成功・失敗事例に学ぶ、本当に得する空き家活用方法

空き家

今、田舎では実家を相続しても、活用ができなくて困っている人が大勢います。
結果的に増えているのが大量の空き家です。
2013年の調査では全国の空き家数は840万件でした。
(総務省統計局平成25年住宅・土地統計調査)
更には2033年には2,000万件を超える空き家が全国にできるという予測もあります。

そのような状況の中、空き家問題を放置できない政府は、空き家特別措置法を制定し、自治体が空き家への対策を合法的に行える体制作りを強化しました。
倒壊等の危険がある空き家に対しては、自治体判断で強制撤去も可能になっています。

また、空き家は保持しているだけで固定資産税がかかります。
同時に、時間が経つほど空き家の価値は下がっていきます。
何もしなければ空き家は「マイナス」を産む資産です。

このような時代背景の中、古くなっていない空き家でも何か活用方法を考えなくては、やがて自治体から指導・勧告・命令といった処分を受けることになります。
人の住まない家は劣化が急速に進むので、使えるうちに手を打ちましょう。

世の中には、空き家を有効活用して大きな収益を上げたり、社会貢献をしたりできている事例が豊富にあります

そのような事例や、自治体による保有者に取ってお得な政策などを見ながら、空き家をどのように有効活用すべきなのかを見ていきましょう。

この記事の目次

空き家活用方法の全体像

まずは空き家活用の大枠を簡単に見ていきましょう。

今空き家になっている不動産をどのように活用するか。
幅広く考えると空き家の活用方法には以下の3つがあります。

  1. 誰かに貸す
  2. 自分で利用する
  3. 売却する

また、空き家自体はなくなってしまいますが、空き家を取り壊し、残った土地を活用する「土地活用」という選択肢も存在します。

ただ、一般に「空き家活用」を言われる場合には、自分で資産として保持しつつ、収益を生むように利用することを指すことが多いです。

ここからは1つ目の「誰かに貸す」活用について見ていきましょう。
「貸す」については賃貸として貸す場合や、話題になった民泊活用、公共の用途に利用するケースなど9つの事例を紹介しています。

賃貸物件として貸す

田舎暮らしが見直されるようになって、都市圏からの移住が少しずつ進んでいます。
現役をリタイヤして、余生を静かに過ごしたいという希望が主ですから、当然アパート等の集合住宅よりも戸建が対象になりやすいのは言うまでもありません。

ところが、田舎には空き家が多数あっても、不動産市場が活性化しておらず、借りたい側と貸したい側のマッチングが機能していませんでした。
そこで登場したのが、全国の各自治体やNPO等が提供している空き家バンクです。

もちろん、空き家バンクが自治体主体でも、自治体が不動産会社の代わりに仲介業を行うわけではないので、不動産会社の介在は不可欠になります。
しかし、自治体が介在する安心感は、借りたい側に大きく作用するでしょう。

また、これまでの賃貸は、貸主が物件を管理し、必要ならリフォームをして借主に提供する必要があり、田舎の実家にお金をかけたくない心理から敬遠されていました。
現在では、借主が改修を行う「借主負担DIY型」の賃貸形態が注目されています。

1. 空き家バンクの活用

JOIN

多くの自治体が、空き家対策として空き家バンクを設置しており、その数は500にもなるとされるので、まずは実家のある地域で、空き家バンクを確認してみましょう。

JOIN ニッポン移住・交流ナビ‐空き家バンク・住まい
住み替え・二地域居住‐空き家バンク情報

空き家バンクへ登録するメリットは、単に借主とのマッチングを図るだけではなく、リフォーム等で出費があるときに、費用の助成・補助をしてくれる点です。
すべての空き家バンクで改修費用の助成・補助制度があるとは限りませんが、制度があるなら利用しない手はありません。

なお、現在は自治体単位の空き家バンクですが、早ければ2017年度には、空き家バンクの全国版をスタートさせる動きがあり、今後は空き家バンクへの登録も一元化されていくと思われます。

なお、基本的には空き家バンクは自治体単位での登録です。
ただし、「アットホーム」や「LIFULL HOME’S」などの大手不動産ポータル事業者が、全国版の空き家バンクのウェブサービスを作成しています。
物件を幅広に探したり、全国の空き家事情を知りたい場合には有益なサイトです。

アットホーム 空き家バンク【全国版】

LIFULL HOME’S 空き家バンク

借主負担DIY型とは?

