土地を売る時の全体像とこれだけは知っておきたい5つの注意点

売却時の注意点

土地などの不動産の売却は

  • 一生に何度も行わない
  • 検討から完了までの期間が長い
  • 動く金額が非常に大きい
  • 一点物なので、売り方次第で金額に差が出やすい

といった特徴があります。

絶対に失敗したくない不動産売却、必ず成功に繋がるよう、
土地を売却する時に何をすればいいのかの全体像と、その際の5つの注意点を整理しました。

後半では今土地を売るか迷っている人向けに、今後の相場の見込みについても記載しています。

土地の売却についてはここだけ読めば大丈夫、と言えるようにまとめました。

不動産売却は失敗が多いと言われていますが、その多くは情報不足に寄るものです。

土地をお持ちの方なら読んでおきたい内容です、ご一読ください。

この記事の目次

1. 土地を売る際の全体の流れ

まずは土地を売却する際の全体像を掴みましょう。

土地を売ろうかな、と思ってから売り終わるまでに何があるのか、
そもそも土地売却の終わりとはどこなのか、
全体感を掴んでいれば失敗を避けやすくなりますし、注意点も理解しやすくなります。

土地の売却は以下のステップで進めます。
それぞれのステップの注意点と合わせてご確認ください。

1.1 土地を売る目的と理由の整理

土地のような不動産の売却ではかかる期間が長く、また動く金額も大きいです。
一方で不動産は一点物のため、売却の途中で

・この価格で決めていいのか
・本当に売っていいのか

と迷うケースも出てきます。

そのような場合に困ったり迷ったりせずに済むよう、
売却に際しては必ず目的と理由を整理しておきましょう

土地売却の意思決定者が複数人いる場合はその中で認識を合わせて置くことが大切です。

売却活動を本格的に初めてしまうと、立ち返りづらくなります。
必ず最初に行いましょう。

1.2 査定・土地の売却相場の把握

具体的な行動の初期に大切なのは「相場がいくら位なのかを把握する」ことです。
相場を把握しなければいくら位で売るのが妥当なのかがわかりません

目安の価格を把握することで、売却価格の目処をつけましょう。
これがわかっていれば、不動産会社選びや、売買交渉の際に自信を持つことができます。

不動産では過去の取引事例や、地価が公開されています。
国土交通省の提供する土地総合情報システムでは、
全国の不動産取引事例・取引価格や、地価を誰でも調べることができます。

実は土地は「一物五価」と言われるほど、多くの価格とその調べ方があります。
売却価格の他に、税評価などの際にもそれぞれ違った評価額が使われます。
詳細はこちらの記事をご覧ください。

土地の評価額には様々な指標が有り、「一物四価」あるいは、 不動産鑑定士の鑑定による鑑定評価額を加えて「一物五価」と言われたりします...

ただし、土地価格の公開情報では相場を掴める一方、それが自分の土地にも当てはまるとは言い切れません。

そのような場合に有効なのが、不動産会社の査定です。

特に複数社に一括査定を依頼すれば、複数の価格が提示されるため、
概ね妥当な価格を知ることができます

不動産会社の査定というと面倒に感じるかもしれません。

しかし実は、WEBサイトから簡単に申し込むことが可能です。
まずは相場を把握したいだけの場合、訪問のない「机上査定」だけでも大丈夫です。

一括査定サイトでは、HOME4UすまいValueなどが有名です。

HOME4UはNTTが運営しており、提携不動産会社は厳選されています。
大手、安心、といったキーワードを求める方はHOME4Uでの査定がお薦めです。

また、大手6社のみが集まっているすまいValueへの査定依頼もよいでしょう。

契約する不動産会社選びにも役に立ちます。
このタイミングで査定を依頼し、価格相場を把握しましょう。

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1.3 土地の仲介を依頼する不動産会社の選定

ここまでくれば次は具体的な契約です。通常は仲介契約を行います。

不動産会社を1社、もしくは複数社選び、契約を行います。
この契約の際の注意点については後ほど詳しく書きます。

・早く現金化したい
・通常の仲介では売れそうにない

という場合は、不動産会社に直接土地を引き取って貰う
不動産買取という方法もあります。

不動産買取については、以下の記事に詳しく書いています。

家や土地などの売却を検討する場合、不動産会社に仲介として依頼するのが一般的です。しかし、急な転勤などで売却を急いでいる場合には、買取も考えられます。一般的な仲介の売却に比べると、買取は売却までの期間が短い、すぐに現金化できるという特徴があります。メリットが大きいようにみえますが、ここには陥りやすい注意点があります。

