土地の実勢価格とは。公示地価や路線価との差を考える

土地の実勢価格
土地の価格を知りたい理由として多いのが、売り買いの参考ではないでしょうか?
他にも相続や固定資産税の評価額や、すべての基準となる公示地価などありますが、売買価格に1番近いのがこの実勢価格です。

では実際にどういう情報が得られ、他の価格とはどの程度の差があるのか、実例を挙げながら考えてみます。
具体的に価格を調べる方法が知りたい場合は、本記事をご覧ください。

実勢価格と公示地価とは?

不動産売買で気になるのは「価格」と「タイミング」です。価格とタイミングを知るには2つの指標を定期チェックし続けることが重要になります。それは、実勢価格と公示地価です。

実勢価格は実際に売買が成立している価格、公示地価は国土交通省が毎年発表する価格です。
不動産売買における価格とタイミングをより正確に掴むのに役立つ2つの指標を解説していきます。

公示地価の解説

公示地価とは

公示地価とは、国土交通省が毎年発表する全国の土地価格です。毎年1月1日時点で発表され、平成30年では約26,000地点の価格が公表されています。
法律で毎年発表することが義務付けられているため、定期ウォッチできる価格指標です。

土地価格を決めるのはとても難しく、日本の歴史の中で土地価格が異常に高騰し、経済が混乱したことがありました。その対策のために、政府は不動産鑑定士という公的な資格をつくり”正常な価格”を公表するようになったのです。
実態以上に価格高騰すると、国民がマイホームを持つことが困難になるからです。また、オフィスビルや商業施設の建設も難しくなり、日本経済の発展の重大な問題を発生することにもなりかねません。

土地取引する際の価格を決めるときは、実際の取引事例の価格だけでなくこの公示地価を参考にしましょう。
国土交通省が専門家の鑑定により適正な価格として公表しており信頼できるからです。
土地総合情報システムを利用すれば簡単に公示地価を知ることができます。

なお、公示地価と類似したものとして基準地価と路線価があります。さらに詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

公示地価とは?基準地価や路線価との違いと合わせて解説
公示地価は日本の土地価格を測る指標で、よく目にする地価変動のニュースでも使われています。ここでは他の指標との関係性も含め、その特徴を分かりやすく解説しましょう。

公示地価はこうして決まる

公示地価の公表時期

公表時期は、毎年3月下旬頃でその年の1月1月時点の公示地価が公表されます。
地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が発表します。

公示地価は誰が決定するのか

全国約26,000地点の標準地の価格は、国土交通省の土地鑑定委員会により決定されます。
標準地とは、周辺の環境や土地の形・広さ・利用状況が”標準”として選ばれたものです。
鑑定は2人以上の不動産鑑定士によって行われます。不動産鑑定士によって算出された価格を土地鑑定委員会が審査・調整し、公示地価を最終決定しています。
標準地の1平方メートル当たりの価格を公表しています。

公示地価の活用方法

公示地価には主に3つの活用方法があります。

  • 一般の土地取引の指標
  • 相続税や固定資産税評価の基準
  • 公共事業用地の価格算出の基準
  • 多くの方にとっては土地売買の価格を決めるときの指標になるはずです。
    不動産売買で価格を決めるときは、土地総合情報システムで近隣の標準地の地価を事前に確認しましょう
    また、土地所有者の方は地価公示結果の概要や、都道府県別の価格や変動率を必ず定期チェックしてください。毎年必ず価格が更新されるので、正確な相場把握につながなります。

    最新の公示地価を押さえよう(2018年1月1日時点)

    高額公示地価ランキング

    実際に公示地価がどのようなものか見てみましょう。
    地価公示では、標準地の価格だけでなく変動率も確認できます。
    変動率を見れば相場の動きを把握でき、土地価格算出をより正確に行えます。具体的にどのようなものかがわかりやすいよう、ここでは高額な公示地価のエリア動向を紹介します。

