土地を相続したときの手続きについて解説。活用方法もさまざま

相続が発生した際は、現金のみとは限らず土地や住宅などの不動産が含まれている場合があります。しかし、相続した不動産を売却したくても、相続登記を行わないと売却することはできません。
また、相続登記せずに放置しておくと固定資産税の支払いが滞るなど、後に相続人同士でトラブルに発展するリスクも生じます。そのため、土地の相続が発生したらまずは速やかに相続登記が必要です。ここでは、土地を相続したときの手続きについて解説していきます。

1. 土地を相続したら早めの手続きが必要な理由

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早めの手続きが必要な理由として相続後、放置している際に瑕疵(不具合)で他人に損害を与えた場合、民法第717条によって損害に対する賠償責任を負います。特に土地の放置の場合は、庭木が敷地からはみ出たことによる損害、不法投棄や害虫・害獣・犬猫等が棲みつくことによる異臭・悪臭が該当しやすいため注意が必要です。

固定資産税と同時に、放置し続けるリスクは意外と大きいため、思わぬときに露呈してしまうととても面倒でいざというとき売却できない状況になります。また、放置し続けると更に子どもの世代に引き続くことになります。負の遺産を残さないためにも、直視して今のうちに処分のための行動を起こしましょう。

土地を相続した場合は、所有者の名義を変更するための「相続登記」を行う必要があります。ここでは、速やかに相続登記をする必要性について、順に解説していきます。

1.1 売却できないという問題点

土地の所有者を移転する手続きである「相続登記」は、わかりやすく言うと「名義変更」のことを指しており、管轄の法務局での手続きが必要になります。

また、生前贈与の場合は、どのように活用するかということを相続人同士で事前に協議する時間があります。しかし、土地の所有者が亡くなったことが原因で突然相続することになった場合は、遺言書がなければ活用方法の糸口がすぐに見つからない可能性も考えられます。

いずれにしても、まずは相続登記をしておかなければ、売却するなどの活用ができません。また、土地をそのまま放置しておくことで、ゴミの不法投棄や害虫が発生し近隣住民からクレームが出るというリスクも生じるため、速やかな手続きが必要だと言えます。

1.2 土地の資産価値が下落する可能性も

土地は建物と異なり、減価償却費を算出する際の法定耐用年数が定められていないため、建物よりも資産価値が下落しにくい傾向にあります。ただし、経済情勢や周辺エリアの状況によって地価は変動しており、高い資産価値を維持できるとは限りません。

売却を検討していたとしても、駅からの距離が遠いなど立地条件が悪い場合、なかなか買い手が現れないという状況になりかねません。
そのため、売却を検討している場合は、できるだけ資産価値の高いうちに売却することをおすすめします。

土地を売却する際には、その土地のある地域の地元の不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。
相続の場合、相続された土地が今自分で住んでいる地域と異なるケースが多いです。

このような場合、一括査定サイトを活用して複数のその土地の不動産会社に査定を依頼することができます。
土地の位置や広さなどから、査定額を簡単に出してくれたり、実際に見にいってもらってより正確に査定をしてくれたりできます。

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1.3 固定資産税がかかるという問題点

土地や住宅などの不動産は、毎年1月1日時点の所有者に対して、固定資産税や都市計画税が課せられることになっています。
そのため、相続した土地を放置していても、その期間は継続して固定資産税が発生するということになります。

また、速やかに相続登記を行っていない場合、相続人同士で土地の活用方法を協議した際に、これまでの固定資産税の支払いを巡って、トラブルに発展する可能性が考えられます。

2. 土地を相続したときに必要な手続きについて

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相続に必要な手続きはとても多く面倒です。金銭の相続と違って、登記の変更など多岐に渡ります。提出書類や手続の名称も専門的で、日常生活で馴染みのない言葉もあります。スムーズに進めるためにも必要な手続きについて確認していきましょう。

