売れない土地を売るには?その理由と7つの見直しポイント

売れない土地

例えば地方の土地など、買い需要が少なく、思ったように売れずに頭を抱えてないでしょうか?

需要が少ない土地はどうしても買主有利になってしまうので、相場よりも高い物件は見向きもされません。
分かりやすく言えば、買いたい物件を選べる買主と、売りたい物件を選べない売主では、最初から売主が負けているといったところです。

誰でも高く売りたいのは山々で、価格にこだわって引くに引けない事情があっても、高く買いたい買主は世の中に1人もいないのですから、考え直す必要があります。
売れ残ってしまうと、固定資産税や管理費によって、少しずつ資産は目減りします。

高く売れるのが成功ですが、考え方によっては早く売ることも成功でしょう。
現状で売れなければ、黙っていても売れるはずがなく、何か行動を起こすべきです。

売れないときに、見直すべきポイントを解説していますので、参考にしてみてください。

見直しポイント1:不動産会社と媒介契約

売れないのは不動産会社の責任とも言えますが、不動産会社にも得意不得意がありますし、媒介(仲介)契約の結び方でも力の入り方が変わります。
見直す前には、必ず現状の確認をしてから、問題を突き詰めることが先決です。

少しでも問い合わせがあったか確認

媒介契約時は、どういった買主を希望しているのか、いつまでにいくらで購入して欲しいのかなど、かんたんな条件を不動産会社に伝えて希望者を絞るはずです。
そうしないと、まったく条件が合わない希望者との交渉は、単なる無駄になるからです。

そこで、不動産会社で止まったこれまでの問い合わせを確認してみましょう。
問い合わせがあれば、興味を持っている人が確実にいる証拠で、問い合わせがなければ、大きな問題があることを意味しています

まったく需要がない、不動産会社の営業努力が足りない、価格があまりにも高くて話にならないなど考えられますが、まったく需要がない以外は手を打てるはずです。

現在の媒介契約形態を確認

媒介契約には、「専属専任」「専任」「一般」の3種類があって、それぞれ特徴が違います。
また、媒介契約の形態によって、法令に定められている義務も違い、法令を遵守して依頼主に対応しているか確認した方がよいでしょう。

現在の媒介契約は、契約書に必ず明記してあるので、一度見てみましょう。
1社との契約なら大抵は専属専任か専任ですが、一般になっていることもあります。

一般で契約するのは、複数の不動産会社と契約する意図がある場合だけです。
1社と一般で契約しているなら、専任に切り替えて問題ないですが、それ以前に結果が出ていない不動産会社との再契約をどう判断するかです。

同様の考えで、既に専属専任や専任なら、不動産会社の変更も視野に入れておきます。

定期報告されているか確認

専属専任は1週間に1回以上、専任では2週間に1回以上、依頼主へ活動状況を定期的に連絡する義務があります。
連絡方法は、メールも許されているため、簡易的な定型文で、進展がないことを伝える程度になりやすく、いつまでも結果しか伝えないのは考えものです。

一般では定期報告の義務がなく、それでも報告してくるなら良心的です。
逆に専属専任や専任で定期報告がなければ法令違反なので、不動産会社を変えます。

登録証明書があるか確認

登録証明書とは、指定流通機構(通称レインズ)という、他の不動産会社からも見ることができる物件情報への登録を証明するものです。
専属専任は契約日翌日から5営業日以内、専任では契約日翌日から7営業日以内の登録義務があり、登録されると不動産会社を通じて登録証明書が依頼者に渡されます。

近畿レインズ 登録証明書サンプル

レインズへの登録は、営業活動の場を全国へ広げ、買主を探すためには非常に重要ですが、登録は法定義務であるにもかかわらず、守られない場合があります。
その理由は、広く流通させることで別の不動産会社が介在し、買主に対する仲介手数料を、自社で受け取れなくなる可能性が高くなるからです。

不動産会社は、可能であれば売主も買主も自社で仲介し、両方から手数料を受け取ることで利益を伸ばそうとします(これを「両手取引」と言います)。
ですから、義務であってもわざと登録せず、違反行為をする業者が出るのです。

