市街化調整区域でも売れる!確実に売るための方法【完全ガイド】

市街化調整区域に不動産をお持ちで、売却したいと考えているものの、売却できるか不安な方もいらっしゃるかと思います。

市街化調整区域は原則建物を建てられませんので、活用が難しく売りにくいと言われています。

ですが、市街化調整区域にある物件は売却が完全に不可能ではなく、売りたい不動産の特徴に合わせた売り方をすると確実な売却も可能です。

どのような方法であれば市街化調整区域にある不動産を売却できるのでしょうか。

まずは市街化調整区域にかけられている規制を理解し、売りたい不動産の特徴をつかんだうえで市街化調整区域の売却方法を学んでいきましょう。

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市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは
市街化調整区域とはざっくりいうと、農地や森林を守るために建物を建てられないように制限した地域のことです。

市街化調整区域は人がたくさん住んでいる都市や駅からは離れていて田や畑が広がっています。多くの場合生活に必要な上下水道やインフラが整っていません
そのため生活をするには不便で価格が低く、市街化調整区域は通常の土地と比較して10分の1の値段になることもあると言われているほどです。

なぜ、市街化調整区域という建物が建てられないような地域がつくられたのでしょうか?

それは、各都道府県が人が住みやすい街を作るために都市計画法に基づいて都市を市街化調整区域と市街化区域に区分けしているからです。
例えば、東京都では多摩の一部が、千葉県や神奈川県、埼玉県ではかなり多くの地域が市街化調整区域となっています。

市街化調整区域

建物を自由に建てることができ、人がたくさん住んでいる市街化区域と比べて、農地や森林を守ることを目的に市街化を抑制ししている市街化調整区域には、様々な規制がかけられています。

市街化調整区域にかけられた厳しい規制と対処法

市街化調整区域の開発許可・建築許可の仕組み

市街化調整区域には、市街化を防ぐべく様々な規制がかけられています。
開発や建築を考える際には、それぞれ許可を受ける必要があります。

開発許可と建築許可

市街化調整区域では土地の分割・造成(盛土、掘削を行うこと)・地目の変更を行うときは地方自治体から開発許可を取らなくてはいけません。

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また建物を建設・改築・増築・用途変更をする際も同様に建築許可を取らなければいけないことが、それぞれ都市計画法第29条、都市計画法43条に定められています。

買主にとっては市街化調整区域を買っても、許可がとれないと建物が建てられない可能性があるため、市街化調整区域を買いたいと思う人は少ないでしょう。

しかし、市街化調整区域内にある不動産はすべて売りにくいわけではありません。建物が建てられる土地であれば売りやすくなります。

市街化調整区域は原則建物を建てられませんが、例外的に誰でも開発許可・建築許可を取得できる土地があります。

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まずは、売りたい不動産が誰でも建物を建てられる売りやすい土地なのか売りにくい土地なのか確認していきましょう。売りやすい不動産と売りにくい不動産とで市街化調整区域の売却の方法が変わるからです。

市街化調整区域で売りやすい

市街化調整区域は売れるのか
市街化調整区域で売りやすい不動産とは、誰でも建物が建てられる土地を含む不動産です。

市街化調整区域の不動産が売りやすいか売りにくいかは、売却予定の土地に第三者が建物を建てられるかどうかによって決まります。

建物が建てられれば、土地を有効活用でき買主が付きやすいからです。
同じ市街化調整区域でも売りやすいか売りにくいかによって売却に向けて次に取るべき行動が変わります

どのような土地であれば建物を建てられるか、見ていきましょう。

市街化調整区域で売りやすい不動産

  • 開発許可を得られる土地
  • 開発許可を取って建てられた不動産
  • 市街化区域に隣接していて約50以上の住宅が周囲にある不動産
  • 市街化調整区域になる前に建てられていた建物
  • 事業のために開発された地域の中にある不動産
  • 用途地域内の不動産

