コインパーキング経営は儲かる? 知っておきたい収入の相場やリスク

土地活用を考えたときに、初心者でもやりやすい駐車場経営には、コインパーキングと月極駐車場の2種類があります。

経営する駐車場によって収入の相場やかかってくる税金などの費用、またメリット・デメリットは異なります。
駐車場経営を検討する際は、コインパーキングと駐車場どちらがいいのか検討が必要です。

この記事では、コインパーキングを経営したときの収入とかかる費用、メリットデメリットをご説明します。

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コインパーキング経営を始める方法

コインパーキング経営の種類
コインパーキング経営は初期段階で大きな工事が必要ないので、運営を開始するまでの時間がさほどかかりません。

運営を開始するまでの流れは以下になります。

1:経営方法を選ぶ

まずは、どのような形でコインパーキングを経営したいのか考えましょう。コインパーキング経営は大きく分けて2つ。自己経営方式か一括借上げ方式です。いずれも時間貸しの駐車場経営には変わりありませんが、収入に違いがでます

自己経営方式

機会の購入から設置、メンテナンスまですべてを自分で行う方式です。

土地も自分のものならば、売上がすべて自分の収入となるので、最も収益が多い運営方法になります。

ただし、清掃や集金など作業を自分で行わなくてはなりませんし、精算機など高額な機械を自身で購入しなくてはいけないので、初期費用がかかります

駐車場経営を行いたい土地の近くに住んでいる必要があるでしょう。

一括借上げ方式

コインパーキング専門会社に土地のみを貸す方式です。専門会社が機材を設置し、清掃や点検なども行ってくれるので、地主は何もする必要がありません。そのため、遠方にある土地でも駐車場経営が可能です。

また、収入はコインパーキングの収益から何%などではなく、多くの場合は土地の賃料となるので、毎月安定した収入が手に入ります。

ただし、土地の賃料はコインパーキング経営を行って赤字の出ないような料金に設定されるので、自己経営方式より収入は下がってしまうでしょう。

また、賃料は契約によっては専門業者側の都合で変更することが可能です。急に賃料を下げられないように、契約内容を確認しましょう。

2:専門業者に相談する

いずれの経営方式にするか決めたら、専門業者に相談に行きます。自己経営式なら、機材の購入などをしなくてはなりませんし、一括借上げ式なら借上げてくれる専門業者を探さなくてはなりません。

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また、契約するまでは無料で周辺地域を調査して収益の見積もりを出してもらえますので、失敗することなくコインパーキングを始められるでしょう。

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運営開始時期2001年11月
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累計利用者数700万人
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3:市区町村に届出を提出する

コインパーキング経営を行う場合は、事前に市区町村の役所へ届出が必要になります。提出する内容は各地域によって異なりますが、以下のような項目を記載します。

  1. 駐車場の名称
  2. 住所
  3. 規模(面積や駐車台数、四輪・二輪など)
  4. 構造(舗装状況など)
  5. 設備(精算機・自販機など)
  6. 従業員数(駐車場経営に関わる人数)
  7. 経営開始予定日

申請には最短で40日ほど。届出には規模を細かく記載する必要があるので、専門業者とよく相談し、どのようなコインパーキングを作るのか決めてから申請を行いましょう。

ちなみに、不特定多数が利用でき、利用料金を徴収するコインパーキング経営のみ届出が必要になり、月極駐車場の場合は利用者が決まっているので届出の必要がありません。

4:工事開始

市区町村から許可が下りたら工事の開始です。何も手を加えていない更地の場合は、整地をしアスファルト舗装やフェンスの設置から行います。

一括借上げの場合でも、地主が自腹でアスファルト舗装やフェンスの設置をすることは多いので、プラン提案を受けた際には、必ずどちらが費用を負担するのか確認しておきましょう。

アスファルト舗装が終わった後には、駐車場のライン引きや精算機の設置を行います。
広さや周辺の道路状況などによって異なりますが、大体1週間~10日間程度で工事は終了。

工事が終われば、すぐ運用開始となります。

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コインパーキング経営の収入相場

コインパーキング経営の収入
コインパーキングの経営方法は2種類。自己経営方式と一括借上げ方式です。それぞれで収益は異なってきます。

収入の相場を計算する際には、貸出時間や土地の広さ、周辺地域の相場に応じて以下のように計算します。

貸出料金(円/時間) × 貸出時間(24時間) × 台数 × 稼働率 = 収入相場

この計算式に、コインパーキングの個別状況を加えて計算していきます。

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月極駐車場

自己経営方式の収入

自己経営方式とは
自己経営方式とは、コインパーキングの設置から運営まですべて自分で行う経営方法です。定期的に自分で見回る必要があり初期費用もすべて自分で用意しなくてはなりませんが、その分収益はすべて自分のものとなります。