    住宅地

    赤坂、白金、南麻布など高級住宅街が並びます。価格が高い上に9%も変動しているものもあり、高級住宅を欲する消費者が増えていることがわかります。
    千代田区はオフィス街が近く、住宅用途として価格が高くなりやすい上に住宅供給量が少ないため、値上がりしやすいと推測できます。

    順位所在地価格変動率
    1港区赤坂1丁目1424番1368百万円+9.0%
    2千代田区六番町6番1外375百万円+2.7%
    3港区白金台3丁目55番4外310百万円+8.4%
    4港区南麻布4丁目19番1275百万円+9.5%
    5千代田区三番町6番25288百万円+3.1%
    6千代田区一番町16番3281百万円+3.2%
    7港区南麻布1丁目35番1外260百万円+8.1%
    8千代田区九段北2丁目6番26272百万円+2.9%
    9千代田区平河町2丁目2番23236百万円+4.2%
    10港区赤坂6丁目1911番225百万円+7.1%

    商業地

    商業地では銀座が上位10位のうち6箇所がランクインしています。
    高級料理や高級ブティックが立ち並ぶ銀座の土地価格が上昇するのは、高級志向の消費者が増えていると言えます。より高い土地価格を支払ってでも購入したい買主がいるのは、以前と比較して高級品が数多く売れる景気になっているからです。

    順位所在地価格変動率
    1中央区銀座4丁目2番45050百万円+9.9%
    2中央区銀座5丁目103番164300百万円+9.3%
    3中央区銀座2丁目2番19外3700百万円+9.7%
    4中央区銀座7丁目1番2外3660百万円+9.6%
    5千代田区丸の内2丁目2番1外3490百万円+2.3%
    6新宿区新宿3丁目807番1外3020百万円+12.6%
    7新宿区新宿3丁目30番13外2950百万円+12.5%
    8中央区銀座6丁目4番13外2490百万円+16.9%
    9中央区銀座4丁目103番1外2580百万円+8.9%
    10千代田区大手町2丁目4番2外2680百万円+2.6%

    出典:平成30年地価公示(公示価格高順位表(全国)

    このように、変動率を確認することで土地の売り時・買い時を知ることができます。

    全国の地価の動向

    2019年3月には平成31年1月1月時点の公示地価が発表されます。最新の公示地価発表までにこれまでの全国の動向を掴むことで大まかな相場トレンドを把握できます。
    以下に、全国の動向をまとめますので参考にして下さい。

  • 住宅地の変動率は10年ぶりに横ばいから上昇に。
  • 商業地は3年連続の上昇、工業地は2年連続の上昇。
  • 首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏では住宅地・商業地・工業地いずれも上昇。
  • 地方圏の住宅地は、下落幅が縮小し続けている。商業地・工業地は26年ぶりに上昇に。
  • 平成30年は全国的に上昇基調ですね。
    相場が下がり始めると土地を売りにくくなるため、利用していない土地を持っている方は売り時です。

    エリア別地価の動向

    主要な都道府県の公示地価も紹介していきます。公示地価は都道府県別で異なる傾向がみられます。全国動向を把握した方は、次に都道府県の動向を知ることでより正確な相場動向を把握できます。

    都道府県住宅地商業地工業地
    東京2.4%5.4%2.6%
    大阪0.1%4.9%0.7%
    福岡1.8%3.9%1.9%
    神奈川0.1%1.9%1.9%

    東京が、住宅地・商業地・工業地すべて顕著に上昇していることがわかります。
    一方で大阪や神奈川の住宅地は0.1%の上昇に留まり、必ずしも上昇相場ではありません。大阪や神奈川の住宅向けの土地の売却を検討している方は今が売り時です。
    商業向けの土地を保有している方はまだ保有して値上がりを待ちましょう。商業地の上昇率は高く、日本企業の業績な好調なうちは商業地の上昇傾向が続くと考えられます。

