土地の売買にかかる税金ってどれくらい?控除のポイントを知ろう

私たちの生活と税金は、切っても切れない関係にあります。土地の売買に関わる税金もその1つですが、時に1,000万円をこえるような高額な売買も多いため、控除や特例を活用して節税対策をしないと、税金の支払いで苦労してしまう可能性があります。

この記事では、土地の売却時にかかる4種類の税金と、使える特例や控除、少しでも節税するための対策方法について解説します。売買の手続きが済んでから慌てないように、あらかじめどんな税金がかかるか知っておきましょう。

1.土地の売買にかかる税金は4種類

土地の売買で必ず関係する税金は全部で4種類です。ただし、うち2種類(譲渡所得税と住民税)は利益が出た場合のみ必須となります。

1.1 印紙税

売買契約書において、安心した取引をするために欠かせないのが法律です。その法律の仕組みを支えるために収める税金が、印紙税です。どこか役場などに訪れて納税するのではなく、不動産売買契約書を作成する際に、郵便局などで収入印紙を必要額購入し、印鑑で消印することで納税したことになります。

注意したいのは、課税対象になる契約書に対し、収入印紙を適切額貼らなかった場合や、適切に消印をしなかった場合は、その額の3倍の過怠税が課されるという点です。ただし、手続き上の誤りで収入印紙を貼り忘れた場合は、自主的に税務署に申し出れば1.1倍に軽減してもらえます。

以下は、2018年12月時点で契約書にかかる印紙税額の一覧です。平成32年3月31日まで有効の軽減措置を含めた税額となります。

記載金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円
1億円超5億円以下 6万円
5億円超10億円以下 16万円
10億円超50億円以下 32万円
50億円超 48万円

1.2 登録免許税

不動産はそれぞれ、誰が所有者であるかどうかを登記簿上で管理・記録しています。不動産売却を行う際、持ち主が変わるため名義変更(所有権の移転に伴う不動産登記)が必須です。この時必要になるのが、登録免許税です。特に売買で所有者が変わる際には、下記の税額が適応となります。

  • 本則税率=固定資産税評価額×2%
  • 軽減税率=固定資産税評価額×1.5%

本則税率は本来の税率、軽減税率は平成31年(2019年)3月31日まで適応される税率です。ただこうした不動産関連の税率は期間が延長されることも多いため、適応されるかどうか確認しておきましょう。

1.3 譲渡所得税

土地や建物を売却した際に得た利益に対し、所得税がかかります。これを譲渡所得税と呼び、給与所得や事業所得などとは分けて計算されるため、会社員の人であっても自営業の人であっても、不動産売買で利益が発生すれば必ずかかります。

「譲渡所得=譲渡価格ー(取得費+売却費用)」という計算式で算出します。

たとえば土地を売った価格が3,000万円、土地を買った時の取得費用が2,500万円、売るときにかかった不動産仲介業者への手数料や税金などを含めた額が100万円とします。すると「3,000万円-(2,500万円+100万円)=400万円」となり、譲渡所得は400万円であると分かります。

したがって、土地が高く売れれば売れるほど、譲渡所得は大きくなります。

1.4 住民税

所得税は国へ納める税金ですが、それとは別に住民税が必要になります。住民税は都道府県と市町村双方に収めるものであり、特徴として所得税が今年の収入に今年中に支払うのに対し、住民税は前年度の収入に応じて次の年に支払う点が異なります。

所得税と同様に譲渡所得に対し税額が変動し、最大で「譲渡所得×9%」を納めることになります。そのため上記の例だと「400万円×9%=36万円」となります。

2.土地売買には欠かせない譲渡所得税と住民税

土地売買によって利益が出た場合、欠かせないのが譲渡所得税と住民税です。支払うことになると、大きな負担になりやすいこの2つの税ですが、実は支払わなくても良いケースがあります。

2.1 譲渡所得税と住民税は、利益が出なければ払う必要はない

前提として、この2つの税金は土地を売買しても利益(譲渡所得)が出なければ税金を払うことはありません。たとえば土地を売っても買った時より安く売れた場合など、売却して損が出た際にはかかりません。しかし相続した結果手に入れた古い土地だと、立地によっては想定より高く売れたり、購入時の価格が不明確であったり利益が出やすい傾向にあります。

利益が出ることは嬉しいことでもありますが、税額が高くなることにもつながるため、譲渡所得と課税譲渡所得の計算は正確に行いましょう。

2.2 譲渡所得と課税譲渡所得の算出方法

上記で説明したように、譲渡所得の算出方法は次の通りです。

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

そして譲渡所得からさらに特別控除によって差し引かれる額を引くと、課税譲渡所得が算出できます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

