【初心者向け】土地の売却時にかかる税金と諸費用を分かりやすく解説

土地売買 税金
本記事をお読みの方は、土地を売却しようかどうか迷っているけれど、土地を売却したときに税金をはじめとする諸費用が多くかかって損をしたらいやだな。

と考えて土地を売却したときにどんな税金がいくらかかるのかをお調べになっていることと思います。

土地を売却すると4種類の税金がかかります。土地の売却益が通常の取引額と比べて大きい分、土地の売却時にかかる税金も大きくなります

よって、土地の売却で損をしないためにも土地を売却したときの税金の知識を深めておくことが重要になります。

税金と聞いただけで、なんだか難しそう。。と毛嫌いしてしまいそうですが、本記事では初心者の方に向けて分かりやすく土地の売却時にかかる税金、節税方法、各ケースに合わせた税金の出し方を説明します。

なお、本記事の内容は、2019年(令和元年)の最新の法令を参照して記事にしています。

参考文献土地や建物を売ったとき|国税庁

また、記事では土地を売却したときにかかる税金について注力して書いています。土地と建物の売買にかかる税金を知りたい方は「不動産売却にかかる税金」を、不動産を相続したときにかかる税金について知りたい方は、「不動産を相続した際にかかる税金」をお読みください。

1 土地の売買にかかる税金は4種類

土地 売買 税金
土地を売買するときにかかる税金は、印紙税登録免許税譲渡所得税住民税の4種類があります。

うち、全員が支払わなければいけないものが印紙税と登録免許税で、譲渡所得税と住民税は売却益が発生したときのみ支払わなければいけません。

対象者税金の名称概要
土地を売却した人全員印紙税
  • 契約書などの課税文章に対して課税
  • 記載されている金額によって印紙税額が決まる
登録免許税
  • 土地の登記を行うのに必要な税金
  • 固定資産税評価額によって決まる
  • 条件によっては軽減措置が生じる
土地を売却して売却益が出た人全員譲渡所得税
  • 土地の売却時に利益が出たときのみ払う
  • 利益額や土地を保有していた期間により税率が異なる
  • 条件によっては軽減措置が生じる
住民税
  • 都道府県税と市町村民税を総称した税金
  • 土地の売却益に対して一定の税率がかけられる

では、それぞれの税金について、いくらかかるのか、どのような計算式で税額が決定されるのかを見ていきましょう。

1.1 印紙税

印紙税とは、日常の経済取引で作成する契約書や金銭の受領書に課税される税金です。
よって、土地の売買取引時に用いる不動産売買契約書にも印紙税を払う必要があります。

印紙税はどこか役場などに訪れて納税するのではなく、不動産売買契約書を作成する際に、郵便局などで収入印紙を必要額購入し、印鑑で消印することで納税したことになります。

注意したいのは、課税対象になる契約書に対し、収入印紙を適切額貼らなかった場合や、適切に消印をしなかった場合は、その額の3倍の過怠税が課されるという点です。
ただし、手続き上の誤りで収入印紙を貼り忘れた場合は、自主的に税務署に申し出れば1.1倍に軽減してもらえます。

以下は、2018年12月時点で契約書にかかる印紙税額の一覧です。平成32年3月31日まで有効の軽減措置を含めた税額となります。

記載金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上50万円以下200円
50万円超100万円以下500円
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下6万円
5億円超10億円以下16万円
10億円超50億円以下32万円
50億円超48万円

参考文献:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

1.2 登録免許税

不動産はそれぞれ、誰が所有者であるかどうかを登記簿上で管理・記録しています。不動産売却を行う際、持ち主が変わるため名義変更(所有権の移転に伴う不動産登記)が必須です。この時必要になるのが、登録免許税です。特に売買で所有者が変わる際には、下記の税額が適応となります。

登録免許税の概要は以下の表になります。
不動産税金の登録免許税

参考文献:登録免許税に関する資料|財務省

この表の中で特に重要なのが(4)の税率です。わかりやすくしたのが以下になります。売買をした不動産の固定資産税評価額を入れて、計算を行います。固定資産税評価額が分からない場合は、売買をお願いした不動産会社に問い合わせてみるのが早いでしょう。

  • 本則税額=固定資産税評価額×2%
  • 軽減税額=固定資産税評価額×1.5%

なお、軽減税率の適用は表中には平成31年3月31日までの適用とありますが、平成31年度の税制改正を受けて平成33年3月31年まで2年延長されることとなりました。ご注意ください。

参考文献:登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|国税庁(PDF)

固定資産税評価額の求め方は以下の記事に記載してあります。参考にしてください。

土地の評価額には様々な指標が有り、「一物四価」あるいは、「一物五価」と言われます。 土地の評価額の種類 実勢価格 ...