空き家となった田舎の実家を賃貸する場合、これまでは貸主である所有者が、内外装の修繕を行い、きれいな状態にしなければなりませんでした。
これは貸主の義務ではなく、単に慣習的なものですが、きれいな物件から借り手が付く実情を踏まえればやむを得なかったのです。

借主負担DIY型においては、居住に支障があるほどの大きな修繕でなければ、そのまま借主に引き渡し、借主が自分で修繕しながら居住する形態です。
借主負担DIY型のメリットは双方に大きく、賃貸市場の活発化が期待されています。

【貸主のメリット】

  • 住める状態なら修繕費用が発生しない
  • 借主が修繕するので長期契約になりやすい
  • きれいになって返ってくる可能性がある
【借主のメリット】

  • 自分好みに修繕できる
  • 修繕費が借主負担なので家賃が安い
  • 自己修繕に対して原状回復が必要ない

もっとも、借主負担DIY型にしても、貸主としても承服できない修繕はあり得るため、事前に修繕可能箇所の取り決めは必要です。
それでも、空き家から収益を得られ、管理も借主がしてくれるとなれば、借主負担DIY型の賃貸経営は、むしろ貸主にとってありがたいでしょう。

2. シェアハウスによる賃貸

田舎は賃貸物件が充実しておらず、特に単身者には不都合が大きい土地です。
そこで空き家活用の1つとして、シェアハウスで賃貸する方法も使われています。

元々シェアハウスは地域性が特定されるものではないですが、核家族化が進んだ現在では、家族連れですら田舎の空き家は広すぎる嫌いがあります。
無論、単身者では言うまでもなく、賃料の安いシェアハウスにも需要がある図式です。

シェアハウスにした場合、1人でも入居者がいれば家賃収入があるので、一種の集合住宅のように収益低下のリスク分散ができます。
また、複数の入居者がいれば、1軒で貸すよりも合計家賃が高く取れます。

もっとも、他人同士でうまくいかなければシェアハウスは成り立たないので、安定収入は難しいかもしれませんが、少しでも足しになれば損はありません。

3. 改装可能にして店舗用に貸し出す

立地がかなり限定されるとはいえ、好きに改装して良いという条件なら、田舎の風情を生かしたまま、出店したい事業主がいる可能性は考えられます。
この場合、躯体(主要構造)以外は原形を失いますが、そこは割り切りが必要です。

また、どのような方法でも賃貸物件で貸し出した場合は、実家として使えませんから、荷物を完全に引き上げるつもりなら、住宅でも店舗でも同じことです。
店舗の場合は、むしろ借り手が付くかどうか問題なので、あまり期待せず自由度の高い賃貸物件としてアピールすれば、結果的に店舗になることもある程度でしょう。

4. 空き家を民泊物件として活用する

外国人観光客の増加や、AirBnB(エアビーアンドビー)のようなサービスの成長を受け、民泊が増えています。

民泊新法による規制強化でいっときの勢いはなくなりましたが、じわじわと数が増えているのは確かです。
また、東京オリンピックのイベントや、外国人旅行者数は増加傾向にあること、法律の整備によって健全性が高まったことなどから、中期的には民泊の盛り上がりが続く可能性も高いでしょう。

自分たちや日本人にとって価値の低い空き家であっても、外国の方から見れば価値のある物件である可能性もあります。

例えば、古い日本の様式を保持している建物なら、外国人にとっては日本を感じられる魅力的なものでしょう。

このような観点から、空き家を民泊にすることも面白い活用法の一つです。
民泊についての詳細はこちらの記事も御覧ください。

民泊とは?運営の際に注意すべき新法と、問題点やトラブル、罰則を解説
東京オリンピックや円安による旅行客の増加、airbnbの登場により、民泊が注目されています。そしてこれは空き家再生の糸口ともなり、その可能性と懸念点を考えます。

