失敗しない、家やマンションを貸す際の6つの注意点と10のステップ

家を貸す方法

家を貸したいと思ったとき、一時的に貸したい、税金を支払い続けるのは嫌だ、など様々な事情があると思います。
ただ無思考で家を貸してしまうと、家に戻れなかったり、思わぬ支出があり損をしてしまうこともあります。

また、家を貸すと決めていても、身内や知り合いが借りてくれるケース以外は、自力でできることは少なく、不動産会社の力を借りなくてはなりません。
そして、入居希望者が見つかっても、やはり不動産会社の力が必要です。

逆を言えば、賃貸経営に関する多くの業務は委託できる受け皿があり、最初に不動産会社に依頼してしまえば、あとはその会社の案内の元に進みます。

よって、この記事では、

  • 家を貸す際に気をつけるべき注意点
  • 家を貸すステップ

についてお伝えします。

家を貸すための手順について、不動産会社選びに始まり、入居者との契約、賃貸経営としての業務までを細かくまとめていますが、絶対的なものではなく、一般的な流れとして捉えてください。
また、大まかに流れを掴んでおく程度でも問題はありません。

賃料はプロに調べてもらおう

「まずは家がいくらで貸せるのか知りたい」という方は不動産会社にいくらで貸せるのか賃料を調べてもらいましょう。賃料が分かることで家を貸すと損をするのか得をするのかが分かります。一括提案サイトを使い、賃料を複数社に調べてもらい賃料の幅を把握しましょう。

https://lease.home4u.jp/

家を貸す際に陥りやすい注意点

家を貸したい事情は様々だと思います。
実は、家を貸す場合には、注意しなくてはならないことがあります。

一度貸してしまってからでは手遅れということにもなりかねません。

ここでは、家を貸す際に気をつけるべき注意点を6つお伝えします。

注意点1:いずれ自分が住みたい場合は「定期借家契約」を選ぶ

いずれ家に戻ってきたい!と考えている方は、「定期借家契約」にて家を貸し出すようにしましょう。

誤って、「普通借家契約」にてしまうと、貸した人が契約を解除しない限り、退出させることはできません。
契約更新の拒否の権利がないので、いざ家を返してほしいとなった場合でも、契約を解除することはできないのです。

定期借家契約では、更新の概念がなく契約期間によって契約終了になることから、再契約しない限りは退去してもらうことが可能です。

決まった期間だけ家を貸したいときには、定期借家契約で契約するのがベターです。
(これをリロケーションと呼びます。)

その代わり、借主の立場では、もっと住み続けたいのに大家から再契約しないと言われるリスクを伴いますので、普通借家契約よりも賃料が安くなる傾向があります。

また、遠方・海外への転勤の場合、管理業務が難しくなることが考えられます。
その場合は、リロケーションサービスを提供している会社に委託して家を貸すことも検討してみるのも手です。
手数料は一定かかりますが、管理業務全般を担ってくれます。

詳しくは、下記の記事にまとめましたので、合わせてご覧ください。

リロケーションは貸し出し期間を限定し、管理込みで専門の業者に委託するもので、いずれ空き家に戻って住みたい場合に適したサービスです。貸し出している間の維持や収入を見込める反面、家賃は低い傾向にあるなど、その良し悪しと費用を見てみましょう。

注意点2:支出(経費)は事前に計算しておく

家を貸すと、毎月の支出が発生します。
基本的に、家賃収入でカバーすることになりますから、これらの支出を減らすことで収入を大きくすることができます。

月々かかる費用を並べてみました。
月々4~6万円程度が目安です。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 事業所得に関する所得税・住民税
  • 管理委託費(※管理会社に委託する場合)
  • 管理費・修繕積立金(※分譲マンションの場合)
  • 火災保険料

また、初期費用としては、不動産会社への仲介手数料やその他経費がかかるので、数十万円かかります。
貸す前に大きなリフォームをした場合には100万程度かかることもあります。

更に、退去者が出た場合は、「現状回復」のために修繕やリフォームが必要になり、費用がかかってしまいます。
長い期間家に住んでもらうことで、修繕やリフォームの回数を減らすことができます。

このように、思わぬ出費をしてしまうこともあり、家賃収入を超えてしまう場合は自己資金も必要になります。
どのくらいの支出が月々・年間でありそうか、事前に計画を立てておきましょう。

自分だけで計画を立てるのは不安…という方は、プロにプランを提案してもらうという方法もあります。一括プラン請求サイトなら、無料で複数社に依頼が可能です。

注意点3:家を貸すと支払う税金は増える?減る?