仲介の場合も不動産買取の場合もここまでの流れは同じです。
ここから先は「仲介」の場合を基本に書いていきます。

1.4 売却開始

実際の売却の活動です。
あとは買主が現れ次第交渉・契約となります。
契約した不動産会社と売り出し価格を決定しましょう。

どれだけ早く売りたいか、値下げをするかなどを考慮しながら、
ここまでに調べた「相場価格」「査定価格」を基準に決定します。
不動産会社の意見も参考にすべきですが、最終的に価格を決めるのは売り主です。

また、買主は購入前に実際に土地を見に来るケースがほとんどです。
見栄えが悪くないよう、木や草の手入れ、ゴミがないかなどは確認し、
必要に応じた清掃を行いましょう。

1.5 買主(購入希望者)との交渉

買主(購入希望者)が現れた場合は具体的な交渉を行います。
売り主・購入希望者がそれぞれどのような点を重視するかによって交渉の中身は変わります。
最も大きな争点は価格になりがちですが、それ以外もしっかり話し合いましょう。
事前に

・譲っても良い点
・譲れない点

を明確にした上で、はっきりと意思表示をするほうがスムーズに交渉が進むことが多いです。

1.6 物件情報の開示

前段の交渉から契約の間に物件情報を具体的に開示します。
その際重要になるのが「重要事項説明書」です。
契約の際にはこちらを元に説明(実際には不動産会社が行います)することが義務となっています。

物件の広さや状況、境界線などについて詳しく情報を記載するものです。
ここでの情報の開示が不十分であったり、売主と買主の間に認識の齟齬があると後々のトラブルに繋がりがちです。
情報はしっかりと、全て提示しましょう。

1.7 売買契約の締結

ついに売買契約の締結です。
多くの場合このタイミングで「手付金」が支払われます。
契約は専門的な内容も多く複雑なので、不動産会社の支援を受けましょう。

1.8 引き渡し

いよいよ引き渡しです。
通常は引き渡しのタイミングで残金が入金されます。
引き渡しと言っても対象が土地ですから、土地を実際に渡すわけではありません。
引き渡し当日に、法務局で、売主から買主への所有権移転登記を申請し、
登記上の所有者を変更して引き渡しが完了です。

1.9 確定申告

本的な土地売却の流れは引き渡しで完了です。
一方で、大半のケースに置いてはその後、売り主側でも税務関連の対応をする場合がほとんどです。
売却益が発生した場合など、翌年に確定申告を行う必要があります。

売却契約の締結と引き渡しが完了すれば一段落、息をつきたい所ですが、
しっかりとその後の残対応も抜け漏らさないよう、ここまでを土地売却の流れとして意識しておきましょう。

以上が土地売却の流れです。
ここまでの内容を踏まえて、土地売却時に失敗しないための注意点を5つについて見ていきましょう。

売却時の注意点

2. 注意点①:物件について

売却対象の土地は、商品として市場に流通します。
売主としては自分の商品について理解が不可欠です。
できれば不動産会社任せにせず、自分でも物件の特徴を知っておくと役に立ちます。

2.1 現況と登記内容は異なることがある

土地の場合、物件の現況と登記内容は異なることがあります。
特に多いのは地積(土地の面積)です。
地積が異なれば当然に境界も異なってくるため、そのまま売るとほぼ確実にトラブル含みです。

正確な地積は測量しなければわからないので、とりあえず法務局で地図(公図)を取ってみると、隣地との境界や土地の形状を確認できます。
明らかに現況と違わないか、あらかじめ確認しておくべきでしょう。

また、家つきの土地の場合は家に登記されていない増築があると、現況と登記内容は変わります。

表題部変更登記には義務があるため、登記していないと法令違反ですが、それ以前に買主から登記を求められるはずです。

増築部分が登記されていないと買主が融資を受けられません。
現況と登記内容が異なる状況は、正しておくことが必須です。

登記簿上と現況が異なるケース

2.2 購入時と法律が変わっている場合も

建築物の法律である建築基準法は、歴史的に何度も改正が行われており、その度に建築基準も変わっていきます
しかし、法律の施行前から建っていた建物にまで現行基準を適用するのは、あまりにも負担が大きく、建築当時に適法であれば、現行法でも適法とされる運用です。

