空き家問題とは?増加の原因と対策・解決策について

空き家問題

空き家問題は田舎だけの問題ではありません。
空き家対策特別措置法が施行された後、初めて行政によって取り壊しが行われたのも、神奈川県横須賀市の空き家でした。

大きな原因は人口減少ですが、雇用が都市部に集中していることや、長寿命化による介護施設の利用増加、経済成長時期の時代に合わない制度、そして利権など、さまざまな原因が絡み合っているのがこの問題です。
ただ、人口は減少していても世帯数はまだ増加しており、問題が深刻になるのはこれからと言われています。

その一方で国や自治体は対策を、民間企業は今後を見据えたサービスの提供を始めています。

もしあなたの親が持ち家やマンションを持ち、離れて住んでいるなら、いずれ相続する日が来ます。
決して他人事ではないのです。

空き家問題の現状

空き家はどのくらい増えているのか?まずは単純なこのテーマから取り上げます。
空き家にも種類があり、「常時住んでいないが使っている」、「貸したいのに借り手がいない」、「売りたいのに買い手がいない」、「その他」に分類されます。

  • 二次的住宅(常時住んでいないが使っている)
  • 賃貸用住宅(貸したいのに借り手がいない)
  • 売却用住宅(売りたいのに買い手がいない)
  • その他(用途がなく使われていないか分類不能)

これらの中で明らかに問題とされるのは、「その他」に分類される空き家です。
その他に該当する空き家には、例えば介護施設への入所で空き家になる場合や、所有者が亡くなって空き家になる場合などを含みます。

空き家が増えている

総務省統計局では、5年ごとに住宅・土地の統計調査を公表しており、その推移を確認することで、空き家がどのくらい増えているのか知ることができます。

空き家率の推移

全国の空き家率は増加の一途で、平成25年においては空き家数が820万戸、空き家率が13.5%となりました。
5年前に比べると、空き家数は63万戸の上昇、空き家率は0.4%の上昇です。

空き家数と空き家率の推移

(「総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査 特別集計」より)

空き家の種類別割合とその推移

空き家の種類別割合でみると、二次的住宅、賃貸用住宅、売却用住宅の割合はいずれも減少傾向にあるのに対し、その他に分類される空き家の割合が増えました。
この傾向は、問題とされるその他の空き家に、対策が必要なことを裏付けています。

種類別空き家数

(「不動産流通促進センター 2015不動産業統計集」より)

空き家問題は地方に限らない

空き家率は地方で高くなっていますが、空き家数に注目すると、人口の多い地域で多くなるのは当然で、大都市を含む都府県の空き家数は次の通りです。

都道府県 空き家数
東京都 817,100
神奈川県 486,700
愛知県 422,000
大阪府 678,800

(データ:平成25年住宅・土地統計調査)

4つの都府県を合計すると、約240万戸の空き家が存在します。
全体が820万戸ですから、4都府県で約29%にも達し、対策が急がれるのはむしろ都市圏であるとわかります。

空き家問題はマンションでも

株式会社東京カンテイの調査によると、平成26年のマンション化率は、全国平均で12.08%、最もマンション化率が高い東京都では26.38%でした。

株式会社東京カンテイ|2014年のマンション化率

東京都における平成27年1月1日現在の世帯数は、6,784,195世帯(東京都公表値)ですから、約180万世帯がマンションで暮らしています。

住宅の既築戸数が飽和しているのですから、将来の世帯減少でマンションでも空き家が増え、いつかは建て替えや除却(解体)を必要とするのですが、マンションの場合には、戸建と異なる独特の事情を含んでおり、空き家問題をさらに複雑化させています。

マンションの建て替えや除却は難しい

マンションは朽ちた戸建の空き家と異なり、構造が頑丈で自然倒壊は考えにくいですし、管理組合の運営が適正なら、修繕積立金で必要な修繕が行われているはずです。
したがって、周辺に与える危険性での問題は小さいのですが、老朽化したマンションは空き家の解消が難しく、なおかつ建て替えも除却もしにくい特徴があります。

大前提として解体・建て替え費用の負担問題はあるにしても、それ以前に分譲で区分所有権を持っている権利者との調整は、極めて難航するのが普通です。
法律上は、4/5以上による多数の決議を要し、建て替えに反対する一部の権利者に対しては、区分所有権の売り渡し請求をする流れです。

決議のための総会を開くにしても、空き家になっていれば、どこかにいるはずの区分所有者に議決権の行使(委任を含む)を依頼しなくてはならず、空き家になった理由が死亡によるときは、相続人を対象とするのでさらに面倒です。