開発許可・建設許可を得られる土地

市街化調整区域であっても、開発許可や建築許可を得られることがわかっている不動産は、多少売りやすくなります。

市街化調整区域が売れにくい理由は、住宅など建物を自由に建てられず、開発許可や建築許可を必ず得られるとは限らないからです。

ですが、あらかじめ許可を得られることがわかっている場合には、買主にとって心配や負担が軽減されるため売れやすくなるでしょう。

開発許可を得て建てられた不動産

市街化調整区域にある土地でも、開発許可を得て建物が建てられている場合、その不動産は売りやすくなります。

建物のない状態で開発許可や建築許可を得ることは手間がかかり大変な作業となりますが、1度建物を建てられた土地であれば建てやすくなるものです。

また、再建築をしなくてもその建物をそのまま活用したり、リノベーションやリフォームをしたりもできるため、売れやすいでしょう。

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市街化区域に隣接して約50以上の住宅が周囲にある不動産

市街化区域に隣接していて、約50以上の住宅が周囲にある不動産は売りやすいものです。

なぜなら、市街化区域に隣接していて約50以上の住宅が周囲にある不動産は自治体から開発・建築許可を取りやすく、買主が購入後建物を建てられるからです。

また、市街化区域に隣接していて約50以上の住宅が周囲にある地域には多くの場合、生活をするうえで必要な上下水道、電気、ガスなどのインフラも整備されているので、一般の人であっても買いやすい地域です。

市街化区域内に隣接していて、約50以上の住宅が周囲にある不動産は建築許可がとりやすい、生活しやすい2つの理由からかなり売りやすいと言えます。

市街化調整区域になる前に建てられていた建物

市街化調整区域になる前に建てられていた建物は、一定条件を満たせば建築許可を得ずに再建築・改築・増築ができるため売りやすいでしょう。

一定条件とは以下の通りです。

  • 用途が同じ(引き続き住宅用・事業用などとして建て替える)
  • 敷地が同じ(敷地の拡大は開発行為に該当して許可が必要)
  • 規模が同程度(延べ床面積1.5倍まで)

以上の条件を満たした建物の再建築・改築・増築であれば、所有者が変わったとしても建物を建てるのに自治体から建築許可を必要としません。

市街化調整区域になる前に建てられた建物に限って建築許可を不要としているのは、市街化調整区域になる前からもともとあった建物に対して後から法規制をかけて建物の建設を禁止するのは所有者に酷だからです。

市街化調整区域に指定された日は自治体ごとに異なり、おおむね昭和45年頃が多いと思いますが、詳しくは自治体のホームページで検索するか電話で確認しましょう。

また、家の建築年月日は市区町村の固定資産税課税台帳から確認できます。

事業のために開発された地域内にある不動産

自治体によっては、市街化調整区域内に事業のために開発された地域があり、そのような地域では無許可で建物を建てられるため売りやすくなります。

事業のために開発された区域とは、都市計画に定められた都市施設(道路、公園、下水道など)を建てたり、市街地を開発するために特別に都道府県や市区町村が定めた区域です。

具体的に事業は、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業などと呼ばれています。

売りたい不動産がある地域が事業のために開発された地域に当たるかどうかは、お近くの自治体や建築家などの窓口に問い合わせると確認できます。

用途地域内の不動産

市街化調整区域内でも、第一種低層住居専用地域などと呼ばれる用途地域が存在している場合もあります。

用途地域内の不動産は、開発許可を出さなければいけないと都市計画法第33条に明記してあり、許可が取得しやすいため売りやすいものです。

用途地域とは、エリアごとに背の低い住宅しか建てられない、マンションやアパートも立てられる、工業施設しか建てられないとエリアごとに建てられる建物の種類を決めた都市計画法上の規制です。

市街化調整区域にも用途地域があるのは、かつて1970年から1980年にかけて郊外の土地に住宅開発が進められた際、市街化調整区域でも同じように大規模に住宅地が開発されたからです。

