空き家管理のポイントと空き家管理サービスの比較5選

相続や転勤などで空き家の所有者になった場合、空き家の管理をどうするのか、は大きなポイントです。

記事では以下のような点をお伝えします。

記事のポイント
  • 空き家管理のポイント
  • 空き家管理サービスの比較
  • 自己管理と外部委託のメリット・デメリット
  • 空き家管理が必要な背景

読んでいただけば、トラブルや損につながらない、適切な空き家管理の方法が理解でき、自分の空き家を適切に管理できるようになります

この記事の目次

1. 空き家の管理が必要な理由

空き家とは人が住んでいない家です。
利用していない状況なら空き家を管理する必要はどこまであるのか、と思うこともあるかもしれません。
しかし、ほとんどの空き家には、当面住む予定がなかったり、取り壊しの予定でも管理が必要です

管理が必要な理由はなぜかをまずは考えていきましょう。

1.1 空き家の管理の目的は大きく3つ

空き家を管理する目的は大きくわけると以下の3つです。

空き家管理の目的
  • 資産価値の維持
  • トラブルの防止
  • 金銭的負担増加の防止

細かいものもありますが、基本的には上記3点のどれかに繋がります。
裏を返せば、空き家管理がずさんな場合、資産価値の下落や、近隣トラブル、金銭的負担増加が生じるということです。
もう少し具体的に1つずつ見ていきましょう。

1.2 資産価値の維持

空き家は誰も使っていないので状況は悪化しない、と思われがちです。
しかし、実際は全く逆です。
実は、家の中で生活している人がいないと家の老朽化は早く進みます
空き家では、換気がされずに空気がよどんだり、湿度が上がる、小さなトラブルも対処されず大きくなる、害虫・害獣などが巣くいやすくなる等、家の資産価値を下落させてしまう要素を常にはらんでいます。

元々家は時間の経過とともに資産価値が下落するものです。
空き家管理を放置した場合、上記のような理由で通常以上に早く価値を失ってしまいます。

たとえ管理にお金を使ってでも、資産価値を維持した方が将来的な見返りは大きくなる可能性が高いです。
家を資産として考えている場合には特に注意が必要なポイントです。

1.3 トラブルの防止(特に近隣トラブル)

空き家を管理していない場合に起こりがちなのが近隣トラブルです。

空き家管理をしなかった場合に起こるトラブルの例
  • 建物や塀が破損したり、壊れる可能性がある
  • 不審火により家事の懸念がある
  • ゴミの不法投棄などにより衛生面での問題がある
  • 草や木が生い茂り虫などが発生したり、敷地外に飛び出している
  • 野良猫や野良犬の住処になったり、ハチの巣ができたりしている

など、周辺で生活している方に影響がある、もしくは周辺影響の懸念がある場合、近隣トラブルにつながりかねません。

実際、空き家に関する近隣トラブルや、苦情は非常に多いです。
一度トラブルに発展すると、金銭的な負担に加え、心理的な負担も大きく発生します。
トラブルにならないように空き家管理はしっかりと行いましょう。

空き家管理ができていない場合にどのような問題が生じるかには、国土交通省の「空き家の現状と課題」レポートにも記載されています。合わせてご覧ください。

1.4 固定資産税増加、罰金等の金銭的負担増加の防止

平成26年に空家等対策特別措置法(正式名称:関連空家等対策の推進に関する特別措置法)が成立しました。
空き家対策特別措置法制定により、空き家の管理状況が悪い場合に、「特定空き家」とされてしまうケースが発生しています。
特定空き家と認定された場合、土地の固定資産税に関する優遇措置が受けられなくなります。
具体的には土地について「住宅用地の特例」により減税されていた分がなくなり、多くのケースで固定資産税が6倍になります。

また、状況を改善されるよう行政から指導や勧告があっても従わなかった場合、改善の命令が行われます。
そして、行政からの改善命令に対処をしないと50万円以下の罰金が課される可能性があります。