このように空き家が多いマンションの建て替えは、合意形成から難問が山積みで、廃墟化していく様相が目に浮かびます。
一方の除却(解体)による根本的な空き家の解消ですが、残っている住人の抵抗に合うのは必至で、やはり思うように進むはずもありません。

マンションでは権利者1人あたりの土地面積が小さく、土地の資産価値は僅かです。
仮に修繕積立金で解体費用が足りるとしても、住むところを失い、解体後の土地が売れたとして僅かなお金を手に入れるくらいなら、古くて空き家が多いマンションとはいえ、住み続ける選択になるでしょう。

空き家問題の原因

単純に考えて、住宅が増えなくても、世帯数が減ると空き家は増えていきますが、核家族化や単身世帯の増加から、世帯数は増加傾向です(世帯人員は減っています)。
ということは、世帯が増える以上に住宅が増えると、空き家も増えることになります。

そして住宅が増えるためには、無くなるよりも建てられる数の方が多くなくてはならず、住宅が減らない原因には、人それぞれの事情も含まれています。
ここでは、空き家が空き家になる原因について取り上げてみましょう。

世帯数の増加以上に住宅は増えている

平成25年の総世帯数は約5,245万世帯で、1世帯あたりの戸数は1.16でした。
この数字は年々増加しており、空き家が増えて続けていることに一致します。

平成10年 平成15年 平成20年 平成25年
総世帯数(単位:千) 44,360 47,255 49,973 52,453
住宅総数(単位:千) 50,246 53,891 57,586 60,629
戸数/世帯 1.13 1.14 1.15 1.16

(データ:国土交通省「世帯数及び住宅戸数の推移」)

費用面を抜きにすれば、新しくて綺麗な住宅の人気が高いのは当然で、特に賃貸住宅では経営サイドにおいても新築直後の稼働が勝負です。
資金的な都合などで、中古住宅の需要もあるとはいえ、誰もが潜在的に持っている新築住宅への憧れは、供給側にとって大きな利点でしょう。

また、住宅を仲介する不動産会社でも、新築で価格の高い物件ほど利幅が大きく、こうした三者三様のメリットから、どうしても新築住宅が増えやすい土壌があります。

新設住宅着工戸数と滅失戸数の比較

いつかは新しい住宅に住みたい需要があることは普通ですし、それ自体は環境面を除けば問題なく、経済的観点ではむしろよいことです。
問題は新設によって不要となった住宅が、無くならないことにあります。

単純計算で建てられる戸数と解体される戸数を比べれば、どのくらい住宅が増えているかが分かります。

(単位:千) 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
新設住宅着工戸数 775 819 841 893 987
滅失戸数 112 137 115 125 127
その差 663 682 726 768 860

(データ:国土交通省「新設住宅着工戸数の推移」及び「住宅の滅失戸数の推移」)

データ上で毎年住宅が増えていると確認でき、その差が広がっているのがポイントです。
世帯に対する住宅数が過剰になっていることが明らかなのに、住宅が増え続けているのは、やはり新築住宅への需要が大きいからでしょう。

例えば、古いマンションを壊して複数の戸建を新築する例は少ないですが、複数の古い戸建を壊して(用地買収して)新しくマンションが建つ例はよく見られるように、それだけでも新築住宅を増やす要因です。

滅失戸数が増えない理由

空き家になっていても解体されない、つまり滅失戸数が増えない原因は、特に個人所有であるとき顕著に現れます。

1つは経済的な理由で、住宅がない土地では固定資産税が最大4.2倍に増えてしまうこと、解体のために費用を要する点です。
つまり、お金を使って解体したのに税金が上がるので、使っていなくても解体しようと考える人が少ないのは道理でしょう。

また、家の存在は所有者にとって経済的な価値以上に「想い」を含んでおり、解体をためらってしまう側面があります。
生活の拠点として長い間住み続けた住宅を壊してしまうことは、実家なら一層ためらいが大きいと考えても不思議ではありません。

もう1つ深刻な問題があり、古い空き家では、現行の建築基準法施行以前に建てられ、再建築が認められない土地になっているケースがあります。
再建築できないのですから、解体してしまうと宅地としての用を足さず、放置するしかなくなっている空き家が存在します

住宅需要の減少

世帯数は増加傾向でも、日本の人口は既に減少し始めており、今は世帯あたりの人数が減っているだけで、世帯数自体は増えています、やがて世帯数も減少に転じることは明らかです。

世帯数の減少は、それだけ住宅の需要が失われることに直結し、新築住宅が増加し続けていることを考えれば、近い将来に必ず住宅の過剰供給が問題になるでしょう。
つまり、売れない・貸せない時代の到来は、現状が続けば間近に迫っています。

