家の住み替えに必要な準備と資金。知っておきたい基本知識とは

住み替えするなら

ライフスタイルは、いつでも変わるタイミングがきます。
例えば、子どもが成長して家が手狭に感じたり、子どもが結婚で巣立っていけば、夫婦二人だけになり、逆に家が広く感じたりするかもしれません。
こうしたライフスタイルの変化の節目で、家の住み替えを考えることもあるでしょう。しかし、住み替えはすぐに決断するものではなく、知っておくべき知識があります。
今回は、そんなライフスタイルの変化による住み替えのタイミングや知識、そして必要な準備と資金がどのくらいかかるのかについて解説していきます。

1.生活に合わせて住み替えるという考え方

生活に合わせて住み替えを考える
人によって生活習慣は違います。
その生活習慣がいつまでも続くということはなく、突然変わってしまうこともあり得ない話ではありません。
生活習慣に合わせて、家を住み替えるという方もいると思うので、ここでは住み替えるという考え方についてみていきましょう。

1.1 どんな家庭でもライフスタイルは変化する

ライフスタイルは、どんな家庭でもどんな人でも変化するものです。子供が大きくなって独り立ちしたり、親を介護する必要性がでてきたりすることもあるでしょう。
家に住み始めた頃よりも、暮らし方が変わっていくのはおかしなことではありません。
年々変わっていく暮らし方に合わせた家に住み替える人は、意外と多いです。
平成25年の住生活総合調査で、住み替える目的のアンケートを実施した結果、「最近5年間に実施した住み替えの主な目的」で多かったのは、以下の内容でした。

  • 「就職、転職、転勤などに対応」:21.7%
  • 「親、配偶者などの世帯からの独立」: 21.2%
  • 「子育て・教育の環境を整える」:17.7%

ほかにも、子育て環境を整えたいという目的や、仕事に関すること、親との同居などライフスタイルの変化は多種多様です。
(資料:平成25年 住生活総合調査結果

このように転勤や親世帯からの独立など、さまざまなライフスタイルの変化に合わせて、多くの人が住み替えをしています。
しかし、実際に住み替えを検討する際には、どのようなことを視野に入れるべきなのでしょうか。

1.2 今の家にずっと住めるかを考える

ライフスタイルの変化による住み替えの考え方として、「これからも今の家に住み続けていけるか?」ということを考えてみることも一つです。
子どもがいる場合は、子どもの成長とともに手狭にならないか、子どもが自立したあとに夫婦だけで住めるのか、歳をとってからでも暮らしにくい家ではないかなどについて、考えてみましょう。
将来的なビジョンをイメージしながら、長期的な観点で考えてみることが重要です。

1.3 リフォームより住み替えが良いケースも

リフォームやリノベーションは、これまでの住み続けてきた家に工夫をすることで、より過ごしやすく快適に使えるというメリットがあります。
主にリフォームやリノベーションする場合は、経年劣化などで老朽化してきた場合でが多いですが、実際は住み替えた方が簡単で費用も安いと言われています。
リフォームとなると小規模な場合は費用は安く、工期も短く、仮住まいを用意する必要がない一方で、大規模となると費用は大きくなりローン利用だと金利も高めです。
耐震や断熱などを考えると、建て替え並みの費用がかかる場合があり、住み替えた方が早いです。
住み替えとなると、家の購入費用と引っ越し費用はかかりますが、結果的に費用が安く抑えられていたというケースも多いため、両方を考慮した上で決めましょう。

2.住み替えに必要なお金やローンのこと

住み替えに必要な費用
家を住み替えるとなると、気になるのは費用面ではないでしょうか。実際に住み替える家の値段によっても費用面は前後しますが、ここではローンなども含めた住み替えに必要な費用面について詳しく見ていきます。

2.1 住宅ローンが残っていても住み替えは可能

今の家の住宅ローンの残債が残っていたとしても、住み替えることは可能です。つまり二重ローンとなりますが、この場合のローン組む方法について詳しく解説します。

二重ローンを組む方法

今も残っているローンと住み替えた後の家のローンを組むことで、二重ローンとなります。返済方法は通常の住宅ローンと変わりません。二重ローンを組む場合の注意点は以下の通りです。