課税譲渡所得に対し税金がかかるため、もし特別控除を利用して課税譲渡所得が0円になるのであれば、所得税も住民税もかかりません。ただし特別控除は自動には適応されず、条件をクリアしなくては使えないため、確実に特別控除が適応になるかどうか確かめることも大切です。

2.3 土地の譲渡所得を算出する時のポイント

ポイントは全部で3つです。

  • 不動産の所有期間によって税率が変わる
  • 取得費・売却費には仲介手数料などを含めることができる
  • 購入時の価格が分からない場合は「売却価格×5%=取得費」

まず1つ目として、不動産の所有期間が長いほど税率は低くなります。不動産の所有期間は1月1日が何回経過したかで計算するため、例えば平成25年5月に取得した不動産は、平成30年5月で不動産所有期間上での5年が経過します。5年経過するかどうかは非常に重要で、次の表のように税率が大きく変わります。

区分 短期 長期
期間 5年以下 5年超
税率 所得税

30.63%

15.315%
住民税 9% 5%
合計 39.63% 20.315%

400万円×39.63%=158.52万円 400万円×20.315%=81.26万円

この税率には、復興特別所得税として「所得税×2.1%」が加算されています。

一番下に例として付け加えたように、400万円の利益があったとしても、短期譲渡所得の区分に当てはまる期間しか所有していなかった場合は、100万円以上の税金がかかることが分かります。

2つ目に、譲渡所得算出時に、仲介手数料や印紙税なども忘れずに含めましょう。土地の場合も自分が購入した土地であれば、手数料などを諸費用に含めることができるため、税金がかかる額をより減らすことができます。引けるものは以下の通りです。

  • 手数料(取得および売却時双方)
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • 土地の造形費用
  • 埋め立て費用
  • 解体費用
  • 印紙代

3つ目の取得費は、相続した土地の場合に注意したいポイントです。簡単に言うと、あまりにも昔の取引で当時の購入額が分からない場合に、取得費を売却額×5%で算出します。たとえば3,000万円で売却した場合は150万円が取得費となります。

3.土地の売買時に使える控除と特例とは?

では実際に利益が出た場合には、どのような控除が使えるのか見ていきましょう。

3.1 土地売買時の控除

土地の売買時に使える控除の1つが「長期譲渡所得の1,000万円特別控除」です。平成21年に取得した土地を平成27年以降に売却する人と平成22年に取得した土地を平成28年以降に売却する人が利用できます。

譲渡所得から1,000万円を控除できるため、利益が出ても1,000万円以下であればこの控除を利用することで税金を支払わずに済みます。ただし、親子や夫婦、内縁関係など特別な関係にある人から得た土地には当てはまらず、相続や贈与によって得た土地にも使うことができません。

3.2 特別控除の特例

また「収用」と言って、自治体や国などが公共事業や区画整備のために土地を買うことがあります。そうした事業のための売却においては、使用できる特例が4つあります。

特例名 適応する場合 条件
5,000万円の特別控除の特例 公共事業などのために土地建物を売った場合
  • 売却した日が買取を申し出られた日から6カ月以内である
  • 売却した人が最初に買取の申し出を受けている
  • その土地が固定資産であること
2,000万円の特別控除の特例 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合
  • 国や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構などが行う土地区画整理事業のために土地を譲渡したこと
  • 施工区域面積が30ha以上であること
  • このほかの特例を受けていないこと
1,500万円の特別控除の特例 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合
  • 地方公共団体等が行う住宅や宅地の造成のために買い取られた場合
  • 収用等の事業を行うものの対償地として買い取られた場合
  • 特定の民間の宅地造成事業または住宅建設事業に使うために買い取られた場合
  • 公用地の拡大の促進に関する法律の規定に従って買い取られた場合

この4つのうちいずれかに該当する場合受けられる

800万円の特別控除の特例 農地保有の合理化などのために土地を売った場合
  • 個人もしくは農業生産法人が所有する農地の売却であること
  • 農業振興地域の整備に関する法律に則る協議や調停、あっせんに従い認定農業者や農業生産法人への売却を行った場合であること

場合によっては1,500万円の特別控除の特例が適応されることもある

条件がそれぞれ異なるため、当てはまるかどうかが不明確な場合は、税理士や不動産業者など専門家にも相談することが必要です。

3.3 控除や特例を受けられないケースもある

基本的には居住用不動産で、自身が住んでいることが条件など、特例の適用条件は様々です。土地の広さが関わることもあります。また他の特例の控除を利用している場合は受けられない特例も多いため、どの控除を選ぶかも節税のポイントになります。

たとえば「長期譲渡所得の1,000万円特別控除」と「1,500万円の特別控除の特例」であれば、後者の方がより多くの税金を控除できます。2つの特例が適応になる場合は「どちらがより多くの税金を控除できるか」という視点を持つことも重要です。

4.少しでも土地売買で節税するためにはどうすればいい?