用途地域に指定されているかどうかは、市区町村の窓口で尋ねるか、都市計画図のWebシステムを見ると確認できます。

詳しい調べ方に関しては以下の記事をご覧ください。

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用途地域

市街化調整区域で特に売りにくい不動産

市街化調整区域は原則建物を建てることができないため、土地の利用価値が低く、売りにくいという話をしました。

ここで紹介するのは通常売りにくい市街化調整区域の中でも特に売りにくい不動産です。

市街化調整区域で特に売りにくい不動産

  • 農地
  • 開発許可を得られない土地
  • 市街化調整区域になった後に無許可で建てられていた建物
  • 市街化区域から離れた所にある市街化調整区域内の不動産

農地

売りたい土地の地目が農地である場合は、売りにくいもの(地目は、不動産の全部事項証明書「登記簿謄本」を見ることで確認できます)です。
農地を農地として売る際は農地法の規制を受け、農業従事者以外には売ることができず、さらに農業委員会からの許可を得る必要があります。

農地に限って売買をする際に農地委員会からの許可を必要とするのは、農地は日本の食料自給率を高めるための大切な資源であり、国をもって保全していきたいと考えられているからです。

また、市街化調整区域内にある農地を宅地化して売りたい場合は、都市計画法上の開発許可をとってから、農地法上の売買許可を得なければならず、2重の許可が必要です。このように農地を売る際は様々な条件を満たさなければいけないため、売りにくくなっています。

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農地売却

さらに、近年は就農人口の高齢化・減少化で農地自体の需要が減ってきており、農地の需要が少ないのも農地が売れない理由の1つです。

開発許可を得られない土地

市街化調整区域にある土地で、開発許可を得られないとわかっている土地は、特に売りにくいでしょう。

地域によっては、どうにか市街化を抑えようと開発許可を出さないとしている自治体もあるかもしれません。
農地や太陽光発電など別の活用が可能であれば、売れる確率も上がるかもしれませんが、開発できないととなると駐車場にするくらいしか利用方法がなく売れにくくなります。

稀に、市街化調整区域にある土地で開発許可を得られにくいにもかかわらず、建物の建っている土地があるようです。その中には、無許可で建てられた建物も存在します。

市街化調整区域になった後に無許可で建てられた建物

市街化調整区域内になった後に、自治体の許可を得ないで建てられた建物は売りにくいものです。

市街化調整区域であっても無許可で立てられる建物があります。
無許可で立てられる建物とは以下の建物です。

無許可で建てられる建物

  • 農業、漁業、林業を営む者の居住用の建物
  • 図書館、公民館、変電所などの公益上必要な建築物
  • 畜舎
  • 温室
  • サイロ
  • 農機具収納施設
  • 農作業所

上記の建物以外は、市街化調整区域で無許可で建物を建てられません。
ところが、上記建物以外で許可をとらないで建てられた建物が市街化調整区域内にはまれに存在します。

市街化調整区域が線引きされた当時、自治体の手続きがあいまいで法律をかいくぐって建物をたてた所有者がいるからです。

自治体の許可を得ないで建てられた建物は再建築不可で、非合法でもあるため売りにくくなります。

再建築をした場合罰金の対象となりますので、自分の家が許可を得て建てられた建物かどうか今一度確認するようにしましょう。

市街化区域から離れている市街化調整区域内の不動産

市街化区域から離れたところに位置する市街化調整区域内の不動産は、開発・建築許可が下りず建物を建てられないため売りにくくなります。

ただ、建物を建てられない土地は、駐車場、資材置き場などの建物を建てない活用方法が考えられます。
売りたい土地の近所に開発許可を得て建てられた工場がある場合は、工場に勤める従業員のための駐車場や工場で使う大型車などの特殊車両向けの駐車場として売り出すと売れる可能性があります。

また、売りたい土地の近くに建設業者がいる場合は、資材置き場として土地を貸し出すまたは売却する方法があります。ただ、いずれの活用方法も駐車場や資材置き場を必要とする事業者がいないと需要がありません。

