用されていることがあります。タイルは水に濡れると滑りやすくなり、高齢者の転倒の危険を高めてしまいます。

また、よく手入れされたフローリングの廊下なども危険です。冬場靴下などで歩くと滑りやすくなっており、何もない所でもバランスを崩しやすくなってしまいます。

和式トイレ

高齢者は和式トイレに慣れているから大丈夫だと言うかもしれませんが、和式トイレは洋式トイレより足の筋肉を使います

足腰が弱っている高齢者ではふんばりが効かず、満足のいくように用が足せなかったり、バランスを崩してしまう場合があります。

洋式トイレの方が立つ姿勢に近く、より少ない筋力で立ち上がることができます。しかし、洋式トイレでも狭い場所で手すりなどがないと足の筋力だけで立ち上がらなくてはなりません。

足の筋力で上半身を持ち上げるのは、始めはできてもどんどん苦しくなっていくでしょう。

冬場の廊下

ヒートショック現象という言葉を聞いたことがある方もいると思います。冬場温かい部屋から急に寒い部屋や廊下などに移動にすると、血圧が大きく変わって心筋梗塞などを起こしてしまうというもの。

古い家は密閉性が低く、廊下や玄関まわりなどの温度はとても低くなります。密閉性の高いマンションなどに比べて、その危険性が高まってしまうのです。

足腰が弱くなり、体の自由が効きづらくなった要介護の高齢者には古い家は危険が多いことを解説しました。

では、古い家でもリフォームをすれば、在宅介護は可能なのでしょうか。

2.古い家でもリフォームすれば在宅介護はできる?

古い家をリフォームして介護
結論から言うとリフォームをすれば在宅介護が可能な家とリフォームをしてもどうにもならない家があります。

リフォームで在宅介護が安全にできる家とリフォームでは難しい家の特徴を解説します。

在宅介護のリフォームができる家

リフォームで在宅介護ができる家は平屋や2階建てなどで、1階に居間やキッチンなど生活に必要な部屋が揃っている場合です。

階段の上り下りは介護が必要になった高齢者には大変ですし、危険です。平屋や1階に生活に必要なスペースが揃っている家ならば、玄関や部屋と廊下の間の段差を埋めたり、手すりをつけるなどの工事だけでも、介護が必要な高齢者が住みやすい家になります。

ただし、深い浴槽などは介護用品などを使って、リフォームをしないまでも工夫が必要になります。

在宅介護のリフォームが難しい家

リフォームしても在宅介護が難しい家は、リフォームする箇所が多すぎる家です。お風呂場やトイレ、キッチンなどが1階と2階に分散していたり、床の張替えなどが全面的に必要な場合は費用が莫大にかかってしまいます。

そもそもリフォームが難しい場合もあります。建物を支えるのに重要な柱などがシロアリなどによって食べられてしまっている場合です。構造部分の木材などが被害にあってしまっている場合は、もはや立て替えと同じような工事、費用になってしまうので、もはやリフォームとは異なるものになってしまいます。

また、無理というわけではありませんが、在宅介護を避けた方が良いのは家の目の前の道が細い場合です。車一台通れないような道だと、何かあった時に救急車が家の目の前まで来ることが難しいですし、デイサービスの車も横付けできません。

タクシーなども難しいので、家の外に出る回数が減ってしまい、足腰が弱くなるのも早くなってしまうでしょう。

3.介護のためのリフォームで使える補助金とは

古い家で介護する時の補助金
介護のためにリフォームを行うのであれば、補助金を受け取ることができます。どのような補助金があるのか、把握しておきましょう。

国からもらえる補助金がある

要支援1、2と要介護1~5に認定された場合は、介護保険制度で補助金(介護保険制度における住宅改修)を受け取ることができます。
給付される補助金は上限20万円の工事で最大18万円まで。原則として、1人つき1回までですが、要介護状態が3段階以上上がってしまった場合と転居した場合は再度、工事の上限20万円までで受け取ることが可能です。

対象となる住宅リフォームは以下になります。

・手すりの取り付け
・段差の解消※
・滑り防止、または移動しやすいように床や廊下の材料の変更※
・扉を引き戸などへ変更
・洋式トイレへの取替え
・その他、上記改修と合わせて必要となる住宅の改修
※玄関から道路までの屋外の工事でも支給が可能