その結果、日本中の至るところで、基準の異なる建物が存在するようになり、現状を維持している限りは問題になりませんが、一度建物を取り壊してしまうと、もはや現行基準でしか建物を建てられなくなります

現行基準を適用すると建てられない土地、建てられるとしても以前より小さな建物しか建てられないケースもあるため、自分の土地が現行法でどのような扱いになるか、売る前に確認しておきたいところです。

建築基準法による制限

2.3 そのままで売れるとは限らない

土地の境界については、測量して境界確定するべきですが、古い家の場合でもリフォームや解体して売ることを、不動産会社から勧められるかもしれません。

キレイな家や、更地の方が売れやすいのは確実でも、リフォームや解体には費用がかかります。
その費用の分だけ高く買ってもらえるなら良いですが、手を加えて高くした結果、売れない場合には困ってしまいます。

買主が手を加えた物件を欲しがるのか、買主が自分で手を加えたいのか、事前に知ることは不可能なので、リスク回避で考えると買主に任せた方がメリットは大きいです。
リフォームや解体はせずに、その費用の半分でも値引きすると喜ばれるでしょう。

売却時のリフォームや解体について
特に悩ましいのが家としての評価額がないような古い家が建っている土地です。
このような場合に古家を解体やリフォームするべきかどうかはこちらの記事でもまとめています。
古い家つきの土地を売ることを考えている方にはご参考になるはずです。

2.4 抵当権が付いている場合はローンの完済が原則

土地や家を売った売却代金に自己資金を加えてでもローンを支払うことができないと、原則として不動産を売ることはできません。

ローンが残っていると、家や土地には抵当権という権利が設定されています。
この抵当権は、ローンを借りた金融機関がローンの保証としている権利で、ローンの滞納が続くと、抵当権によって家や土地が差し押さえられます。

抵当権を残したまま(ローンを残したまま)で家や土地を売ろうとしても、買主は差し押さえられる危険がある物件を買おうとしないでしょう。
売却代金のすべてが手元には残らないので、ローンを完済できる資金計画が大切です。

ローンが残ったままの家を売れるのかどうか、ローン完済が難しいと思われる方がこちらの記事をご参照ください。

ローン中の家には抵当権が付いており、滞納すると金融機関は差し押さえて売ることができます。これが外れるのは完済した時で、つまり全額返済が売却の条件となるのです。

3. 注意点②:売却価格について

土地を売るときに一番気になるのは、やはり売却価格です。
できるだけ高く売りたい、というのは売り主共通の希望でしょう。
家も含め、購入したローンがある場合は最低でもローンが払える価格で売りたい、できればプラスにしたいというのは、売主なら多くの人が思うことです。
しかし、現実はそれほど甘くはありません。

3.1 査定価格は売れる価格ではない

土地売却の流れでも書いたように、土地を売るときには、不動産会社に売却査定を依頼することになります。

しかしながら、仲介を前提とした査定価格は不動産会社が考える「売れそうな」価格であって、実際に必ず売れる価格ではありません。
しかも、この場合の「売れそうな」とは、本当に売れそうな価格ならまだしも、売れそうだと思わせて、媒介契約を誘うための営業的な価格かもしれません。

本当に売れそうな価格なら、相場的な価格になって市場の反応もあるのですが、営業的な価格に引っかかると、高すぎて反応がなく売れ残ります。
査定価格は売却を保証する価格ではないので、勘違いしないようにしましょう。

査定価格と売れる価格

それでも、査定価格はどのくらいで売れそうか目安になる価格であり、相場を把握しておくためにも査定は必要なプロセスなのです。

特に1社だけに見積もりを依頼している場合、このリスクは大きくなります。
できるだけ妥当な査定価格を算出するために、複数社への査定依頼を徹底しましょう。

不動産の取引は一度切り、あとで後悔しても遅いので、できることは全てしておく、という心構えが大切です。

一括査定において、明らかに高すぎる・安すぎる査定価格を省いて考えるのも有効でしょう。

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3.2 早くと高くが両立できるケースは極わずか

不動産市場における「早く売れる」と「高く売れる」は、相反する関係にあります。
安いものから早く売れていくのは、不動産でも別な商品でも同じです。

一般的に「高く」売る、と考える時、家や土地の持つ価値よりも高い価格で売れて、いわゆる「儲かる」ことを意味するでしょう。
そのような状況は、多くの土地の価格情報が流通している現在はなかなかありません。