1.3 譲渡所得税・住民税

土地や建物を売却したときに利益が出ると、譲渡所得税と住民税を支払わなければなりません。

譲渡所得税は国に支払う税金で、住民税は都道府県と市区両村双方に収める税金です。

譲渡所得税・住民税の税率は土地の保有期間によって異なります。

税制上、保有期間は2つに区分されています。
土地を売った年の1月1日地点で土地の所有期間が5年を超える場合には長期所得に、5年未満の時は短期譲渡所得になります。

譲渡所得税・住民税の税率
区分所得税住民税
長期譲渡所得15.315%5%
短期譲渡所得30.63%9%

※ただし、譲渡所得税の税率には復興特別所得税(所得税×2.1%)が上乗せされています。

参考文献土地や建物を売ったとき|国税庁

上記表をみてわかるように、土地の保有期間が5年を超えると譲渡所得税・住民税ともに税率が低くなります。

よって、土地を売却するのであれば、土地の保有期間が5年を過ぎてから売却するのがおすすめです。

譲渡所得税・住民税の詳しい計算の仕方は次の章でご紹介します。

2 譲渡所得税・住民税の計算方法

譲渡所得税・住民税額は、課税譲渡所得額に税率をかけることで求めることができます。

そのため、譲渡所得税を計算するには次の3つのステップを踏む必要があります。

  1. 課税譲渡所得額を求める
  2. 所得税・住民税率を求める
  3. 譲渡所得税を節税するための特別控除を求める

2.1 課税譲渡所得額を求める

まずは、課税譲渡所得額を求めていきましょう。
課税所得額は以下の式で求めることができます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

譲渡所得税は課税譲渡所得に対し税金がかかるため、もし特別控除を利用して課税譲渡所得が0円になるのであれば、所得税も住民税もかかりません

ただし特別控除を適用するためには条件をクリアしなくては使えないため、確実に特別控除が使えるどうか確かめることも大切です。特別控除については後ほどご説明します。

また、譲渡所得は、

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

で求めることができます。

なお、取得費とは、売った土地や建物を購入したときの購入代金や、仲介手数料の合計額のことです。

ただし、実際の取得費の金額が譲渡価格の5%に満たない場合は、譲渡金額の5%相当額を取得費として計算します

売却費用とは、土地や建物を売るために要した費用のことで、以下の項目を含めることができます。

  • 手数料(取得および売却時双方)
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • 土地の造形費用
  • 埋め立て費用
  • 解体費用
  • 印紙代

たとえば土地を売った価格が3,000万円、土地を買った時の取得費用が2,500万円、売るときにかかった不動産仲介業者への手数料や税金などを含めた額が100万円とします。すると「3,000万円-(2,500万円+100万円)=400万円」となり、譲渡所得は400万円であると分かります。

譲渡所得、課税譲渡所得の求め方が分かりました。次は、課税譲渡所得額に掛けられる所得税・住民税の税率を見ていきましょう。

2.2 所得税・住民税率を求める

所得税・住民税の税率は不動産の保有期間によって変わります。
不動産の保有期間は土地を譲渡した年の1月1日地点で5年以下の場合は短期譲渡所得5年を超える場合は長期譲渡所得と区分され、長期譲渡所得の方が短期譲渡所得よりも税率が低くなります

所得税・住民税の税率
税金の種類短期譲渡所得長期譲渡所得
所得税30.63%15.315%
住民税9%5%

※ただし、譲渡所得税の税率には復興特別所得税(所得税×2.1%)が上乗せされています。

例えば、土地を譲渡した年が令和元年(2019年)だった場合、その土地を取得した年が平成25年12月31日以前であれば「長期譲渡所得に」平成26年1月1日以後であれば「短期譲渡所得」になります。