公共用途に利用してもらう

田舎の空き家の数に対して、需要の絶対数が少ない事情から、すべての空き家が住居用に使われるのではなく、公共の場として再利用する試みもあります。

5. コミュニティスペース

小林ふれあいの家

地域住民が集まり、ふれあうためのコミュニティスペースとして、空き家を自治体やNPO法人等に使ってもらう形態です。
地元貢献の側面から、収益を考えるのではなく空き家を有効活用することが目的です。

世田谷区社会福祉協議会  小林ふれあいの家

こうした利用方法は、例えば持ち回りで参加者の家に集まって活動しているような、小さなサークルなどが、活動拠点に困って使用したいケースが多いでしょう。
また、単に近所の集会場所としても利用価値は高く、空き家が無駄になりません。

元々は、住居として使っていた家を、改装することなく引渡し可能で、管理にしても使用者や地域の有志に行ってもらうなどすれば、運営費用もタダで済みます。
基本的には寄贈ですが、使用貸借契約が可能かどうかは団体に確認してください。

6. 移住者の体験用住宅

宇和島体験住宅

各自治体は過疎化による税収入の低下から、移住対策事業として、田舎暮らしの体験用住宅の提供や体験ツアーを盛んに行っています。
大抵は数日から数ヶ月間を、無料または安価に貸し出す方式が採用されています。

こうした活動が知られていないのは、自治体が公費(税金)を使って行える広報活動に限界があり、ホームページ等の限られた媒体しか利用できないことが理由です。

しかし、空き家バンクは空き家対策・移住推進事業の1つとして行われ、体験用住宅や体験ツアーも同じく事業の一環として行われていますから、空き家バンクがある自治体なら体験用住宅の需要もあるはずで、自治体に確認してみましょう。

なお、体験用住宅として専用に提供するのはあまり意味がなく、最終的には移住者に借りてもらうことが目的です。
そのため、特に事情がなければ空き家バンクに登録しつつ、体験用住宅としての提供も可能な意向を主催者に伝えることになるでしょう。

7. 会員制の民宿にした事例もある

荒蒔邸

古民家の活用事例として、NPO法人の会員に限定した民宿として貸し出しているケースがあり、国土交通省の資料にも掲載されました。
NPO法人にグループで申込み、数千円の安価な宿泊費で提供するものです。

NPO法人遊楽 里美古民家の宿「荒蒔邸」

大きな古民家ですが、開業資金の約半分(200万円)を行政から補助してもらい、様々な田舎体験を提供する拠点として活用しています。
営利が目的になるような宿泊費は得られないとしても、地域に貢献すると判断されれば、行政から大きな補助を受けられる端的な事例です。

8. 文化施設への提供

町並み資料館

全国的な広がりではないですが、一部の地域では資料館や図書館等の文化施設として、空き家を活用している事例(小浜西組町並み協議会 町並み資料館)
もみられます。

店舗を改装した例(こすみ図書)もありました。

個人で行うには荷が重く、管理も必須となる性質上、運営してくれるNPO法人等に預ける形になってしまいます。

それでも、実家が文化施設として利用されるなら、亡くなった親も喜んでくれるでしょうし、 図書館などは活字離れが進む子供たちにも役に立つでしょう。

9. 福祉・医療分野に提供

高齢化が進んだ田舎こそ、福祉・医療分野における活用ニーズは高いと考えられます。
実際にも、空き家を利用したフランチャイズ型のデイサービス事業をしている企業がありますし、福祉分野での活用を目指した空き家バンクもあります。

文化施設への提供と同様に、運営してくれる団体等がなければ難しい活用方法です。
その地域の活動状況に依存するので運任せですが、借り手がまったくつかない実家をいつまでも放置できないなら、こうした活用ができないか確認してみましょう。

以上が「貸す」場合の事例です。

「貸す」について少しは具体的にイメージがついたかと思います。
合わせて、下記で資料請求をして手元に置いておきましょう。

土地活用の無料プラン比較

空き家を自分で利用する

続いて自分で利用するケースについても記載します。

空き家から収益を上げる方法が現実的ではなく、なおかつ空き家を解体するのもためらうときは、自己使用できないか今一度考えてみるべきです。
使わないから空き家になっているのですが、常時使う前提だけではなく、セカンドハウスとしての利用も含まれます。