特定空き家の指定や、罰金があるような状況では、多くの場合近隣とのトラブルや資産価値の下落も発生しています。
適切な空き家管理を怠ったために踏んだり蹴ったりの状況にならないよう、空き家管理のポイントを知って、正しく対策を行いましょう。

なお、空き家対策特別措置法の詳細について記載した記事は以下です。

平成27年5月26日、空き家対策特別措置法が完全施行されました。これは誰が対象で、どういった効果や固定資産税などへの影響があるのか?噛み砕いて解説してみます。

また、空き家管理を怠った場合に発生するマイナス要因については、以下の記事でも紹介しています。

空き家を放置するとどうなるのか、噂には聞いても詳しくは知らないものです。空き家対策特別措置法による固定資産税の実質増額や強制解体はよく聞くところですが、所有者が直面しうる4つのリスクを、法的な根拠と合わせて紹介します。

2. 空き家管理に必要なこと

2.1 空き家の状況として、避けるべきもの、目指すべきもの

「具体的に何をすればいいのか」、を見る前に空き家をどのような状態にしておけばいいのかについて見ていきましょう。

建物や設備に損壊の危機がないこと

家が壊れた、塀が崩れた、などは最も困ることの1つです。
建物としての価値も大きく損ない、近隣に物理的な被害を巻き起こす懸念も多く、トラブルになりがちです。
空き家管理においても外観の確認はほぼ必須です。

建物の機能を保ち老朽化させないこと

人が住んでいないからこそ老朽化が進むのが空き家の課題です。
換気が不十分であったり、水を止めっぱなしの場合は、家が傷むほか、カビや悪臭のもとになったり、害虫発生の要因になったり、ひどい場合には火災の原因になったりする場合もあります。
そうならないように空き家の必要最低限のメンテナンスは欠かさないことが空き家管理の鉄則です。

敷地が綺麗に保たれ、敷地外に草木が到達しないこと

敷地内に少しでもゴミがあるとどんどんとゴミが増えていきます。
汚れた土地は害虫などの発生原因になる上、悪臭などで近隣トラブルにつながりかねません。
また、植物も放っておくとどんどん成長しますが、景観や環境の悪化に加え、敷地外に飛び出して臨家とのトラブルにもなりえます。
草木の手入れは定期的に行う必要があります

管理されていることを周知し、犯罪防止や近隣コミュニケーションの円滑化につなげること

管理していない状況の空き家だと思われる場合、空き巣に入られたり、最悪の場合誰かが中に住み着いてしまったりというトラブルにつながりかねません。
管理不足の空き家は犯罪の温床になります。
犯罪に関連する状況を避けるためには、きちんと管理下にあることを明記したり、管理者や連絡先を追記すると効果があります。
また、近隣の方とのトラブルを防ぐためにも、苦情や連絡がある場合の窓口を明確化しておくことが好ましいです

(豪雪地帯の冬季の場合)雪の対策ができていること

豪雪地帯限定ですが、雪のシーズンに屋根から雪下ろしををしないと家が倒壊するしてしまうリスクがあります。
また、凍結による水道管の破裂なども寒冷地での問題として対処する必要があります

2.2 空き家管理の具体的な項目

空き家を管理するために必要な項目を列挙します。

建物や設備の損壊を防ぐために

  • 建物にダメージはないか、亀裂などが入っていないかを確認する状況点検
  • 地震による災害時、緊急時などにできるだけ早く家の状況点検をすること
建物の機能を保ち老朽させないために

  • 定期的に通水し、水道管のさびや排水溝からの悪臭を防ぐ
  • 定期的に換気を行い、湿度を下げる
  • 雨漏りがないかを確認する
  • 電気周りやガス周りに問題が起きていないか確認する。ホコリが溜まると火災になりやすいので注意
  • シロアリなどの害虫を予防する
  • 発生している害虫や害獣があれば、駆除を行う
  • 家を掃除し、清潔さを保つ
敷地を清潔に、かつ草木を増やさないために