2.3 譲渡所得税を節税するための特別控除を求める

最後に、特別控除を求めましょう。

先ほど、課税譲渡所得を求める式は、「課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除」であると述べました。

上記式をみて分かるように、特別控除額が多いほど、譲渡所得税を節税することができます。

ただし、特別控除を用いるためには必ず確定申告をしなければなりません

確定申告の仕方については、第6章で説明しています。

では、土地の売却時に利用できる特別控除について見ていきましょう。

平成21年に取得した土地と平成22年に取得した土地を売却する人は1,000万円の特別控除

平成21年に取得した土地を平成27年以降に売却する人と平成22年に取得した土地を平成28年以降に売却する人は、1,000万円の特別控除を利用することができます。

課税所得額から1,000万円を控除できるため、利益が出ても1,000万円以下であればこの控除を利用することで税金を支払わずに済みます。

ただし、親子や夫婦、内縁関係など特別な関係にある人から得た土地には当てはまらず、相続や贈与によって得た土地にも使うことができません。

参考文献:平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除|国税庁

居住用の土地を売った場合は3,000万円の特別控除

自分が住んでいた家屋とともにその土地(敷地)を売却した場合は、所有期間の長短に関係なく3000万円の控除を利用することができます。

ただし、3,000万円の特別控除を受けるためには、家に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。

また、売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係にある場合は3000万円の特別控除を利用することができません

3,000万円の特別控除を受けたいと考えている方は、確定申告時に譲渡所得の内訳書を持参して税務署に赴きましょう。

参考文献:マイホームを売ったときの特例|国税庁

所有期間が10年を超える居住用の土地を売った場合は軽減税率の特例

先ほどの「居住用の土地を売った場合に使える3,000万円の特別控除」と重ねて受けることができる特例として、居住用の土地の所有期間が10年を超える場合にさらに軽減税率が適用されます。

軽減税率の適用を受けるためには、先ほどの「居住用の土地を売った場合に使える3,000万円の特別控除」で求められていた条件を満たし、さらに土地を売った年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている必要があります。

なお、適用される軽減税率は課税譲渡所得金額によって変わります。税率は以下の通りです。

課税譲渡所得金額(Xとする)税額
6,000万円以下A×10%
6,000万円越え(A-6,000万円)×15%+600万円

参考文献:マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

相続税が発生し、3年以内に土地を売却した場合は取得費加算の特例

相続で土地を譲り受け、相続税を払い、その土地を3年以内に売却した場合は、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。

譲渡所得は

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

で計算されるため、取得費が加算されれば、その分課税の対象となる譲渡所得の費用が小さくなり、節税することができます。

取得費加算の特例を利用するには、

  • 相続や遺贈により財産を取得した者である
  • 財産を取得した人に相続税が課税されている
  • 財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している

ことを満たす必要があります。

また、取得費に加算することができる相続税額は以下の式で計算します。

取得費に加算する相続税額=相続税額×相続税の基礎となった財産の価格÷(相続税の課税価格+債務控除額)

相続税・譲渡税を同時に支払うことは大きな負担になりますから、相続を受けた土地を売却する方は、取得費加算の特例を賢く使うべきでしょう。

参考文献:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

相続で受けた空き家を更地として売却する場合は3,000万円の特別控除

相続で取得した空き家を平成28年4月1日から平成31年(2019年)12月31年までの間に取り壊し、更地として売却した場合は、3,000万円の特別控除を受けることができます。

3,000万円の特別控除を受けるには

  • 空き家を解体して更地にした
  • 相続の時から取り壊し、売却までの間に事業、貸し付け、居住目的で利用されていないこと
  • 相続のあった日から、3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続税を払った場合に使える取得費加算の特例や他の収用等の特別控除などの特例を利用していないこと
  • 親子や夫婦などの特別な関係のある人に売ったものでないこと

条件をみたす必要があります。

参考文献:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

空き家を放置しておくと特定空き家に認定され、自治体から勧告を受けたり、ご近所さんから苦情を受けたりなどデメリットが多いので、この機会に空き家を売却したいものです。