相場価格を基準にすると、価格を高くすれば売れにくくなり、安くすれば売れやすくなりますから、どうしても欲しいと言い出す人が現れない限り、早く高くは難しいです。

価格と売却にかかる期間

3.3 仲介と買取

不動産の売却には、仲介と買取があって、仲介は不動産会社に買主を探してもらい、成約すると手数料(仲介手数料)を支払う売却方法です。
買取は不動産会社に買い取ってもらうので、仲介とは異なり手数料はありません

手数料だけでは、買取の方が有利なように思えますが、仲介で売る価格を市場価格とすると、買取価格はその6割程度が相場と言われ、価格面では仲介が有利です。
ところが、仲介は買主がいなければ、いつまでも売れないリスクを伴います。

仲介と買取のメリットデメリット

売却に期限がないときは、仲介で長期間売り出すこともできるのですが、事情によっては期限が決まっていることもあります。
そのような場合は、価格を犠牲にして買取を利用する選択肢もあります。

また、仲介と買取のメリットを両方生かすため、組み合わせることも可能です。
例えば、最初は仲介で売り出し、徐々に価格を下げながら、数ヶ月間売れなかったら買い取ってもらう方法で、このような売却方法は買取保証と呼ばれます。

4. 注意点③:売却にかかる費用について

買主が支払う売却代金は、当然に売主の収入になるものですが、売却には費用がかかり、残るお金は減るので、収支の把握が必要です。
費用で大きいのは仲介手数料で、その他にもケースに応じて費用がかかってきます。

4.1 仲介手数料

不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料は、宅地建物取引業法(宅建業法)で定められており、その上限も決められています。

売れない場合は仲介手数料を支払う必要はありません。
ただし、売主が独自に高額な広告を依頼するなど、売主の承諾において行う特別な営業行為については、実費請求が認められています。

仲介手数料の上限は売却価格によって異なりますが、400万円を超える場合は以下の速算式が便利です。

仲介手数料の速算式

仲介手数料=売却価格×3%+6万円(消費税別)
※売却価格が400万円を超える場合

4.2 税金

土地を売るときの税金は、売却益(譲渡所得といいます)が出ると高い税率で課税されるので、売却価格次第で大きく変わります。
他の税金は、費用全体としては小さいもので、気にするほどではないでしょう。

具体的に気になる方は、土地を売る場合以外も含めた、不動産に関する税金の整理をご覧下さい。

購入では家賃との比較材料として、相続では維持費として、税金の話になります。そこで今回は土地と家にかかる税金の種類と特徴、調べ方、そして計算方法と順に解説します。

印紙税

必ず納付する税金で、売買契約書に貼りつける収入印紙で納付します。
契約金額(売却価格)で金額は変わりますが、高くても数万円です。

登録免許税

登記で発生する税金で、所有権移転の登記費用は、買主負担が通例です。
そのため、売主が登録免許税を負担するケースは、ローンがあって抵当権が設定されているときと、登記簿上の住所が現住所と異なる場合です。

