住宅ローン支払いが苦しい。金利計算をして家を売るなど対処法とは

住宅ローンが苦しい時どうする
決心をして購入した家、住宅ローンも返済を考えて組んだけど、病気や事故など予期せぬことが起こって今ローンの返済が苦しい、家計を圧迫しているという事態になってしまうこともあるでしょう。

お金のことで友人や家族に相談しづらい、なんとなく妻や夫の間でも話題に出しづらくて苦しいけど家計が破綻してしまうほどではないから…と考えてまだ手をつけていないことも多いのではないでしょうか。

しかし、本当に苦しくなってから手を打っていては厳しさが増したり、最悪自己破産をしなくてはいけなくなってしまいます。

そうなる前に、なにか対策を考えてみませんか?
住宅ローンが苦しくなった時に試したい方法を紹介します。
なお、住宅ローンがある家を売るためのより具体的な方法は以下の記事にも記載しています。
合わせてご参照ください。

ローン中の家には抵当権が付いており、滞納すると金融機関は差し押さえて売ることができます。これが外れるのは完済した時で、つまり全額返済が売却の条件となるのです。

1.住宅ローンが苦しくなる原因には2種類ある


住宅ローンの支払いが苦しくなってしまう原因は大きく分けて2つ、ライフスタイルの変化と住宅ローンの組み方です。

それぞれの住宅ローン返済が苦しくなる理由を見てみましょう。

1.1ライフスタイルの変化で返済が苦しくなる場合

従来の日本では、年功序列で終身雇用制度が当然とされてきましたが、時代の流れと共に働き方や企業の雇用方法などが変化しています。リストラによる失業や業績悪化によって収入が減ってしまうなど、安定した生活が続くとは限らない状況です。

よって、住宅ローンを利用して家やマンションを購入しても、住宅ローンの返済が苦しくなる可能性は誰にでもあると言えるでしょう。また、雇用や収入による不安だけでなく私たちの周囲には以下のような、住宅ローンの返済が苦しくなる可能性がある原因が数多く潜んでいます。

  • 必要以上に教育費が発生した
  • 親の介護費用が必要になった
  • 定年後に収入が減り払えない
  • 返済負担率が高過ぎる
  • 生活水準を下げられない など

人によってさまざまな状況が起こり得る可能性があるため、収入の高さに関わらず住宅ローンの返済で苦しい状況になる可能性はあります。

1.2住宅ローンの組み方で返済が苦しくなる場合

ライフスタイルの変化ではなく、住宅ローンを組む際に組み方が甘く、返済が苦しくなる場合もあります。

ペアローン、収入合算でローンをを組んでしまった

夫(または妻)の収入だけでは希望する家の購入資金まで借りられないことがあります。そんな時、配偶者も働いている場合に組めるのがペアローンや収入合算です。

ペアローンとは、夫と妻がそれぞれ自分の年収でローンを組み、双方が連帯保証人になるローン。住宅ローン控除や団信にそれぞれが適用されます。

一方、収入合算はローンを借りる本人の収入に配偶者や親などの収入を合わせて、借入額を増やす方法です。住宅控除は1人のみになりますが、債務者は単独となります。

いずれのローンも2人の収入を合わせて借りられる金額になっているのですが、見落としがちなのが、ローン返済中夫婦いずれもが働いている想定になっているということです。

配偶者の妊娠や出産、病気などで収入が減るまたはゼロになるということを想定せずに借りてしまっているパターンが多く、子供の誕生で妻が働けなくなった時などに住宅ローンの返済が苦しくなってしまうのです。

支払い総額で計算していない

金融機関によって異なりますが、一般的に住宅ローンで借りることのできる額は年収の約5倍、返済比率は30~35%と言われています。年収500万円の場合、ローンに支払う額は年間約150万円。

「30%ならなんとか支払える」そう思うかもしれません、しかしこれが落とし穴。上記の返済比率30%の中には金利分が上乗せされていないのです。

年収の5倍、返済比率30~35%で算出される金額はあくまで借りる額であり、実際に返済しなくてはいけないのはここに利子分を載せた金額です。

2019年6月時点で変動金利は約0.45%、固定金利で約0.6%になります。年収500万円で金利固定の場合、2500万円の借入額に対して、支払い総額は約2800万円になります。