空き家を所持すると、どのくらいの税金がかかるのでしょうか。売却という手段もありますが、人によっては所持し続けたいと思う人もいるかもしれません。しかし、放置し続けるとペナルティの原因にも。そのため、空き家にかかる税金について把握しましょう。
危険な空き家は固定資産税の軽減対象から外される動きが出ています。今後は空き家が解体されるケースも増えることから、解体費用の相場と構造別の事例をまとめました。

3 実際の事例を使って土地の売却にかかる税金をシュミレーションしてみよう

第2章まで土地の売却にかかる税金の種類と計算の仕方についてみてきましたが、計算のやり方だけ学んでも実際の事例を見ると、わからなくなってしまうものです。

そこで、よくある事例をもとに土地の売却時にかかる税金をシュミレーションしてみました。

取り上げた事例は以下の3つです。ご自身が売ろうとしている土地に最も近い事例を参考にしてください。

事例1 所有期間5年未満で売却した場合
売却日:2019/06/30
取得日:2018/03/24
売却価格:1200万円
取得費:800万円
固定資産税評価額:840万円
売却費用:100万円
土地の特徴:居住用の土地
事例2 所有期間5年越えで売却した場合
売却日:2019/06/30
取得日:2008/11/06
売却価格:4000万円
取得費:不明
固定資産税評価額:2800万円
売却費用:100万円
土地の特徴:空地
事例3 共有名義の土地を売却した場合
売却日:2019/05/06
取得日:2010/04/16
売却価格:3500万円
取得費:2400万円
固定資産税評価額:2450万円
売却費用:100万円
土地の特徴:母:1/2、兄、妹が1/4ずつ共有している土地を売却。母が居住していた。

では、事例1~3の税額をシュミレーションしてみましょう。

3.1 事例1 所有期間5年未満で売却した場合

考える事例は以下の通りです。

売却日:2019/06/30
取得日:2018/03/24
売却価格:1200万円
取得費:800万円
固定資産税評価額:840万円
売却費用:100万円
土地の特徴:居住用の土地

印紙税

事例1の土地の取引価格(売却価格)が1200万円、売却日が2019年5月6日です。

よって契約書の記載金額が1200万円、契約書が2020年3月31日までに作成されていますので軽減税率が適用され、印紙税は1万円になります。

登録免許税

登録免許税は、2021年3月31日までに土地の名義変更をおこなうと軽減税率が適用されるため、登録免許税率は固定資産税評価額×1.5%になります。
よって、登録免許税額は840万円×1.5%=12.6万円となります。

譲渡所得税・住民税

譲渡所得税・住民税を計算するための3つのステップを元に譲渡所得税と住民税を計算していきます。

まずは、ステップ1課税譲渡所得額を求めます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除ですので、譲渡所得額を計算しなくてはなりません。

譲渡所得額=譲渡価格-(取得費+売却費用)

=1200万円-(800万円+100万円)
=300万円

次にステップ2譲渡所得税・住民税率を求めます。

事例1の土地は 5年未満で譲渡しているため、短期譲渡所得と区分されます。
よって、譲渡所得税率は30.63%、住民税率は9%です。

最後にステップ3特別控除を求めます。
事例1は居住用の土地をすまなくなってから3年以内に売ったために3000万円の控除を受けることができます。

よって

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

=300万円-3000万円
=-2700万円

特別控除をつかった結果、課税譲渡所得がマイナスになったために、事例1では所得税、住民税を支払う必要がありません

3.2 事例2 所有期間5年越えで売却した場合

考える事例は以下の通りです。

売却日:2019/06/30
取得日:2008/11/06
売却価格:4000万円
取得費:不明
固定資産税評価額:2800万円
売却費用:100万円
土地の特徴:居住用の土地

印紙税

事例2の契約書作成日は2019/06/30(土地の売却日に契約書が作成されたと考える)ですので、軽減税率が適用されます。

売却価格が4000万円ですので、記載金額1000万円越え5000万円以下の区分に該当し、印紙税は1万円です。

登録免許税

登録免許税は、2021年3月31日までに土地の名義変更をおこなうと軽減税率が適用されるため、登録免許税率は固定資産税評価額×1.5%になります。
よって、登録免許税額は2800万円×1.5%=42万円となります。

譲渡所得税・住民税

譲渡所得税・住民税を計算するための3つのステップを元に譲渡所得税と住民税を計算していきます。

まずは、ステップ1課税譲渡所得額を求めます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除ですので、譲渡所得額を計算しなくてはなりません。