費用は以下の計算式で求めることができます。試しに、以下の駐車場の収益を計算してみましょう。
収入を計算する際に必要なのは、時間貸し料金と駐車場に何台車を停められるかです。
例として、以下の駐車場を計算してみましょう。

貸し出し時間:24時間
駐車台数:5台
貸し出し料金:400円/時

計算式に当てはめます。

400円×24時間×5台×30日=144万円

しかし、これはコインパーキングが24時間30日利用された場合の金額。ここに1日に利用される割合、稼働率をかけていきます。一般的に良い稼働率は40%前後といわれているので、試しに40%で計算してみましょう。

144万円×0.4=57万6000円

ざっくりとですか月の収入が出ました。しかし、この計算は稼働率が良い場合、念のため20%、10%の場合も計算しておくと良いでしょう。

また、今回は計算を簡単にするために上限金額を入れていません。コインパーキングによっては、上限金額を決めており、何時間以上は料金が変わらないという設定をする場合もあり、その分収入も下がるので気をつけましょう。

収入を計算する方法

実際に計算する場合はまだコインパーキング経営の検討段階で、時間貸し料金の時間が分からない場合もあると思います。その場合は、コインパーキング予定地周辺のコインパーキングの料金を調べましょう

コインパーキングは周辺と時間貸し料金を揃えるのが一般的。土地活用予定地に近ければ近いほど料金は近くなっていくので、より近い駐車場の時間貸し料金や最大料金を調べましょう。

駐車台数は土地の広さが分かればおおよそで出すことができます。一般的な車1台分の駐車スペースは幅2.4~2.5m、奥行き4.8~5m。これに加え幅5m程度の道が必要です。

以上のサイズ感を見て、駐車場に何台車が駐車できるのか考えてみましょう。

一括借上げ方式の収入<

一括借上げ方式とは
一括借上げ方式とは、コインパーキング専門業者が機械の設置から運営まで行い、地主は土地を貸すだけの経営方法です。地主がやることはほとんどないので、金銭的にも体力的にも負担が軽くなります。ただし、設備費や管理費分などは引かれ、自己経営方式に比べると収入は少なくなります

一括借上げ方式のコインパーキングの稼働率に関係なく、毎月専門業者と取り決めた額が支払われます。イベントや天候などにも左右されないので、通年で安定した収入が見込めます。

ただし、最初に決められた額がずっと支払われる保証はなく、売上が悪い月が続く場合には価格交渉をされ、毎月の収入が減ることもあるでしょう。

毎月支払われる金額は専門業者によって異なり、平均的にいくらというものはありません。一括借上げで得られる収入を知りたい場合は、専門業者に聞いてみましょう

専門業者に収入を聞く際は、一括提案サイトを利用しましょう。一括提案サイトが紹介する専門業者は一括提案サイトが一度審査を行っているので、悪徳専門業者や専門業者を装った詐欺に会ってしまう心配がありません。

さらに、一括提案サイトなら無料で複数社からプランを提案してもらえるので、各社のプランを比較できより高い収益を得られる会社を探せます。

コインパーキング経営にかかる税金など費用

コインパーキング経営にかかる費用
他の土地活用と比べ初期費用がかからないといっても、初期費用も維持費も発生します。詳しく見て行きましょう。

土地の購入費用と税金

土地がない状態でコインパーキング経営を始める場合には、土地を購入することから始まります。土地を購入すると、以下の費用がかかります。

  • 購入費用
  • 固定資産税
  • 登記費用(登録免許税)

この取得費用にプラスして、コインパーキングを始めるための初期費用と維持費用がかかってきます。

自己経営方式の費用

コインパーキングを経営するにあたって必要な費用は初期費用と維持費です。

初期にかかる費用

解体作業が終了した後すぐにコインパーキング経営が始められるわけではありません。コインパーキング経営をするためには、更地にした後にアスファルト舗装をしたり、精算機など設置する必要があります。

選ぶパートナー会社や土地の広さによって作業量が異なるので一概には言えませんが、必要な項目はあまり変わりません。

・土地整備(アスファルト舗装・ライン引きなど)
・精算機の設置費用
・フラップ設置
・看板設置

アスファルト舗装は1㎡につき約3000円~、ライン引きは1台につき約5000円程度が発生します。精算機はおおよそ1台60万円~、フラップは1台13万円~となります。

看板は最も安いもので2万円、満室表示機などは20万円程度。設置する枚数によって価格が代わります。

初期費用が200万円程度で済んだ人もいれば400万円程度かかる人もいます。価格の差は土地の舗装方法や立地による工事の手間度合い、看板の枚数などによるものです。
土地によりかかる値段が異なるので、パートナー企業などを選びコインパーキング経営をする場合は、営業担当に予算を伝え調整していくと良いでしょう。