まずは、売りたい土地の近くに駐車場や資材置き場を必要としている事業者がいないか探してみることから始めましょう。

それと並行して、土地を活用するとどのくらいの収益が見込めるのか、「土地活用」で見積もりを出してもらいましょう。自分が考えている以外よりも収益の見込める活用方法もあるかもしれません。土地活用のプロに活用プランを提案してもらい、無料で見積もってもらうことをおすすめします。

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市街化調整区域で売りやすい不動産を売る方法

市街化調整区域で売りやすい不動産を売る方法
前章で解説した市街化調整区域で売りやすい不動産をお持ちの方は、農業従事者などの特定の職種についている人に限らず誰にでも売却できます。

よって、市街化調整区域で売りやすい不動産をお持ちの方は、通常の不動産の売却方法と同じくまずは不動産の査定をして売りたい不動産がいくらで売れるのかを確認しましょう。不動産の査定は、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。

不動産一括査定サイトとは、複数の不動産会社と不動産の売却を検討している売主の間に入り、売主が一括査定サイト上で簡単な情報入力をするだけで、一括査定サイトが複数の不動産会社を紹介してくれます。

さらに、不動産一括査定サイトの利用は無料で、サイト利用後の不動産の査定や相談などのサービスすべてを無料で(費用はすべて不動産持ち)受けることができます。

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査定が終わると次は媒介契約を結ぶ不動産会社を選びます。不動産売却の流れを下記の記事にまとめましたので、土地の売却をする方は以下の記事をご覧ください。

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市街化調整区域で売りにくい不動産を売る方法

市街化調整区域の不動産を売る方法
市街化調整区域で売りやすい不動産をお持ちの方は一般の人に市街化調整区域を売却できます

しかし、中には売りやすい不動産ではないけれど、どうしても市街化調整区域を売却したい方もいらっしゃるでしょう。

どうしても市街化調整区域を売却したい方に向けて、市街化調整区域内の売りにくい不動産を売却する方法をご紹介します。

市街化調整区域で売りにくい不動産を売却する方法

  1. 市街化調整区域をほしいと思っている人を探す
  2. 買主が許可を取りやすい環境を作ってあげる
  3. 市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社に売却を依頼する

市街化調整区域をほしいと思っている人を探す

市街化調整区域をほしいと思っている人とは、市街化調整区域に無許可で建物を建てられる、または許可を取りやすい人でしょう。

開発許可・建築許可を取得するには、都市計画法34条各号の建物を建てる必要があり、各号に当てはまる建物を建てる買主は許可がとりやすく、市街化調整区域を買ってくれやすいでしょう。

市街化調整区域をどうしても売りたい際は、以下の人に声をかけてみると売りにくい市街化調整区域でも売れる可能性があります。

市街化調整区域をほしいと思っている人

  • 農業・林業・漁業従事者
  • 農産物加工業者
  • 市街化調整区域内で事業を展開したい事業者
  • 隣人
  • 今の建物をそのまま使う人
  • 市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社

農業・林業・漁業従事者

市街化調整区域内で農業・林業・漁業を営んでいる人は市街化調整区域の不動産を買ってくれやすいでしょう。

農業・林業・漁業従事者は市街化調整区域内に居住用の建物を建てる際、自治体から許可を取る必要もなく居住用の建物を建設できるからです。市街化調整区域は農地や森が多いため、特に、農業、林業を営む人は多いでしょう。

また最近では、農業が若者の間でブームになっており、脱サラをして農業をする若者が増えてきています。市街化調整区域は価格が安く、都市にも比較的近い農村地帯であるため、これから農業を始める人に人気があるものです。

