土地譲渡で発生する4つの税金 計算方法から節税対策まで紹介

土地譲渡 税金
土地を譲渡すると、譲渡所得税や印紙税、登録免許税が発生します。

土地の売買は日常で行う売買取引とは違い、高額な取引ですので、かかる税金も多額になります。

よって、土地を譲渡する際は、譲渡時にかかる税金の種類を知って節税対策をすることが大切です。

本記事では、

  • 土地を譲渡したときにかかる税金
  • 節税するための特別控除

について解説します。

なお、本記事は2019年(令和元年)の税制改革を踏まえた内容となっております。

参考文献:土地や建物を売ったとき|国税庁

1 土地を譲渡した際にかかる税金は4種類

土地譲渡 税金
土地を譲渡した際にかかる税金は4種類あります。

印紙税と登録免許税は、土地を譲渡した人全員が支払わなければいけませんが、譲渡所得税と住民税は土地を譲渡して利益が出た人のみ支払う税金です。

対象者税金の名称概要税金の支払うタイミング
土地を譲渡した人全員印紙税
  • 契約書などの課税文章に対して課税
  • 記載されている金額によって印紙税額が決まる
土地の売買契約時
登録免許税
  • 土地の登記を行うのに必要な税金
  • 固定資産税評価額によって決まる
  • 条件によっては軽減措置が生じる
土地の所有権移転登記時
土地を売却して売却益が出た人全員所得税
  • 土地を譲渡して利益が出たときのみ払う
  • 利益額や土地を保有していた期間により税率が異なる
  • 条件によっては軽減措置が生じる
確定申告時
住民税
  • 都道府県税と市町村民税を総称した税金
  • 土地の売却益に対して一定の税率がかけられる
確定申告した年の6月ごろ

では、さっそく各税金がいくらかかるのかについて詳しく見ていきましょう。

1.1 印紙税

印紙税とは、日常の経済取引で作成する契約書や金銭の受領所に課税される税金です。
よって、土地の売買取引時に用いる不動産売買契約書にも印紙税を払う必要があります。

印紙税はどこか役場などに訪れて納税するのではなく、不動産売買契約書を作成する際に、郵便局などで収入印紙を必要額購入し、印鑑で消印することで納税したことになります。

注意したいのは、課税対象になる契約書に対し、収入印紙を適切額貼らなかった場合や、適切に消印をしなかった場合は、その額の3倍の過怠税が課されるという点です。
ただし、手続き上の誤りで収入印紙を貼り忘れた場合は、自主的に税務署に申し出れば1.1倍に軽減してもらえます。

以下は、2018年12月時点で契約書にかかる印紙税額の一覧です。平成32年3月31日まで有効の軽減措置を含めた税額となります。

記載金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上50万円以下200円
50万円超100万円以下500円
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下6万円
5億円超10億円以下16万円
10億円超50億円以下32万円
50億円超48万円

(出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

1.2 登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有権移転登記にかかる費用です。

売買による移転登記の場合、不動産の価格の1,000分の20が課税されます。
ただし、登録免許税は2021年3月31日までは軽減税率が適用されます。軽減税率適用時は、不動産価格の1,000分の15が登録免許税として課税されます。

登録免許税は不動産1つに対してかかる税金です。つまり、建物付きの土地を売却する場合は、土地と建物両方で登録免許税がかかるので注意しましょう。

参考文献:登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|国税庁(PDF)

1.3 所得税

土地譲渡の際に利益が発生した場合、利益分に税率をかけて所得税が発生します。所得税は通常の所得税と復興所得税の2つであり、それぞれの税率をかけた金額を収めなければなりません。

所得税の税率は不動産の保有期間によって異なり、保有期間が5年以内であれば短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得と区分されます。

なお、長期譲渡所得税のほうが所得税率が低くなります

短期譲渡所得長期譲渡所得
30.63%15.315%

また、所得税が発生するのは譲渡によって利益が出た場合で、利益なし、あるいは損失が出た場合は課税対象にはなりません。課税額を考える際には、まずは利益がどのくらい出ているかをチェックすることが大切です。

1.4 住民税

住民税とは、都道府県民税と市町村民税を合わせた税金を指します。住民税は、名前の通り都道府県や市町村に対して収める税金です。

住民税も所得税同様、譲渡によって利益が発生した場合のみ課税対象です。不動産の保有期間によって税率が変化する点も同じですが、税率そのものが異なります。

短期譲渡所得長期譲渡所得
9%5%

所得税と比べると少額に感じますが、実際に課税される場合には所得税もかかっている点を忘れてはいけません。短期譲渡所得の場合は両方合わせると約39%もの税率になり、課税額も高くなりやすいです。