一般媒介では登録義務がなく任意で登録するのですが、依頼主のことを考えれば、言われなくてもレインズへ登録するべきでしょう。

悪質な業者はすぐに変更

報告義務違反や登録義務違反は、容易に判別できる確認方法で、それ以外にも巧妙に依頼主の不利益を誘うこともあります。
例えば、不動産会社が通常の営業範囲で行う広告費を請求することは認められず、別途依頼された広告や、依頼主が支払いを了承した広告費だけしか請求できません。

ところが、頼んでもいない広告費を請求したり、頼んだ広告でも水増ししたり広告内容を変更したりと、不正を働く業者はなくならないようです。
こうした悪質な業者は、法律や制度に詳しくない素人だからと、利用してお金を巻き上げようとしてくるので、判明したらすぐに変更しましょう。

見直しポイント2:価格を冷静に判断

価格だけは絶対に譲れないという人は多く、住宅ローンの返済資金など、値下げに踏み切れない事情があるかもしれません。
しかし、売れずに時間が経過するほど、固定資産税や都市計画税の負担で、得られる利益も失われていくので、売り抜けて損失を小さくするのも大事な考え方です。

不動産会社としても、売買金額が高いほど仲介手数料が多くなるため、高く売りたいのは当然ですが、売れないと判断していれば値下げを助言してきます。
相場に反していると売れないのは、不動産に限らずどの商品でも共通で、次の点に注意して価格を見直してみましょう。

  • 価格が相場とマッチしているか
  • 自分が買主なら本当に買いたい価格なのか
  • 不動産会社の査定価格を鵜呑みにしていないか
  • 税金や手数料を把握して価格設定しているか
  • 最初から利益目標が高すぎないか

売買は相手あってのことなので、自分が利益を得るほど相手が損をすることになります。
買い手が付かない理由は色々と考えられますが、交渉で成り立つ不動産取引は、お互いの譲歩が不可欠なので、意地を張り続けていても意味がありません。

立地は悪くないのに売れないなら、ほとんど理由は価格と考えて間違いないでしょう。
売主にとっては唯一の土地でも、買主は他にも候補がある中の1つでしかなく、価格に対してシビアになりがちです。

元々需要が少ない土地なら、売れるだけでも負担から解放されますので、現金を多く残すだけが利益ではないと考えれば、価格の見直しもできるでしょう。

相場を正しく把握して価格の見直しを

他の要因もあるでしょうが、相場より2割も下げれば、たいていの不動産は買い手がつくとする意見もあります。

そのためには、まずその相場を正しく把握することが欠かせず、いくつかの方法がありますが、査定額の比較は常套手段です
この場合は価格帯を知りたいだけなので、一括査定を利用するのも1つの手でしょう。

簡易(机上)査定あればデータの入力だけで査定額を知ることができ、対面の必要もないので、手間もその後のしがらみも少なくて済みます。

HOME4Uの無料一括査定

ただし、売れない土地は地方のケースが多く、特に掲載社数が多いサイトでも、その地域の査定に対応している会社が少ない場合があります。
実際そのようなケースを体験したときの話をまとめていますので、こちらも参考にしてください。

実家で一括査定を受けてみた結果
一括査定サイト(HOME4U・ReGuide・イエイ・イエウール)を使い、実家の査定を依頼した結果をまとめました。うっとおしい営業電話は来るのか?それも覚悟で計8社に依頼した実際のやりとりと査定額も公開しています。

見直しポイント3:土地が広すぎないか確認

太陽光発電など事業目的の投資なら、広いほど投資効率がよくなり、立地よりも日照と広さを求めるでしょう。

しかし、個人を相手に土地を売るときは、広すぎると基本的に敬遠されます。
戸建住宅(持ち家)の敷地は、全国平均でも280㎡ (平成25年住宅・土地統計調査、総務省統計局)に過ぎません。

田舎では広くなるとしても、400㎡(121坪)を超えていくようなら、買い手が制限されていくため、広すぎる宅地には注意が必要です。
他の地目でも、買主にとって広さは関係してくるので、分筆して一部の売却も可能だと不動産会社に伝えておけば、間口が広くなって関心を集められます。