家を貸すこと自体では節税にはなりませんが、考え方によっては自身が支払う税金を減らすことができます。

それは、不動産所得(家を貸すことで得られる収入 – かかる費用)を計算上赤字にすることです。
不動産所得が赤字の場合は、損益通算により給与所得と合算したものを所得とすることができます。
これにより、自身が支払う税金を抑えることができます。

具体的には、管理会社の人との交際費や、セミナー参加費等を費用として計上し所得を低くします。

また、税金を増やさないという意味では、青色申告制度を利用することで最大65万円を不動産所得から控除が可能です。

基本的に、家を貸すことで収入が増えるため税金は増えますが、その税金を抑えることはできますし、損益通算をすることで節税となることを覚えておきましょう。その際には、確定申告を忘れてはいけません。

税金を支払い続けるくらいなら家を貸して収入を得たほうがお得かもしれません。
こちらに家を貸す前に考えておくべきポイントを4つをまとめましたので、合わせて御覧ください。

家を貸すことは1つの事業なので、収支さえ合えば問題ありませんが、その収支を決める要素がいくつもあり、ややこしく思えてしまいます。ここではシンプルにするため、家を貸すための条件を4つに分類してまとめます。

注意点4:家を貸すのに民泊はありか

空き家や賃貸用物件を保有している人、また、今保有している物件以外に住むことができる人にとって民泊の可能性は魅力的です。
基本的に移住希望者が対象になる売却や賃貸と異なり、民泊は世界中の旅行者が対象になるので、圧倒的にマーケットが大きいです。

民泊について、運営の際に注意すべき新法と、問題点やトラブル、罰則についてはこちらで詳しく解説しています。
特に、4章における、家を貸すことの民泊の可能性についてみてみるとよいでしょう。

東京オリンピックや円安による旅行客の増加、airbnbの登場により、民泊が注目されています。そしてこれは空き家再生の糸口ともなり、その可能性と懸念点を考えます。

注意点5:無断で家を貸したらどうなる?

転勤などの事情で住宅ローンの残っている家を離れなければいけない、しかし、売りたくはない、という状態ならば家を賃貸として貸し出す、のはすぐに思い浮かぶ選択肢でしょう。

住宅ローンが残っている物件を貸す場合は、金融機関によっては残りのローン全額の返済を求められることがあることがあるので注意が必要です。
具体的には必ず事前に金融期間の許可を得なければいけませんし、必ず許可が降りるとは限りません。

理由はシンプルで、通常の住宅ローンは「居住用の家を買う」ことを条件に融資されているからです。
家を貸してしまうと、居住用ではなく、賃貸用の家になってしまい、ローンの前提が変わってしまうのです。
場合によっては、より利率の高い、賃貸用のローンに借り換える必要も出てきます。

ただし、転勤などで必ず戻ることがわかっていて、数年の間だけを貸し出す、というような場合は、金融機関からの許可も得やすいという事例があります。

確実に金融機関に相談するようにしましょう。

注意点6:家を貸すのに資格は必要ない

結論、家を貸すのに資格は必要ありません。誰でもできるのです。

ただし、家を貸す前にひととおり家を貸す知識を資格がとれる形で勉強したいのであれば、「不動産宅建士」もしくは「マンション管理士」を目指すとよいでしょう。

資格もそうですが、家やマンションを貸す際に押さえておくべきポイントについては知っておくべきです。

家を貸すことは1つの事業なので、収支さえ合えば問題ありませんが、その収支を決める要素がいくつもあり、ややこしく思えてしまいます。ここではシンプルにするため、家を貸すための条件を4つに分類してまとめます。

家を貸す10のステップの全体像と各ステップについて

家を貸す方法

ここまで家を貸す際の注意点をみてきました。

ここからは具体的にどのように進めるかという、家を貸すためのステップを説明していきます。

まずは全体像を把握しましょう。全部で10ステップあります。

では、各ステップについて説明していきます。
特に重要なのは、ステップ1と2で行われる「不動産会社選び」です。

ステップ1:不動産会社の候補を探す

不動産会社の存在自体は、駅など最寄りの商業地でよく見るでしょうし、家を購入したときの不動産会社やタウンページを見て探す方法もあります。
また、賃貸物件のポータルサイトで、地域の賃貸物件を探してみると、個々の物件で取り扱いをしている不動産会社が確認できます。