2.1 チェックリストで提出書類を確認

法務局が公表しているチェックリストをお手元に置いて、1つ1つチェックしていくとよいです。

ポイントは、「被相続⼈(亡くなられた⽅)の⼾除籍謄本」の取得に時間がかかるということです。
取得先が、「被相続⼈の本籍地の市区町村役場」であるため本籍地まで出向くまたは問い合わせて取得する必要があり、大変時間がかかります。

それ以外は、事前に相続人において把握できている部分も多いです。

また、相続人が多い場合は、「相続⼈の⼾籍謄抄本」の収集にも時間がかかります。
相続⼈全員の現在の⼾籍謄本⼜は抄本を⽤意する必要があるため、事前に声をかけ各自動いてもらいましょう。

更に、相続した土地は、亡くなった所有者の名義のままでは売却できないだけでなく、将来的に相続人同士でのトラブルに発展するリスクがあります。
そのため、すぐに活用しないにしても、名義変更の手続きである「相続登記」だけは速やかに済ませておくことが大切です。

2.2 遺産分割協議

遺産分割協議とは、不動産や現金などの相続が発生した場合に、相続人全員で分割方法や活用方法について決定する協議のことを言います。この協議を行わないと、将来的に相続人同士でトラブルに発展するというリスクもあります。

また、土地や住宅などの不動産という財産は現金などの財産とは異なり、相続人全員で平等に分割しにくいという特徴があります。そのため、相続人全員が納得できる方法で協議し、その内容を記した「遺産分割協議書」を作成しておくことをおすすめします。

2.3 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は、遺産分割協議の内容を記した書類のことで、協議の内容を文書で残しておくことで、今後のトラブルを未然に防ぐという効果も期待できます。この文書は、土地の相続登記を行う際にも必要となるため、ある種の証明書と同様の取り扱いになる重要書類です。

したがって、その内容は正確に記すとともに、長期間きちんと保管することが大切です。遺産分割協議書の作成には法律上の規制がないため、作成しなくても罰則を受けることはありません。
しかし、きちんと文書として残しておくことで、相続人の誰かが勝手に遺産を処分するというトラブルを事前に回避できます。

2.3 相続登記

遺産分割協議で土地の相続人が決定したら、申請に必要な書類を揃えた上で、管轄の法務局にて相続登記を行います。相続登記に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 戸籍謄本(相続人全員)
  • 遺産分割協議書
  • 住民票(土地を相続する人)
  • 固定資産税評価証明書
  • 登記簿謄本 など

また、これらの書類のほかに、被相続人が亡くなったことが記載してある戸籍謄本や、相続人全員の印鑑証明書が必要になります。
このように、相続登記には数多くの書類を揃える必要があり、管轄する法務局が遠方の場合は、書類を揃えるだけでかなりの時間を要することになります。

そのため、遺産分割協議にて土地の相続人が決定したら、相続登記に必要な書類を速やかに揃えるようにしましょう。

3. 土地を相続したときにかかる費用について

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土地を相続するのだから、「支払う」ではなく「もらう」という認識にとらわれがちですが、相続手続き費用としてある一定の費用がかかります。
費用の中には、手続きの仕方で省くとこもできますが、税金などはおさえることは難しいようです。
手続きの費用を把握して、余裕をもって用意しておきましょう。

3.1 登録免許税

相続登記をする場合、登録免許税という税金が課せられることになっています。この登録免許税とは、資格や技能証明として登録する場合や航空機の登録にも課せられる税金のことで、土地や住宅などの不動産の権利に対する登記についても、課せられることになっています。

不動産登記の場合は、固定資産税課税台帳に記載されている固定資産税評価額に対して、0.4%の税率を乗じて算出されます。また、建物付きの土地の場合は、建物と土地のそれぞれに対して相続登記が必要となるためそれぞれに登録免許税がかかります。

3.2 司法書士への報酬

相続登記の申請は、自分で必要書類を揃えて手続きすることもできますが、相続の内容が複雑であったり相続する土地が遠方にある場合は、司法書士に依頼して手続きを代行してもらうこともできます。