    このように、全国の相場把握から都道府県別の相場把握へ段階的に相場考察をしていくことで、相場状況をわかりやすく掴むことができるようになります。

    「実勢価格」の解説

    実勢価格とは、実際の市場で売買されている価格のことです。
    土地の価格以外でも実勢価格の考え方はあって、例えばスーパーで売られている生鮮食品などは、季節によってまったく異なる値段が付いているでしょう。

    各小売店で値段は上下しますが、全体ではある程度の相場が形成されており、消費者が考える相場よりも高ければ購入を見送り、安ければ購入が促進されます。
    似たような性質では、家電商品でよく見かける「オープン価格」があります。

    つまり、定価売りではない商品ではもちろんのこと、定価がある商品であっても、小売店の安売り等で価格は変わりますから、日々変動する実勢価格が日常的に存在し、私たちは実勢価格を高いか安いか判断しながら、商品購入の決め手にしているのです。

    土地の価格も同じように、近い地域で類似条件の取引事例を集めてみると、安い取引も高い取引も混在する中で、㎡単価や坪単価は総じて似たような価格で、それが実勢価格になります。

    土地の実勢価格の特徴

    普段の生活で日常的に実勢価格に接していても、通常の商品は「同じものについて異なる価格」が付いているため、その判断は価格を基準にすることが可能です。
    高い安いで判断できるのは、商品の定価や相場を知っているからです。

    それに対し、土地の場合には「異なる土地について異なる価格」が付いているので、判断が難しく、実勢価格は単に異なる土地の価格を寄せ集めた結果です。
    そして、実勢価格に応じた価格で取引がされるかといえば、成立する価格は、当事者の自由な交渉で変動し、実勢価格に近いとは限りません。

    このように、土地の実勢価格は平均的な過去の価格であって、将来の取引で成立しそうな価格ではないので、他の商品と土地を同じように考えないことが重要です。
    また、集めた取引事例から平均値を求めることは可能ですが、平均値に縛られるのではなく、幅のある価格帯として捉えておくべき価格です。

    例えば、類似物件を3つ集めて取引価格を比べた場合、それぞれの単価が19万円/坪、20万円/坪、21万円/坪であるとして、平均が20万円/坪だから実勢価格を20万円/坪とするよりも、事情によって19万円/坪~21万円/坪くらいと考えておく方が正しいのです。

    実勢価格の例

    一例として、国土交通省が提供している土地総合情報システムを使い、取引事例から求める実勢価格の例を紹介します。

    国土交通省|土地情報総合システム

    このシステムでは、地域を指定して土地取引の過去事例を閲覧できるので、今回は「東京都」「世田谷区」「上馬」で検索してみます。

    不動産取引価格情報

    ※取引時期は「平成27年第1四半期(過去1年間を含む)」です。
    ※検索結果は四半期で更新されるため、同じ結果になるとは限りません。

    リストの1番目、3番目、5番目の住宅地は、駒沢大学駅からそれぞれ9分、9分、8分と同一圏内にある長方形の土地で、広さ、前面道路の幅員、方位などは異なりますが、感覚的には似た物件と考えて問題のない範囲です。

    そこで、坪単価に注目すると、1は250万円、2は220万円、3は230万円だと確認でき、実勢価格は200万を超え、条件次第で数十万円の差があると掴めるでしょう。
    これが、同じ地域で坪100万円や坪500万円なら、何か特別な事情があるか、公正ではない取引がされたと考えるべきです。

    実際にリストの9番目では、駒沢大学駅から8分の土地が坪単価83万円で取引されており、この土地は不整形という特別な事情が影響したと推測されます。

    売り出し価格と査定価格も参考になる

    取引事例から求める実勢価格は、事例が少ないと精度が低くなってしまうため、同じ地域の売り物件を調べたり、無料の価格査定を使ったりして把握する方法もあります。
    例で使った世田谷区上馬に存在する、売り物件を調べてみましょう。

