一戸建ての売却時の価格の決め方。相場価格を知りスムーズに売却

一戸建ての売却価格

一戸建ては、住んできた人の暮らし方やリフォームの有無などさまざまな違いにより、1つとして同じものはありません。そのため不動産査定に慣れてない人がマイホームの正確な価格を知るのは、とても難しいことです。

だからこそ一戸建ての売却では、不動産のプロである不動産会社から査定を受け、適切な価格を知ることが大切です。ここでは、一戸建てを売る時の査定額は何をもとに算出されているのか、適切な査定額を見極める方法を解説しています。売却価格の決め方などを理解して一戸建ての売却に備えましょう。

1.一戸建ての売却価格の決め方は売却方法によって異なる

売却方法で一戸建ての売却価格は変わる
家を売却する時には、不動産会社に購入希望者を探してもらう仲介という方法と直接不動産会社に売る買取という方法があります。そして、どの方法で売却するかで、売却した際の価格が変わります。価格重視の場合には、仲介を選べば自分の希望額で売却活動が行えます。

売却期間は3カ月から6カ月程度かかり、仲介手数料がかかります。それに対して買取では、不動産会社が提示する買取金額に合意ができれば契約となります。
この買取価格は仲介などで売却するよりも低く、7割程度になることが多いです。買取の特徴は、販売活動が必要ないので最短で2週間から1カ月程度で売却が完了します。

そして、買取では仲介手数料はなく、瑕疵(かし)担保責任も免責となります。このように、価格は低くても、早く売却したい人には向いている売却方法です。また、築年数が古い物件や交通の便や立地条件が悪い物件、心理的瑕疵(かし)がある物件など売れにくい物件の売却にも適しています。

仲介なら、売出価格を売主が決められます。速さよりも価格を重視するのであれば、仲介が適しています。ただし、仲介ではいつ売れるかやいくらで売れるかはわかりません。そのため早く売りたい人は、不動産会社に買取を依頼した方が良いでしょう。

不動産を売却する方法には、不動産会社に仲介をしてもらう方法と買取をしてもらう方法の2つがあります。 初めて不動産を売るとなると、ど...

2.一戸建ての売却価格の決め方

一戸建ての売却価格の決め方
自分の希望価格を優先したいのか。売却期間をできるだけ短くしたいのかで売却価格は変わります。そのため、売却計画を事前にきっちりと決めて売却価格も決めるとよいでしょう。

2.1 仲介によって売却する場合

売却の際には、まずは査定を依頼して、売出価格の設定を行います。

不動産の査定を依頼

初めに所有する不動産の価値がどれくらいなのかを知ることから始めます。査定を行うと、自分の不動産にどれくらいの価値があるのか把握することができます。そして、複数の不動産会社に査定を依頼すれば、査定額同士を比較し合えます。比較によって所有する不動産の今の相場が分かり、その査定額が妥当なものなのかも判断できます。

この査定額は売出価格の設定をする基準となります。したがって、相場価格を知るためにも査定を行うことは大切です。誰でも高く売却したいと考えるのは当然のことですが、高い売出価格を設定すると購入希望者が現れず売れ残ることになりかねません。

査定を依頼して相場価格を把握し、相場の価格での売り出しができるように備えることが売却活動の最初の段階です。

「自分の家がいくらで売れるのか知りたい」そんな方におすすめの、家を無料で査定する4つの方法を解説します。

最終的には自分で決める

何件かの査定書を比べてみると、どれくらいが相場価格なのかがわかります。査定額は査定を出した不動産会社が3カ月以内に売れると予測した価格を設定しています。そのため、その査定額で売却できると確約されたものではありません。

売主は査定額を比較して、どれくらいの価格で売り出せばよいのかを不動産会社と相談しながら決めます。価格を設定する時には、売主にもさまざまな事情があり、状況を考えた上での価格設定になります。