  • 敷地内のごみ処理
  • 庭木や草木の剪定、草刈
管理の周知、犯罪の防止等

  • 管理看板を設置し、誰が管理しているのか、何かあった場所の連絡先を明記する
  • 上記の連絡先に問い合わせを一本化しておく(複数の問い合わせ先があるとトラブルの元)
  • (誰かに依頼する場合特に)問い合わせに対する一時対応方針を決めておく
  • 近隣に挨拶を行う
  • 郵便物がたまらないよう、定期的にポスト内を清掃し、郵便物の処理をする(前提として転送などの手続きはしておく)
雪の対応

  • 降雪後の雪下ろしや雪かき、排雪を行う
  • 水道管破裂などの防止のため水に気を行う

以上のような項目が空き家の管理において行うべき項目です。
では、実際に誰が空き家の管理を行うべきなのかを整理しておきましょう。

3. 自己管理と外部への管理委託のメリットデメリット

空き家管理は大きく分けると、自分で管理する方法と外部の業者に管理を委託する場合の2パターンが存在します。
どんな人におすすめか、メリットとデメリットを比較し、自分の状況にあった方法を考えましょう。

3.1 空き家を自己管理することがおすすめな人

空き家を自己管理するのに向いている人
  • 空き家管理に割ける時間がある人
  • 物理的に空き家のそばに住んでおり、管理の負担が大きくない人
  • 管理しなくてはいけない内容が少ない人

3.2 空き家を自己管理するメリット

空き家を自己管理するメリットは、自分の自由にやれる点と、金銭負担がないことです。

外部に委託した場合、管理の対応項目は決まっていて月1回の訪問で5,000円~10,000円程度の費用が掛かるのが相場です。

自己管理を行う場合は、自分が必要だと思う部分を適切に、自分のペースで行えます。
また、費用自体は発生しないので、金銭的負担を軽減できる場合もあります。

3.3 空き家を自己管理するデメリット

一方で、自己管理には当然デメリットもあります。
単純なところでは、管理のための負担がある、というものです。
特に生活圏が空き家のすぐそばであればよいですが、遠方の場合はそこまでの移動も大変ですし、交通費もかかります。

空き家の管理には地味ですが、体を使う作業もあり、体力的に不安がある場合は辛いです。
また、管理者が自分しかいないと、例えば体調を崩してしまった場合に、空き家の管理が行き届かず、放置状態になってしまう懸念もあります。

3.4 空き家管理を外部に委託することがおすすめな人

では、空き家管理を外部に委託するほうが良いのはどのような人でしょうか。
自己管理の人の裏返しの部分もありますが、改めて記載します。

空き家管理サービスを利用するのに向いている人
  • お金がかかっても専門的に管理してもらい安心を得たい人
  • 自分で空き家を管理する時間がない人
  • 生活圏と空き家が離れており、移動の金銭的、時間的負担が大きい人

3.5 空き家管理を外部委託するメリット

空き家管理を外部委託すると、管理の負担が大きく軽減されるのが委託のメリットです。
特に移動の負担が大きいケースでは、移動が無くなるのは大きなメリットです。
遠方の場合、そもそも定期的に管理をするための交通費だけで、委託費用を賄えるケースも存在します。

また、基本的にはサービスには必要な内容がパッケージとして含まれています。
必要事項を考えなくても、ポイントを押さえた管理をしてもらえるため、任せて安心できることもポイントです。

更には、管理業者に委託した場合「管理看板が出る」「重装の警備員が巡回する(警備会社の場合)」など、権威性がでる場合もあり、個人で管理するよりも犯罪抑止効果などが大きくなることも考えられます。

3.6 空き家管理を外部委託するデメリット

最もわかりやすいデメリットは金銭的な負担です。
月あたり数千円から1万円程度が相場です。
普段使っていない家に対して、維持費として年間数万円の金額を払うことに抵抗のある方もいるでしょう。