郊外で野菜や果物などの生鮮食品を生産して、新鮮なうちに都市部に届けるスタイルも、大消費地に近い市街化調整区域では行いやすいでしょう。

市街化調整区域で農業・林業・漁業に従事している、またはこれから始めるという人がいたらぜひ、声をかけてみましょう。

農産物加工業者

市街化調整区域でも都市計画法34条各号を満たす建物であれば、開発許可がとりやすいと考えます。

そのような34条を満たす建物の1つが農林水産物の処理・加工・貯蔵で使用する建物です。
農林水産物の加工等で使用する建物とは、例えば近隣でとれた野菜や果物を使って野菜の缶詰や果物の缶詰を作る工場などが当てはまります。

このような農林水産物の加工等で使用する建物を建築したい農産物加工業者であれば市街化調整区域でも開発許可を取得して工場を建てられます。よって、農産物加工業者は有力な土地の購入者候補となるでしょう。

通常の人であれば建物を建てられない市街化調整区域であっても、農林水産加工業者であれば開発許可がとれる点がポイントです。
農林水産加工業者にとっては、建物を建てるのに許可が必要な市街化調整区域の土地と、許可なしで建物が建てられる土地とであまり違いがありません。

最近では、農林漁業者(1次産業)が農産物の生産だけにとどまらず、生産物の価値をさらに高めるために食品加工(2次産業)やレストランの出店(3次産業)にも取り組んでいます。これを6次産業と言います。
6次産業は地方創生の起爆剤にもなるため、農林水産省を先頭として国が促進を促しています。

市街化調整区域を売りたい方にとっては、この6次産業化の促進によって都市部の近くで農産物加工業を営みたい人が増える可能性もあるでしょう。
都市部に近い市街化調整区域であれば、農産物の生産から加工、そして消費地まで加工品を届ける6次産業の一連の流れが行いやすいものです。

市街化調整区域を売るときは、農産物加工のニーズがないかどうか探してみると良いでしょう。

市街化調整区域内で事業を展開したい事業者

市街化調整区域内で事業を営もうと考えている人も、市街化調整区域の不動産を買ってくれやすいでしょう。

市街化調整区域は事業用の建物であれば許可がとりやすいためです。

通常の人であれば開発許可を取れないような土地でも、事業を展開したいと考えて事業用の建物を建てる事業者であれば、開発許可を取得しやすく建物を建てられます。
つまり、事業用の建物を建てたい事業者にとって、市街化調整区域は通常の土地と同じです。

また、市街化調整区域の土地価格は市街化区域の土地価格と比べて非常に安く、土地を買う初期費用や固定資産税などのコストを抑えて事業を拡大させたいと考える事業主に需要があります。

具体的には、保育園、診療所、幼稚園、介護老人施設、食料品店、農機具修理工場、農産物加工工場、ガソリンスタンド、ドライブイン、コンビニエンスストアなどを営む事業者は建築許可がとりやすく、市街化調整区域を買ってくれやすいでしょう。

また、土地の上に建物を建てるという選択肢だけでなく、土地を資材置き場や駐車場として利用したい事業者もいます

資材置き場や駐車場として利用する場合は開発・建築許可を取る必要がないため、市街化調整区域を購入するハードルが下がります。

既に市街化調整区域で事業を行っていて、資材置き場・駐車場を必要としている企業がないか探してみると良いかもしれません。

おすすめの方法は、自分で土地活用して収益を上げられる仕組みを作ることです。どのくらいの費用がかかり収益はどの程度を見込めるか、「土地活用」に無料で見積もってもらうとイメージがつきやすいでしょう。活用プランも様々にありますので、無料で提案してもらうと良い活用プランを見つけられます。

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隣人

売りたい不動産の隣に住んでいる人も市街化調整区域を買ってくれやすいものです。

隣人が不動産を買ってくれやすい理由は2つあります。

1つめに、隣の土地を買って自分の土地の価値を上げたいと考える人もいるからです。

例えば、隣人の不動産が車の入れない不動産で駐車場がなく困っている場合や、幅4mの道路に2m以上接していない再建築不可物件、旗竿地を所有している隣人の場合、隣の土地を購入して不動産の価値を上げたいと強く希望しています。そのような隣人にとっては隣の土地はのどから手が出るほどほしい不動産です。