譲渡所得額=譲渡価格-(取得費+売却費用)

事例2の場合取得費が不明です。
取得費が不明な場合は、売却価格の5%として計算するため、取得費=4000万円×5%=200万円となります。

従って譲渡所得額は4000万円-(200万円+100万円)=3800万円です。

次にステップ2譲渡所得税・住民税率を求めます。

事例2の土地は 5年越えで譲渡しているため、長期譲渡所得と区分されます。
よって、譲渡所得税率は15.315%、住民税率は5%です。

最後にステップ3特別控除を求めます。
事例2は居住用の土地を住まなくなってから3年以内に売ったために3000万円の控除を受けることができます。

よって、

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

=3800万円-3000万円
=800万円

さらに、事例2の場合、土地の所有期間が10年を超えるため軽減税率の特例が適用されます。
適用の結果、課税譲渡所得額が800万円で6000万円以下のため、税額は14.21%(所得税10.21%、住民税4%)
譲渡所得税額、住民税額は800万円×14.21%=万円となります。

3.3 事例3 共有名義の土地を売却した場合

考える事例は以下の通りです。

売却日:2019/05/06
取得日:2010/04/16
売却価格:3500万円
取得費:2400万円
固定資産税評価額:2450万円
売却費用:100万円
土地の特徴:母:1/2、兄、妹が1/4ずつ共有している土地を売却。母が居住していた。

印紙税

事例3の契約書作成日は2019/05/06(土地の売却日に契約書が作成されたと考える)ですので、軽減税率が適用されます。

売却価格が3500万円ですので、記載金額1000万円越え5000万円以下の区分に該当し、印紙税は1万円です。

登録免許税

登録免許税は、2021年3月31日までに土地の名義変更をおこなうと軽減税率が適用されるため、登録免許税率は固定資産税評価額×1.5%になります。
よって、登録免許税額は3500万円×1.5%=52.5万円となります。

譲渡所得税・住民税

譲渡取得税・住民税は名義人ぞれぞれで税金を支払う必要があるので、持分割合に応じて売却価格や費用を計算します。

まず、母親の支払う譲渡所得税・住民税額から計算していきます。
母親の売却価格は3500万円×1/2=1750万円、取得費は2400万円×1/2=1200万円、売却費用は100万円×1/2=50万円です。

よって、ステップ1 譲渡所得額は1750万円-(1200万+50)=500万円です。

次にステップ2譲渡所得税・住民税率を求めます。

事例3の土地は 5年越えで譲渡しているため、長期譲渡所得と区分されます。
よって、譲渡所得税率は15.315%、住民税率は5%です。

最後にステップ3特別控除額を求めます。
母親は売却した土地を居住用に用いていたため、3000万円の特別控除を利用できます。
母親の譲渡所得額が500万円ですので3000万円の特別控除を利用すると、課税譲渡所得額がマイナスになり、母親に譲渡所得税・住民税は発生しません。

同様に兄(妹)の場合は、売却価格は3500万円×1/4=875万円、取得費は2400万円×1/4=600万円、売却費用は100万円×1/4=25万円です。

よって、ステップ1 譲渡所得額は875万円-(600万+25)=250万円です。

ステップ2の譲渡所得税・住民税率は母親と同様それぞれ15.315%、住民税率は5%です。

ステップ3の特別控除額ですが、兄(妹)が居住用住居をも共有名義で所有していた場合は3000万円の特別控除を受けることができますが、居住用住居の名義が母親のみの名義であった場合は3009万円の特別控除を利用することができません。

ただし、例外があって、以下の要件のすべてに当てはまる場合は3000万円の特別控除を受けることができます。

  1. 家屋と敷地を同時に売却すること
  2. 家屋の所有者と敷地の所有者とが親族関係にあり、かつ生計を一にしていること
  3. 家屋の所有者と敷地の所有者がその家屋に同居していること