よって、長期譲渡期間を過ぎて譲渡するほうが所得税を抑えることができます。

次の章で所得税と住民税の計算方法について詳しく学んでいきましょう。

2 譲渡所得税の計算方法

土地譲渡 税金
譲渡所得税とは所得税と住民税を合わせた総称です。よって、課税所得税の計算方法がわかると、土地の譲渡によってかかる所得税・住民税額の2つの税額がわかります。

譲渡所得税は、課税譲渡所得額に税率を掛けることで求めることができます。

そのため、譲渡所得税を計算するには次の3つのステップを踏む必要があります。

  1. 課税譲渡所得額を求める
  2. 所得税・住民税率を求める
  3. 譲渡所得税を節税するための特別控除を求める

2.1 課税譲渡所得額を求める

まずは、課税譲渡所得額を求めていきましょう。
課税所得額は以下の式で求めることができます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

譲渡所得税は課税譲渡所得に対し税金がかかるため、もし特別控除を利用して課税譲渡所得が0円になるのであれば、所得税も住民税もかかりません

ただし特別控除を適用するためには条件をクリアしなくては使えないため、確実に特別控除が使えるどうか確かめることも大切です。特別控除については後ほどご説明します。

また、譲渡所得は、

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

で求めることができます。

なお、取得費とは、売った土地や建物を購入したときの購入代金や、仲介手数料の合計額のことです。
実際の取得費の金額が譲渡価格の5%に満たない場合は、譲渡金額の5%相当額を取得費として計算することができます

売却費用とは、土地や建物を売るために要した費用のことで、以下の項目を含めることができます。

  • 手数料(取得および売却時双方)
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • 土地の造形費用
  • 埋め立て費用
  • 解体費用
  • 印紙代

たとえば土地を売った価格が3,000万円、土地を買った時の取得費用が2,500万円、売るときにかかった不動産仲介業者への手数料や税金などを含めた額が100万円とします。すると「3,000万円-(2,500万円+100万円)=400万円」となり、譲渡所得は400万円であると分かります。

譲渡所得、課税譲渡所得の求め方が分かりました。次は、課税譲渡所得額に掛けられる所得税・住民税の税率を見ていきましょう。

2.2 所得税・住民税率を求める

所得税・住民税の税率は不動産の保有期間によって変わります。
不動産の保有期間は土地を譲渡した年の1月1日地点で5年以下の場合は短期譲渡所得5年を超える場合は長期譲渡所得と区分され、長期譲渡所得の方が短期譲渡所得よりも税率が低くなります

所得税・住民税の税率
税金の種類短期譲渡所得長期譲渡所得
所得税30%15%
住民税9%5%

例えば、土地を譲渡した年が令和元年(2019年)だった場合、その土地を取得した年が平成25年12月31日以前であれば「長期譲渡所得に」平成26年1月1日以後であれば「短期譲渡所得」になります。

2.3 譲渡所得税を節税するための特別控除を求める

最後に、特別控除を求めましょう。

先ほど、課税譲渡所得を求める式は、「課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除」であると述べました。

上記式をみて分かるように、特別控除額が多いほど、譲渡所得税を節税することができます。

よって、下記に掲げる控除を賢く使って譲渡所得税額を減らしていきましょう。

居住用財産を売却した場合に使える3000万円の特別控除

自分が住んでいた家屋とともにその土地(敷地)を売却した場合は、所有期間の長短に関係なく3000万円の控除を利用することができます。

この制度は、通常マイホームを譲渡した方が対象になっていますが、マイホームを取り壊した後の土地でも3000万円の特別控除を用いることは可能です。

ただし、3,000万円の特別控除を受けるためには、家に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。

また、売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係にある場合は3000万円の特別控除を利用することができません

3,000万円の特別控除を受けたいと考えている方は、確定申告時に譲渡所得の内訳書を持参して税務署に赴きましょう。

参考文献:マイホームを売ったときの特例|国税庁

居住用財産を売却した場合に使える軽減税率の特例

先ほどの「居住用の土地を売った場合に使える3,000万円の特別控除」と重ねて受けることができる特例として、居住用の土地の所有期間が10年を超える場合にさらに軽減税率が適用されます。

軽減税率の適用を受けるためには、先ほどの「居住用の土地を売った場合に使える3,000万円の特別控除」で求められていた条件を満たし、さらに土地を売った年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている必要があります。