分筆するときは接道義務に注意

土地が広すぎる場合は、分筆して切り売りするとニーズに応えやすくなりますが、宅地を分筆するときには注意も必要です。

建築基準法の制限で、建物の敷地は幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならず、これを「接道義務」と呼びます。
分筆して接道義務に違反すれば、建物が建てられない土地になって、買主には何の価値もなくなってしまいます。

必然的に、道路に接している面に対して縦に分筆しなくてはならず、次のように横に分筆すると、奥の土地に接する道路がなくなります。

土地の分筆

接道義務も含め、道路について詳しくは、地域行政の担当窓口に聞いてみましょう。

角地の分筆は評価額が下がる

角地なら縦に分割しても横に分割しても、2本の道路のどちらかに接しますが、2本の道路で路線価が異なるときは、特に気を配ります。

土地分筆

2つの土地が、路線価の高い道路に接するように分筆すると、路線価の高い角地と、同じ路線価の隣地ができあがります。

土地分筆

2つの土地が、路線価の低い道路に接するように分筆すれば、路線価の高い角地と、路線価の低い隣地ができあがります。

土地分筆

分筆しなければ、路線価の高い角地で存在しているので、分筆後の2つの土地の価値を足しても、一筆の角地には及ばず、評価額が下がってしまいます。

この方法は、相続税対策として評価額を下げるときに使われますが、これから土地を売ろうと考えているのに、自ら価値を下げる行為は値下げ以上の損失です。
角地が広すぎて売れないときは仕方がないとしても、分筆するくらいなら値下げして一筆を買ってもらった方が、お互いに利益が大きいはずです。

見直しポイント4:土地の管理について考える

空き地は放置しておくとすぐに雑草で覆われ、定期的な管理を必要とします。
また、人気のない地域では、管理していないと不法投棄によるゴミが散乱し、近所迷惑になったり、行政から撤去指導が入ったりします。

買主視線で見ると、管理が行き届いていない土地は、間違いなく印象が悪く、しかも整地・整理にコストがかかると連想させます。
少しくらいの雑草は仕方がないですが、地面が直接見えないほど生えているようでは、売れる土地も売れません。

自分で問題なく管理しているならまだしも、遠隔地に住んでいて目が行き届かないケースは少なからずあるはずです。
住宅と違って、土地の場合には年に数回の草刈り程度で、管理委託してもコストは小さく、高くても年間数万円程度(広さ次第)です。

よく見かけるように、空き地に管理業者の名称が入った看板を立てて、私有地であることを主張するだけでも、一定の効果が見られるので考えてみましょう。

逆に、自分で造成してまできれいにしても、大抵の場合には造成費用の元が取れず、造成は買主に任せて、管理されている土地だとアピールする方が無難です。

見直しポイント5:境界の確認と測量

歴史的に人間は、自分の土地を確保するために争い、侵入してきた敵を排除するために争ってきた生き物で、全世界で領地問題は治まりません。
空地でも住宅の敷地でも、すべての土地の売買で同じですが、隣地の所有者との境界が明確になっていないと買主は嫌がります。

境界の確定は、土地家屋調査士に測量してもらい、隣地(道路等の公有地を含む)の所有者との境界確認をして、全員から合意をもらう必要があります。
こうして作られた図面を確定測量図と呼び、確定測量図が提出できる土地は、境界トラブルがない証拠なので、買主の購買意欲を刺激します。

確定測量図の作成は売主の責務で、土地家屋調査士への報酬も安くありません。
通常は数十万円から、広ければ100万円以上も十分考えられます。

しかし、広告に「境界確認済」と入れるだけでも、買主の安心感がまるで違うので、もしそれを嫌って話がまとまらないなら、費用をかけてでも境界確認をしてみてはいかがでしょうか。
また、登記簿上の面積と実測面積が異なることは普通にありますので、地積更正登記によって登記簿を変更するときにも、確定測量図が役に立ちます。

見直しポイント6:自分でも買い手を探す

不動産は高額なので、親戚や知人でもかんたんには買ってくれませんし、その人にとって不要な土地ならなおさらです。
それでも、土地を買っても無駄にならない唯一の人がいて、それは隣地の所有者です。

隣地の所有者にしてみれば、特に必要な土地ではなくても、自分の土地と繋がっていれば、それほど邪魔にはなりません。
しかも、土地が繋がるので境界を意識する必要もなく、トラブルにはなりにくい買主として筆頭候補です。

