【親の家を売る3つの方法】注意点とかかる税金について

親の家や土地を子が売る機会はそう多くありませんが、親が亡くなってしまったり病気になったりと、親自身が売れない状況はいつでも起こり得ます。

「家や土地を売る」というような、相手と契約する行為には親の意思が必要とされます。
また、親が認知症や重度の精神障害の場合、契約自体ができなくなる状況もありえるでしょう。

このような場合、親の家や土地を子が売るには、状況ごとに異なる方法と手順があります。
売る事情はそれぞれですが、多いのは次のような状況ではないでしょうか。

  • 子が家や土地を相続した(今後する予定)
  • 親の代わりに売りたい
  • 親が自分で売却できない事情がある

そこで、この記事では親の家や土地を売るときの流れや気をつけるべきことを説明していきます。

どのような状況でも、売却を進める上では「どのくらいの金額で売れるか」を知っておく必要があります。

今すぐ「どのくらいの金額で売れるか」だけでも知りたい方は、一括査定を見てみましょう。
一括査定では、親の家や土地でも「どのくらいで売れるか」を教えてくれます。

親の家の価格が分かる。

方法1:相続した親の家を名義変更して売る

親が亡くなって相続が発生すると、親が所有する不動産は相続人に相続されます。
親の配偶者も亡くなっている(つまり両親とも亡くなった)とすれば、相続人は子だけになるため、子が複数のときは、人数に応じて公平に相続権を持ちます。

ここで、不動産を売る前に、必ずしなくてはならない重要なことがあります。
それは、家や土地の名義を相続人に変更しておく手続きです。

亡くなった親の名義では売却できない

不動産の売却では、買主が所有者である売主と売買契約を結ぶので、売主である親が亡くなっていては、契約のしようがありません。
したがって、まずは相続人への名義変更が必要です。

相続登記と呼ばれるこの手続きは、法務局(全国に支局や出張所などがあります)に行って、登記申請書を提出することで行われます。

  • 亡くなった親の出生から死亡までの戸籍
  • 新たに名義人となる相続人の戸籍と印鑑証明
  • 相続人全員の住民票
  • 遺産分割協議書(遺産分割協議があった場合)

上記のような書類を必要とし、登録免許税という手数料も発生します。
登録免許税は、家と土地それぞれの評価額(相続される家・土地の価値を一定の基準で求めた金額)に対して0.4%かかる税金です。
仮に評価額1,000万円の土地なら、4万円かかるということです。

相続登記について詳しくはこちらの記事で詳しく説明してあります。

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更に、相続時には相続税を支払う必要もあります。

相続税の支払いについて

相続税の支払いは、親が亡くなったことを知ってから10ヶ月以内と決まっています。
相続税には控除(税金の対象にならない金額)が用意されており、最終的な相続税の金額は控除次第ですが、基本的には次の金額を超えると相続税が発生します。

親の全財産>3,000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人とは、法律で決まっている相続人のことで、亡くなった人の配偶者は常に法定相続人となり、その他は直系卑属(子や孫)、直系尊属(父母や祖父母)、兄妹姉妹の順で優先的に決められます。

法定相続人が子だけの場合、子が1人なら3,600万円、子が2人なら4,200万円と600万円ずつ増えていきます。
何人で相続するのか数え、上記の計算式よりも不動産を含めた財産が少なければ、相続税を心配する必要はないので安心しましょう。

また、相続税を支払う現金がないときは、相続して10ヶ月以内に売らないと、相続税の滞納になっていまいます。
意外と多いケースなので、相続税がいくらになって、支払えるのか確認は大切です。

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相続人が複数いると面倒

相続トラブルで典型的なのが、相続人が複数いる場合で、なおかつ相続人同士が協力的ではない場合です。
相続した家や土地の売却は、相続人全員の一致で行われなければなりません。

1人でも反対すると売却ができなくて面倒なので、相続後に行われる遺産分割の話し合いで、誰か1人を代表者として家と土地の名義人にしてしまい、売却後のお金を皆で分ける方法が使われます。

相続の手続きに関しては、こちらを見ると始められます。

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方法2:親の家を代理で売る

親本人に家や土地を売りたい意思があっても、療養中などの理由で、実際の手続きができない状況は、高齢になればなるほど起こってきます。
家を売って、介護費用に充てたいケースもあるでしょう。