自宅としての活用

現在の自宅と空き家を、入れ替えて活用する方法があります。
両者が離れていたり、環境が違ったりする場合には難しいかもしれません。
しかし、

  • 空き家の活用が難しくても、現在の自宅は活用できるかもしれない
  • 自分で住むなら、他人に貸すほど手直ししなくても許容できるかもしれない

等を考慮すれば、現在の自宅を賃貸に出して、自分は空き家に住む方法でも、十分に賃貸経営が成り立ちます。

セカンドハウス

セカンドハウスにしたところで、あくまでも意識の違いでしかなく、年間のほとんどは空き家になって管理コストも発生します。
しかし、重要なのは「管理されている空き家」だということです。
空き家に対する行政指導では、概ね年間を通じて利用実績がない空き家を対象としているため、少しでも利用があると、指導の対象外にできるメリットがあります。
もちろん、将来活用できる可能性は否定できませんし、子や孫の代で必要とするかもしれないので、セカンドハウスにしておくことは無駄になりません。
また、自宅と離れた場所であれば、別荘感覚で利用することもできます。
自分で管理できなくても、管理サービスを提供している専門業者を利用することで、大きな負担なく空き家を管理できます。

以上のように実は、再度空き家を自分で利用できないか検討することで、活用法が見いだせる場合もあります。
続いて売却についてみていきます。

空き家を売却する

売却は、直接空き家を利用するものではありませんが、空き家ならびに土地という資産を現金化して、他の資産に転換していくという発想において、資産活用の1つです。
売却するときの一般的な方法は、賃貸と同じように不動産会社への仲介依頼に始まり、購入希望者が現れたら価格交渉と契約、売却代金の決済、所有権の登記(買主に所有権を移す)をしてから、家と土地を引き渡す流れです。

ただし、通常の不動産仲介で売却できない場合は、不動産会社に直接空き家を買い取ってもらう、不動産買取という方法もあります。

売却のメリットとデメリット

同じ資産価値の不動産と現金を比べると、不動産は所有しているだけで税金が発生し、土地は地価の影響を受け、家の価値は年々低くなります。
また、不動産はすぐに処分ができない流動性の低い資産で、使い道が限定されない現金の方が、圧倒的に資産運用の自由度が高いメリットを持ちます。
そう聞くと、売却するのが正解のように思えますが、不動産を売却すると諸費用が発生して、不動産の価値と同じだけの現金を手にすることはできません。
価値よりも諸費用の分だけ高く売れなくては、必ず資産は目減りします。

不動産買取の可能性

通常の不動産仲介では買い手がつかなくても、不動産会社なら空き家を買い取ってくれる場合もあります

一般に土地が広すぎたり、築年数が高い物件は一般の買い手が付きづらいです。
そのような場所でも、不動産会社なら直接買取を行ってくれるケースがあります。
不動産会社の場合は、「分割して戸建てやマンションを建てる」「リフォーム・リノベーション工事をした上で売却する」といった選択肢も持っているためです。

例えば不動産買取業界最大手の「カチタス」では、地方で、そのままでは買い手がつかないような空き家を仕入れの対象として事業を展開しています。
なお、カチタスは世界的な経済新聞であるFinancialTimes紙で「日本の空き家問題を解決する企業」として紹介されています。

売却の意志が固まっていなくてもこのような企業に依頼して、いくら位の価格がつくのか、自分の保有する空き家の価値を把握するのはとても大切です。

簡単に複数社に査定を行い、住宅価格を把握しておけば、それ以外の空き家活用の収支見込が出た際に、どちらが得なのかを比較することができます

空き家活用に失敗しないためには、まずは家の売却位の価値を把握することがとても大切です。

カチタスが世界的な経済新聞であるFinancialTimes紙で「日本の空き家問題を解決する企業」として紹介されました
カチタスのWEBサイト

一括査定サイトとはどういうものか?

そもそも一括査定サイトとはどういうものなのでしょうか?