です。

上記のように共有持ち分の土地を売却する際の税金の計算は非常に複雑でわかりづらいため、税理士に相談することをおすすめします。

4 土地の売却時にかかる税金についてのよくある質問

土地 売買 税金
第4章では土地の売却時にかかる税金についてよくある質問に答えていきたいと思います。

4.1 税金はいつまでに支払えばいいか

土地の売却にかかる税金は印紙税、登録免許税、譲渡所得税、住民税の4つがありました。各税金によって支払いの時期は異なります。

印紙税の納付時期

印紙税については、土地の売買契約をする際に払います。

というのは、印紙税の納税方法が土地の売買契約書に添付して提出する形をとるからです。

登録免許税の支払い時期

登録免許税は、土地の所有権移転登記をする際に、現金で納付し、その領収書を申請書に張り付けて納付する形をとります。

譲渡所得税の支払い時期

土地の売却にかかる譲渡所得税は所得税に加算されるため、譲渡所得税の支払い時期は所得税の納付時期である確定申告後の3月15日まで(年によって確定申告の期限は変化)に現金一括で納付する必要があります。

住民税の納付時期

住民税は、土地を売却した年の翌年6月ごろに支払うことになります。

土地の売却後、翌年の3月~5月に確定申告をしますが、その確定申告を元にして翌年の5月ごろ住民税納付所が届きます。

支払い方法は確定申告時に選択することができ、給与から天引きする方法と自分で納付をする方法の2種類を選択できます
ただし、給与から天引きする方法を選択できるのはサラリーマンの方のみです。

給与から天引きする方法をとった場合、給与所得の住民税分に加算され、6月から翌5月の間、毎月の給与から天引きされます。

自分で納付する方法をとった場合は、納税のタイミングは年4回に分けられ、6月末、8月末、10月末、1月末実に支払うことができます。

4.2 土地の取得費用が不明な場合はどうすればいいか?

土地を購入したのが自分ではなく祖父母であるとか、昔に購入したためであるとかで土地の取得費がわからない場合があると思います。

土地の取得費が不明な場合は、取得費を土地を売った金額の5%として計算することができます。

また、実際の取得費が土地の売却費用の5%を下回る場合も同様です。

例えば、土地を2500万円で売った場合に取得費が不明であれば、売った金額の5%である125万円が取得費となります。

参考文献:取得費がわからないとき|国税庁

4.3 土地の売買に消費税はかかるのか?

驚くかもしれませんが、土地の売買には消費税が課税されません

消費税は消費に対して課税される税金で、土地などの資本に関しては社会政策的配慮から課税されないことになっています。

4.4 土地を相続した場合の土地の所有期間と取得費はどうなる?

土地を相続した場合の土地の所有期間は土地の相続を受けてからの所有期間ではなく、被相続人(元の所有者)が所有していた期間を所有期間に含めることができます。

例えば、被相続人が土地を3年所有していて、相続後開始後、相続人(今の建物の所有者)が土地を2年所有した場合の土地の所有期間は5年と計算されます。

また、相続した土地の取得費については、被相続人がその土地を買い入れたときの購入代金や購入手数料を元に計算します。

参考文献:相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期|国税庁

5 土地を売却する際にかかる税金以外の費用

土地を売却すると税金以外にかかる費用があります。

土地の売却で失敗をしないためにも、税金以外にかかる費用について知っておきましょう。

5.1 仲介手数料

不動産会社に土地の仲介を依頼した場合、不動産の売却が成立すると業者に仲介手数料を支払わなければなりません。

宅地建物取引業法では、売却額が400万円を超える場合において「売却額×3%+60,000円」を仲介手数料の上限としており、この金額に消費税を加えたものを支払う必要があります

不動産会社に支払う仲介手数料について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

売り出しから成約までにはさまざまな費用がかかり、契約関係や引っ越し費用は見落としがちです。また場合によっては税金も発生しますが、これらは必ずかかるわけではないので、可能性があるものとその相場をまとめました。

5.2 測量費用

土地を売却する際には隣地との境界を明確にするために、必ず土地の測量を行う必要があります。

土地の測量を行った証明として必要になるものが確定測量図です。

確定測量図とは、土地の所有者だけでなく、隣地の所有者や測量士、土地家屋調査士の立ち合いのもと土地の境界を正式に確定させる測量のことです。

確定測量の費用は、測量をする土地の面積、側点数、杭の有無、立ち合い人数によって異なりますが確定測量の相場は50万円~80万円ほどになります。

土地の形状が複雑であったり広大な場合、近隣と境界の争いがある場合は目安より高くなります。

また、地積測量図や隣地所有者からの境界確認なしに作られた現況測量図は売買契約に使えませんので注意してください。

土地を売却する際には、測量をした方が良いケースがありますが、測量には数十万円程度の費用が必要なため、予め費用や手順について押さえておくと良いでしょう。これから土地の売却を検討している場合は大体の費用を把握し、スムーズな売却を目指しましょう。