また、税金とは異なる費用ですが、上記の登記は司法書士に依頼するので、司法書士報酬で最低1万円程度かかります。

登録免許税

抵当権抹消登記:不動産1つにつき1,000円
住所変更登記:不動産1つにつき、固定資産税評価額の2%
※司法書士に登記を依頼すると+1万円~がかかる

抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税 | 法務省

登録免許税の税額表 | 国税庁HP

譲渡所得税

税金で高額になるとすれば、売却で利益が出た場合の譲渡所得税です。

売却益には譲渡所得税(所得税と住民税)が課税され、不動産の所有期間が5年以内と5年超に応じて税率が異なります。

保有している土地が入手時より値下がりしている場合は売却益が出ないので、譲渡所得税を心配する必要はないのです。

しかし、不動産の取得費(購入金額から購入費用を引いた額)が不明なときは、売却価格の5%が取得費となり、大半が売却益になってしまいます。

自分で購入した家や土地なら、契約書などで取得費は判明しても、相続した場合に取得費不明になることが多く、売却益も多くなって譲渡所得税が高額になりがちです。

譲渡所得税は、家や土地を売却した翌年の確定申告で納付します。

そこまでは土地の登記移転が完了しても気を抜かず、書類を整理して、手続きを漏らさないようにしましょう。

譲渡所得税

所有期間5年以内:所得税30%、住民税9%
所有期間5年超:所得税15%、住民税5%(所有期間10年超のマイホームは6,000万円まで軽減あり)

4.3 その他の費用

家や土地を売るためには、売れる状態にするための費用がかかることもあります。
現状渡し(そのままの状態で引き渡すこと)ができれば一番よいのですが、手を加えた方が売れやすくなる場合や、買主の要望でも変わってきます。

土地の場合

一般的に、土地はそのまま売ることができると思いがちですが、測量をして売らなくてはならないケースが2つあります。
1つは、現状の地積(土地の面積)が、登記簿上の地積と異なるときで、売買は登記簿上の地積を基準にされるので、実測の地積が広くても狭くても問題が起こります。

登記簿上の地積<実測の地積:売主が実際より狭い土地として安く売ることになる
登記簿上の地積>実測の地積:買主が実際より広い土地として高く買うことになる

もう1つは境界が不明瞭なときで、境界トラブルは誰でも嫌うため、土地(建物があっても)を売るときに境界確定は必須の作業です。
その際は、測量図を元に隣地の所有者と協議するため、測量が必要となるのです。

家の場合

仮に現状渡しでも、傷や汚れが目立って、内覧時に印象が悪くなる程度になると、ハウスクリーニングを必要とします。
リフォームして綺麗にすることもありますし、リノベーションをして大がかりに手を加え、付加価値を高めて売る場合もあるでしょう。

費用が高額になると、売却価格に上乗せして売るのですが、必ずしも市場の反応がよくなるとは限らず、自腹で手を加えることもあります。
また、古すぎて家の価値がまったくないときは、解体して土地を売る方法もよく使われます。

測量や境界確定は、土地家屋調査士に依頼するのですが、費用は数十万円かかるのが普通で、代々受け継がれたような土地ほど、境界確定にも時間がかかります。

家の売却についてはこちらをご覧ください。

ほとんどの人にとって、人生の中で家を売る回数はそれほど多くないでしょう。 そもそも、家を買うときの動機が定住を前提としていますし、予定外の転勤、実家の相続などなければ、売る機会は少ないからです。ここでは、家の種類や、売却の理由、個別の事情などにより、どのような点に注意すべきか、1つずつ具体的に解説していきます。

5. 注意点④:不動産会社について

不動産会社に売りたい家や土地を広告してもらい、購入希望者を仲介してもらうための契約を、媒介契約と呼びます。
知り合いに売る場合を除くと、自分で広く購入希望者を探すのは難しいので、不動産会社との媒介契約は避けて通れません。

媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類あります。
専属専任媒介が最も契約に拘束され、一般媒介が拘束の緩い契約です。

【専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の比較表】

複数契約定期報告契約期間直接取引
専属専任媒介契約できないあり3ヶ月できない
専任媒介契約できないあり3ヶ月できる
一般媒介契約できる規定なし規定なしできる

多くの場合選ばれるのは専属専任媒介か専任媒介でしょう。
複数の不動産会社と契約する一般媒介は、不動産会社を信頼できないときや、不動産会社同士で競合させたいときに利用されます。

5.1 専属専任媒介と専任媒介は担当者次第

1社の不動産会社に仲介を任せてしまう専属専任媒介と専任媒介は、やる気のない担当者にあたってしまうと、積極的な営業が期待できず売り遅れてしまいます。
とはいえ、不動産会社の営業活動までは、売主が詳しく知ることはできません。

しかし、専属専任媒介は1週間に1回、専任媒介なら2週間に1回の定期報告が義務付けられており、報告期間に行った営業活動や問い合わせの有無を知ることは可能です。
いつまでも市場から反応がない場合は、対策を考えるよい機会になるでしょう。