また、管理業者に当たり外れがあることもよく言われる注意点です。
実際には契約上やるべきことをやっていなかったなどのトラブルも生じていますので、依頼先の選定には注意が必要です。
また、自分に合った空き家管理サービス選定のための情報収集や比較などにも手間がかかります。
記事の後半部分で業者の比較を行っていますので、ご参考にしてください)

また、基本的にはパッケージでの対応のため、特殊な依頼などには応じてもらえないケースもあります。
依頼内容が詳細になる場合は委託先を慎重に選びましょう。

4. 空き家管理会社・空き家管理サービスの比較と紹介

ここからは外部に委託する場合の情報を見ていきましょう。
空き家管理は近隣の知人などに依頼する場合もありますが、トラブルなどを避けるために専門業者に委託するほう良いケースが多いです。

4.1 空き家管理を外部委託する場合のポイント

空き家管理を外部委託する場合は、自分の求める条件に合う所を探すことが大切です。
自分に合った管理先を見つけるためには、事前に以下の点を把握しておきましょう。

空き家管理サービスを選ぶ前に整理する項目
  • 何を依頼したいのか
  • 予算をどれほどにしたいのか
  • 特に重視する項目は何か

という点を把握しておきましょう。

後ほど解説しますが、多くの会社の場合は基本パッケージを用意しており、
月々の値段は5,000円~10,000円程度が相場です。

サービスの内容や月の訪問回数などで価格が変わってきます。

また、同じ会社の同じサービスでも地域によって対応品質が違う可能性もあります。
可能ならば、近隣で空き家管理サービスを利用している人の口コミや評判を収集できると有益です。

4.2 空き家管理サービスの比較

代表的な空き家管理サービスを比較しましょう。
広いエリアに対応していて有名なサービスをピックアップ、比較しやすいように表にしました。

どのような人には、どのようなサービスがおすすめかも記載していきます。

まずはサービスの一覧と概要をご覧ください。

事業者特徴料金
NPO法人 空家・空地管理センター・100円の空家管理がある(写真報告書つき)
・済む予定がなく取り壊す予定の人や、土地を現状維持したい人向け
・オプションが細かく設定可能
・月100円~(100円管理)
・しっかり管理は月4,000円~
大東建託・空き家の運用なども相談可能・月5,000円~
・内部巡回は10,000円
・マンションは8,000円
ALSOK・警備会社のサービスなので防犯が安心
・警備員がしっかりとした装備で見回ってくれるため犯罪の抑止効果もある
・ALSOKのホームセキュリティも導入可能
・月4,000円~
・1,000円追加でホームセキュリティも導入可能
・アルソック会員なら月2,000円プラスで加入可能
大成有楽不動産販売・海外赴任や、転勤、長期療養など家に長期的に触れられないが、資産価値を維持したい人向け
・不動産会社運営で標準サービスが整っており安心
・マンション月7,000円~
・戸建ては月9,000円~
日本空家サポート(株式会社L&F)・動画付きの管理レポート
・全国46都道府県でサービスを展開中
・戸建ては5,000円のライトプランから(スタンダードは10,000円)
・マンションは月5,000円~

4.3 とにかく管理費を押さえたい人には「空き家・空地センター」

空き家管理を外部委託する場合に悩むのは費用の部分という方も多いでしょう。
費用を押さえたい、という要望が強ければ一番のおすすめは、
NPO法人 空家・空地管理センター
です。

こちらは月額100円の100円管理があります。
外部からの確認と看板の設置、写真撮影のみですが、月100円で状況が把握できるのは大きなポイントです。
問題がありそうなら問題点から具体的に手を打つ、という方法もあります。

特に取り壊し予定などで最低限の確認ができればと良いという方にお勧めです。
ポストの清掃など、ピンポイントのオプションもつけられるので、
管理項目を追加しても費用を抑えられる場合があります。