そのようなときは、「委任状を用意して代理で売る」ことで、親の家や土地を売ることができます。

しかし、名義人である親以外が契約をすることになるので、買主側がかなり慎重になります。
その理由は、詐欺などの手口と表面上は見分けがつかないからです。

代理で売るには委任状が必要

親の代理として売るには、親が署名押印した「委任状」「印鑑証明」を添付して、買主と売買契約するのが普通です。
そうしないと、売買契約に親本人の意思があるのか、買主が確認できません。

よって、まずは委任状を用意するようにしましょう。
委任状には決まったフォーマットがないため、不動産会社に用意してもらうのがよいです。

親に代わって売る子(代理人)が、本人と同じ権限を持っているのか、一部の権限しか持っていないのかは、委任状の内容次第です。
子が親を代理するなら、全権委任(すべて子に任せてしまうこと)が多いでしょう。

しかし、買主にとっては、本人からの委任状があっても、偽造の疑いはなくならず、親本人に売却の意思を確認したいと言われるかもしれません。
また、親子関係が確かであるか、戸籍や本人証明を当然に確認されます。

ちなみに、親子だからと無条件に委任状が信用されるようなことはなく、万が一にも騙されたくない買主側は、かなり慎重に手続きを進めようとするはずです。
1つの方法として、子ではなく弁護士が代理人であると、買主も信用しやすくなります。

不動産会社を相談役として使う

相続の可能性がある場合でも、親の代理で売却をする場合でも、家を売ってくれるのは不動産会社です。
不動産会社には宅建を持った方がいますので、家を売る際の手続き等のプロです。

相続の際の手続き方法や代理で売るために必要な書類など詳しく相談にのってくれます。
しかし、親の家の近くの不動産会社に自ら足を運んでいくのは大変です。

一括査定なら、インターネットから親の家の売却に詳しい複数の不動産会社に依頼できるので、あなたにあった不動産会社を見つけることができます。

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司法書士には本人確認義務がある

決済の場を仕切り、登記手続きを行う司法書士には、取引や登記の公平性・確実性を担保するため、当事者本人の意思を確認する義務を負っています。
したがって、親を代理する子と買主が共謀して、司法書士を介さずに取引するケースを除けば、親に無断で売ろうとしても、司法書士が歯止めになります。

また、本人の意思が反映されず権限のない代理(無権代理)でされた契約は、本人が追認(後から認めること)しなければ、本人に効力が発生しません。
さらに、子が代理権を持っていないと知った買主は、契約を取り消すことができます。

したがって、子が勝手に親の家や土地を売ろうとして、仮に売買契約まで結ばれたとしても、決済の段階で司法書士が親に確認すれば売却の意思がないと気付きますし、事実を知って危険を感じた買主は契約の取消しを求めるので、正当な手続きが必要です。

親の家でも査定額がわかる「一括査定」

子が親の家や土地を売りたいと思ったとき、遠方にあるから近くの不動産会社に相談できない場合が多いのではないでしょうか。
しかし、代理で売ろうとした場合どのくらいの金額になるか、まずは知っておきたいはずです。

そんなとき一括査定サービスの出番です。

一括査定サービスでは、WEBサイトから簡単に家や土地の査定を申し込むことが可能です。
相場を把握したいだけの場合は、訪問しなくても金額がわかる「机上査定」で大丈夫です。

一括査定サイトでは、HOME4UすまいValueなどが有名です。

HOME4UはNTTグループの会社が運営しており、提携不動産会社は厳選されています。
大手、安心、といったキーワードを求める方はHOME4Uでの査定がお薦めです。

また、都市部に親の家や土地がある方には、すまいValueもおすすめです。
不動産仲介1位の企業など大手6社のみが集まっており、相場を知るためには取扱実績の豊富な大手企業の声は貴重です。

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三菱地所ハウスネット株式会社
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それ以外のサービスや、一括査定のメリット・デメリットが気になった方はこちらの記事もご参照ください。

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不動産一括査定

方法3:成年後見人として売る

親の家も土地も、親が生きている限り親の所有物で、身内を含め本人以外の人が勝手に売ることができないのは当たり前です。
ところで、意識不明の重体や認知症など、親が売る意思を示せない状態になってしまうと、所有物はどうなってしまうのでしょうか?