  • 2つのローンを足した金額が審査対象となるので、審査が厳しくなる
  • 月々の返済額が二重になるので、返済額が大きくなる

この注意点を踏まえて、ローンを組む時は慎重に検討しましょう。

住み替えローンを組む方法

ローンには「住み替えローン」というものがあります。こちらは、ローン残債と新たな家の購入金額を合わせて組むローンのことで、住宅を売却してもローンが残った場合に限り借入可能です。
住み替えローンは、新たな家の担保価値の1.5倍~2倍までの融資ができます。住み替えにあたり、以前の家のローン残債があっても、自己資金を出さずに済むことがメリットといえるでしょう。

住み替えローンを組む場合の注意点は、以下の通りです。

  • 借入額が担保価値より上となり、審査が厳しい
  • もし返済できなった時に、住宅売却だけでは厳しい可能性がある

住み替えローンの利用では、新たな家以上の金額を融資してもらうことになります。返済できなくなる可能性も0ではないことを踏まえて、こちらもローンを組む際は慎重に検討しましょう。

任意売却で現在の住まいを売る

今の家のローンの返済が難しくて住み替えようか検討している場合、任意売却という方法を知っておくとよいでしょう。
家を売却してもローンが完済できない場合、競売にかけられて市場価格よりも安い価格で売却されることになりかねません。通常は、ローン残債があると物件の売却はできないのですが、競売を避けるために、銀行などの債権者から承諾を得て売却することを、「任意売却」といいます。
任意売却は競売と違い、通常の売却方法で売ることができるため、市場価格に近い価格での売却が期待できます。ただし、任意売却を進めるためには、金融機関の許可が必要になり、交渉を進めるには、不動産会社ではなく、任意売却を行う専門業者にお願いをしなくてはなりません。

2.2 売却と購入それぞれにかかる費用

住宅の売却や購入する際、それぞれにかかる費用はどのくらいなのかを、具体的に説明していきながら、費用の目安について解説します。

売却時にかかる費用

物件の売却にかかる費用は以下の通りです。

仲介手数料売却価格 × 3% + 6万円
登記費用登録免許税2,000円 + 手数料1万~3万円
一括繰上返済手数料金融機関で異なる。無料~5万円
印紙税取引価格で異なる。1,000円~6万円
所得税・住民税売却益が出た場合のみ必要

売却にかかる費用のなかでも、最も多く占めるのは仲介手数料です。仲介手数料以外の費用に関しては、すべてを合計しても10万円以内に収まる程度でしょう。
さらに、これ以外にも必要になり得る費用もあるため、売却での費用は多めに用意しておきましょう。
ちなみに、必要になり得る費用に関しては以下の通りです。

  • 日割りの固定資産税
  • 測量費(境界確定測量等の費用)
  • 建物の解体費用
  • 廃棄処分費用
  • ハウスクリーニング費用
  • 引っ越し費用
  • 抵当権抹消費用
  • 司法書士への報酬

上記の費用はその時によって異なるので、必要となると分かった場合は前もってどのくらいになるのか計算しておきましょう。

購入時にかかる費用

物件の購入にかかる費用は、以下の通りです。

仲介手数料売却価格 × 3% + 6万円
ローン事務手数料金融機関で異なる。約3万円~
ローン保証料金融機関で異なる。
火災保険料プランと専有面積による。
団体信用生命保険金利に含まれている。
登記費用約15~35万円
固定資産税・都市計画税日割り計算される。
印紙税3~4万円が一般的。

物件の購入では数々の税金がかかり、場合によっては保険料などがかかることもあるでしょう。売却をするのか購入をするのかよく検討して全体を通してかかる費用を計算しましょう。

2.3 現在の住まいを上手売って購入資金にする

今の家を上手に売ることで、次の家の購入資金に充てることができます。
とはいえ、上手に売るにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、スムーズに高く売るためのコツを紹介していきます。

信頼出来る不動産会社と契約する

家を売ると考えると、まず考えるのは不動産会社に相談することではないでしょうか。
売り主と買い主の間に入り、売買取引をしてくれる不動産会社を選ぶわけですが、信頼できる不動産会社を見つけることが重要です。
不動産会社によっては悪徳なところもあるため、しっかりとした取引実績を持っていて安心でき、かつ信頼できるところを探しましょう。

信頼できる不動産会社に任せる理由は、時間や手間がかかる家の売却がよりスムーズにでき、売却成功につながるためです。信頼性に欠けるところでは、何かしらのトラブルが起きる可能性があります。