費用を重視する方には、空家・空地管理センターの100円管理サービスがおすすめです。

4.4 防犯対策を重視する人は「ALSOK」

長期的な空き家となると、やはり防犯は心配です。
防犯対策を重視する場合は、警備会社のALSOKの提供するサービスが安心です。

他サービスとの大きな違いとして巡回を担当する人が、警備員であるという点が挙げられます。
警備のシールだけでも防犯効果があると言われている中、ALSOKの装備をした人が巡回していたら、防犯効果はかなり高くなります。

更に気になる方は追加オプションでお得にホームセキュリティサービスにも加入できます。
防犯が気になる方、金目のものが空き家内にある場合などはALSOKの導入がおすすめです。

4.5 空き家が遠方にあり、状況を詳しく把握したい人は「日本空き家サポート」

遠方だからなかなか身に行かれない、でも報告書だけでは実態がつかみきれない、という懸念をお持ちの方にお勧めなのが「日本空き家サポート」のサービスです。

こちらの特色は「動画による報告」です。
実際の管理の様子を動画撮影して共有してもらうことで、臨場感を持って家の状況を確認できます。
また、依頼した作業が実際に行われていることも確認できるので安心です。

他にはないサービスとして、動画レポートに価値を感じる場合は、日本空き家サポートに空き家管理を委託することがおすすめです。

4.6 安心を求める人は大手不動産会社の空き家管理サービスを

空き家管理業者にもいろいろな会社があります。
でも知らない人に家を任せるのは不安、自分で見られないから管理が行われているかや、実際の状況が心配、という時もあるでしょう。
業者の対応に不安がある場合ような際にはやはり大手不動産会社の提供するサービスが安心です。

サービスも概況確認や、室内の維持に必要な内容がパッケージになっていて、
一通りのことをそつなくこなしてくれる印象です。
金額も月々5,000円~10,000円程度と相場通りになっています。

大手はネームバリューもありますし、ブランドを維持することも大切ですから、ずさんな管理はないはずです。
なかなか自分では行えない空き家管理の安心感、お求めの場合は大手サービスをご検討してはどうでしょうか。

5. 空き家を自己管理をする場合の作業とポイント

自分でやれる、金銭的負担を避けたい、というような場合には自分で空き家を管理することも可能です。
基本的に空き家管理には難しいことや専門的なことはありません。
今日から自分で行おうと思えば行える内容です。

以下、具体的に行うべき内容を記載します。

5.1 換気

閉め切った空き家の空気は、湿気を帯びたまま滞留します。空気を循環させるのが換気をしなければならない理由でもあり目的でもあります。
湿気を帯びた空気は、カビの発生や木材が傷む原因になるので定期的に換気します。

換気の頻度は空き家の気密性とも関連しており、通常は1ヶ月に1回程度は必要とされていますが、気密性の低い家なら、自然換気も行われるので、もう少し間隔を空けても問題ないのかもしれません。

しかし、気密性が低い家は、同時に外気の湿気を中に取り込む側面もあるのですから、空気が湿った時期は要注意で、結局のところ1ヶ月に1回が標準になるでしょう。

換気の方法

基本的に、開放できるところはすべて開けてしまうのが正解です。
玄関を含めて窓は最低でも2ヶ所は開けないと換気になりません。

また、窓を2ヶ所開けたくらいでは、家の全体を空気が流れることは考えにくく、換気口も開けて、換気扇や24時間換気システムを動かしましょう。
必然的に通電が必要で、ブレーカーは落としても電気は解約しない方が便利です。

うっかりしやすいのが、小屋裏・押し入れ・クローゼット・靴箱などの収納部で、閉め切られている構造上、室内の中でも特に空気がよどみやすい場所です。
臭いの原因を断つためにも、扉を開けて空気を入れ換えておくことが大切です。

5.2 室内の掃除

汚れの原因は、舞い上がったホコリの堆積と、どこからともなく現れる虫の死骸です。

汚れ方は家の状況にもよるので、掃除の頻度も決まっておらず、汚れが少ないなら定期的である必要すらないのですが、換気などと合同で行うと1ヶ月1回程度の頻度になるでしょう。
虫の死骸については、いちいち駆除剤を使って行うほどではなく、ホコリの掃き掃除・拭き掃除を兼ねて行う程度で十分です。