転勤のために早く売却したかったり、住み替えのための売却だからできるだけ高く売りたかったりと、それぞれに希望があるでしょう。

そのため、査定額から大きくかけ離れた金額を設定するのは危険ですが、最終的には自分の希望に合わせて売出価格を設定することが大切です。後で後悔しないためにも、売却計画をしっかり練って慎重に売出価格の設定をしましょう。

2.2 買取によって売却する場合

買取でもまずは査定を行います。そして、納得がいく価格を提示した不動産会社と契約し売却を行います。

不動産の査定を依頼

買取での売却を行う際にも、まずは所有している不動産がどれくらいの価値があるかを把握するために査定を行いましょう。

事前に不動産の価格を知らないと、不動産会社が相場よりも安い価格を提示してもわからずに契約してしまい損をする可能性があります。買取の場合は、不動産会社側は買い取った不動産をリフォームなど付加価値を付けてもう一度販売するため、その費用を見越して市場価値の6割程度の値段をつけるのが一般的です。しかし、それを下回るほど安い査定価格が提示される場合もあります。

事前に相場が分かっていれば、妥当か、相場より安すぎるか、安いなら理由はあるのかなど判断しやすくなります。少なくとも3社以上の不動産会社に見積もりを依頼し、それぞれ査定書を比較して相場や不動産に対する評価を調べておきましょう。

不動産会社からの買取価格の提示

査定結果から選んだ買取業者より、さらに具体的な買取価格が提示され、納得ができれば契約となります。

ここで注意したいのは、査定額と買取価格は同じではないということです。悪質な不動産会社だと、買取価格が査定額よりかなり低く提示されることもあります。買取価格が低い場合は、査定を受けて分かった相場や近くに駅が出来るなど付加価値が付く情報を提示して、買取価格アップの交渉も可能です。

納得がいかなければ、他の不動産会社に買取を依頼するのも良いでしょう。

3.売却価格を正確に知るなら査定をしよう

一戸建ての売却価格を正確に知る
自分で一戸建ての価格の相場を確認することもできますが、戸建てはその家の特徴が大きく影響するため正確な売却価格を知るなら査定が最適です。

3.1 不動産会社は物件の価値と付加価値をみて査定をしている

不動産会社の査定は、訪問査定を行わないと正確な査定額は出せません。査定額は実際に確認した物件の状況と周辺の状況なども加味して査定が行われているからです。

面積や築年数、住所、土地の形状、周辺の取引事例だけで判断するのではなく、前面道路との接道状況や、面している道路に対しての方角、給排水設備の状況、建具等の使用状況、臭い、騒音などもチェックします。

また、周辺の環境でチェックするのは、スーパーや病院、学校などが近くにあるか。交通の便はよいか。嫌悪施設はないかなども調べます。

物件の状態だけでその物件の価格が決まるのではなく、周辺の環境も価格を設定する際の判断材料となっています。

3.2 査定を申し込むなら複数の不動産会社へ

一戸建ての査定を行う時には、一括査定を利用して一度に複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。複数社依頼する際は一括査定サイトなら、自宅でインターネットを利用して不動産の情報を入力するだけで効率的に査定額を調べることができるのでおすすめです。

不動産会社が出す査定額はその不動産会社の取引実績や担当者の知見、力量などに大きく左右されるためばらつきがあります。つまり、いくつかの査定額を比べないと適切な価格を判断できません。

また一括査定サイトでは、入力された不動産の位置情報から近くの不動産会社を自動的にピックアップしてくれます。近隣の不動産会社を一から探さなくて済むため、時間の短縮にも繋がります。

一戸建てを売りたいけど何から始めればよいか分からない、という人はまず、一括査定サイトで自宅の価値を把握してみましょう。

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3.3 自分で査定するなら不動産データベースサイトを利用

インターネットを利用して、実際の取引価格を自分で調べることもできます。ただし、取引価格は当事者の状況によって大きく価格が変動するため、目安程度としてとらえておくと良いでしょう。

レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する

指定流通機構が運営する、不動産取引での直近一年の成約価格が調べられるシステムです。間取りや築年数、駅からの距離などで絞ることができ、価格がグラフで見れるためとても見やすいのが特徴です。

また、細かく検索条件が設定できるので、より所有する物件に似た条件のものを探しやすくなっています。ただし検索できるのは、マンションと戸建てという建物と土地が合わさったデータに限られます。土地単体の取引データが調べられないことに注意しましょう。

土地総合情報システムを利用する

土地総合情報システムは、実際に取引を行った人たちに取引価格のアンケートを行ったものをまとめて公表しているものです。

このシステムでは、取引価格の他に、土地の形状や前面道路、都市計画制限や面積などもわかります。地図上からエリアを選んで検索できるので、そのエリアの相場価格を確認するにはとても便利です。

4.売却価格額によるそれぞれのメリット・デメリット

売却価格設定のメリットデメリット
売出価格の設定の仕方を知らないと、高く売りたくても結局は低い価格での売却となりかねません。価格の設定の仕方を正しく理解することで、無理な価格設定をすることもなくなります。

4.1 売却物件の価格が安い合のメリットデメリット

早めに売りたいがあまり、売出価格を相場より安く設定する人も多くいます。

価格が安い場合のメリット

安い場合のメリットは早く売れる可能性があるということです。特に近隣の不動産に比べて安ければ、お得に物件を手に入れたい買主の目に止まる可能性が高まり、値下げ交渉無しで売出価格のまま買ってもらえることもあります。

価格が安い場合のデメリット

売出価格を安く設定することには、次の3つのデメリットがあります。

  • 安く売りすぎて損をしてしまう
  • 不具合を疑われてしまう
  • 高額な税金がかかるおそれがある

中でも起きる可能性が高いデメリットは安く売りすぎて損をするというものです。1,000万円で売れる物件を、わざわざ800万円に値下げして売るメリットは早く売れる可能性以外ほとんどありません。反対に「安いのは不具合があるからではないか?」と疑われることもあります。

物件を安売りしないための対処法

売り出し価格を安くし過ぎないために、不動産会社に支払う仲介手数料や税金など、諸費用をあらかじめ計算しておきましょう。売却額より諸費用や税金が高いとお金の持ち出しが発生してしまうからです。

売却額をローン残高の支払いにあてる場合は、安い売り出し価格を設定すると値下げ交渉を受けた結果「これ以上下げると残高を支払いきれない」という最低ラインを切るかもしれません。
事前に最低限カバーしたい諸費用が分かっていれば、売却額を下げても損をせずに済みます。

4.2 売却物件の価格が高すぎる場合のメリットデメリット

家を売却する時には、ほとんどの人は少しでも高く売りたいと考えるでしょう。そのため、相場価格よりも高めの売出価格を設定する場合もあります。

価格が高すぎる場合のメリット

高めの売出価格でも、特に人気のある物件なら欲しい人が出てくる可能性があります。高く売れればその分だけ、自分の手元に残るお金も増えるでしょう。
たとえば駅に近い、周辺環境が便利、マンションなら3階以上の好立地などが、人気の高い物件の特徴です。

価格が高すぎる場合のデメリット

デメリットは、次のように売れない理由の連鎖が起きてしまうことです。

  • 相場より高いので売れない
  • 売れない理由があるのではと不審がられる
  • 売れないので値下げをする
  • 売れない期間が長びいてしまう
  • さらに値下げを余儀なくされる

最悪の場合、最終的に市場価格よりも安い価格で売却せざるをえなくなる場合もあります。

高く売りすぎないための対処法

高く売るとしても、相場より1割程度が目安です。複数の不動産会社の査定価格から判断した見積もりを目安に、売出価格を決めましょう。ただし売出時点で1ヵ月に5件以上内覧依頼が来るようなら、より価格を高くして買主を絞ることもできます。適切な価格設定は、より高く買ってくれる買主探しにも繋がるのです。