注意したいのは、不動産会社ならどこでも賃貸物件を扱っているとは限らず、売買専門や管理専門の不動産会社もあります。
ですから、賃貸物件を扱っている不動産会社を選別することが先決です。

不動産会社の分類

ステップ2:賃料査定を行う

どの不動産会社でも、賃貸物件を扱うときに賃料査定をしてくれるので、次の選択をする基準として、賃料査定を依頼することができます。
ただし、これは必須でもなければ、一括査定のサービスを利用して、候補を選び出す手段を兼ねることもできます
よって、複数の不動産会社に依頼するのがよいでしょう。

賃料査定には2つの方法があり、簡易査定と詳細査定と呼ばれます。
複数の不動産会社に依頼するなら簡易査定を、ある程度絞り込んでから詳細査定というのも1つの手です。

簡易査定と訪問査定

なお、複数に賃料査定を依頼する場合でも、高い査定がよいわけではなく、あくまでも適正な家賃が求められます。
いくら高い家賃で貸し出しても、入居希望者が現れなければ収入はなく、安い家賃で貸し出すと予定の収益が狂ってしまうからです。

そう考えると、低い家賃で貸し出した方が、収入がまったく得られないリスクを避けられますが、家賃を下げるのはかんたんでも上げるのは難しいので、判断を誤らないようにしたいものです。

HOME4Uの無料賃貸相談

ステップ3:不動産会社を選択する

賃貸物件では、地域密着型の不動産会社の方が、入居者を案内するときなど、入居者からの質問に即答できて優位性があるのは確かでしょう。
しかし、営業力(営業資金)や管理業務を引き受けてもらえるか、サブリース契約が可能かどうかなど、すべてにおいて地域密着型が優れているとは限りません。

特に、現在遠隔地に住んでいて、自分で管理ができない状況なら、必ず管理委託をすることになりますので、管理委託が可能かどうかは要チェックです。
入居者がいれば住んでいることで管理しているのと同様になりますが、特に空室時に放置状態では家が傷むからです。

不動産会社を選ぶポイント

不動産会社の選び方で迷うようなら、以下の記事を参考にしてみてください。

不動産の売る・貸すの実現には、不動産屋の存在が欠かせません。その選び方が金額や期間など、結果を大きく左右するのです。査定だけではない5つのポイントをまとめます。
最近、テレビや不動産会社からの話でよく耳にする「サブリース」という言葉、皆さんはご存知ですか? サブリースとは、賃貸経営の一つ...

ステップ4:不動産会社と契約する

入居者を斡旋してもらうための契約を不動産会社と結びます。

媒介契約と代理契約

契約には媒介(仲介)と代理の2つあり、それぞれの違いは次の通りです。

媒介契約と代理契約

貸したい家が遠隔地の場合、信用できる不動産会社なら代理契約になりますし、それほど離れておらず、不動産会社とのやり取りが苦にならないなら媒介契約になります。
媒介契約でも代理契約でも、大切なのは自分の希望を明確に告げ、希望に一致しない入居希望者を仲介されないようにすることです。

また、契約前には、不動産会社がどのような募集活動と状況の報告をしてくれるのか確認しておきます。
広く募集するのが大家の理想ですが、不動産会社としては、間に他の不動産会社が入らず、自社で入居者を見つけるのが、仲介手数料の面で理想です。
そのため、他の不動産会社が介在しないように、募集活動を限定する可能性があり、その点は注意しておきましょう。

契約に必要なもの

口約束で契約する不動産会社があるくらいで、契約に必要なものは決まっていません。
必要になるとしたら次のようなものです。

  • 間取り図
  • 案内図
  • マンションの場合は管理規約と使用細則
  • 設備関係の書類(一覧や説明書など)
  • 入居者案内で使う鍵
  • 本人確認書類
  • 印鑑

ステップ5:貸し出し前の準備をする

自分では我慢できる不便さも、他人には我慢できずにクレーム化することもあって、貸し出す前には居住環境を整える準備が必要です。
可能であれば、即入居できる物件としてアピールしたいところです。