5.3 水道設備の管理

水道の管理には、完全に止めて水抜きする方法と、定期的に通水する方法があり、水道の使用中止にも関係してくるので、違いだけは知っておく必要があります。

完全に水道を止める場合

水道を止めてしまうと、管理の手間が省け、水道料金の節約にもなります。
ただし、主に排水管への影響が顕著で、排水管に溜まる封水を維持できません。

封水は下水管からの臭気や虫の侵入を防ぐためには不可欠で、封水が乾くと排水管が下水管と直通してしまい、虫が入らなくても下水管からの臭いは家中に広がります。
一般に臭いの除去は困難ですから、匂い対策が理由で水道を止めない人も多くいます。

また、管理で訪れた際に、掃除やトイレで水を使えなくなるデメリットもあります。
寒冷地では、凍結防止のために排水管の封水も含めて水抜きするか、不凍液を排水管に入れておいて、封水を保ちながら凍結を防ぐ方法も用いられます。

定期的に通水する場合

メリットとデメリットは、完全に止める場合と反対で、封水を保って下水管からの臭い・虫を防ぎ、長期間使わないことによる水道管のサビ防止、掃除やトイレで水を利用できるメリットがあります。

一方で、水を使わなくても基本料金を支払うデメリット、寒冷地では毎回訪れるたびに凍結防止対策をしないと、不在時に水道管・排水管が破裂するおそれもあります。
なお、寒冷地では水道を凍結させないヒーター設置も普及していますが、定期通水+ヒーターの組み合わせでは常時通電が必須です。

浄化槽がある場合

水道を完全に止めてしまう場合は、浄化槽を清掃した上で、廃止・休止の手続きをすれば、以降は排水を使わないので管理不要です。
定期的に通水する場合は浄化槽も利用するため、定期点検等の出費も増えます。

また、浄化槽は浄化のためのバクテリアを生かしておく理由で、ブロアと呼ばれるポンプを動かす必要があり、電気を解約して(ブレーカーを落として)停止すると、バクテリアが死滅して汚泥から悪臭が発生する原因となります。

5.4 害虫や害獣対策

スズメバチ、猫、カラス、シロアリ、ネズミ、ハエ、蚊、ゴキブリ、ムカデといった、よく知られている昆虫・動物だけではなく、最近ではアライグマやハクビシンの被害も報告されており、人が住んでいない空き家は危険のない格好の住み家です。

エサになる物を残さない、入り込む隙間を塞ぐといった方法以外に有効な対策はなく、見つけてから駆除するのが基本でしょう。
庭の雑草を刈り取り、実を付ける樹木を処分するだけでも効果はあります。

もし発見したときは、害虫であればくん煙剤(バルサン等)による駆除、毒入りのエサで死滅させる方法も考えられますが、害獣の場合にはなかなか難しいです。
獰猛なスズメバチや害獣になると、専門業者に駆除を頼まなくてはならず、状況が悪化するほど費用もかかると推測されます。

シロアリは予防も可能

空き家管理において最も影響が大きい害虫は、躯体に影響があるシロアリです。
他の害虫・害獣は、仮に増えても致命的に家が傷むまでには至りませんが、シロアリだけは放置していると倒壊の危険があるほど深刻です。

見つけてから駆除で対処してもよいのですが、居住中と違って対処が遅くなるので、先手を打って防蟻処理をしてもらう方が得策です。
近所に拡散すると、場合によっては駆除費用等の損害賠償を求められるケースもあり得るので、シロアリを甘く見ると痛い目に会います。

5.5 剪定と屋外の掃除

ゴミを不法投棄していく人がいるのは残念ですが、誰が捨てたか分からないからと放置できるはずもなく、空き家の所有者が対応しなくてはなりません。
ゴミはゴミを誘発する性質があって、誰かがゴミを捨てていれば、そこに捨ててもよいと勘違いする人も出てきます