2つめに、隣人の不動産は排水施設がなく、あなたの不動産は排水施設がある場合、隣人は利便性のためあなたの不動産を買いたいと思っている場合があります。排水施設がない土地は開発・建築許可を得られないからです。

例えば、売りたい土地が下水の本管に接続できる土地でも、隣地が下水の本管に接続できない土地となっている場合があります。この場合、隣の土地の人は売りたい土地の購入により、下水の本管に接続でき開発許可が得られます。

市街化調整区域を売りたい場合は隣人にも声をかけてみましょう。

今の建物をそのまま使う人

売りたい不動産を増改築することなくそのまま使いたいと考えている人も市街化調整区域を買ってくれやすいでしょう。

市街化調整区域が売れない原因は建物が建てられないことにありますが、売りたい不動産をそのまま使いたいという人は開発・建築許可を受ける必要がないからです。

売りたい不動産が市街化調整区域になる前に建てられた建物であれば、許可なしで建て替えもできます。

ただし、注意しなければいけないのが、市街化調整区域に指定された後に建てられた建物です。

市街化調整区域指定後に建てられた建物を再建築する際は開発許可をきちんと受けて建てられた建物であっても、建物の使用者が第3者(買主)へと移った場合は用途変更をしたとみなされて新たに建築許可を取得しなければいけません

再建築をせずに売りたい不動産をそのまま使いたい人がいないか探してみましょう。

市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社

市街化調整区域が一般の人になかなか売れない場合は、不動産会社に買い取ってもらうのも一つの手です。

不動産会社に市街化調整区域を買い取ってもらう際は、市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社を選ぶようにしましょう

通常の不動産会社は価値の高くない市街化調整区域を買いたいと思わず、買取を依頼すると煙たがられる可能性があるからです。

市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社であれば、市街化調整区域の売買に慣れていて売却の自信があるために快く買い取ってくれます。

ただし、不動産会社に不動産を買い取ってもらう場合は、本来の売却価格から不動産会社が転売する際の販売料金や広告費用などが差し引かれます。仲介の場合と比べて買取価格は低くなることに注意しておきましょう。

不動産会社に不動産を買い取ってもらう方法をより詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

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買主が許可を取りやすい環境を作る

市街化調整区域を売るコツ
売主が市街化調整区域を買う買主のために、開発・建築許可を取得しやすい環境を用意すると市街化調整区域が売れやすくなります。

開発・建築許可を取得しなければいけないのは、市街化調整区域に建物を建てる買主ですが、売主が事前に自治体の担当者と協議をして許可をとれる保証を持っておくことで、買主は安心して購入できるでしょう。

具体的に、都市計画の許認可は行政書士の業務であるため、売主は行政書士に依頼して事前にどのような買主、どのような種類の建物であれば開発・建築許可を取得できるのか、自治体の担当者に確認しておくと良いかもしれません。

確認がとれたら、条件を満たす買主を探し、買主が決まり次第すぐに市区町村に許可申請ができるよう、必要書類の準備や売りたい不動産の測量を行います。

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このように市街化調整区域の売買を決心したら、買主の購入後の行動まで見越して行動すると買主の手間が省け市街化調整区域が売れやすくなります。

市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社に売却を依頼する

市街化調整区域は一般的に価値が低く、取引成約額も低いため通常の不動産会社は仲介を担当したくないと考えています。

よって、市街化調整区域で売りにくい不動産を売却する際は、通常の不動産会社に仲介を依頼しないほうが良いでしょう。

市街化調整区域の中でも売りにくい不動産を所有している方は、市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社に売却の依頼をおすすめします。

不動産会社の中には経営戦略上、通常の不動産会社がやらないことをやろうとあえてするべく、市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社も存在します。

市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社は市街化調整区域を買ってくれそうな買主の候補を知っていたり、自治体に許可を取る手続きに慣れていたりして、市街化調整区域を売る上で力強いサポーターとなってくれるでしょう。