物件のアピールポイント

電気ガス水道については、内見時(または設備の動作確認時)に必要としますが、電気と水道は使用可能でも、ガスは使用可能な状況を求められるとは限りません。
ガスを使える状態で放置しておくのは、防犯上の危険が大きいからです。

したがって、止めておいて入居時に開栓してもらう(してあげる)流れも多いです。

なお、基本的には入居者ごとに毎回鍵の交換をする(そうしないと入居者が不安に思う)ので、交換費用も発生すると思っておきましょう。

鍵の交換は、入居時に行うか退去時に行うかのどちらかです。
その費用を、借主が負担するか大家が負担するのかも契約次第で、入居時に余計な費用負担をしたくない借主の心情を考えると、借主負担だとしても退去時でしょうか。

ステップ6:貸し出し条件を設定する

賃貸物件では、家賃以外にも多くの条件を付けて入居者を募集します。
条件は色々と考えられますし、大家が自由に決めて問題ないので例を示しておきます。

家の貸し出し条件

条件は多いほど入居希望者を制限しますが、それまで自分または家族が住んでいた家を、赤の他人に貸すのでどうしても条件を付けたくなるでしょう。
参考までに、決めるときの目安や考え方を説明しておきます。

・契約形態
「普通借家契約」「定期借家契約」の違いは重要なので、必ず意識しておくべき内容です。普通借家契約は、契約期間に関係なく、原則的に大家から更新を拒めませんので、入居者が住み続けたいと言えば、ほぼ無期限に契約が更新されます。

定期借家契約では、更新の概念がなく契約期間によって契約終了になることから、再契約しない限りは退去してもらうことが可能です。
決まった期間だけ家を貸したいときには、定期借家契約で契約するのがベターです。

詳しくは、注意点1:一度貸しても、また自分が住みたい場合は「定期借家契約」を選ぶに記載しています。

・契約期間
普通借家契約なら1年以上、定期借家契約では自由に決めることができ、借主に事情があって短期間にするときを除くと、2年契約にすることが多いです。
借主がどのくらい住みたいかにもよるので、協議して決めればよいでしょう。
・保証
家賃の滞納があったとき、借主に代わって請求先となるのが保証人や保証会社で、どちらも利用しない契約は可能ですが、滞納リスクが大きいです。
普通は借主との契約のときに、保証人を立ててもらうか保証会社と契約してもらいます。保証会社を使うメリットは、確実な家賃の回収ができること、滞納が借主と保証会社との関係になること、保証人を立てられなくても入居可能とアピールになるなどです。
しかし、保証料の分だけ借主の負担が増すので、一律で保証会社にするのか、保証人を立てられないときだけ保証会社にするのか決めておきましょう。

・火災保険
借主が火事を起こすと、焼失した部分に対して契約上の原状回復を請求できます。
しかし、その費用は高額になりやすく、借主が支払えない可能性もあるため、入居の条件として、借家人賠償責任という特約が付いた火災保険に加入してもらいます。
・敷金礼金
敷金と礼金はおおむね2ヶ月分という相場があるものの、絶対的なものではありません。
ただし、敷金を安くしすぎると、退去時の清掃費用や原状回復費用が不足して、別途請求しなくてはならなくなるので、ある程度は確保しておくべきです。礼金については減少傾向にあり、1ヶ月分や1ヶ月分未満としている契約も多いです。
また、アパートと違い、戸建てやマンションは短期契約が少ない傾向にあるので、長期的に見れば礼金の有無は収支に大きく影響せず、借り手が付きにくいことが予想される場合は、礼金なしのアピールも検討してみてもよいでしょう。

・原状回復
退去時には、部屋の原状回復をして大家に返すことを契約書に定めますが、その範囲について決めておくものです。
普通はクリーニング費用程度で、故意・過失が大きい破損等は借主負担とします。勘違いしやすいのは、原状回復義務とは入居前と同様の状態に戻すものではなく、入居期間を考慮して、通常起こり得る劣化を差し引いた回復義務です。
例えば、2年前の入居時に壁紙を張り替えて貸したからといって、退去時に壁紙の張り替えを請求できるものではありません。