また、空き家管理の中で、最も手間がかかるのは、周辺の雑草や剪定で、どうしても時間がかかるため業者に頼んでも人件費で料金が高くなります。
庭木の越境があると、民法や道路交通法を根拠に対処を求められることがあり、落ち葉や果実が落ちて迷惑をかけることもあるでしょう。

長期的に対策したいとき

ゴミの不法投棄は難しいですが、雑草や庭木は長期的に対策する方法は存在します。
そもそも、庭の維持ができないなら、害虫・害獣を防ぐ面からも、庭木は伐採して処分してしまう方が、剪定よりもトータルの管理コストとしては安いです。

雑草対策については、除草剤をまいて根絶やしにしてしまうか、土を5cm程度すき取って、その上から防草シートを敷き、紫外線が届かないように砕石・砂利を敷き詰めると、長く効果を望めます。

5.5 郵便物

郵便局を経由する郵便物については、郵便局に転居届を出すことで、届出日から1年間は新住所へ転送してもらうことは可能です。
1年間で不足するなら、再度転居届を出して更新することも可能です。

郵便局:転居・転送サービス

ただし、ポスティングのように、勝手に届くチラシ等は防ぎようがありません。
郵便物をためることの弊害は、一目で空き家だとわかってしまうことにあり、不法侵入・不法投棄・放火などの対象になってしまうことです。

定期的に回収するか、近所の人に協力を得られるなら時々見に行ってもらい、保管・転送してもらうようにしないと、ポスティングは事情など関係なく配られますから、やがてポストが溢れてしまいます。

5.6 防犯対策

防犯対策の1つとして、雨戸を閉めるかどうかという選択があります。
雨戸を閉めることで、外部から容易に空き家だと判断できるため、雨戸は閉めないという意見も多く見られます。

しかし、台風などで窓ガラスの破損を防ぐ効果の他に、侵入窃盗の6割以上は窓から侵入している事実(警視庁公表)を踏まえれば、雨戸を閉めて窓を割ることができない状況は、多くの侵入犯がためらうはずです。

普通に考えて、空き家とはいえ玄関からの侵入は人目に付きやすく、常夜灯を用意するほどではなくても、居住中でもよく使われるセンサー式のライト(人が近づくと明りが付くタイプ)があると、防犯効果は高いと言われています。

もう1つ、家の周辺は歩くと音がする砂利(防犯用の音が出やすい砂利も売っています)を敷いておくとよく、雑草対策も兼ねているので検討の余地は十分にあります。
防犯カメラやホームセキュリティも考えられますが、空き家の中に家財を置いているかどうかでも変わってくるので、費用対効果も考えるべきでしょう。

5.7 火災保険や地震保険による対策

暴風雪、水害、地震により、自ら受ける損害に備えるためには、火災保険、地震保険、家財保険があり、空き家でも加入できます。
ただし、空き家は住宅用の火災保険に加入するのが難しく、販売されている多くの保険商品では空き家を事業用物件と扱い、保険料が高くなります

一方、他人への損害については、保険対象が異なるので火災保険では対応できず、施設賠償責任保険という損害保険で対応します。
例えば、屋根材の飛散や落雪で隣家に損害を与えた、外壁が剥落して通行人にケガをさせた、庭木が自動車の上に倒れたなどです。

どのような保険でも同じですが、使わない(つまり保険料を損する)方がよい結果であって、万が一の出費を抑える目的で加入しますから、空き家の維持費として割り切ることができなければ、保険加入まではしないのかもしれません。

保険加入しない場合、少なくとも所有者として過失がなかったことを証明できるように、普段から適切な管理をしていないと、賠償だけでは済まされず遺恨の原因となります。
将来的に住むことを考えて空き家にしているなら、将来生活する際も踏まえて判断が求められるでしょう。