晩婚化と出生率の低下

将来の空き家を増やす原因の1つである、人口減少から世帯数減少に続く流れは、晩婚化と出生率の低下にも大きく影響されます。
単純な考えでは、父母から2人子供が生まれ、全員が順調に生育しないと人口は維持できず、人口が増えも減りもしない水準は出生率が2を超える値です。

晩婚化の傾向は、そのまま晩産化に繋がっていき、昭和55年における女性の初婚年齢は25.2歳、第1子の出産年齢は26.4歳でしたが、30年後の平成22年には初婚年齢が28.8歳、第1子の出産年齢は29.9歳と、約3.5歳の開きがあります。

3.5歳という数字は、兄弟姉妹の年齢差に匹敵するほどで、第1子の出産が遅れればそれだけ子供が減り、昭和55年の出生率は1.75、平成22年の出生率は1.39です。

女性の初婚 第1子の出産 出生率
昭和55年(1980年) 25.2歳 26.4歳 1.75
平成22年(2010年) 28.8歳 29.9歳 1.39

ただし、出生率は近年僅かに上昇しており、社会全体による出産・育児へのサポートが、徐々に成果を上げ始めているのでしょうか。
それでも、単純に考えて出生率が2を切った20年後には成人女性の数が減っているため、もし出生率が2になったとしても、人口が増えるには至りません

仮に移民等を加えて人口が増えるとしても、それ以上に新築住宅は増えるのであって、空き家問題はなくならないという状況です。

中古住宅の人気がない

リフォームやリノベーションによる中古住宅の再生は、費用を抑えて質の高い住空間を得るために有効ではあっても、既に住宅を取得している層が中心です。
これから取得する人は、どうしても品質が確実な新築住宅に目が向きますので、中古住宅は築浅と程度のよさが決め手になっていきます。

ところが、一般に住宅の価値は、最初の10年で大きく下落するのに対し、住宅ローンの残高は返済初期に減りにくい特性から、いわゆるオーバーローン状態になって売りにくい状況が続いてしまいます。
しかも、新築住宅が増えるとそれだけ中古住宅も増えていくわけで、市場原理から価格下落が加速して、中古住宅は飽和状態が止まらなくなります。

また、木造の売買物件は、築10年で半額程度まで下落しますが、木造の賃貸物件では、築10年で家賃が新築時の半分になることは考えられません。
その結果、中古の賃貸物件は借りる側にとって割安感が小さく、賃貸でも大きく家賃に差がない新築に流れて、中古物件の空き家を増やしていきます。

ようするに、売ることも貸すこともできない状況に陥る物件が増えるのです。

空き家予備軍の増加

人間に寿命がある以上、高齢者世帯ほど空き家になる可能性が高まり、それが単身世帯なら、なおさら空き家になりやすいのは避けられません。
65歳以上の高齢者世帯は、平成7年には約10%に達し、平成22年には約20%、平成25年の時点で23.2%にもなりました。

高齢者世帯の割合

(「厚生労働省大臣官房統計情報局 国民生活基礎調査」より)

高齢者世帯はまだまだ増える傾向

全体の世帯数はいずれ減りますが、平成37年の高齢者世帯数は、平成22年に比べて約400万世帯増えると推計されており、総数が都市圏に多いのは当然として、増加率でも都市圏が高いと予測されています。

そして、約400万世帯増加のうち、単身世帯数は約200万世帯と予測され、空き家になりやすい単身世帯が最も多い構成に辿りつきます。
こうした人口と世帯の推計から、このままでは空き家の増加は避けられないのがよくわかります。

Uターン率が低いと実家の空き家が増える

平成23年の人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、出生県から移動し、調査時点で出生県に戻っているUターン率は約34%です。
推移としては上昇傾向にあるとはいえ、それでも1/3しか戻っていません

よくある事例では、子供が県外へ移動後結婚して戻らない場合、親を呼び寄せる・親が亡くなることで、実家が空き家になります。
もちろん、全国的・全体的な数字なので、かんたんには分析できませんが、実家が空き家になる割合は高いと推測できるでしょう。

空き家が増えると何が問題になるのか

日本全国で空き家が増えていったとして、所詮は他人の家ですし、自分には関係ないと思うかもしれません。
そして、自分にも何か災難が降りかからなければ、なかなか問題視されないものです。

ましてや空き家がもたらすマイナスの影響は、潜在的に含まれる要素で、空き家になったから絶対何か起こるとは限りません。
それでも国が動き出すくらいですから、緊急の課題であることは確かです。