親の代わりに売る方法として、代理が可能であることは説明しました。
しかし、代理には委任状が必要で、委任する意思も示せない親では、委任状が正しく本人の意思を反映しておらず無効に扱われてしまいます。

成年後見人は財産を処分できる

自らの意思を示すことができない人に対して、保護的な役割を持たせる成年後見人(せいねんこうけんにん)であれば、親の不動産を売却することが可能になります。
成年後見人は、家庭裁判所に選任される必要があり、手続きは家庭裁判所で行います。

ただし、成年後見人に選任されても、何でも自由に財産を処分できるものではなく、親に必要な費用(介護費や療養費など)でなければ、売却は許されません。
成年後見人は本人に代わって財産を管理できる権限を持っていますが、財産を使うときは必ず本人のためであることを条件とします。

また、現に親が住んでいる家の売却には、別途家庭裁判所の許可を必要としますので、もし売却が必要になっても、親が住んでいない土地があれば、そちらから進めることになるでしょう。

子が成年後見人になれるとは限らない

親が認知症や精神障害を発症して、成年後見人が必要になったとき、子が成年後見人になるのは珍しいことではありません。
あるいは、配偶者が健常なら、配偶者が成年後見人になるのもよくあることです。
これは、後見制度の意義から考えても、身近な親族によって支えていくほうが、本人のためにもよいと考えられているからです。

しかし、成年後見人は、家庭裁判所によって選任される都合上、親族が自由に決められるものではなく、弁護士等の親族以外から選任されることもあります。

家庭裁判所に選任してもらうための申立てでは、候補者を提出するので、子が自ら候補者になることも、親族等の協議で候補者を決めることも可能です。
それでも、家庭裁判所が望んだ候補者を選ぶとは限らず、候補者以外が選ばれても、不服を申し立てることも許されていません。

このような仕組みになっているのは、成年後見人に代理権が与えられているからで、自ら意思を示すことができなくなった本人を保護する目的です。
親の家や土地を売る目的で成年後見人になることは、親の財産を不当に手に入れたい場合と区別が付きにくく、家庭裁判所も慎重になるのです。

親の家を処分するときの注意点

親の家が遠方にある場合や忙しくて手がつけられていない場合、処分せずに放置してしまうとどうなるのでしょうか。

ここでは、親の家を処分するときの注意点をお伝えします。

処分は早めにする

親の家を処分せず放置しておくと、様々なデメリットがあります。

  • 建物の痛みが進行する
  • 無駄に固定資産税を払い続けることになる
  • 固定資産税が6倍になる可能性も
  • 近隣からのクレームが発生する

特に、固定資産税が6倍になると、負担がとても大きくなります。
これは、親の家が特定空き家に認定されてしまった場合です。
簡単に言うと、「適正な管理をせずに放置し続けられている家」のことです。

いつかは処分しなければならないなら、早いうちに処分してしまいましょう。

独断で家を解体しない

親の家を放置し続けることは、様々なデメリットがあります。
そこで、家を解体してしまおう、と考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、安易に家を解体してしまうと思わぬ結果を招きます。

家を解体してしまうと、税金の優遇措置が受けられなくなってしまいます
家が建っていると、「住宅用地の特例」という優遇が受けられます。

住宅用地の特例によって、固定資産税が最大で1/6、都市計画税が1/3にまで減額されます。
家を解体してしまうと、特例が適用されなくなるため税負担が大きくなります。

また、解体費用は、およそ100万~200万ほどかかり、なかなかの大金です。

固定資産税や特例については、適用の期間や条件が少々複雑です。
家を解体しようとする場合は、不動産会社に相談してからでも遅くはないでしょう。

親の土地や家を売るときにかかる税金について

親の土地や家を売る際には、税金がかかってしまいます。

思わぬ形で、小さくない支出をすることになりますから、売る際の税金については知っておきたいものです。

しかし、その税金を抑えることもできます。
使えるものは使わないと、損をすることになりかねません。

利益が出たときに支払う「譲渡所得税・住民税」

納める額が多く、支払う必要があるのかややこしいのが譲渡所得税です。

譲渡所得税は、不動産を入手した額より売却した額が大きくなり利益を得た場合に支払う必要があります。
譲渡所得税があるのは、「不動産の売却で利益がでたら税金を払いなさい」という極めて単純な理屈です。