もっとも、隣地の所有者が特に希望もしてなければ、市場価格で買ってもらうことは難しく、破格の金額か、諸費用をこちら負担で譲るくらいの気持ちが大切です。

他には、買取業者に引き取ってもらえないか打診してみる方法があります。
ただし、買取価格は安いので、買い取ってもらえるとしても保険と考え、値引きして売れた場合と比較して、実利の多い方を選びます。

なお、自分で買い手を探すときに、注意するべきなのは不動産会社との媒介契約で、専属専任媒介契約では、必ず不動産会社を通さなければ売買できません。
もし専属専任で契約していたら、自分で見つけた買い手でも手数料が発生します。
したがって、自分でも買い手を探す場合は、専任か一般で契約しましょう。

見直しポイント7:損切りという考えを持つ

これまでは、土地を売るために見直すべきポイントとして紹介してきましたが、ここでは資産運用という視点で、売れない土地について考えてみます。

投資の世界では損切りという考えがあり、投資が回収できない状態、つまり含み損の状態に対して、損失を確定して取引を終わらせてしまうことを意味します。
あえて損切りをする理由は至ってかんたんで、損切りをせずに損失を広げてしまうリスクを、先んじて回避するためです。

売れない土地と損切りの必要性

売れない土地を抱えていると、資産としてまったく生かされていないばかりか、保有し続けることで発生するコストから、少しずつ損失は広がっていきます。
その一方で、もしかしたら買主が現れて希望額で売れるかもしれませんし、地価が上がって含み益に転じるかもしれません。

判断は所有者次第ですが、損切りをして安値でも売ってしまい、次の投資へチャレンジしていく手法も立派な戦略です。
一時的な損失に目を奪われると、資産が動かなくなってしまい(塩漬け)、運用としては著しく効率が低下します。

例えば、売れない1,000万円の土地を保有していて、固定資産税が毎年10万円だとすると、10年後に売れても900万円しか残りません。
今すぐに900万円で売れば、100万円の損はしますが、10年後には同じ状況です。

もっと言うなら800万円で売ることも一案です。
10年後よりも200万円損していますが、決定的な違いは800万円の現金を今すぐに使える点で、10年間という期間と、900万円以上に増やすためのチャンスを得ることは大きなメリットです。

いつまでも売れない土地は、損をしてでも売ってしまわないと次に進めません。
現実的ではない利益を追いかけるより、現実に起こる損失を先に防ぐ方が重要です。

中間利息控除と損切り

損切りの考えで土地を売ってしまうのは、自ら損するようで受け入れがたいかもしれません。
そこで将来受け取るべきお金を、今すぐに受け取ると仮定したとき、生じている利益を控除する考えがあり、「中間利息控除」と呼ばれます。

中間利息控除では、特定の利率で複利運用したときの利息を控除します。
計算の詳細は省きますが、先ほどの例で中間利息を控除すると、10年後の900万円をすぐに受け取る場合、たった552万円にしかなりません。

ようするに、すぐに土地を売却して552万円受け取るのと、10年後に売却して900万円受け取るのでは、同じ価値を持つということです。
ただし、中間利息控除に使われる法定利率は年5%で、それを10年間維持できる金融商品は限られます。

そこで、利率を年1%として中間利息を控除すると、900万円が814万円に減ります。
800万円まで値引きして損切りしたつもりが、10年後に900万円で売れるのと大きく変わらないと考えれば、損切りの有効性がわかるでしょう。

まとめ

不動産会社にまかせっきりで売れないとき、自分でも何か工夫をしなくては、事態は進展せず、税負担が積み重なっていくだけです。
値下げをしたり、費用をかけたりして売るのは悔しいですが、放置することでの損失はそれ以上に大きいものです。

売れない原因はいくつか考えられるにしても、土地には住居用以外の需要もあり、まったくもって価値のない土地ばかりではありません。
何より、安ければ買う層が一定数いるのは事実です。

損切りの考え方では、現在生じている僅かな損失を軽視せず、さらにひどい状況に陥ることを防ぎます。
思い切った行動で、将来の損失を防いでいくことが大切です。

不動産会社8社に査定を依頼したら
不動産会社8社に査定を依頼したら330万円の差があった

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