    売り物件

    この売り物件は、駒沢大学駅から12分ですが、坪264.5万円で売られています。
    少し高めですが、取引事例で求めた実勢価格(220~250万円)と大きく外れてはいません。

    売り物件

    こちらは駒沢大学駅から10分で、坪238.2万円になっています。

    売り出し価格を取引事例と比べるときの注意点は、取引事例は過去事例である以上、現在の実勢価格を正確には反映していないこと、売主の希望価格でもある売り出し価格は高めに設定される(売買時はもう少し下がる)要素を含んでいることです。

    したがって、この地域で取引事例と売り出し価格から求める実勢価格としては、やはり200万を超え、条件次第で数十万円の差と考えておくのが妥当でしょう。

    もう1つ、不動産会社の査定価格ですが、実際に依頼してみないと価格は不明です。
    査定価格もおおむね近い価格になるとはいえ、不動産会社によって異なる査定価格が出てくるので、高い査定価格を取り上げても実勢価格と離れていれば意味を持ちません。

    あらかじめブレがあることを考慮し、複数社の査定額を比較できる一括査定のサイトもあります。
    もし実勢価格を調べたいとき、世田谷区のような都市圏は売買事例も豊富ですが、地方では参考にできる程の数がない場合もあるので、こういった査定結果を利用する方が適しており、ケースバイケースです。

    公示地価と実勢価格の差

    国土交通省の公示地価や、都道府県の基準地価は、公的な地価水準として知られており、土地の取引においても参考にされるべき地価と言えます。
    毎年1月1日時点の地価が公表され、不動産鑑定士の鑑定評価を基礎とします。

    しかし、土地には定価がなく、取引の当事者により自由な価格を決めることが可能で、互いに納得できる価格まで交渉して取引が完結します。
    この「お互いに納得できる価格」とは、公示地価に拘束されるものではありません。
    (不動産鑑定士の鑑定評価額を取引価格にする場合は除く)

    また、売主と買主は利益相反の関係にあるので、公正な取引がされるほど、合理的な適正価格=公示地価に近づいていくはずです。
    それでも、公示地価と実勢価格は、時に大きく乖離してしまうことが知られています。

    理由1:取引当事者の事情

    土地の取引当事者が、双方とも公示地価に基づいた取引価格を望むことは、実際の取引において、特に個人間取引では少ないと考えられます。
    売主は「高く売りたい」、買主は「安く買いたい」のが通常ですし、売り急ぐ売主は価格を下げ、買い急ぐ買主は価格を上げる方向で動くでしょう。

    また、価格交渉では、主導権を持って価格合意をリードする側が必ず存在しますから、それが売主なら価格は高くなり、買主なら安くなります。
    そのくらい土地の価格は不安定で、流通している価格は一時的なものです。

    他にも、売主と買主の一方が相場に無知であるとき、売主と買主が近親・知人などでは、相場に対して高くも安くもなる取引があります。
    実勢価格はすべての取引の平均ではないですが、取引事例の価格が取り入れられるとき、その背景にある事情までは深く考慮されません。

    一方で、公示地価の場合には、不動産鑑定評価基準に基づいて算出され、取引事例を用いる手法でも、客観性の担保のために特殊な事情は補正され、正常な補正ができないほど特殊な取引事例は除外されます。

    したがって、特別な事情が含まれた取引も含めて形成される実勢価格と、補正が入る公示地価では、根本的な性質の違いがあると言えます。

    理由2:公示地価は実勢価格に遅れてしまう

    公示地価は毎年1月1日時点の地価で、翌年にならなければ更新されません。
    ところが、土地の実勢価格は常に変わり、年初は公示地価が実勢価格に近くても、年の途中で実勢価格に影響を与える出来事が起こります。