身近なところで言えば、車の査定で同じようなサービスがあり、リクルートが運営するカーセンサーが有名です。
厳密に言うと少し違う部分はあるのですが、一度に複数社の査定を受けられるという点では同じです。

一括査定の仕組み

普通複数の会社で査定を受けようと思ったら、図の左側のようにそれぞれの会社に連絡をしなければいけません。
一括査定サービスを利用することで、入口となる1つのサイトに情報を入力するだけで、複数社への依頼が一括で完了するのが、このサービスの最大の特徴です。

ただ、これだけでは当たり前の話ですが、このサイトはどこが運営しているのか?それを見ることで、サービスの特徴が見えてきます。

この後具体的なサイトも紹介しますが、いずれも不動産をメイン事業としていない会社によって運営されているのが大きな特徴です。
具体的には、Webマーケティングを得意とするベンチャー企業や、大手の別事業部が運営しているケースが多いようです。

もちろんそれ自体まったく問題のないことですが、不動産の仲介には「宅地建物取引業」の免許が必要です。
それを持っていないこれらの会社は、直接不動産を取り扱うことはできず、それができる会社を紹介することが役割となります。(専門知識を持つ社員がいる運営会社もあります)

また、それらの費用は不動産会社側が集客の対価として支払う仕組みとなっているため、利用者側は無料というのも、これらのサイトに共通する特徴です。

HOME4U

home4u

運営会社株式会社NTTデータ・スマートソーシング
運営履歴2001年11月~
公表社数約550社
運営歴はこの手のサイトの中で最も長い16年。知名度も高いNTTグループが運営し、大手から地域密着企業まで、厳しい審査を経た不動産会社のみ提携という信頼感があります。

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すまいValue

すまいValue

運営会社小田急不動産株式会社
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
野村不動産アーバンネット株式会社
三井不動産リアルティ株式会社
三菱地所ハウスネット株式会社
運営履歴 2016年8月~
公表社数6社
不動産一括査定と言えど、全国すべての不動産会社の査定が受けられるわけではありません。
すまいValueは業界トップクラスの不動産会社6社が運営し、ここにしか参入していない会社も。大手での査定結果が欲しい場合は、他の一括査定サイトと合わせての利用もおススメです。

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HOME’S

ieul

運営会社株式会社LIFULL
運営履歴 2014年~
公表社数1,300社以上
CMでおなじみのHOME’Sが運営する一括査定サイトで、掲載数1,300以上は業界トップクラス。
不動産・住宅情報サービスの運営で培った情報を活かし、充実した不動産会社の情報を掲載している点も特徴です。

ボタン

空き家を取り壊して土地活用を行う

空き家の活用がどうしても難しいときは、視点を変えて空き家を一度解体し、土地としての活用も一考の余地があります。
資産価値が十分に残った空き家なら、売却も考えられるところですが、手直ししないと活用できない古い空き家なら、その費用をかけても活用できるとは限らないからです。
ここでは、空き家を解体することによるメリットとデメリットを解説します。
土地活用については、別記事を用意しているのでそちらをご覧ください。

ポイントだけ抜粋すると、空き家を解体した後の土地には、例えば以下のような活用方法が考えられます。

  • アパート経営・マンション経営
  • 戸建賃貸経営
  • 賃貸併用住宅
  • サービス付き高齢者住宅経営
  • 事業用賃貸経営
  • 駐車場経営
  • トランクルーム/貸し倉庫
  • 太陽光発電での売電

解体は、解体業者への見積もりに始まり、解体業者との契約、解体工事、解体後の滅失登記(法務局で建物が失われたことを申請する手続き)で終わります。

土地の有効活用方法一覧
土地活用には、一般的に言われるアパート・マンション・駐車場の経営の他に、コンテナでのトランクルームや太陽光発電、貸地、売却による資産組み換えもあります。それらを6つに分類し、それぞれの大まかな特徴を解説します。

空き家を解体するメリット

空き家も資産なので、解体は単純に資産を失うことに等しいです。
しかし、空き家は税金の対象にもなり、管理されていないと行政指導の対象になるおそれもあって、維持管理には費用も手間もかかります。
空き家で行政指導を受けるとは聞いたことがないかもしれませんが、空き家対策特別措置法の施行によって、周辺に悪影響を与える空き家は、指導対象になりました。