2年間も生活していれば、壁紙が日照で変色したり、少しくらいの汚れがあったりするのは普通のことで、すべて元通りに戻させるのは過剰請求と考えられています。
ただし、借主が常識的な清掃すら怠り、張り替えを余儀なくされるような、ひどい汚れがある場合には、過失があるとして請求は可能です。

・その他
ペットや喫煙の可否以外にも、女性限定などの入居条件を決めるのは大家の自由です。
心配ならいくらでも条件を付けられる代わりに、入居希望者が少なくなることだけ注意して、絶対に受け入れられない条件だけは付けておきましょう。

HOME4Uの無料賃貸相談

ステップ7:入居者募集と審査を行う

不動産会社と契約し、入居条件を決めると、不動産会社は入居者の募集を開始します。
提出している間取り図や案内図、外観の写真などから広告を作成し、店頭広告、インターネット広告、情報誌への掲載などをしてくれます。

自社サイト以外にも、賃貸物件を扱うポータルサイトや指定流通機構(レインズ)への登録など、不動産会社によって営業範囲は異なります。
どのような営業をしてくれるのか、契約前の段階で確認しておくべきです。

また、不動産会社は営業地域の情報に詳しいので、入居者の絞り込み、賃料の設定といった素人には判断が難しい点もアドバイスを受けることができます。
参考にしながら、需要にマッチした物件として広告できるようにしたいところです。

不動産会社に入居希望者が現れると、家を見てもらう内見が行われます。
内見は一般に不動産会社が対応しますので、大家が立ち会う必要はありませんが、その代わり鍵を不動産会社に預ける必要があります。

大家の仕事は、入居者の審査にあり(媒介契約の場合)、入居者の属性(年齢や勤務先など)や保証人を確認して貸すかどうか決めます。
もっとも、あらかじめ不動産会社に希望を伝えておくことで、まったく希望に合致しない入居者は弾かれますので、大家に確認するほどの入居希望者なら、契約になるのかもしれません。

入居者募集~審査の流れ

ステップ8:賃貸契約をする

入居条件が合う希望者が現れると、いよいよ借主として契約を結びます。
その前に行わなくてはならないのが、重要事項説明という物件についての説明です。

説明の受けていない不具合が、入居してから発見されるのでは、契約行為の信義上も問題がありますし、借主は当然責任を負いません。
不動産会社の仲介を受けていれば、不動産会社が重要事項の説明を行ってくれますが、それ以前に大家が不動産会社に伝えていないと、借主に伝わらないことを意識しましょう。

契約書の作成は不動産会社が行ってくれるので、大家は契約書に署名捺印する程度です。
契約は不動産会社で対面して行うこともありますし、借主と会わずに書面だけですることもあります。

書面でする場合、多少の違いはあるかもしれませんが、基本的には次のような流れで契約書を取り交わします(送付としているのは遠隔地を想定しています)。

賃貸契約の流れ

この手順を踏むと、大家と借主が契約書原本を1部ずつ、不動産会社が写しを1部持つことになり、契約書の紛失や偽造等のトラブルにも対応できます。
ちなみに、原則的に契約更新のときにも同様の手順で契約書を再度取り交わします。

ステップ9:引き渡しを行う

契約上は、入居日から家賃が発生するので、入居日に鍵を渡すことで引き渡します。
退去時の原状回復でトラブルにならないように、入居にも立ち会って、状態をお互いに確認しておくのがよいとされます。

しかし、入居時の立ち会いは省略されることも多く、不動産会社(管理会社)が対応してくれないのなら、借主から強く求められない限り必要ともいえません。
むしろ、自分のほうが心配なら、積極的に立ち会えばよいでしょう。

ステップ10:管理と運営を始める

入居後には家賃の集金(滞納対応)、借主からのクレーム、設備トラブルへの対応などの管理業務もしなくてはならず、いつも都合のよい借主ばかりとは限りません。
こうした管理業務は負担が大きく、しかも離れて住んでいれば到底できないものです。

収益性は若干犠牲になりますが、大家として必要とされる管理ができないのであれば、管理会社へ委託することも考えてみましょう。
サービス内容によって管理委託料は異なりますが、家賃の5%程度が相場です。

