自分の家を貸すには?これだけは押さえたい4つの条件

賃貸需要
空き家になる事情は人それぞれですが、家を他人へ貸すことに抵抗がないなら、税金が取られるだけの家から、利益を上げられる家に変えることができます。
上手くすると、住宅ローンを家賃収入で返済できる理想的なケースも考えられます。

家を貸すためにはどのような条件が必要で、自分の家は条件を満たしているのか?どのくらいの経費がかかってプラスになるのか?など、家を貸す前に考えておくべきポイントを4つに分けてまとめてみました。

1.需要

言うまでもなく、家を貸すためには家を借りる人が必要で、需要の大きさは空室率にも大きく影響するので非常に重要です。
人口の多さが需要の多さに結びつくとはいえ、それだけで需要は決まりません。

短期的な居住需要、例えば大学等や季節労働を受け入れている工場などがあれば、毎年大きな人の出入りが起こるため、賃貸需要は高まります。
これらは単身世帯が多く、戸建てやマンションよりもアパートに分があるでしょう。

逆に中長期の居住需要は、地域の利便性や行政サービスの充実、再開発などが関係してくるため、需要の予測が難しいことから、できるとすれば供給側の調査です。
戸建てやマンションにおける賃貸物件の数空室率家賃水準などの調査が必要です。

しかし、こうした情報は統計データを得にくく、地域の不動産会社に教えてもらうなど、協力を得ながら確認していくことになります。
もしくは借りる視点に立ち、賃貸物件を扱うサイトで、地域の貸し物件を探してみるのも手です。

また、大手不動産サイトのホームズでは、扱う物件から得られたデータを公表しており、全国の空室率から地域ニーズまで確認できます。
HOME’S 見える!賃貸経営

都道府県を選ぶと、市区町村の画面に移り、市区町村を選ぶことで、希望間取りから家賃相場まで確認できるようになっています。
データは少し広域的ですが、かなり参考になるデータなのでおススメです。

2.物件

現在の状態で、そのまま貸すことができる家なのか確認します。
既に空き家になっている状態なら、以下のような生活に不可欠な設備は、最低でも確認しなくてはなりません。

  • 給湯設備
  • 冷暖房設備
  • 電気/ガス/水道

家を貸す場合、管理は大家の仕事になり、瑕疵(不具合)があると大家が責任を負いますので、人が住める状態にして入居者を募集する必要があります。
また、上記は最低限の設備でしかなく、実際の設備ニーズはそれ以上に高く、以下に挙げるのはその主なものです。

住宅が過剰になっている現代では、設備投資をしてでもアピールすることが大切で、その分は家賃に転化できることを考えると無駄にはなりません。

その代わり、空室期間があると、月額料金が発生する設備は無駄な出費です。
その点を踏まえて、採算が合うように家賃設定をすることになるでしょう。

オートロック・ホームセキュリティ

特に家族向けや女性に喜ばれる設備で、マンションのオートロックは需要が高いです。
ホームセキュリティはあればなおよいという程度ですが、工事が必要になる設備なので、入居者の都合では設置できず、備え付け物件は有利です。

ホームセキュリティはレンタルも可能で、家の規模にもよるとはいえ、余程広くなければ月額で1万円までかかりません(初期工事費別)。

インターネット

今の情報社会で、インターネット回線がない環境は、明らかに魅力が落ちます。
回線設備は提供しても、入居者の個別契約で利用するのが普通でしたが、今ではインターネットを無料とすることでアピールに繋がります。

無料といっても、所有者が契約してそれを利用してもらうだけなので、初期工事費とは別に毎月発生する固定料金(光回線で5,000円強程度)を家賃に上乗せするだけです。

モニター付きインターフォン

セキュリティにも関連しますが、比較的需要の高い設備で、壊れない限り使えるため、家賃を上げることができれば十分に回収できます。
価格は性能次第で、安ければ1万円以下、高くても3万円出せばよいものが買えます。

追い焚き機能

風呂の湯が冷めたときに使う追い焚き機能は、風呂に入るタイミングが異なりやすい家族向けに人気の設備です。
そもそも、給湯器の質は生活への影響が大きく、追い焚き機能がないとしても、性能がよいものでなければ、入居者からのクレームに繋がりやすい設備です。

駐車場

戸建ての場合には、車庫証明が取得できる駐車スペースがあれば問題ないはずです。
駐車場が問題になるのはマンションで、自分が使っている駐車場を入居者に貸し出せばよいと思っているなら注意が必要です。

マンションによっては、所有者以外の駐車場契約を認めないばかりか、所有者以外の使用すら認めない管理規約があるため、必ず管理組合(管理会社)に確認しましょう。

3.管理

家を貸して家賃収入を得るのは、れっきとした“事業”です。
つまり、不動産を使って経営を行うわけですから、経営者として心得ておくべきことは、家を貸す前から知っておかなくてはなりません。

賃貸経営で経営者に関係してくるのは、次のような管理業務です。
ただし、多くの業務は委託が可能で、遠隔地に住んでいても賃貸経営は可能です。

業務 内容 委託先
入居者管理 入居者の募集・契約 不動産会社
家賃の回収・トラブル対応・入退去対応 管理会社
物件管理 清掃・設備交換の手配 管理会社
経営管理 毎月の帳簿付け・確定申告 会計事務所(税理士)