空き家を解体することで、維持管理の手間から解放され、土地を利用したいニーズへと活用の場を転換することになります。
また、空き家の活用方法はどうしても建物の活用に限られており、解体して更地になれば、賃貸物件から土地を貸す方法まで選択肢が広がります。

空き家対策特別措置法(空き家法)を分かりやすく解説
平成27年5月26日、空き家対策特別措置法が完全施行されました。これは誰が対象で、どういった効果や固定資産税などへの影響があるのか?噛み砕いて解説してみます。

空き家を解体するデメリット

空き家を解体するデメリットは、何と言っても費用面での影響です。
まず、解体には費用がかかり、木造住宅でも坪3万円程度はかかってしまいます。

他に大きいのは、固定資産税・都市計画税が高くなることで、住宅が建っている土地は、固定資産税が最大で1/6まで、都市計画税が最大で1/3まで軽減されます。
空き家を解体すると、軽減措置が失われ税金が高くなります。
解体で家の税金がなくなるとはいえ、土地が高い地域では、解体後の維持費と土地活用の実現性も考慮して、解体を検討しなくてはなりません。
無計画に空き家を解体しただけでは、解体費用と税金増になるだけでしょう。

家の解体費用の相場と見積もりの事例(木造・軽量鉄骨他)
危険な空き家は固定資産税の軽減対象から外される動きが出ています。今後は空き家が解体されるケースも増えることから、解体費用の相場と構造別の事例をまとめました。

空き家活用の失敗事例

空き家を活用は必ずうまくいくわけではありません。
世の中には多くの失敗事例も存在します。

必ず失敗しない、完璧にする、ということはできなくても、失敗事例を知っていれば、同じ失敗はしなくて住みます
ここではよくある失敗のケースをいくつか見てみましょう。

1. 空き家を賃貸にしたが、周囲とのトラブルが発生した

比較的多くあるケースです。
空き家を賃貸にした結果、そのエリアとは馴染みの薄い人が入ってきて、トラブルに発展するケースがあるようです。

地域づきあいのコミュニケーションや、老朽化が進んだ空き家の使い方、また、民泊などでもゴミの出し方や騒音などのトラブルは多く発生します。

借りている人が出ていけば一旦の問題は収まりますが、所有者と周辺住民の間にできた溝は修復が難しいケースもあります。

空き家を貸し出す場合は、周囲の居住者とのトラブルが発生しないよう、十分に注意する必要があります。

2. 売却したが、実は賃貸できたことを知った

空き家を売却したが、実は周囲の空き家保有者が良い条件で貸し出していたことを後から知ったようなケースです。
実は売却よりも、賃貸の方が収益性の高い、得な意思決定だった。

これは逆に、賃貸していたら売却した方が得だったというケースもあります。
ただ、特に売却してしまった場合は取り返しがつかなくなりますので、事前に「売却」「賃貸」などのケースの収益を比較して、最も良いものを選ぶことが重要です。

3. 相続で取得した空き家で、相続人間の議論の間に老朽化が進んだ

実家を相続した場合、被相続人が複数になる場合もあります。
例えば実家に住んでいた親が亡くなり、複数の子供で相続した、誰も住んでいないので実家は空き家になった、というようなケースです。

空き家を複数人で相続した場合、その空き家の活用には相続人同士の合意が必要です。
意見の合意がないまま、時間ばかりが過ぎ、何も決まらないまま家が老朽化していくことは避けなければいけません。

空き家となった物件は居住中の物件に比べ劣化が早く進みます。
意思決定は早く行うようにしましょう。

4. リフォームして賃貸にしたが、リフォーム費用の元が取れない

空き家が古い場合、そのままでは貸出ができず、リフォームする場合があります。
ただし、当然リフォーム費用も有料です。

その先の賃貸の場合の収支計画を立てておかないと、賃貸に出したは良いもののいつまで立ってもリフォーム費用が回収できず、累積では赤字になってしまうケースもあります。

くれぐれもリフォームの前に収益の試算を立てましょう。

5. 知り合いの不動産会社に付き合いで売却依頼して、相場よりも低い価格で売ってしまった

売却を選択した際に、売却先をしっかり選定しなかったために損をしてしまうケースです。
不動産は世の中に同じものが2つとない、一点物です。
正確な価格、というものが存在せず、相場はあってもやはり仲介会社や買取会社によって価格は変わってきます。