4.3 適切な価格を設定しよう

事前に相場価格を把握していると、適切な売出価格を設定することができます。相場価格での売り出しだと、周辺の類似物件と比べた時に価格で購入対象から外れることも少なくなります。そして、購入希望者が見つかりやすくなります。

また、値下げ交渉を見越した価格設定をしても、適正価格であれば諸費用を支払っても手元にお金を残すことができるでしょう。

家の売却は買い替えを同時に行うケースも多いため、事前に適正価格を調べて価格設定をすることで手元に残るお金を増やすことが大切です。手元にお金を残すことができれば、次の購入する家の資金に充てることができるでしょう。

4.4 相場から外れた価格設定を防ぐ方法

そのエリアでの取引状況がわかると、安すぎて損をしたり、高すぎて売れ残ったりということを防ぐことができます。一戸建ての売却前に、相場の下調べが重要です。まずは、インターネットを利用して、近隣の類似物件を見て価格を調べておきましょう。近隣の不動産会社が出す一戸建ての広告で、他の物件の売出価格を参考にするのも有効です。

5.一戸建ての売却価格を決めるときの注意点

一戸建ての売却額を決める時の注意点
スムーズな売却を行う時には、売却時に問題になるようなことは事前に対処しておくとよいでしょう。

5.1 境界部分ははっきりさせておく

古くから所有している一戸建ての場合、土地の境界線が曖昧な場合があります。よって一戸建ての売却を行う前には、境界線を確認することが重要です。境界線が不明瞭な場合には、隣人とのトラブルを予測して購入を躊躇する買主もいます。

事前に境界線を確定しておくと買主の不安を払拭でき、売却がスムーズに行えます。また、境界線が確定していなくても、公募売買という方法で境界線の確定を行わずに、登記簿上の面積で売買することも可能です。この場合には、買主が公募売買に同意していることが前提です。

反対に実測売買という方法もあり、売買契約をしてから測量を行い登記上の面積と測量した面積が異なる場合に清算を行う売却方法です。土地の大きさは数センチの違いでも、元が高額なため売却価格に大きな影響を与えます。

境界線が曖昧な時には、土地家屋調査士に依頼して測量を行い、境界確定しておくとよいでしょう。

土地を売却する際には、測量をした方が良いケースがありますが、測量には数十万円程度の費用が必要なため、予め費用や手順について押さえておくと良いでしょう。これから土地の売却を検討している場合は大体の費用を把握し、スムーズな売却を目指しましょう。

5.2 価格設定は交渉も考慮しておく

不動産の売却時には、ほとんどの場合価格交渉があると考えておきましょう。売主は事前にそのことを予測して価格設定を行えば、より希望額に近い形での売却ができます。

価格交渉に柔軟に対応できれば、頑なに値引き交渉を断るよりも購入希望者に良い印象を与えられますし、事前に考慮していれば値引きをしても自分の利益を確保することができます。

だからと言って、大きな金額を上乗せすると、相場価格から外れてしまい割高感が感じられ購入対象から外されてしまうため、上乗せする金額は売出価格の10%~15%程度にとどめておくと良いでしょう。

6.一戸建ての売却価格設定は慎重に行う

一戸建ての売却価格設定は慎重に
戸建ての売却はマンションの売却に比べて、時間が多くかかりがちです。長く売れないとストレスや不安を感じる人も多いため、少しでもスムーズに売却することは大切です。そして、スムーズな売却を行うためには、適切な価格設定が大切です。

価格設定を間違うと損をする可能性や売れ残る可能性があり、売却期間に大きく影響します。一戸建ての価格を決める時には、事前に相場価格を確認し、その時の状況を確認しながら慎重に行う必要があるでしょう。