5.8 点検と修理・補修

定期的に訪れた際は、換気・清掃等以外にも、家の内部・外部を点検して回ります。
点検の際は、チェックポイントとして次のように考えましょう。
いずれも、見つかった場合には素人での対応が難しく、専門業者を呼んで修理・補修してもらうことになります。

・雨漏りやカビ
晴れた日に訪れても雨漏りは分かりにくいですが、天井にシミやカビがあれば雨漏りと推測できます(特に天井の隅で見つかりやすい)。
また、壁にいきなりカビが現れた場合には、壁内部の腐食も考えられます。
・水漏れ
完全に水道を止めていなければ、通水をして水道管をチェックします。
今まで水漏れがなかったのに、空き家にしてから水が漏れ出すケースでは、乾燥によるパッキンの劣化が原因のこともあります。
・外壁のひび割れ
溝の細いひび割れは、ヘアークラックといってあまり心配することはありません。
溝が深く下地に達しているようだと、下地の木材に雨水が達してしまうので、樹脂注入などで対応します

他に点検とは別問題で、空き家を訪れた際は、もし付き合いが疎遠になっていても、両隣くらいは挨拶しておきたいものです。
そうすることで、管理はしている印象を与えられますし、連絡先を教えていれば、本当に損壊や不審な出来事があったときに、連絡してくれるかもしれないからです。

6. 空き家管理の具体的な検討前に、「本当に管理するべきか」を考えることが大切

ここまで、空き家の管理についての情報を書いてきました。
空き家を維持するだけでも上記のようにに注意する点は沢山あります。
そして、維持のための労力と費用をかけても、家である以上徐々に価値が目減りしてしまうのが空き家保有の悩ましいポイントです。

空き家の維持費は状況にもよりますが年間数十万円かかることはざらです。

空き家の維持費は多くが固定資産税ですが、他にも電気・水道代、管理費、保険料、1年単位や10年単位では、剪定費用や修繕費もかかります。所有する不動産の種類と今後の意向よっても違うので、それぞれの内容と目安を紹介します。

記事のまとめとして大事なことを1つ記載します。
現在空き家の管理について、具体的に検討されている方は、今一度
「自分の空き家は本当に管理すべき空き家か」
という点を考える
ことが大切です。

相続で継いだからなどの理由で、とりあえず空き家にしておく、最低限の管理はする、というのはよくある話です。
しかし、空き家は保有すればするほど、価値が下がり、対処がしづらくなります。
当然とりあえずと置いている間も維持のための負担や固定資産税、保険料はかかり続けます。

将来空き家をどうするかが明確に決まっていればそこまでを管理することは有益です。
しかし、漠然と対応を放置したまま管理するなら、今対応を決めるべきです。

空き家や土地は保有して管理するだけでなく、売却する、活用する、貸し出す、というような選択肢も存在します。

そして選択肢の検討の際に、まず大切なのが「自分の家の価値を正しく把握すること」です。

保有している不動産の価格がいくらくらいの評価なのか、今売れるのか、売るのが得か、
を考慮したうえで、空き家の今後を決め、必要な期間管理する、というのがあるべきやり方です。

管理の検討以前にまず、家の価値を調べる必要があります。
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不動産会社8社に査定を依頼したら
不動産会社8社に査定を依頼したら330万円の差があった

今後の目安のため、一括査定サイトを使って実家の査定を依頼したところ、安い会社と高い会社の差が330万円ありました。
簡易査定なら情報を入力するだけで、その日の内に連絡が来る会社も多く、売却相場がすぐに分かります。

主な不動産会社
ただし、一括査定サイトもすべての不動産会社と提携しているわけではありません。 1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)または人口が多い地域の不動産の場合、大手企業6社が集まった「すまいValue」も合わせて検討するとよいでしょう。

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人口の多い地域の場合、おうちダイレクトの不動産会社なら、Yahoo!とおうちダイレクトのネットワークを活用し売却をサポートしてくれます。独自の販売活動ができるため、他にはないより高い査定額が期待できます。

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「でも、わずらわしい営業電話はこないのか?」
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