どれほど付き合いがある不動産会社であっても、1社だけでは最高の価格にならない可能性が高いです。

売却を検討する際は、必ず複数社への査定を依頼しましょう。
簡単に複数の不動産に査定依頼ができるサービスがありますので、
そちらを活用すると手間も少なく、高値で空き家を売却できます。

実家で一括査定を受けてみた結果
一括査定サイト(HOME4U・HOME'S・Re Guide・イエウール)を使い、実家の査定を依頼した結果をまとめました。うっとおしい営業電話は来るのか?それも覚悟で計8社に依頼した実際のやりとりと査定額も公開しています。

6. 空き家管理業者選びに失敗した、安い所を選んだらずさんな対応で劣化が進んだ

空き家を管理してくれる管理サービスも世の中にはいくつも存在します。
ただし、これらの業者もしっかりと選定しない場合、思い通りのサービスを提供されなかったり、相場以上の価格を請求されたりするケースがあります。

比較した場合も、価格だけで選ぶと実はサービスがずさんで、空き家の老朽化を防げなかったという事例もあります。

事前に複数社を価格と品質の両面から比較して、適正な委託先を選択しましょう。

以上のようにどの失敗も、事前に検討をすればある程度防ぐことができます。
できるだけ検討の手間を減らしつつ、安易な意思決定をしないように注意しましょう。

空き家に関する公的な取り組みや補助金

今後空き家が増加していくことは間違いありません。
一方で、空き家の増加は空き家の所有者だけでなく、地域にも悪影響を及ぼしかねません。

例えば、国土交通省の「空き家の現状と課題」以下の資料では、空き家増加による問題として

  • 防災性の低下
  • 防犯性の低下
  • ゴミの不法投棄
  • 衛生の悪化・悪臭の発生
  • 風景景観の悪化
  • 樹枝の越境、雑草の繁茂

などを上げています。

このような状況を防ぐために国や各自治体では「空き家対策特別措置法」のような法律制定を行ったり、地方条例によって罰則や補助金などを設定し、できるだけ問題が発生しないようにしています。

空き家を活用する場合に、このような補助金が使える可能性もあります。
自分の空き家がある自治体の補助金など、空き家に関する制度は必ず空き家活用検討の際に調べましょう。

空き家に関する補助金の例には、以下のようなものがあります。

空き家の除却・解体に対する補助金

空き家は解体するだけでも大きな費用がかかります。
自治体に寄ってはこの解体費用の補助金負担を提供している場合があります。

一般的には、空き家であることに加え、築年数が古かったり、耐震強度が弱かったりすることが条件になる場合が多いです。

解体費用の一部が支給されるケースが多いですが、費用が大きいので数十万円単位の補助金が出ることも多いです。
解体を考えている場合は、必ず確認しましょう。

空き家の改修に対する補助金

空き家を改修・リフォームする場合に補助金が出ることがあります。
空き家が老朽化したり、使われなくなるとトラブルのもとになるので、空き家の有効活用を促していく趣旨の補助金です。

例えば、神奈川県海老名市では、「空き家活用促進リフォーム助成金」という名称で、10万円以上のリフォームに対して、費用の2分の1、最大50万円までを補助しています。