この場合の司法書士への報酬は、30,000~70,000円程度が相場となっています。さらに、遺産分割協議書の作成などを含める場合には、70,000~15万円程度が相場となります。なお、司法書士事務所によって、依頼内容や費用が異なるため、複数の司法書士事務所の費用を比較し、自分に合った方法で依頼すると良いでしょう。

司法書士へ依頼すると費用はかかりますが、手続きが面倒に感じたり、できるだけ時間をかけたくない場合は司法書士への相談をおすすめします。

3.3 必要書類を揃えるための費用

相続登記の申請には、戸籍謄本を始めとした数多くの書類を揃える必要があります。このような書類は、管轄の法務局や区役所などで揃えることができますが、遠方の場合は郵送での発行を依頼する必要があります。
なお、戸籍謄本の取得には450~750円程度の費用がかかり、住民票の取得には300円程度、登記簿謄本の取得には、480~600円程度の費用が必要になります。

3.4 依頼代行費用はおさえることもできる

登録免許税は、相続登記で必ず発生する税金であるため、費用を抑えることはできません。また、司法書士に依頼すれば手続きを代行してくれますが、費用がかかります。そのため、必要書類の準備や申請をどこまで自分で行うかがポイントになります。
手続きが面倒であれば司法書士に依頼することも可能ですが、相続された土地はそもそも高値で売却できない場所にあることも多いため、なるべく費用を抑えたほうがお得です。

遺産分割協議書は法務局HPからダウンロード可能です。(※本章の最下部にURLを記載)

ワードファイルのテンプレになっていて、および記載例・記載の際の注意事項もああります。
この記載例は,相続人である子2人が遺言により、相続財産中の不動産をそれぞれ2分の1ずつ相続した場合のものなので注意が必要です。

法務局の必要書類チェックシートや遺産分割協議書に沿って自分でも行うことは可能であるためやってみることをおすすめします。

法務局の必要書類チェックリスト

遺産分割協議書

4. 相続税の基礎控除について

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日本の法律では、現金や不動産などを相続した場合に、相続税が課せられることになっています。しかし、基礎控除の金額内であれば、相続税は免除されることになっています。

4.1 相続税とは

相続税とは、相続税法に基づいて課せられる税金のことで、すべての財産が相続税の対象になる訳ではありません。
この税金は、相続がスタートしてから10カ月以内に申告と納税する必要があります。
万が一、期限内に申告と納税がなかった場合は、罰則が設けられているため注意が必要です。相続税の対象となる財産は、以下のような財産が挙げられます。

  • 不動産
  • 現金
  • 預貯金
  • 生命保険金
  • 死亡退職金 など

また、墓地や仏壇などの祭祀用財産や地方公共団体などに寄付した財産は、相続税の対象から外されており非課税財産となっています。相続税は財産の総額を基に算出されるため、相続が発生した場合には、不動産や現金以外の財産をすべて把握するようにしましょう。

4.2 基礎控除とは

相続税を算出するにあたって、基礎控除が設けられています。この税金は、相続税の対象になる財産の総額を基にして算出されますが、一定以下の金額については、相続税がかからないことになっています。基礎控除の算出は、以下のような方法で求めることが決められており、法定相続人の数によって異なります。

基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

なお、基礎控除額の算出方法は、2016年の相続税改正によって従来よりも4割少なくなっています。

4.3 小規模宅地の特例

税制上では、法定相続人の数が多いほど、相続税の基礎控除が大きくなる仕組みとなっています。ただし、法定相続人を必要最低限にして小規模宅地の特例を利用すると、相続税を算出する場合の遺産の総額が減るため、相続税が少なくなります。
小規模宅地の特例とは、被相続人が居住していた土地に対して、一定の要件を満たす場合に評価額が減額されるという仕組みです。
この小規模宅地は、住居として利用していた土地や、事業として利用していた小規模な土地のことを指しています。

住宅として使っていた土地の特例を受ける要件としては、

・被相続人の配偶者、被相続人と同居していた親族、被相続人に配偶者と子がいない
・被相続人と同居はしていなが過去3年間、該当者の配偶者も合わせて所有の住宅がない親族
・土地の面積が330平方m以下であること