周辺への悪影響

たとえ空き家になっても、自然に朽ち果てて土に還るものではなく、人工物が残ります。
徐々に傷んだ空き家は、次第に崩れ、倒壊の危険が増したり、屋根材などが飛散したりと、その敷地内だけの影響では済まなくなっていきます。

また、人がいないと害獣・害虫の温床になりやすく、やがて周辺へ拡散をみせます。
最近頻繁に起こる、集中豪雨による浸水被害を受けてもそのまま放置されるので、極めて不衛生かつ危険な状態に変わってしまうのです。

さらに言えば、古くなった家は耐震性能も失われ、巨大地震に抵抗できません。
極端な例では、震災時に最初に倒壊して、重要な道路を塞いでしまうかもしれず、周辺住民の避難や救出に障害になる可能性すら秘めています。

ようするに、空き家を放置すると近所迷惑になりやすい要素が多く、地域によっては景観上の問題にも発展して、その影響度は大きいと考えられています。

犯罪の増加

空き家があることで犯罪が増加するとしたら、まずは不法侵入や不法占拠です。
ただし、それだけでは所有者に対する不法行為なので周辺まで至りません。

ところが、死角になった空き家の内部で犯罪が行われるようでは、周辺の治安にも影響しますし、安心して暮らすことができなくなります。
そして最も悪影響を与えると思われる犯罪は、空き家への放火の増加です。

最近は、空き家への放火がニュースで取り上げられることも多くなっています。
しかも放火犯は、連続して放火をする傾向が強く、空き家の多い地域は格好のターゲットになってしまうことから、朽ちた木造住宅は相当危ないと言えます。

知ってのとおり、日本の住宅事情では火災が起きると近隣への被害は免れず、近くに管理されていない空き家があるだけで、不安な時代が来ていると自覚しましょう。

住宅市場の需給バランス悪化

現時点でも総世帯数以上に住宅は供給されており、供給が過剰な状態です。
しかし、地域の住宅数に合わせて人が集まるわけではなく、ある程度は過剰な状態でなければ、望んだ地域に住むこともできなくなってしまうため、“ストック”は必要です。

それでも、人口減少と世帯数減少が始まって、住宅が減らないとなれば、空き家が増えすぎて、住宅の資産価値が下がっていくかもしれません。
空き家が中古市場に溢れかえり、価格崩壊に繋がったとき、空き家ではない住宅の所有者も、その影響を大きく受けることになります。

空き家問題の解決に向けた対策

今や全国的に対策が急がれる空き家問題は、以前までそれほど騒がれていませんでした。
人口減少と少子高齢化で世代バランスが崩れ、空き家問題が浮上してくるのは必然でしたが、国民生活の日常に直接関係し、財政的な問題でもある社会保障制度のように、世論でも注目されていたわけではなかったのです。

空き家問題に直面するのは、空き家がある地域の自治体と住民で、これまでも自治体は問題が大きい空き家の対策をしてきました。
しかし、厳しい地方財政では効果的な空き家対策は進まず、空き家の所有者も対策意識は低かったのですが、空き家対策特別措置法の施行で注目度が増しています。

それは、他人事としか考えていなかった空き家の所有者でも、固定資産税の上昇を理由に空き家対策を考える必要が出てきたからです。

空き家問題に特化した法律

2015年2月に施行され、5月に全面施行を迎えた空き家対策特別措置法は、空き家全体の中で、特に危険度が高い空き家を「特定空家等」と定義し、行政の介入による対策に法的根拠を持たせています。

空き家が特定空家等に指定されてしまうと、所有者は自己負担で早急に改善しなければ、行政からの強制対処(除却等)を求められることになり、土地の固定資産税に対する特例措置も外されて税負担が増す(最大4.2倍)ことになります。

空き家対策特別措置法の趣旨は、あくまでも自発的な空き家対策を促し、所有者に解決させようとするものですが、対策を講じない所有者を想定した規定もされています。

空き家対策特別措置法(空き家法)を分かりやすく解説
平成27年2月26日に施行された空き家対策特別措置法は、一部条文の施行が留保されていましたが、同年5月26日から完全施行されました。...