なお、適用される軽減税率は課税譲渡所得金額によって変わります。税率は以下の通りです。

課税譲渡所得金額(Xとする)税額
6,000万円以下A×10%
6,000万円越え(A-6,000万円)×15%+600万円

参考文献:マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

特例を受けるためには確定申告が必要

土地を譲渡した場合に使える特別控除として「居住用財産を売却した場合に使える3000万円の特別控除」と「居住用財産を売却した場合に使える軽減税率の特例」をご紹介しましたが、この2つの特別控除を利用するためには確定申告を済ませる必要があります

確定申告は、土地を譲渡した翌年の3月15日(年によって期限は多少変化する)までに税務署に書類を提出する必要があります。

以下の記事では確定申告に必要な資料や自宅でもできる確定申告について記載されています。

土地売却において売却益が出た場合、譲渡所得税の支払いが生じます。また、損失が出た場合でも、確定申告することで税金が戻ってくる可能性もあります。ここでは、土地を売却する際に生じる税金や、確定申告の必要性、必要書類などについて解説していきます。

3 土地を相続した場合にかかる税金

土地譲渡 税金
今回土地の譲渡を検討されている方の多くが土地を相続して、その土地の譲渡を考えているのではないでしょうか。
土地を相続した場合には、これまで説明してきた譲渡所得税や住民税といった税金に加えて相続税がかかります。

3.1 相続税

相続税とは、親や配偶者など亡くなった人(被相続人という)から財産を受け取り、受けとった財産の合計額が基礎控除額を超える場合に、国に払わなければいけない税金のことです。

基礎控除額とは、被相続人が得た財産額から必ず控除することができる金額のことです。

基礎控除額は、以下の式で求めることができます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、妻が他界し、法定相続人が自分と子供3人だった場合の基礎控除額は、3,000万円+600万円×3=4,800万円です。

つまり、相続した財産が4,800万円を超える場合のみ相続税が課税されます。

相続税を払いたくないと思う方は多いと思いますが、相続税には多くの財産を遺した人に対して、多額の相続税を課税することで、一部の国民に富が集中することを防ぎ、貧富の差の拡大が広がることを防ぐ役割があります。

参考文献:財産を相続した時|国税庁

不動産を相続することになったときに、真っ先に気になることが相続税についてです。相続税はどのくらいになるのでしょうか。この記事では、不動産相続税の計算方法をわかりやすくお伝えするとともに、今すぐ取り掛かりたい節税対策についてお伝えします。

3.2 相続税を支払って土地を譲渡した場合に使える特別控除がある

土地を相続して相続税を支払い、かつ相続した土地を相続開始の日の翌日から3年以内に土地を譲渡し、相続税の申告を済ませた場合には、土地の取得費に相続税を加算することができます。

譲渡所得額は、「譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)」で計算されるため、取得費に相続税が加算されると譲渡所得額が安くなり、結果として譲渡所得税を節税することが可能です。

ただし、相続税が取得費に加算される特例を利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
  • 財産を取得した人に相続税が課税されていること
  • 財産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

相続税を支払った方は上記特別控除を積極的に取り入れていきましょう。

参考文献:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

4 土地の譲渡に関するよくある質問

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最後に、土地の譲渡に関してよく聞かれる質問に答えていきます。

4.1 無償で土地を譲渡した場合の税金はいくら?

土地を無償で譲渡した場合にかかる税金は、誰が誰に譲渡するかによって変わります。
何パターンかパターンがあるため、わかりやすいよう表にまとめました。

パターン贈与者にかかる税金受贈者にかかる税金
個人が個人に土地を譲渡なし贈与税
個人が法人に土地を譲渡みなし譲渡所得税※1法人税
法人が個人に土地を譲渡法人税取得税
※1みなし譲渡税とは
不動産が無償で譲渡された場合に、課税の公平性を保つため、贈与者は受贈者に譲渡時の時価による不動産の譲渡が行われたとみなし課税する制度。

個人が個人に無償で土地を譲渡する場合を見ると、贈与者には税金はかかりませんが、受贈者は贈与税を支払うことになります。

個人が法人に土地を無償譲渡する際にのみ贈与者に税金が課される理由は、個人と法人の考え方の違いに起因します。

原則、法人は永久に存続することが前提になっており、個人が法人に土地を譲渡すると譲渡した土地に永遠に課税されることがなくなってしまうと考えられているからです。

4.2 土地の取得費が不明な場合はどうすればいいか

土地を購入したのが自分ではなく祖父母であるとか、昔に購入したためであるとかで土地の取得費がわからない場合があると思います。

土地の取得費が不明な場合は、取得費を土地を売った金額の5%として計算することができます。

また、実際の取得費が土地の売却費用の5%を下回る場合も同様です。

例えば、土地を2500万円で売った場合に取得費が不明であれば、売った金額の5%である125万円が取得費となります。

参考文献:取得費がわからないとき|国税庁

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