しかし、不動産は取得するときにも譲渡するときにも費用を伴うので、それぞれの費用を控除して、純利益に相当する譲渡所得だけに課税されます。

「譲渡所得税・住民税の計算方法

譲渡取得税・住民税は、下記の計算式によって計算されます。

譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費
課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額譲渡所得税額=課税譲渡所得×譲渡所得税率
住民税額=課税譲渡所得×住民税率譲渡収入:売却によって得られた収入
譲渡費用:売却によって負担した費用
取得費:取得時の費用と負担した費用
※特別控除額については、重要なので後述

譲渡所得税率は、家の所有期間が「5年を超える場合」と、「5年以下の場合」で異なります。
5年を超える場合に発生する譲渡所得を長期譲渡所得、5年以下の場合に発生する譲渡所得を短期譲渡所得と呼びます。

譲渡所得税率住民税率
長期譲渡所得15%5%
短期譲渡所得30%9%

譲渡所得税と住民税をあわせると、この2つで税率が約2倍も違うことがわかります。

もし、難しくて一度に理解することが難しいという人は、利益が出たら支払う税金が増えるという認識だけもっておくとよいでしょう。
実際に家や土地を売る前に不動産会社に相談すると、どのくらいの譲渡所得税を支払うか教えてくれます。

具体的に計算してみたい、計算事例を見たいという方はこちらが参考になります。

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譲渡所得税を抑える3,000万の特別控除

譲渡所得税の計算方法の中で、「特別控除」という言葉がでてきました。
特別控除とは、家や土地を売って得た利益から一定の金額を控除(減ら)しますというものです。

特別控除にはいくつかありますが、覚えておくべきは、3,000万円の特別控除の特例です。
3,000万円の特別控除を使うことで、譲渡所得から3,000万を引くことができます。

これは親の家や土地を売るときにも適用できます。

しかし、どんな土地や家でも3,000万の特別控除の特例が使えるかというと、そうではありません。

特に、親の土地や家を売る際は、下記の条件を抑えておく必要があります。

  1. 住まなくなった日から3年目を迎えた年の年末まに売った
  2. 売る前年または前々年までに、他の特例を使用していないこと
  3. (土地の場合)解体から1年以内で売買契約が締結されている
  4. (土地の場合)解体から売買契約まで他の用途に使用していない

参考:マイホームを売ったときの特例|国税庁

特に、親の土地や家を売る際は、親が住まなくなってから3年目を迎えた年の年末までに売らないと控除が使えない点に注意しましょう。
更に親が亡くなっている場合には、過去2年間に3,000万の特例を受けていないかも確認しておきましょう。

仮に、親の家が空き家になっている場合でも一定の条件を満たせば3,000万の特別控除を使うことができます。
参考:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

また、これらの特例を使った場合は、譲渡所得が0であっても確定申告を行う必要があります。

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まとめ:状況に応じて適切な方法をとることが大切

親の家や土地を売る方法を状況
どの状況でも家や土地を売ることができるのは所有者に限られます。

親名義のまま売ることが許されるとすれば、委任状による代理と成年後見人による代理で、成年後見人による代理は、売却が親のために必要な場合だけです。

したがって、子が自由に売るためには、名義変更を先にしなくてはならず、相続なら複数の相続人でトラブルの可能性、相続前なら高い贈与税が発生します。
このように、どのケースだろうと、不動産の売却というのは一筋縄では進みません。

  • 相続した家や土地は名義変更してから行う
  • 親の代わりに売る場合は委任状が必要になる
  • 成年後見人は親に代わって売却できる

親の家や土地を売りたいときは、この3つを覚えておけば大抵は大丈夫です。
くれぐれも、親に無断で売ろうと思わないようにしましょう。

なお、家を売る際の全体像や流れ、ポイントはこちらの記事をご覧ください。

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