安心してお任せできる不動産会社探しは、一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に見積もりを依頼することをおすすめします。

そうすることで、おおよその相場がつかめるだけでなく、担当者の対応なども比較できるので、そのなかから一番信頼のおけそうな会社を選ぶことが可能です。

税金にかかる各種控除を活用する

住宅を売却するの際には、かかる税金の控除を活用することも大切です。たとえば、住宅ローン控除の適用を受けると、年末のローン残高の1%の金額が、10年間にわたり所得税から控除されます。
さらに、所得税で控除しきれない分は住民税からも控除されるので、かなりの額が控除されることに。

また、「3,000万円の特別控除」という特例もあります。不動産を売却した金額から、不動産を購入したときの金額や取得費、譲渡費用を差し引いた際にプラスとなり、譲渡益が発生した場合には所得税がかかります。
(詳細は次の記事にて:3,000万円特別控除の特例で節税しよう。注意点もあわせて解説

多くの場合、購入したときよりも売却したときの金額のほうが低いため、プラスになるケースは少ないといえます。しかし譲渡益が発生した場合でも、3,000万円の特別控除が適用されれば、譲渡益から3,000万円が控除されるため、所得税は発生しないと考えてよいでしょう。

また、売却だけでなく買い替える場合には「買い替え特例」が利用できます。
売却した家の譲渡価額によって、買い替えた家の取得価額のほうが高かった場合に、利益に対して課税されず、所得に繰り延べられて課税されるしくみです。これらの各種控除を調べ、活用できるものは適用しましょう。

家の売却は何度も経験することではないため、どのような税金がかかりどれくらいの税額になるのか、とても不安に感じる人は多いと思います。ここでは、家を売却する際の税金や、その税金の支払いを抑えるための特例をお伝えするので参考にしてください。

3.住み替えのタイミングとは

住み替えのタイミングはいつ?
住み替えのタイミングは人それぞれ異なりますが、実際どんなタイミングで考えると良いのでしょうか。住み替えを考えているならタイミングを見極めることも大切です。タイミングを失敗しないように参考にしましょう。

3.1 売却と新居購入はどちらが先か

住み替えを考えている時、選択として迫られているのは売却が先か購入が先かということです。
主に新たな家を購入する前に売却する、新たな家を購入してから売却する、売却と購入を同時に行うという3パターンがあり、どれを先行するのかを考える必要があります。

新たな家を購入する前に売却する場合

先に売却することで、その金額を次の購入資金に充てることができ、予算も立てやすいでしょう。ただし、住んでいるなかで内覧をしなければならない点はデメリットといえます。

新たな家を購入してから売却する場合

新居に引っ越してきれいな状態にしてから売却できるため、先に売却する場合よりも高く売れる可能性もあります。

ただし、売却する前に資金を用意しなければならず、想定していたよりも安く売れた場合は、資金計画が変わることもあるでしょう。

売却と購入を同時に行う場合

現在の住宅を売りに出しながら同時に新しい物件を探し、新居の引き渡し日に合わせて売却します。そのため、仮住まいとしてアパートなどを借りる必要がなく、新居の資金を全額用意する必要がないこともメリットといえます。

しかし、思ったように売却が進まなければ、最悪の場合、住み替えをあきらめざるを得なくなるかもしれません。

3.2 タイミングはできる限り揃えたい

売却を先に考えているなら、売却金額をローン残債に充てられます。しかし、思ったよりも早く売却できれば、仮住まいが必要になる可能性も。また、購入が先の場合は二重ローンになり、月々の返済額が多くなることで、結果的に苦しい思いをする可能性も否めません。

このように、どのパターンにもデメリットがあるため、自身の状況と照らし合わせて、一番よいタイミングで住み替えできるように調整するとよいでしょう。
ローンの問題も考慮した上で、「売却と購入を同時で行う」もしくは「売却を少し先に行う」ことを意識して住み替えを進めましょう。

3.3 資金繰りも含めてしっかり計画を立てる

住み替えのタイミングは、金銭的なところも踏まえて考えると良いでしょう。

金銭的に余裕があるのなら、売却を急がず、新たな家を購入して暮らしながら売却活動していくという方法もあります。もし金銭的に余裕がない場合は、住み替えの際の引っ越し費用やスケジュールなどを含めて検討することが大切です。