物件管理の内容

清掃

戸建てやマンションでは、入居者が生活上必要な清掃を行うものです。
特に戸建ては、入居後に大家が敷地内に入るのを嫌がる人もいるからです。ところが、まれに戸建てで草刈りをどうするか、後からトラブルになることがあります。
家を貸している以上、その敷地も使用権を与えているのですから、使用者である借主の責任で行うように、契約で明記しておくべきでしょう。

ただし、庭木の剪定については、業者に依頼するので大家の責任になると思われます。
また、マンションの共用部分については、管理費を家賃に上乗せするとしても、所有者が管理費を支払い、管理会社が清掃するのが普通です。

これらを考えると、戸建てやマンションで清掃の手間を考える必要はそれほどありません。
あるとすれば、空室期間に良好な状態を維持するための清掃で、頻繁にするものではないですし、管理会社に委託すればかんたんな清掃はしてくれます。

集金

大家にとって最も頭が痛いのは家賃の滞納で、相手が人だけに非常に厄介です。
催促するのも嫌ですし、一度滞納すると繰り返すことが多いからです。滞納を繰り返し、いっそのこと退去して欲しい借主でも、退去してもらうには裁判に訴えて判決が必要になるという、非常に面倒な手順です。
そのため、粘り強く請求していくしかないのですが、管理会社に委託して催促を任せ、どうしても支払わないときに法的手段という流れが楽です。

クレーム対応

クレーム対応は、正当な要求かどうかの判断も含め、できればしたくない業務です。
家や設備へのクレームだけではなく、近所からクレームが入る場合もあって、貸す前は馴染みのご近所さんなら、自ら対応しないわけにもいかないでしょう。ただし、借主と協議すれば解決できるクレームについては、対人スキルに自信がなければ、集金と同様に管理会社を受け皿として、管理会社から判断を求められる運営にしたいところです。

設備トラブル

設備にトラブルが起きた場合、借主の悪意で壊したなど、特別な事情がなければ、大家の責任で修理・交換を行います。
備品レベルの設備(例えば電球など)は、借主が自主的に交換する場合もありますし、管理会社に委託して実費請求してもらえば問題ないはずです。しかし、専門業者に依頼しなければならない修理・交換については、管理会社の独断は許されず、基本的に大家の業務として欠かせません。
それでも、判断をするだけで、業者の手配や施工の段取りは管理会社に任せ、実費請求をしてもらう形にすることは可能でしょう。

契約更新(再契約)

普通借家契約の契約更新、定期借家契約の再契約は、入居時の契約と流れは変わらず、大家の仕事は契約書に署名押印するだけです。
契約書も不動産会社に作ってもらえばよく、何も手間はかかりません。その代わり、不動産会社を介在させることで、更新手数料(更新料ではなく契約業務の依頼で発生する事務手数料)や再契約なら仲介手数料が発生します。
借主に負担させることの多い費用ですが、大家が負担することもあります。

会計・確定申告

賃貸経営は事業として確定申告する必要があり、確定申告するからには、収支を帳簿に残しておく業務が発生します。
確定申告で帳簿を提出するのではなく、帳簿の保存制度があるからです。しかし、簿記の知識もなければ、帳簿を付けたことのない人にとって、帳簿付けは極めて面倒な作業な上に、確定申告まであるのですから、ハードルが高い人には税理士事務所・会計事務所が委託先になるでしょう。

HOME4Uの無料賃貸相談

まとめ:家を貸す心構えを得て始めよう

家を貸す際には意外と注意して見るべきことがあったのではないでしょうか。
一見簡単そうに見える「家を貸す」行為ですが、立派な賃貸経営でですから、思わぬ形で失敗してしまうケースがあります。

また、大家の仕事は、家を貸す前も貸してからも、意外に多いと思ったかもしれません。
委託すれば軽減されるとはいえ、その分収益が悪化することを考えると、どうしてもできない部分は委託、自分でできる部分は自分で行う切り分けも必要です。

自分で汗をかくほど、経営スキルが身について、後に生かされていきます。
すべてを自分で行う大家から、サブリースで丸投げする大家まで千差万別です。

しかし、成功しても失敗しても、自分で判断して得られた結果なら納得できるのは言うまでもありません。

家を貸すことに難しく感じた人・面倒だと感じた人は、家を売るという選択肢も視野に入れてみましょう。

転勤が決まったら、購入した家をどするべきか…悩みどころでしょう。 家を売るべきか貸すべきか、何から考えれば良いかどんなことに気...