税金は譲渡所得を元に計算されるため、これが少なくなるように売却すれば節税できます。

4.1 できるだけ土地を高額で売る

極論を言えば、税金をできるだけ抑えることを考えると、入手した時の金額より低く売れれば結果として税金はかかりません。しかし土地を売ることで新たな家の頭金を増やしたい、相続で得た土地を少しでも高く売りたい、というケースもあるでしょう。

そんな時には、特例を活用して税金がかかる範囲を抑えることで対応ができます。したがってできるだけ土地を高く売ることを優先した方が、節税しつつ、目的に応じた売却が可能になります。複数の不動産会社に土地を査定してもらい、可能な限り高く売ってくれる不動産会社を見つけましょう。

4.2 所有年月5年以上になってから土地を売却する

もう1つの節税方法が、土地の所有期間が5年以上になってから売却することです。特に自分で購入した土地の場合は、長期譲渡所得の税率が適応されるタイミングになってから売却した方が節税になる可能性が高くなります。

土地の場合、家に比べて価格が下がりにくいため、待ってから売却するという選択肢も選びやすくなります。相続した土地の場合は以前の所有者の所有期間をそのまま引き継ぐことも多いため、すぐに売却しても長期譲渡所得の範囲に入ることも多いです。その場合は、目的がなければ長期間所有せず早めに売ることで、固定資産税などの節税に繋がります。

5.土地売買で利益が出たら確定申告をしよう

控除の特例を使うためにも忘れずに行いたい「確定申告」ですが、全くしたことがないという人も多いのではないでしょうか。確定申告の時期と必要書類を知っておきましょう。

5.1 売却した翌年の申告時期に確定申告をすること

申告時期は毎年2月16日~3月15日と決められており、現在の住所地を管轄する税務署に申告が必要です。土地を売った翌年の2月16日以降、3月15日までに対象の税務署に直接書類を持参するか、もしくは郵送します。税務署にある時間外文書収受箱に投函する方法もあるため、平日の税務署窓口に必ずしも持参する必要はありません。

また電子申告・納税システム(E-tax)を使うとインターネット経由で申請できるため、忙しくて税務署に行く暇がないという人は検討をおすすめします。以前は利用に伴う申請書の提出やマイナンバーカード、カードリーダーが必須でしたが、平成31年1月以降は税務署に申請することで当日発行されるIDとパスワードによるE-taxの利用と確定申告が可能になりました。

さらに譲渡損失など繰越控除を活用することで税金の還元を受ける場合は、3週間ほど早く還元を受け付けられます。源泉徴収票といった一部書類の提出も省略できるため、可能であればE-taxの利用が早くて便利と言えるでしょう。

5.2 確定申告に必要な書類

必要な書類と取得先を一覧で確認しておきましょう。基本的には、どれも譲渡時(売却時)や取得時、不動産業者との手続きの中で手に入ります。特に内訳書を書くために、仲介業者への手数料の領収書などお金のやり取りに関わる記録をきちんとつけておくことをおすすめします。

必要書類 取得先 ポイント
譲渡所得の内訳書 売却後に税務署から送付される 支払った費用や売却金額などを記載して提出、電子提出(PDF)可能
譲渡時の書類 売却時に取得する 売買契約書のコピーや受領書コピー、固定資産税清算書のコピー、仲介手数料を含め領収書コピー
取得時の資料 相続した際や購入した際に取得した書類 売買契約書のコピーや受領書コピー、固定資産税清算書のコピー、仲介手数料を含め領収書コピー
売却した土地の全部事項証明書 法務局(登記所) 土地と建物は個別に登録されるため、土地を売った場合は土地の全部事項証明書を取得すること
戸籍の附票 売却した後の住所と前の住所が異なる場合に売却後の住居の市区町村にて取得 各種特例を使用する場合に必要

これらの手続きののち、納税が必要になった場合は期間中の納税が必要です。しかし実際に金融機関で振り込むだけでなく、申告時に振り替え納税の手続きを行うと4月中旬に指定口座からの自動引き落としも受け付けてもらえます。

必要書類は、事前に用意できるものや売買時の手続きによって得るものも多いため、あらかじめそろえてスムーズに確定申告を行いましょう。

6.土地売買を検討するなら「税金」についてしっかり押さえること

土地売買は家に比べると価格が下がりにくく、高額な税金を支払うケースもあります。税金についてしっかり押さえておくことは、自分の財産を管理するためにも大切なことです。しかし難しい点も多く、判断に迷うことも多いでしょう。

特に確定申告など経験したことがない手続きは、税務署や税理士、不動産業者に相談することも大切です。無料の相談所が設けられることも多いため、気になった場合は早めに問い合わせておくと安心です。

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