3.4 古い家は残したままにしておくケースも

住み替えの際、古い家を売却するだけでなく、あえて保持したり賃貸に出したりする方法があります。

保持することのメリットは、不動産という資産を持ち続けられるというところです。
デメリットは、管理が大変だということ、防犯、耐久などの心配もあります。
一方賃貸に出すことのメリットは、家賃収入があること。転勤などの住み替えで、また現在住んでいる場所に戻る可能性がある場合は、その家に戻って住むこともできることです。

デメリットは、空室が続いて収入にならない可能性、入居者トラブルの可能性、劣化や耐久面での修繕費や維持費、家主としての確定申告の手続きが面倒であることです。

メリット・デメリットを踏まえてどのような決断をするか慎重に考えましょう。

家を貸すのか、売却するのか検討したい人はこちらの記事を確認してください。

家を貸すことは1つの事業なので、収支さえ合えば問題ありませんが、その収支を決める要素がいくつもあり、ややこしく思えてしまいます。ここではシンプルにするため、家を貸すための条件を4つに分類してまとめます。

4.住み替えるにあたり押さえておきたい3つのポイント

住み替えで抑えたい3つのポイント

上手に住み替えをするために、押さえておきたいポイントが3つあります。これらのことを把握しておくことで売却する際の選択肢も増え、より有利に売却を進められるでしょう。

4.1 買取保証という選択肢もある

すべての不動産会社ではありませんが、中には買取保証をしているところがあります。
買取保証とは、売却活動を行ったけれどなかなか売れなかった場合に、不動産会社が買い取ってくれる保証のことです。

買取保証で適用される期間内に売却できなければ買い取ってもらえるので、短期間で確実に売れるというメリットがあります。

一方でデメリットもあり、買取では査定額の8~9割程度になることが多いので、この点には注意しましょう。

4.2 綺麗な状態で売却する

一般的にですが、築年数が古いマンションの価値は下がります。逆をいえば、築浅で綺麗な状態だと高く売れるので、住み替えを考えている時にまだ築浅なら、なるべく早めに決断するとよいでしょう。

ただし5年以下の物件の場合、税金に関して注意点があります。5年超の物件では、譲渡所得税や住民税の税率はおよそ20%ですが、5年以下では約39%と倍近い税率になります。

また、築浅かどうかにかかわらず、売却する時にはできるだけ綺麗にしておきたいところですが、案外忘れられがちです。やはり綺麗な家のほうが、買い手も買いたいと思ってくれるでしょうし、売れやすくなることは間違いありません。

例えば、専門の業者にハウスクリーニングを依頼することも一つの方法です。特に、自分で掃除することが難しいキッチンやトイレ、浴室などの水まわりは、プロに掃除してもらうことで、効率よく綺麗にしてもらえるのでおすすめです。

住宅を売却する際には、ハウスクリーニングを依頼して綺麗にしておくことをおすすめします。なぜなら内覧時の印象アップが望め、売買契約に繋がりやすいからです。ハウスクリーニングを依頼するメリットは他にもあるため、売却前に押さえておきましょう。

4.3.計画を立てるためにも一括査定を利用する

家を住み替えようか考え始めたら、まずは計画を立てることから始めましょう。資金のこと、住み替えるタイミングなどを考慮し、いつがベストか考えましょう。計画を立てるためには、一括査定サイトの利用をおすすめします。

一括査定サイトでは、複数の会社に査定を依頼できますが、各社から出された複数の査定価格を見ることで、今の家の相場を知ることができます。

また、複数の会社に査定を依頼することで、どのような会社なのかもある程度はわかります。すると、いざ売却するとなったときに、不動産会社を一から探す手間も省けるでしょう。
住み替えを思い立ったら、まずは一括査定すると覚えておきましょう。

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5.家族や自分にとって今の暮らしに合った家に住む

家族に合った住み替えを

人生において、いくつかのターニングポイントがあります。その中でたとえば子育て終了後の夫婦二人になった時というのが挙げられます。

家が広く感じ、ちょうどよいところへ住み替えようかと考えることもあるでしょう。こういった人生の中で、人それぞれその人に合った家は変わります。
住み替えでは、今そしてこれからの自分自身、家族のライフスタイルに合わせた家を慎重に選びましょう。