不動産会社や担当者に信用が置けないなら、そもそも契約を解除して別な不動産会社と契約するべきですが、不動産会社を変えずに一般媒介に変更して、他の不動産会社と契約するのも1つの方法です。

専任媒介と一般媒介

5.2 大手不動産会社がよいとは限らない

最初に媒介契約を結ぶ不動産会社は、知名度が高い大手不動産会社になりがちです。
実績が豊富であることは、同時に抱えている顧客も多く、ノウハウも蓄積されているので、信用できる大手不動産会社があるのも確かです。

ただし、不動産の仲介業界では、売主と買主の両方を1つの不動産会社が仲介する、「両手取引」と呼ばれる取引を目指したいのが不動産会社の本音です。
両手取引では、売主からも買主からも仲介手数料が得られるため、1つの物件で2倍の手数料を得られる両手取引は、不動産会社にとって「おいしい」からです。

両手取引と片手取引

両手取引に法的な問題はありませんが、問題とされているのは、意図的に両手取引を目指して、他社からの問い合わせを遮断する「囲い込み」と呼ばれる営業があることです。
囲い込みをされると、依頼した不動産会社が買主を見つけない限り売れません。

囲い込みの例

囲い込みは、早く売りたい売主の意向を完全に無視して、自社の利益のために不動産会社が勝手にする行為で、次のような方法が使われます。
大手不動産会社ほど扱う物件数が多く、囲い込みの割合も高いと言われています。

レインズに登録しない・登録を削除

専属専任媒介と専任媒介には、不動産会社だけが閲覧可能な、レインズ(不動産流通標準情報システム)という全国的な業界データベースへの登録義務があります。
登録しない不動産会社は、法令違反になってしまうので、登録しない場合は問題外ですが、登録したとしても削除することは可能です。

レインズに登録すると登録証明書が発行されるので、不動産会社から登録証明書を受け取った記憶があるのではないでしょうか。
しかし、裏で削除されていても知らされないので、本当にレインズで全国に情報が広がっているかどうかは定かではありません。

商談中にして対応しない

レインズに登録していても、他社からの問い合わせに対して、商談中を理由に依頼した不動産会社が対応しないケースです。
もちろん、実際には商談など行われておらず、両手取引を実現するための方便です。

これは以前から問題になっていて、いわゆる紹介拒否なので、レインズ側でも禁止規定を設けるなどして対応してきました。
しかしながら実効性に乏しく、都合の良い断り文句として、現在でも横行しています。

他社の広告を不可にする

レインズには登録しても、他社の広告を制限することは可能です。
建前としては、売主が近所に知られたくないなど事情がある物件に対応するためです。

しかし、レインズは不動産会社しか見ることができないため、広告不可になると、不動産会社が抱える顧客程度にしか拡散されません。
必然的に、それだけ売れにくいという結果を生み出します。

広告不可には、紙媒体を不可にする、インターネットでの掲載を不可にする、不動産会社の自社サイトだけ許可し、ポータルサイトは不可にするなど種類があります。
いずれであっても、売却を依頼した不動産会社の都合で広告が制限されているだけです。

6. 注意点⑤:売買契約後の注意点

これまで説明した以外にも、家や土地を売るときには多くの注意点があります。
ケースバイケースの注意点をすべて説明するのは難しいですが、普通は起こりにくい事態も想定しておくべきです。

6.1 契約破棄にはお金がかかる

無事買主が見つかり売買契約を結ぶと、買主から10%前後の手付金が支払われます。
物件の引き渡しまで何もなければ、手付金は売却代金の一部として扱われ、決済時は残金の精算になるだけです。

しかし、途中で事情が変わり、売主から契約を解除したいときは、買主から受け取った手付金を返すだけではなく、さらに同じ金額を買主に支払います。
もし買主都合で契約が解除される場合は、買主が支払い済みの手付金を放棄するので、どちらの都合で契約を解除しても、手付金を損することになります。

契約破棄時の手付金

6.2 買主がローン審査に落ちると白紙解除になる

不動産は高額なので、買主はローンを利用して購入資金を用意するのが普通です。
ローンの利用自体は問題にならないのですが、ローンの審査には売買契約書を必要とする性質上、先に審査を受けてから売買契約することができません。