また、市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社の中には、市街化調整区域を宅地として売る方法以外にも太陽光発電の設置場所として土地を売却したり、建築許可の取りやすい医療施設や墓地・霊園、高齢者施設を建設したりしてから売却する不動産会社もいます。

市街化調整区域の売り方のバリエーションが複数あると、売りにくい市街化調整区域であっても早く売りきることが可能です。

市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社は、「市街化調整区域 専門 不動産会社 ○○地域」でネットで検索すると探せます。

例えば、神奈川県の市街化調整区域を売りたい場合は「市街化調整区域 専門 不動産会社 神奈川」と検索すると株式会社セルフドアという市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社がヒットします。

市街化調整区域で売りにくい不動産をどうしても売りたい場合は、市街化調整区域の売買を専門にした不動産会社に売却を依頼しましょう。

市街化調整区域の土地を売却する際の注意点

市街化調整区域にある土地を売却する際には、いくつか注意点があります。
不動産会社へ売却の相談すると同時に、自分でも注意点を抑えて確認しておきましょう。

開発許可など建築制限を確認する

市街化調整区域にある土地でも、開発許可なしで建てられる建物や、立地基準を満たしていれば開発許可を得て建てられる建物が条例で定められています。

開発許可なしで建てられる(公益上必要な建築物)

  • 図書館、博物館、公民館など社会教育施設
  • 駅舎や営業所、組立工場など交通・運輸施設
  • 放送局や送受信施設など通信施設

立地基準

  • スーパーなど日常生活に必要な店舗
  • 観光資源の有効な活用に必要な施設
  • 農業用施設

また、自治体によっては、一定条件を満たしていたら建てても良い建物や、開発許可・建築強化を明確に定めているケースもあるようです。
売る際に、確認してみると良いかもしれません。

土地の種類や周辺の環境を確認

市街化調整区域にある売りたい土地は、どの地目(土地の種類)にあてはまるか、確認しておきましょう。

土地の種類によっては、建築だけでなく活用が難しかったり、周辺の環境によっては不便すぎて利用できなかったりするケースもあります。

開発許可や建築許可を得られそうかだけでなく、そもそも土地の種類は何か、周辺環境から開発に適しているか確認しておくと良いかもしれません。

建物があればいつ建てられた確認

市街化調整区域にある土地で建物が建っている場合、売却する前に建物がいつ建てられたものか確認しておきましょう。

また、どのような経緯で建物が建てられたか、調べておくこともおすすめします。

建物が建っているから売れやすい不動産だと思って売却したのちに、実は許可を得ずに建てられた建物であると発覚した場合、大変なことになる可能性も考えられます。
市街化調整区域にある土地なのに建物があるから売りやすい、と思って売却を考える際には、自治体や不動産会社に建物の建築に問題はないか確認しましょう。

市街化調整区域の不動産を売却したいなら一括査定を使う!

市街化調整区域は原則建物を建てられず、売りにくいものです。
ただし、すべての市街化調整区域が売りにくいというわけではなく、市街化調整区域でも売りやすい不動産と売りにくい不動産が混在しています。

市街化調整区域を売却するためには、所有している不動産が売りやすいのか売りにくいのかを知り、それぞれにあった売却方法を選択すると売却の可能性が見えてきます。

市街化調整区域の売却について誰かに相談してみたい方は、まずは不動産一括査定サイトを使って査定をするついでに、不動産会社に相談してみると良いかもしれません。実際に売却をしなくても、市街化調整区域にある不動産は売りにくいものですので、まずは所有している不動産に値段がつくのかどうか、値段がつけば売れるかどうか確認してみることをおすすめします。不動産会社への査定を依頼する際には、不動産一括査定サイトを使うと無料で査定を依頼できます。

HOME4U運営会社株式会社NTTデータ・スマートソーシング
運営開始時期2001年11月
対象エリア全国
累計利用者数700万人
提携会社数1,300社
同時依頼社数6社
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不動産一括査定を使ったら、価格に330万円の差がありました。