ざっくり計算しただけでも、月々の支払いが2500万円だと約5.9万円、2800万円だと約6.7万円になります。

2009年から変わらず低金利が続いていますが、借入額と支払い総額の差は借りる額が多ければ多いほど開いていきます。また、変動金利か固定金利かいずれを選ぶかで率も変わってきます。それぞれの違いを把握して、どちらが自分に良いか判断してローンを組むべきです。

変動金利
ローンを借りている間、定期的に金利の見直しが行われる。固定金利よりも金利が低めに設定されているが、将来金利が上がるリスクがある。
固定金利
ローンを借りた時から返済まで、世の中の金利が上下しても変わらない。返済額が変わらないので、返済計画が立てやすいが、変動金利より高めの金利で設定されている。

住宅ローンの借入額と残債を確認する

住宅ローンの借入額や残債を確認する場合、各金融機関で時期は異なりますが毎年10月頃になると各金融機関から送付される住宅ローンの年末残高証明書で、借入額や残債を確認できます。
ただし、書類に記載されている借入額は、金利を含めた金額が記されていないため総返済額は把握できません。

上記ような場合、住宅ローンの借入額と金利を入力するだけで、金利を含めた金額を計算してくれる以下のサイトを利用すると良いでしょう。

返済プラン比較シミュレーション|住宅金融支援機構

サイトを利用し、金利を含めた今後の返済額や現時点での元本を把握し、家計の見直しで対処できないか判断してみましょう。

どのような原因であっても住宅ローンの返済が苦しいと感じた場合、速やかに対処法を考えることが最善の策だと言えます。

ローンの返済が苦しいのが一時的なものなら、その時期を乗り越えるまで一時的に貯蓄をしないなど方法はありますが、ずっと続いてしまってローンを滞納してしまうと状況は一気に悪くなってしまいます。

ローンを滞納してしまうとどのようなことが起きるのでしょうか。

2.ローンを滞納すると家がなくなってしまう

ローンを滞納してしまうと家はどうなってしまうのでしょうか。すべての金融機関が同じではありませんが、滞納後の大まかな流れを見ていきましょう。

ローン滞納数日後:引き落とせないお知らせがくる

金融機関から返済額が足りず引き落としができない旨の連絡が入り、入金の期限を告げられます。

ローン滞納1ヶ月後:再度返済を求める手紙が来る

入金期限が守られず、最初の期限から1ヶ月が過ぎてしまうと、元々の返済額と遅延金を合わせた額の返済を求める手紙が来ます。この時も入金の期限を設定されます。

ローン滞納3ヶ月後:一括返済を請求される

ローンを3ヶ月滞納してしまうと、債務者は期限の利益の喪失の権利がなくなってしまい、金融機関は貸した額の一括返済を求められるようになります。場合によっては代位弁済が行われ、保証会社会社が債務者の代わりに住宅ローンを一括返済、保証会社会社が債務者に返済を請求するようになります。

そして金融機関は担保にしていた住宅を「競売」にかける手続きを開始します。

ローン滞納6ヶ月後:競売が始まる

競売の準備が始められてから3ヶ月の間に裁判所の職員が住宅の写真撮影などを行い、ローン滞納から6ヶ月後ついに住宅が競売にかけられてしまいます。

債務者には競売が始まったことを知らせる競売開始決定通知書が届きます。

競売の手続きが始まってしまうのは早くてローンを滞納してから3ヶ月後です。競売で住宅が売られてしまうと、仲介で家を売却するよりも安い価格になり、近隣住民に競売にかけられたことが知られてしまう可能があります。

競売の他にもあるローンを滞納するデメリット

競売にかけられる前にローンの滞納分を返済できたとしても、3ヶ月以上ローンを滞納してしますと、信用情報機関の事故情報リスト(通称ブラックリスト)に載ってしまいます。

ブラックリストに載ってしまうと、5年ほど新たにローンを組んだり、クレジットカードをの利用ができなくなってしまいます。

クレジットカードの利用がきないということはインターネットでの買い物などさまざまな電子決済などもできなくなってしまうということです。

ローンの返済が苦しいと感じたら、滞納してしまうまで我慢せず、とにかく行動に移しましょう。行動に移すことで競売という最悪の事態を逃れられる可能性が上がります。

次では、ローンが苦しいと感じた時に行いたい対処法を見ていきましょう。

3.家を売らずにローン返済を楽にする工夫

意を決して購入した住宅、思い入れもありますし子供が近くの学校に通っている場合はいえを売却したくないということもあるでしょう。まずは、住宅を売らないで住宅ローンの返済が苦しくならない工夫をしてみましょう。