空き家の保有者はもちろん、新しく購入した人や、賃借人でも申請できるケースがあるので、要チェックです。

平成30年度「空き家活用促進リフォーム助成金」について

空き家の取得に対する補助金

空き家を取得する場合にも補助金が出る場合があります。
購入するだけで出る場合や、リフォームして住むことが条件になるなど、自治体に寄って制度は様々です。

古い空家の場合価格がかなり安く購入できる場合もあり、補助金がかなり助けになることもあります。

購入後に空き家を活用することも可能です。
興味がある自治体があれば調べてみましょう。

なお、全国の自治体の空き家についての補助金を探せる「空き家活用の匠」というサイトもあります。
必要に応じて有効活用しましょう。

また、空き家増加の課題については、以下の記事に詳しく書いています。

空き家問題とは?増加の原因と対策・解決策について

空き家保有のコスト

ここまでで空き家の活用法について見てきました。
では、全く活用しないとどうなってしまうのか。

空き家を持つことのコストについても確認しましょう。

固定資産税

空き家にも固定資産税がかかります。
これが一番基本的なコストです。
注意点として、居住用の建物がなくなった場合は固定資産税が増加します。

また、自治体に寄って「特定空家」に指定された場合も、固定資産税が増えることがありますので注意が必要です。

水道光熱費・保険料など

電気やガス、水道などを契約している場合はその費用もかかり続けます。
利用実績がなくても基本料金はかかりますので注意してください。

保険についても同様です。火災保険など継続的に費用がかかります。

草刈りや塀の修繕費

庭がある場合、草や木ををのまま伸ばしっぱなしにすることは衛生面や、近隣との関係性から好ましくありません。
木や草が伸びて隣家との境界線を超えた場合や、虫が増えてしまった場合などに近隣住民から対処を求められることもあります。

自分で行うのは大変ですが、業者依頼の場合もお金がかかります。

また、家の塀が老朽化して、地震による倒壊の危険がある場合は、塀の修繕も必要です。
時間が経てばどんどんコストがかさみます。

老朽化して手がつけられなくなった場合の解体費

まだ活用の余地が空き家にあるうちは良いですが、時間が経てば立つほど空き家の活用は難しくなります。
そのような場合、最終的には空き家はどこかで解体しなくてはなりません。

その際の解体費も費用として見込む必要があります。

なお、空き家を解体しても土地を保有している場合、上にあるように固定資産税が上がってしまうので注意が必要です。

近隣とのトラブルなど金銭以外のコスト

金銭面以外のコストにも注意が必要です。
空き家の環境悪化によって周辺の人とトラブルになるケースや、ひどい場合には管理不十分な空き家が犯罪の温床になってしまう場合もあります。

自分の家だし、使わなければそのままにしておいて良いだろう、というのは甘い考えです。

空き家をそのままにしていては

・維持しているだけで費用がかかる
・空き家の価値はどんどん下がっていく
・トラブルの可能性はどんどん高まっていく

ということを認識して、早期に対応を行いましょう。

まとめ

以上のように、空き家は活用の余地が多くある一方で、保有しているだけだと金銭的負担やトラブルの元になります。
時間がかかるほど、できることも減りますし、その間にもお金はかかっていきます。
面倒だからとそのまま放置するのではなく、どのように対応するのかを早く決めることがポイントです。

状況によって、

  • どのような活用法が適しているのか
  • それぞれの手段でどのくらい収益が得られるのか
  • 補助金は出るのか

など、調べる部分が沢山あります。

ただし、失敗事例でご紹介したように、あまり調べずにやってしまうと、得をするはずが損になってしまうケースもあります。

事前に情報収集と検討をしっかりと行いましょう。

その中で、最も収益の基準としてわかりやすく、また情報取得もしやすいのが「売却した場合の価格」です。

一括査定サイトを使えば、手間なく、複数社から査定の見積もりを取ることができ、正確な空き家の価値を知ることができます

まずは査定によって売却価格を知る、
それを基準にして、より自分にあった、収益性の高い活用法を探す、
という進め方をおすすめします。

一括査定は以下のようなサイトがお薦めです。また、査定サイトについて詳しく知りたい場合は更に本文下をご参照ください。

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不動産会社8社に査定を依頼したら
不動産会社8社に査定を依頼したら330万円の差があった

今後の目安のため、一括査定サイトを使って実家の査定を依頼したところ、安い会社と高い会社の差が330万円ありました。
簡易査定なら情報を入力するだけで、その日の内に連絡が来る会社も多く、売却相場がすぐに分かります。

主な不動産会社

ただし、一括査定サイトもすべての不動産会社と提携しているわけではありません。
1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)であれば、地域に特化した実績が豊富なソニー不動産も合わせて検討するとよいでしょう。


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