に限り80%が減額されます。

5,000万円の土地を相続する場合、3,000万円の基礎控除が差し引かれても2,000万円に対して相続税がかかってきます。
しかしこの特例を利用すると、5,000万円の80%、つまり4,000万円が差し引かれた1,000万から基礎控除が引かれます。
結果、相続税がかかりません。

この特例の利用で基礎控除以下の金額に収まる可能性があるため、該当する場合は積極的に利用することを検討し忘れずに確認しましょう。

5. 相続した土地は更地のほうが活用しやすい

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ある程度の広さの土地や、好条件地に建つ土地でも、古家がついていると買手がつくまで時間を要してしまいます。

実際に住める家なら問題ないかもしれません。
しかし、築30年をすぎる古家で、購入後、さらにお金をかけてリフォームしなければならないのであれば更地のほうが需要が見込めます。

相続した土地を活用する場合は、更地にして活用することも視野にいれましょう

5.1 更地は建物付き土地よりも需要が高い

建物付きの土地を相続した場合、築年数が古いとなかなか買い手がつきにくい傾向にあります。そのため、建物を解体して活用の幅が広い更地にすると、活用方法の選択肢が広がると言えるでしょう。
しかし、建物を解体する場合の費用は敷地面積によって異なりますが、木造2階建てで30坪では100万円前後、100坪では300万円前後が相場となっています。

建物の解体を検討している場合は、「解体無料見積ガイド」の活用をおすすめします。このサイトでは、3800件以上という豊富な解体実績に加えて、95.9%という高い利用者満足度を誇っています。

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5.2 幅広い土地の活用方法

土地の活用方法はさまざまで下記に紹介している活用方法が一般的です。また、土地の場所や広さによっても最適な活用方法は異なるため、ターゲットのニーズを考えて需要がある方法を選ぶことが重要になります。

一般的な活用方法

  • 賃貸経営
  • 駐車場経営
  • 貸地
  • トランクルーム
  • 太陽光発電
  • 売却して現金化

また、下記は13の土地活用方法を紹介した上でメリット・デメリットを比較した内容になっているため今後、土地活用を視野に入れている場合はチェックしておきましょう。

土地活用は人それぞれ違った目的で行われ、それだけ判断材料があります。その方法もさまざまですが、ここでは主な13の方法を取り上げて比較、選び方を考えます。

5.3 更地にするとマイホーム売却特別控除は受けられない

更地は活用方法の幅が広いため、建物付きの土地よりも需要が高く、買い手がつきやすい傾向にあります。
その理由としては、活用方法の幅が広いことが挙げられます。土地活用の方法はさまざまで、建物が建っているよりも土地のみのほうが活用がしやすいです。

しかし、土地売却時に建物をがついている場合は、マイホーム売却特例の3000万特別控除の可能性があるため、よく検討して更地にするかの判断もしましょう。
(購入者から建物は不要と言われて取り壊して売却した場合は、土地の売却でも特例が使えます。)

6. 速やかに相続登記を行い手続きをスムーズに進めよう

土地を相続した場合、固定資産税の支払いや管理方法などを巡って、トラブルに発展することを回避するために、速やかに遺産分割協議をすることが求められます。

また、相続登記を速やかに行うことで、売却などの活用をスムーズに進めることができます。

しかし、妥協するのは得策ではありません。

必要な手続きを済ませた上で相続人全員が納得できる方法を、しっかりと協議するようにしましょう。

土地活用プラン一括比較
土地活用プラン一括比較

土地はあくまで保有する資産の1つで、自己使用や現金に切り替える売却も、“資産活用”の1つです。
その上で、一般的に土地活用と呼ばれる賃貸経営を行うのであれば、1つでも多くの可能性を探り、十分検討することが欠かせません。
賃貸経営は数十年の長期的な運営となるため、スタートしてからの方向転換は困難で、最初の準備にすべてがかかっていると言っても過言ではないのです。

各社のプランはバラエティ豊かなので、最初はプランを見比べるところから始めるだけでも勉強になるでしょう。
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