3.1家計を見直す

家計は世帯ごとに異なり、収入と支出のバランスを維持することが大切です。

収入を急に増やすことは難しく、負担も大きくなってしまいます。

そこで、収入を増やす前に行いたいのが支出の見直しです。

返済を続けられるようにするには、どの支出を見直すと良いのでしょうか。

固定費の見直し

固定費とは、スマホの利用料金やインターネットの通信費、生命保険料、水道光熱費など、毎月支払う必要がある費用のことを指しています。

固定費は生活していく上で必要不可欠な費用で、家計の見直しで重要な項目の一つです。

固定費の中でも、生命保険の見直しが重要です。

なぜなら、住宅ローンを利用している場合、団体信用生命保険に加入しているため、生命保険が不要なケースが多いです。

生命保険に支払う金額は大きいため、これを削ることで家計はかなり楽になるでしょう。

ただし、保険の契約内容によっては、解約しない方が良い場合もあるため内容を確認するようにしましょう。

生活のレベルを下げる

一度贅沢な生活をしてしまうと、元の状態に戻すことをストレスに感じてしまうかもしれません。

しかし、住宅ローンの返済が苦しくなった際には贅沢をしている部分を削り、生活レベルを下げることも大切です。

例えば、外食費、ファッション費用、レジャー費、車の維持費など、生活水準の見直しをしてみましょう。

また、生活レベルを見直すことで余裕ができると、貯蓄に回せます。

住宅ローンでは、一度にまとまった金額を返済する繰り上げ返済という方法もあるため、将来的に役立つ可能性が高いと言えるでしょう。

ファイナンシャルプランナーに相談する

自分たちでは解決しきれないと感じたら、お金のプロに相談するのも大切です。

ファイナンシャルプランナーは、家族構成や収支状況などを踏まえて客観的に家計を確認し、将来のライフプランニングや資金計画などのアドバイスをしてくれます。

ファイナンシャルプランナーに相談する場合、1時間あたり5,000円~10,000円程度の費用がかかりますが、定期的に無料相談会が開催されています。

ファイナンシャルプランナーに相談して、解決の糸口を見つけてもらいましょう。

3.2銀行に相談する

住宅ローンの返済が苦しくなった場合、住宅ローンを借り入れている金融機関をやめて、より金利の低い金融機関に借り換えるのも対処法の一つです。

また、金融機関に返済金額の変更を相談するのもよいでしょう。

住宅ローンの乗換えを相談

政府は1995年4月に金利を引き下げ、さらに1999年にはゼロ金利政策を開始しました。

これによって現在も長期間低金利の状態が続いているため、金利の低い金融機関へ借り換えると、毎月の返済額が減少する場合があります。

借り換えには30万円程度の諸費用がかかりますが、完済時の総返済額を計算してもお得なケースが多いと言われています。

乗り換えサービスを行っている金融機関もあるため、ホームページやパンフレットなどで情報を仕入れて比較することが大切です。

一定期間の返済額軽減を相談

各金融機関では支払い者、本人が病気や怪我で収入が減った場合や、家族の入院などで支出が増大するなどの状況になった場合、一定期間を条件として月々の返済額を軽減してくれるサービスを行っています。

ただし、軽減期間終了後は従来の返済額に軽減期間中に軽減された額+金利の返済が追加されるので注意が必要です。

返済金額の変更を相談

一度契約した住宅ローンの返済額は、途中で変更できないと思われがちですが、住宅ローンを取り扱う金融機関によっては相談すれば変更してもらえる場合もあります。

上記の方法は返済額自体が減るという訳ではなく月々の返済額が減り、返済期間が延長されるという仕組みです。

支払う額は変わらず返済期間は延びますが、毎月の負担は軽減されます。

3.3自宅を貸し出す

病気や収入の減少など一時的に起きている要因でローンの返済が苦しい場合、自身は賃料の安い物件に引っ越し、ローンを支払っている住宅は人に貸し出すという方法もあります。

持ち家を賃貸にしてしまえば、長期的に収入を得られるので、その収入で住宅ローンを支払うのです。しかし、ローンの契約によっては完済する前に第三者に貸し出してしますと、残債の一括返済を求められる場合があります。契約は金融機関によって異なるので、一度契約内容を確認してみましょう。

ローンの契約を確認する際のポイントや家を貸すべきか売るべきかについては以下の記事に記載されているので、確認してください。

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家計を見直すなどしてもローンの返済が難しい場合、住宅を売るのも方法の一つです。競売にかかる前に住宅を売却してしまえば、ローン返済に当てられる金額も多くなります。