工事金額の上限20万は複数の工事に分けても申請が可能なので、追加で上記の工事を行うことがあれば、上限額までは申請すると良いでしょう。

補助金申請の流れ

補助金を申請するまでの大まかな流れが以下になります。

1ケアマネジャーなどに相談
2施工業者の選択・見積もり依頼
3市町村へ工事前に申請
4市町村から結果をもらう
5改修工事開始→施工業者に支払い
6市町村へ工事後に改修費の支給申請
7住宅改修費の支給額の決定・支給

支給額の決定や支払いは工事後になりますが、申請は工事前に必要になるので注意しましょう。順番を間違えると手続きが面倒になったり、最悪の場合受け取れない場合があります。

自治体からもらえる助成金がある

支給額や条件は異なりますが、各自治体でも介護でリフォームが必要になった際に助成金を支給しています。

例えば、横浜市の場合は事前相談で必要性が感じられる改修工事に上限100万円が支給。港区の場合は浴槽の取替えなら37万9000円まで、トイレの洋式化などの工事10万6000円までを限度額とし、助成金をもらうことができます。

リフォームを検討する際にケアマネジャーに住んでいる地区の助成金はないか確認するか、インターネットで「◯◯市 介護 リフォーム 助成金」で検索すると良いでしょう。

4.リフォーム代がかさむなら家の売却を考えよう

リフォーム代がかさむなら売却
いくら国や自治体からいくらかお金がもらえるとしても、フルリフォームとなったら、数千万円の費用が発生します。

あまりにリフォーム代金がふくらむようであれば、家を売却し高齢者が暮らしやすい、在宅介護がやりやすい家に引っ越しをした方が良いです。リフォームがゴールではありません。その後の生活も考えて、どこで介護をしていくのか考えるべきでしょう。

老人ホーム以外にはどのような選択肢があるのでしょうか。

新しい家に引っ越す

高齢者になってから家を購入するのは、ローンを組むのが難しく賃貸になるでしょう。しかし、70歳を越えた高齢者1人の入居は火の不始末や孤独死などの可能性から、入居を断られることが多いです。

マンションで入居が可能な場合は、同じマンション内に親族が住んでいること。スペースや子育て中で同居が難しい場合は、同じマンション内に住むというのも1つの手です。

サービス付き高齢者向け住宅

少子高齢化が進む今、さまざまな地域で建設されているのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

一般的な賃貸住宅に生活相談や食事の提供といったサービスが付いた高齢者向けの住宅です。好きな時に外出でき、オプションで介護を付けることもできるので、一般的な住宅よりも人の目があって安心できますし、夫婦で入居も可能です。

5.まずは家を査定してみる

古い家で介護する前に査定
今住んでいる家で在胎介護が難しい場合、まずは家を査定してみましょう。家を引っ越し、賃貸で暮らしていくのなら、ある程度の資金が必要です。

資金がいくらぐらいあるのか把握できないと、どれくらいの家賃の家に住めるのか、介護にどれくらいの費用がかけられるのかわかりません。

親の介護で自身の老後の資金を使い切ってしまわないように、資金計画はしっかりと立てましょう。

家を査定する際の注意点

家を査定する際は、不動産会社に依頼をします。この時重要なのは、1社ではなく複数社依頼することです。

不動産査定には厳格に決まったルールがなく、不動産会社によって査定方法はまちまち。査定額も変わってきます。

つまり、1社の査定結果を見ただけでは、その額が相場より安いのか高いのか判断できないのです。複数社査定を依頼することで、価格の幅が分かり家の売却相場が分かるでしょう。

査定依頼をする際は一括査定サービスを利用する

不動産会社に査定を依頼する際は、一括査定サービスを利用しましょう。一括査定サービスとは、1回申し込みをするだけ、複数社の不動産会社に査定依頼を申し込めるサービスです。

不動産を査定してくれる不動産会社は一括査定サービスの審査基準に合格した会社だけなので、不動産詐欺のような危険な目に合うことなく、安心して家の価格を見てもらえます。

自分で不動産会社を見極める手間や1社1社に応募する煩わしさがないので、便利です。

6.介護する側もされる側も住みやすい家を考えよう

住みやすい場所で介護を
親や義父母に介護が必要になった時、本人の意向もあり現在住んでいる家での在宅介護を選ぶ人は少なくありません。

しかし、古い家は高齢者にとって危険ですし、バリアフリーを考えられていない家は介護をする側にも大きな負担になります

大金をかけてリフォームをするのも1つの手ですが、築年数がリセットされることはなく、ゆくゆく売却する際もリフォーム代金が回収できるような売却額にはならないでしょう。

実家を売ってしまうことは決して親不孝ではありません。親も介護する側も幸せな生活が送れる選択肢を考えましょう。