    例えば、価格上昇は取引需要の増加と直結し、その要因は人口流入、交通網の整備、商業施設の増加、円安による海外からの投資など色々あるでしょう。
    逆に価格下落は取引需要の減少ですから、人口流出、店舗や施設の撤退、災害によるインフラ被害や土壌の劣化、金利上昇などこれまた色々と考えられます。

    こうした実勢価格の変化は、翌年の1月1日まで公示地価に影響を与えません。
    そして、公示地価が実勢価格の変化を吸収しても、その年にはまた実勢価格が変動して乖離していくため、どうしても公示地価は実勢価格を後追いする形になりがちです。

    実際にどのくらい差があるのか

    土地情報総合システムでは、周辺の公示地価も表示できるので、取引事例から求めた実勢価格と、公示地価の差を比べてみます。
    取引事例のリスト画面で、各事例の左端にある「詳細表示」の列に番号が振られており、クリックできるようになっていますので、今回は1番をクリックしてみます。

    不動産取引価格情報

    クリックすると、物件の詳細が別ウィンドウで表示されますが、この画面の下部には、「周辺の地価公示」という欄があり、「表示」と書かれたリンクをクリックします。

    不動産取引価格情報

    すると、さらに別ウィンドウで、取引事例周辺の公示地価が表示されます。
    この例では、2つ表示されており、565,000円/㎡と507,000円/㎡です。

    周辺の地価公示

    価格は㎡単価なので坪単価にすると、それぞれ約186万円と約167万円です。
    取引事例と売り出し価格から求めた、200万円+数十万円(230万円程度)の実勢価格と比べて、いずれも公示地価のほうが相当低い(売買価格の方が高い)とわかります。

    公示地価は、決められた標準地の価格でしかないため、標準地周辺の土地は、条件に合わせて増減する必要がありますが、それにしても大きな差です。
    では、なぜこのように公示地価が実勢価格と乖離してしまうのでしょうか?

    例における価格差の考察

    取り上げた例の場合、平成26年後半から平成27年初頭の取引を使い、公示地価は平成27年1月1日の価格を使っていますから、時間差による乖離は小さく、公示地価で想定される価格よりも、実際の市場取引が売り手市場(売る側が有利)だということなのでしょう。

    また、公示地価の標準地は、取引事例よりも建ぺい率・容積率が小さい土地であることも、価格を下げている要因なのかもしれません。
    いずれにしても、土地の価格を決める要素は無数にあり、実勢価格と公示地価の価格差について、絶対的な理由はないということです。

    近年(平成26年・27年)の傾向としては、東京圏を含めた三大都市圏で、住宅地・商業地ともに上昇傾向がみられ、地方圏では下落傾向がみられます。
    東京23区で最も人口の多い世田谷区を例としたので、土地需要が大きく、実勢価格のほうが公示地価より高くなっても不思議ではない、逆に言えば需要が少なくなっている地域では、これが逆転する可能性も大いにあるでしょう。

    路線価と実勢価格

    土地の価格では、公示地価/基準地価のほかに、「相続税路線価」「固定資産税路線価」という2つの公的な指標があります。
    土地の路線価と面積が分かれば、かんたんに評価額を出せるので、実勢価格(売買価格)の参考にすることを考える人も少なくないでしょう。

    標準地を定める公示地価と異なり、路線価の場合には道路に設定されるため、路線価が設定された道路に接している土地は、より詳細に価格を求めることが可能です。
    ただし、路線価は公示地価を基準として決められ、実勢価格とは異なります。

    相続税路線価:おおむね公示地価の8割
    固定資産税路線価:おおむね公示地価の7割

    逆に考えると、相続税路線価を使って求められた土地の評価額を、0.8で割れば公示地価水準に近づき、固定資産税路線価を使って求められた土地の評価額を、0.7で割れば公示地価水準に近づくという理屈は成り立ちます(正確ではありません)。