自治体の条例や解体費用の補助

空き家対策の実施主体である自治体は、空き家対策特別措置法の施行以前から、条例を定めて空き家対策を推進してきました。
あまり知られていないですが、従来からある住環境の整備事業としての空き家対策には、自治体から所有者への補助がありますし、国から自治体への補助もあります。

空き家である空き家ではないに関係なく、損傷・老朽化が激しい住宅については、除却(解体)の費用を補助し、もし住居に困る住民が存在すれば、自治体が住宅を用意してまで転居させる整備が行われるほど、実は力の入っている事業です。

ところが、いくら老朽化しているとはいえ、個人の財産に対する公権力の介入は財産権の侵害にもあたりますから、早くから人口減少と空き家問題に気付いていた自治体でも、住環境の整備には大きな壁が立ちはだかっていました。

空き家対策特別措置法の施行は、空き家対策に法律上の枠組みを用意し、自治体の空き家対策にとって後ろ盾となっています。

空き家バンクや自治体独自の取り組み

空き家の所有者にとって頭が痛いのは、空き家を活用したくても相手が見つからず、結果的には放置になってさらに傷んでくる現実です。
自治体にとっては、単に費用補助するだけでは目ざましい効果は得られず、一歩踏み込んだ施策によって空き家対策を進めていく必要性がありました。

そこで登場してきたのが、空き家バンクと呼ばれる地域の空き家へのマッチングサービスで、多くの自治体によって(もしくは自治体が委託して)運営されています。
空き家バンクの存在は、空き家を探している側にもメリットが大きいでしょう。

また、移住を考えている人に向けた空き家の開放、公共施設としての活用、福祉用途、観光分野など、その地域に必要な空き家の活用方法を考えた、自治体独自の取り組みも行われてきています。

空き家管理サービスの増加

空き家の所有者にとって使っていない期間の管理は、空き家が遠隔地になるほど深刻で、かんたんな管理でも行くのが面倒というケースは相当数考えられます。
そこに目を付けた民間業者が、定期的な空き家管理サービスを提供するようになり、その数は増え続けています。

需要がなければ当然こうしたサービスが増えるはずもなく、空き家対策特別措置法の施行や、メディアが空き家問題を取り上げるようになったことで、空き家管理が重要であると認知され始めた影響なのでしょう。

費用は月1回の巡回で10,000円程度が多く、この金額を高いとみるか安いとみるかは、空き家の所有者によって異なります。
費用を惜しんで空き家管理を怠ると、やがては行政指導を受ける時代ですから、人によっては費用対効果が高いのかもしれません。

民間団体などの取り組み

自治体だけではなく、財団法人、公益法人、NPO法人など、民間団体による空き家対策への取り組みや空き家バンクの運営もされています。
全国に多くの団体が存在するため、ここで紹介できるのはほんの一例に過ぎませんが、基本的に活動範囲が地域に絞られることから、小規模な団体も数多くあります。

・一般財団法人 世田谷トラストまちづくり

東京23区でも最も人口が多く世帯数も多い世田谷区で、トラスト活動(良質な環境の保全)の一環として、空き家問題への取り組みにも定評のある団体です。
地域貢献に空き家を提供しても良いと考える所有者と、利用希望者との間に入り、相談業務やマッチングを行うことで、住みよい街づくりを目指しています。

ホームページ:http://www.setagayatm.or.jp/

・特定非営利法人 空き家コンシェルジュ

空き家に特化したNPO法人として、奈良県内で活動している団体です。
奈良県内の一部の自治体から委託されて空き家バンクも運営しながら、空き家管理・空き家活用に関する情報提供を行っています。

ホームページ:http://www.akiyaconcierge.com/

まとめ

高度成長期から続く住宅の供給は、不動産に対する投資効果と資産価値の上昇を生み出し、日本の経済発展に貢献してきたことは間違いありません。
しかし時代は変わり、人口が減少に向かい、いつかは転換しなくてはならない状況を自覚していても、住宅は建設され続け、除却が進まない空き家問題が浮き彫りになってきました。

空き家対策は所有者個人だけではなく、様々な悪影響から地域レベルでも自治体レベルでも真剣に考えなくてはならないほど深刻で、公費投入=住民負担になってでも行うべきというのが大勢を占めています。

そして政府も空き家対策を推進しようとしていますが、空き家を有効活用するほど、新規住宅の需要が落ち込む図式から、この2つは利益相反するものです。
となれば、建てる分だけ壊していかなくては需給バランスが保てず、リサイクル・リユースの概念からは程遠い、無駄だらけの住宅事情になるでしょう。

だからといって住宅供給を規制し、政治的にも巨大なスポンサーたる建設業界を縮小させることは、経済への影響だけではなく、そこに利権がある限り到底期待できません。
結局は体裁だけの不十分な空き家対策で、空き家の所有者は税負担が増し、地域住民の税金は使われるという、何とも不思議な構造ができあがっていくのを予感させます。

なお、この記事は状況の変化に応じて、加筆修正する予定です。

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