6 土地売買で利益が出たら確定申告をしよう

土地 売買 税金

控除の特例を使うためにも忘れずに行いたい「確定申告」ですが、全くしたことがないという人も多いのではないでしょうか。確定申告の時期と必要書類を知っておきましょう。

6.1 売却した翌年の申告時期に確定申告をすること

申告時期は毎年2月16日~3月15日と決められており、現在の住所地を管轄する税務署に申告が必要です。土地を売った翌年の2月16日以降、3月15日までに対象の税務署に直接書類を持参するか、もしくは郵送します。税務署にある時間外文書収受箱に投函する方法もあるため、平日の税務署窓口に必ずしも持参する必要はありません。

また電子申告・納税システム(E-tax)を使うとインターネット経由で申請できるため、忙しくて税務署に行く暇がないという人は検討をおすすめします。以前は利用に伴う申請書の提出やマイナンバーカード、カードリーダーが必須でしたが、平成31年1月以降は税務署に申請することで当日発行されるIDとパスワードによるE-taxの利用と確定申告が可能になりました。

さらに譲渡損失など繰越控除を活用することで税金の還元を受ける場合は、3週間ほど早く還元を受け付けられます。源泉徴収票といった一部書類の提出も省略できるため、可能であればE-taxの利用が早くて便利と言えるでしょう。

6.2 確定申告に必要な書類

必要な書類と取得先を一覧で確認しておきましょう。基本的には、どれも譲渡時(売却時)や取得時、不動産業者との手続きの中で手に入ります。特に内訳書を書くために、仲介業者への手数料の領収書などお金のやり取りに関わる記録をきちんとつけておくことをおすすめします。

必要書類取得先ポイント
譲渡所得の内訳書売却後に税務署から送付される支払った費用や売却金額などを記載して提出、電子提出(PDF)可能
譲渡時の書類売却時に取得する売買契約書のコピーや受領書コピー、固定資産税清算書のコピー、仲介手数料を含め領収書コピー
取得時の資料相続した際や購入した際に取得した書類売買契約書のコピーや受領書コピー、固定資産税清算書のコピー、仲介手数料を含め領収書コピー
売却した土地の全部事項証明書法務局(登記所)土地と建物は個別に登録されるため、土地を売った場合は土地の全部事項証明書を取得すること
戸籍の附票売却した後の住所と前の住所が異なる場合に売却後の住居の市区町村にて取得各種特例を使用する場合に必要

これらの手続きののち、納税が必要になった場合は期間中の納税が必要です。しかし実際に金融機関で振り込むだけでなく、申告時に振り替え納税の手続きを行うと4月中旬に指定口座からの自動引き落としも受け付けてもらえます。

必要書類は、事前に用意できるものや売買時の手続きによって得るものも多いため、あらかじめそろえてスムーズに確定申告を行いましょう。

一部書類は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成することができます。金額を入力するだけで作成でき、そのままウェブ上で税務署に送ることも可能ですし、プリントアウトして郵送でも可能です。
パソコンでイチから作成するより手軽なのでおすすめです。

確定申告の時期や延納の可能性がある時の対処方法などは以下の記事で確認してください。

土地売却において売却益が出た場合、譲渡所得税の支払いが生じます。また、損失が出た場合でも、確定申告することで税金が戻ってくる可能性もあります。ここでは、土地を売却する際に生じる税金や、確定申告の必要性、必要書類などについて解説していきます。

7まとめ

土地売買は家に比べると価格が下がりにくく、高額な税金を支払うケースもあります。税金についてしっかり押さえておくことは、自分の財産を管理するためにも大切なことです。しかし難しい点も多く、判断に迷うことも多いでしょう。

特に確定申告など経験したことがない手続きは、税務署や税理士、不動産業者に相談することも大切です。無料の相談所が設けられることも多いため、気になった場合は早めに問い合わせておくと安心です。

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