    そのようにして求められた価格が、仮に公示地価と同等であっても、公示地価と実勢価格に差があることは例に示した通りで、やはり実勢価格とは異なります。
    可能性があるとすれば、公示地価と実勢価格の差が小さい地域で、なおかつ地価変動が小さい地域なら、路線価からでも実勢価格に近い価格が求められるかもしれません。

    また、路線価は公示地価に対して低い水準で設定されているため、地価が上昇局面にある地域では、路線価をそのまま使うと公示地価よりも実勢価格と離れていきます。
    反対に地価が大幅な下落局面にあると、公示地価よりも実勢価格に近くなります。

    路線価は公示地価よりもさらに実勢価格に遅れる

    相続税路線価は国税庁が毎年7月頃に公表、固定資産税路線価は市町村が3年ごとの4月頃に公表する価格で、いずれも公示地価よりも遅れて公表されます。
    遅れて公表される分、実勢価格との差は大きくなる傾向です。

    例えば、ある年の6月に相続税評価額を使って求めた土地の評価額は、当年の公表前ですから、前年の1月1日現在の相続税路線価を使うしかありません。
    約1年半前の相続税路線価が、実勢価格を反映しているとは考えにくく、3年ごとに変わる固定資産税路線価は、なおさらその傾向が顕著です。

    路線価を売買価格の目安として使うのであれば、公示地価水準に戻して使うこと、路線価の改定直後に試算してみるといった工夫が必要でしょう。
    それでも、依然として実勢価格との差は解消できず、実際の取引事例を多く探して求めるか、査定を受けて出した価格の方が精度は確かです。

    まとめ

    土地の実勢価格を取引事例、公示地価、路線価という3つの視点で説明してきましたが、実勢価格は流動的で、公的な地価と差が生じるのは理解できたのではないでしょうか?
    その差の大きさは、周辺地域の地価トレンドや個別の取引事情で異なるので、公的な地価と一律の差があることを前提にしてはいけません。

    例では実勢価格の方が公示地価よりも高かっただけで、地価の下落が激しい地域では、実勢価格が公示地価を下回ることも考えられます。
    どちらが高い安いに注目するのではなく、実勢価格と公示価格の2つの指標の時系列で定期チェックして、トレンドの上昇から下降もしくは下降から上昇への変わり目を予測するのが重要です。

    そうすれば、いざ自分が売買をするときに、価格帯や売り時をより正確に推測できるからです。
    また、不当な取引を持ちかけられても防止できます。
    実勢価格や公示地価だけでなく、プロによる査定価格を無料で知る方法があります。査定価格を知るには、ネット上から簡単に査定ができる一括査定サイトがおすすめです。ぜひ活用してみてください。

    【A/B_1/7~1/9】不動産会社8社に査定を依頼したら
    不動産会社8社に査定を依頼したら330万円の差があった

    土地や空き家などを含めた不動産を売却するに当たっては、どこかの段階で査定を受けることになります。
    でなければ、売り出し価格が決められないからです。

    昔は町の不動産屋さんに電話や来店で相談する流れが普通だったため、初めて訪れたところの査定額で話を進めることも少なくはなかったかもしれません。

    しかし、実際に何度か査定を受けてみると分かりますが、依頼する不動産屋によって、言うことも査定額も異なるのが不動産です。

    相場を知らなければ、安くで売ってしまったことにも、高いから売れ残っており、結果的に税金などが負担になっていたとしても、原因が分からないでしょう。

    ここで紹介する不動産一括査定サイトも万能ではありません。
    仲介業者の間でも価格にバラツキがある不動産売買において、物件に応じた相場を知ることができる、非常に便利なサービスなのです。

    今後の目安のため、一括査定サイトを使って実家の査定を依頼したところ、安い会社と高い会社の差が330万円ありました。
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    主な不動産会社

    ただし、一括査定サイトもすべての不動産会社と提携しているわけではありません。
    1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)であれば、地域に特化した実績が豊富なソニー不動産も合わせて検討するとよいでしょう。


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