そのため、売買契約後にローンの審査に落ちてしまった場合、買主が支払いをできなくなってしまう可能性が残ります。
ローンの審査に落ちた買主に対し、契約どおり代金の支払いを請求するのは、あまりにも酷ですし、現実として支払いができないでしょう。

このようなケースに備えるため、不動産の売買契約では、ローンの審査に落ちたら契約を白紙解除できる「ローン特約」と呼ばれる特約を付けておきます。

ローン特約

ローン特約の存在は、売主にとって何のメリットもないですが、ローンを利用したい買主は、ローン特約を付けないと売買契約を結んでくれないので仕方がありません。

6.3 瑕疵担保責任がある

瑕疵担保責任とは、売主が知り得なかった物件の不具合(瑕疵)について、買主に物件を引き渡した後も、瑕疵に対して責任を負うことです。
民法上は、買主が瑕疵を知ってから1年間は、売主の責任を追及することができます。

しかしながら、長期間経過した後でも売主が瑕疵担保責任を負うのは、不利益が大きすぎる点を踏まえて、一般には瑕疵担保責任の期間を売買契約で定めます。
期間は買主との協議次第で、通常は数ヶ月から1年程度でしょう。

瑕疵担保責任の例

なお、瑕疵担保責任の期間を定めても、売主が知りながら隠していた瑕疵は、期間経過後も責任を免れることはできず、売主は誠実に買主へ瑕疵を伝える必要があります。

7. 相続や離婚などで土地を売る場合の注意点

土地を売る状況には色々な場合が考えられます。
多いのは、自分が購入したものではなく、相続した土地を売却するケースです。
また、この場合は家付きのケースが多いはずですが、離婚で家を売るケースがあるでしょう。

それぞれのケース特有の注意点について記載します。

7.1 相続で土地を売る場合の注意点

相続財産として最も多いのは土地

相続財産として最も多いものは何かご存知でしょうか。
それは「土地」です。

年々比率は下がっていますが、2018年に発表された最新の統計でも土地は、現金や預貯金を押さえ、相続財産に占める比率が1位です。

一方で、実家や田舎の土地や家を相続してもそこに住まず、土地を売るケースは多いでしょう。
そのような場合の注意点を記載します。

参考:国税庁平成29年分の相続税の申告状況について

関係者間の意思統一が重要

相続で土地を売る際に問題になりがちなのが、土地が複数の被相続人の財産になっているケースです。

相続する不動産が被相続者一人だけのものにならない場合、
どのようにその価値を分割するかが問題になります。
そのような場合「不動産を売却してその金額を全員で分ける」ことが良く行われますが、
その際の関係者間の意思統一が非常に大切です。

  • 不動産をどのようにわけるのか
  • 売るとしてどのような方法で売るのか
  • いくらで売るのが妥当か
  • どの不動産会社に依頼するか

等意見の相違が出るポイントは沢山あります。

そのような場合に毎回意思統一に時間がかかると、心身ともに負担が大きくなります。

できるだけスムーズに意思統一できるようにしましょう。
共同相続の場合、代表者を決める方法である程度回避できます。
また、何か決め事がある度に議論するのは煩雑です。
初期に大事なポイントは決めておき、それ以外は代表に一任するのがおすすめです。

相続税の取得費加算の特例により譲渡税負担を減らせる

相続した家であっても売却益が出た場合は税金を納める必要があります。
ただし、相続税を支払った場合、
「相続税の取得費加算の特例」
により、相続税の一部を取得費に織り込み、譲渡税負担を軽くすることができます。

土地の売却により譲渡益が発生し、所得税や住民税を支払う場合は、この制度を使った方が必ずお得です。

相続した家を売る場合は必ずこの制度を使うことにしましょう。

7.2 離婚で土地を売る場合の注意

離婚をする際に住んでいた家や土地が買ったもの場合、家と土地を売ることもあるでしょう。

特に、家や土地は大きな資産ですから、離婚の場合、家や土地を売って財産分与の対象とすることが多いようです。

家と土地を売る際には「オーバーローン」に注意

家と土地の売却価格 < 住宅ローンの残債

の場合は「オーバーローン」と言われます。

この場合家と土地を売っても借金は残ります。
家が結婚後に買ったものであった場合は、そのローンは財産分与のマイナス分として計算に入ることが多いようです。

ローンを支払ったうえでもプラスの財産があり、
それを分けられるならいいのですが、
離婚に際して家や土地を売っても住宅ローンが返済しきれないというケースもあるようです。