管理業務を委託した場合、基本的に経営者の仕事は、入居者の最終審査、大規模な修繕の手配など、重大な決定をすべきときに限定されます。

また、住宅ローンが残っていると家を貸せない可能性がある、契約に気を付けないと借主の権利の方が保護されている、退去ごとに清掃・原状回復が必要といったことも、経営者として必須の知識です。

これら注意点の詳細は別記事が詳しいので、以下の記事で家を貸す場合をご覧ください。

家・マンションは売るか貸すか?どちらが得かとそれぞれの注意点
家は売るのがよいか貸すのがよいか?答えはケースバイケースで、理由は売却損による還付や将来的な見通しなどが、人・物件によってまったく異なるからです。ここでは個々で判断できるよう、それらのポイントを4つに分類して紹介します。

サブリースとリロケーション

賃貸経営は、所有者が自ら行う以外にも、「サブリース」という仕組みを利用すると、経営者としてすることがなくなります。
サブリースでは、管理業務も行う不動産会社が、家を借り上げて転貸します。

所有者は、不動産会社に貸し出すことで経営を丸投げして、入居者の有無に関係なく、不動産会社からの家賃が保証されます。
入居者が支払う家賃よりも当然に安くなりますが、入居率に左右されません

サブリースと似た賃貸経営に「リロケーション」があり、リロケーションは、転勤や渡航で空き家になる一定期間を利用して、その期間だけの契約によって貸し出す方法です。
入居者の募集や管理などは、リロケーションを提供する不動産会社に任せます。

リロケーションは転貸ではないので、管理の一切は不動産会社が行っても、契約自体は所有者と借主の間で結ばれます。
ただし、サブリース型のリロケーションや家賃保証型のリロケーションもあり、提供する不動産会社によってサービスは異なります。

4.収支

賃貸物件における収入には、毎月の家賃以外にも、礼金や敷金もありますが、1契約で1回ですし、敷金は退去時に返却するお金なのでアテにできません。
一方で支出は多岐に渡ることから、収入で支出をカバーできることが絶対条件です。

【収入】

発生頻度 相場
家賃 毎月 地域や物件で異なる
敷金 入居時 家賃の2ヶ月分
礼金 入居時 家賃の2ヶ月分
更新料 契約更新時 家賃の1ヶ月分

【支出】

発生頻度 相場
固定資産税・都市計画税 毎年 地域や物件で異なる
所得税・住民税 収支がプラスなら毎年 所得で異なる
火災保険料 支払方法で異なる 契約内容で異なる
仲介手数料 入居時 最大で家賃の1ヶ月分
管理委託料(委託時のみ) 入居後毎月 家賃の5%
清掃・原状回復費用 退去時 依頼内容で異なる
戸建ての修繕費(積立金) 必要に応じて 工事内容で異なる
マンションの管理費 毎月 物件で異なる
マンションの修繕積立金 毎月 物件で異なる

※退去時の清掃・原状回復費用は敷金と相殺

これらの収支は、1~3.の需要・物件・経営によって左右され、また支出の多くは家賃ベースではないことが、計算をややこしくしていますが、収支さえプラスであれば経営は成り立つという、シンプルな世界です。

少なくとも、固定資産税・都市計画税、現在の火災保険料は自分で分かるはずですし、マンションなら管理費・修繕積立金も分かるはずです。

戸建てにおける将来の修繕費は、現在の建物・設備の老朽化次第で変わりますから、概算で見積もるしかなく、その金額によって収支は大きく差が付きます。
しかし、想定できる修繕は行う前提で考えておかないと、実際に修繕が発生した場合に持ち出しが多くなりすぎて、採算が取れなくなります。

これらの収支を計算した結果、プラスなら問題なく、そうでなくても税負担が軽くなるようなら貸す意味はありますが、注意すべきは“常に入居者がいる前提”で計算しないことです。
常に入居者がいる前提は、最大の収入を意味し、必ずそれ以下になるからです。

集合住宅では、1つの部屋が空いても他の部屋でリスクヘッジできますが、戸建てやマンションの一室を貸す場合には、退去されると家賃収入が断たれます。
そのため、どのくらいの入居率で考えるのか見定めが必要で、それは地域や物件の状況によります。

敷金の特殊な性質

収支の中でも敷金だけは特殊な存在で、入居時に受け取っても、退去時に清掃費・原状回復費用を(家賃滞納があればその分も)引いて借主に返却します。
どのような内容を敷金から引くかは、入居時の契約で定めておきます。

退去時の清掃は、専門業者を利用しても10万円程度でできますから、通常考えられる経年劣化よりも激しく傷んでいるケースを除き、家賃の2ヶ月分を受け取っておけば、普通は余るでしょう。

まとめ

借りてくれる人さえいれば、賃貸経営自体はそれほど難しくはありません。
しかし、継続的な収益を出していくとなると、地域需要の大きさ、賃貸市場における物件の価値、経営コストを見極めておく必要があります。

失敗する多くのケースは、収入を楽観的に考えているか、支出を甘く見積もっている、大家が楽な仕事だと思っているなど、事前の見込み違いでしょう。

時には出費してでも、ここに住みたいと思ってくれる家に仕上げるなど、唯一の継続収入である家賃を、どのくらい継続して得られるかが経営を左右します。
つまり賃貸経営は、入居者が入居する前から始まっているのです。

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