4.住宅を売却してローンを返済するには


家計を見直したり金融機関に相談しても住宅ローンの負担から逃れられない場合は、家やマンションの売却も視野に入れると良いでしょう。

ただし、住宅ローンの残債が多すぎる場合、通常の売却ができない可能性があります。

4.1住宅ローンは残債を完済して売却するのが基本

自宅を売却する場合、原則として住宅ローンを完済することが前提です。

売却した金額を住宅ローンの返済に充てて完済できる場合もあるため、まずは完済できる金額で売却できるかを見極めるため不動産会社に査定を依頼してみましょう。

不動産会社に査定を依頼するときには、完済するために少しでも高く売却できる不動産会社を選ぶ必要があります。

より高く買い取ってもらえる不動産会社を探すには複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額や販売方法等を比較することが大切です。

これは、不動産会社によって査定額や販売方法が異なるためです。

不動産の査定の依頼は、一括査定サイトを利用すると、一度に複数の業者に査定を依頼できるのでおすすめです。

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住宅を売却する際の注意点や損をしない売却方法などは以下の記事で確認をしてください。

ほとんどの人にとって、人生の中で家を売る回数はそれほど多くないでしょう。 そもそも、家を買うときの動機が定住を前提としていますし、予定外の転勤、実家の相続などなければ、売る機会は少ないからです。ここでは、家の種類や、売却の理由、個別の事情などにより、どのような点に注意すべきか、1つずつ具体的に解説していきます。

4.2残債を完済できない場合は「任意売却」

住宅ローンを滞納してしまい今後も返済の目途は立たない、家を売却したくても売却時にローンを完済できないので家を売却できないといった場合もあるかと思います。

そんなローンを売却時に一括完済できないときは、任意売却という手があります。

任意売却とは、専門知識のある不動産会社が金融機関などの債権者の間に入り交渉し、債権者の合意を得た上で住宅ローンの残債を下回っても不動産を売却できる方法のことです。

任意売却は交渉次第

任意売却は、住宅ローンの返済を滞納してから3カ月から半年の間に届く「期限の利益喪失」という通知が届いた時点から、競売にかけられるまでの約半年間と期間が限定されています。

任意売却という選択は、通常の売却と異なり債権者と交渉する手間が伴います。

しかし、引っ越し費用の負担や住宅を明け渡すタイミングを調整してもらえる場合があります。

しかし、これらは全て交渉次第であるため任意売却に慣れた不動産会社を介すなど、専門業者に依頼することをおすすめします。

なお、任意売却のメリットやデメリットを深く知りたい場合は、以下のリンクにアクセスしてみてください。

住宅ローン完済をせずに、住宅を売却する任意売却。そのメリットとデメリット、競売との違いを理解することで、どういうときに任意売却を選択すればいいのかを理解しましょう。また、任意売却の流れについても併せて把握していきます。

4.3マンションから戸建てに住み替える

マンションは戸建てと異なり、管理費や修繕積立金などの費用を毎月支払わなければならないことから、住宅ローンの返済と併せると毎月の支払額が膨らんでいる可能性があります。

以上のような場合、毎月の支払額を抑えることができる戸建てへの住み替えも選択肢の一つです。

戸建てに住み替える際に「住み替えローン」を利用すれば、現在残っている住宅ローンの残高を次のローンに引き継げます。

そのため、住宅を売却しても住宅ローンが完済できない状況に陥っても、任意売却ではなく、通常の方法で売却できる可能性もあります。

戸建に住む際にかかる維持費は以下の記事で確認をしてください。

この記事では、一戸建て購入後にかかる維持費について詳しく解説していきます。さらに、マンションと一戸建てどちらを購入するか悩んでいる方に向けて、それぞれを比較して紹介しますので購入時の参考にしてください。

5.住宅ローンが苦しいと感じたら早めに対処することが大切


住宅ローンは、長期間にわたって毎月決まった金額を返済しなければならないため、返済期間中に失業などで収入が減り、返済が苦しくなる可能性があります。

最終的には売却する方法もありますが、日々の家計や生活レベルを見直すことで、住宅ローンの苦しみから逃れられる場合もあります。

また、ローン滞納で信用情報機関のブラックリストに載らないためにも、住宅ローンの返済に負担を感じたら、速やかに対処するようにしましょう。