前にも述べたように住宅ローンを完済していない=抵当権がついている家は売れません。
つまりこのような場合では家や土地を手放したくても通常の売却ができないのです。

このような場合には任意売却という方法を取ることがあります。
これはローンの債権者と相談して、完済なしに抵当権を外してもらう方法です。

ローンを払えないと、競売になってしまう可能性がありますが、
競売では売値が安くなってしまいます。

そうなる前に、住宅ローンの返済を一部諦める代わりに、
通常の売却にしよう、というのが任意売却です。

離婚の際にはローン残高に注意してください。

8. 今後の土地価格の見込みと2022年の生産緑地問題

最後に、土地の売却を迷っている人向けに今後の土地の売却価格に大きな影響を与える可能性のある問題についてご説明します。

8.1 2022年の生産緑地問題とは

「2022年の生産緑地問題」をご存知でしょうか。
1992年に改正された生産緑地法の中で、農地を生産緑地とすると、原則として宅地にできない代わりに、固定資産税が優遇される、という制度です。
そしてその指定期間は30年間、つまり2022年に多くの土地の生産緑地指定を解除できるようになります
すると多くの土地が住宅用に供給される可能性があります。
土地の価格や住宅の価格は需要と供給で決まります。

人口減が続き、需要も頭打ちに近づく中でこうして供給が増えると土地価格が下落するのではないか
そのような懸念が挙げられているのがこの2022年の生産緑地問題です。

8.2 東京や都市部の土地価格に影響する可能性

そして、実は「農地」という響きとは裏腹にこの生産緑地は都市部に多く存在しています。
最も生産緑地が多い都道府県はどこでしょうか。

実は東京都です。

そしてそれ以外にも生産緑地は大都市圏近辺に集中しています。
このエリアで大量の土地が供給された場合、土地の相場が下落する可能性があります。

実際には、生産緑地が開放される2022年に土地の価格が下がるのか、
専門家の間でも見解は分かれています。

ただし、この要因により価格が上昇することはありません
下がるか、下がらないか、下がるとすればどれ位下がるのか、というのが意見の分かれ目です。

もし今後の土地の価格相場が下落するなら、その前が売り時である、
ということになります。

将来のことは確実には予測できませんが、状況は認識しておきましょう。

また、今後を考える上では、
たとえ今すぐ土地を売るつもりがなくても、「現状だと土地がいくらで売れるのか」は把握しておくべきです。
それが十分な価格なのであれば、先のリスクを負わず、早めに売却するのも一つの手です。

改めてこのタイミングでの一括査定をおすすめします。

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まとめ

土地は、買うときにも費用や税金がかかり、売るときにも費用や税金がかかります。
金額が大きいだけに、甘く考えていると重大なトラブルを引き起こします。

費用の問題以外にも、査定から不動産会社の選定、法律的な問題、契約関係の決まりごとなど、覚えておきたい知識はとても多いです。
ところが、人生に何度も家や土地を売る人は少ないので、慣れるものではありません。

うまくいかない事例も多い不動産の売却ですが、すべてを不動産会社任せにせず、トラブルに巻き込まれないように自分でも知識を蓄えておきましょう

また、繰り返し書いているように、土地については様々な価格情報が出ていますが、一点物としての不動産価格はやはり最終的には売買でしか決まりません。

正確な相場に近いものは、その物件毎に査定しなくてはわかりません。
特に、土地については「そのまま居住する」という用途が明確な戸建てやマンションなどの家と異なり、「その後どう活用するか」によって価値が変わる=人に寄って評価額がブレることがあります。

複数社に査定を出せば妥当な価格が出せる、かつ市場原理も働きますが、
なんとなく1社だけで売却をすると損をしてしまう可能性もあります。

土地の売却を検討している場合や、2022年の生産緑地問題が気になる場合、
まずは早期に土地を売却する場合の価格相場を確認しましょう

2022年の生産緑地問題についての詳細はこちらの記事もご参照ください。

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1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)または人口が多い地域の不動産の場合、大手企業6社が集まった「すまいValue」も合わせて検討するとよいでしょう。



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