コインパーキングの維持費

ほとんど手がかからないコインパーキングですが、管理と維持が発生します。こちらも照明の設置個数や設備によりことなるので、一概には言えませんが発生する項目は以下になります。

・精算機のメンテナンス代
・電気代
・消耗品
・警備会社などの一時対応費用

すべて自分で管理する場合は、2万円程度になります。

一括借上げ方式の費用

設置費用、維持費などは専門業者が支払い管理してくれるので必要ありません。ただし、多くの専門業者で、アスファルト舗装やフェンス・ブロック塀の設置などは地主の負担となっているので、注意しましょう。
アスファルト舗装は前段でも解説しましたが、1㎡につき約3000円~です。

フェンスは高さや材質によって価格が変わりますが、一般的なひし形状金網のもので約5000円~(縦80cm×横100cm)となります。ここにフェンスを独立させる基礎(1つ約4000円)が必要になります。

ブロック塀の場合は1㎡につき約5000~1万円の基礎工事+積み上げブロック塀1㎡につき9000~1万5000円となります。

土地の面積にもよりますが、更地(土の状態)からだと最低でも数十万円は初期費用が必要になります。

コインパーキング経営で儲けるコツ

コインパーキング経営の収入は立地に左右されますが、周辺に同じようなコインパーキングがあるのなら、その中から選んでもらわなくてはなりません。

いくつかある駐車場の中から選んでもらうには、コツが必要がです。コツを実践して利用客を増やしましょう。

ドライバーに気づいてもらえるようにする

当たり前ですが、そこにコインパーキングがあるとドライバーに認識してもらわないといけません。
ドライバーにコインパーキングを認識してもらえるよう、遠くから見えるようにある程度高い所に配置し樹木などで隠れてしまう場合は枝を切るなどして、看板が隠れないように工夫しましょう。
また価格を気にするドライバーも多いです。そのため、価格表示をする看板を駐車場の奥ではなく入り口付近に設定することで、ドライバーは安心してコインパーキングに入ってくることができます。

初心者に優しい配置にする

ドライバーは初心者であろうとベテランであろうと多くの人が駐めやすい場所を好みます。

同じ価格で近い場所にコインパーキングがあれば駐めやすい方を選びますし、何度もコインパーキング付近に訪れるドライバーがいれば、リピーターになってくれます。初心者に合わせた駐めやすい配置にしましょう。

さらに駐車の難易度が下がれば車の同士の接触事故やどこかに車をぶつけるという事故も少なくなり、無駄な出費を抑えることができます。

配置をする際は以下の点を意識しましょう。
・入りやすいように入り口を広くとる
・車路幅を広くする
・1台の駐車できるスペースを広くする

車路幅は最低3.5mですが、5.5mあれば余裕ですし、コインパーキングに入る車と出る車がすれ違うことができます。

価格設定を適切に行う

利益に直結する価格設定はとても重要です。
収益を上げるために高めの価格設定をしたいところですが、すると利用客は他のコインパーキングに流れてしまいます。
都心の交通量の多いところや周辺に競合のいないエリアなら強気の設定をしても収益を上げられますが、住宅や地方都市などは上げすぎない方が無難です。

また、利用回数を増やそうと価格を下げるのも得策ではありません。収益は下がってしまいますし、周辺の駐車場と価格競争が起こってしまう可能性があります。

価格競争が起こってしまっては、長期的に収益を上げることが難しくなってしまうでしょう。

損をせず、収益を保つという点でベストなのはまわりと価格をある程度合わせることです。

自身の経営するコインパーキングの立地が他より良ければ価格を気持ち高く設定すれば良いですし、立地が悪ければ数十円程度で値下げをするのも良いでしょう。

コインパーキングに向いている土地とは

コインパーキング経営に向いている土地
コインパーキング経営が初心者向けなのは、費用が他の土地活用に比べてかからないことの他に活用開始後に運用などに専門知識がさほど必要ないからです。

しかし、その分立地勝負。立地の良し悪しでコインパーキング経営の成功が左右されると言っても過言ではありません。

以下のような立地の土地がコインパーキング経営に向いている土地です。土地活用を検討している土地に合っているかチェックしましょう。

周辺に駅や商業施設がある

駅や商業施設、病院やホールなど来訪者が多い施設が周辺にある土地は、施設に訪れる人を利用客として見込めます

地方の土地ならば、海や山などの観光地周辺の土地でも利用客を見込めますが、夏季限定や日中のみとなってしまうので、かき入れ時にしっかりと収益を出せるほどの土地の面積などが求められるでしょう。

天候や季節に左右されず人々が利用する駅などの方がより高い収益を見込めるでしょう。
しかし、距離には注意が必要です。駅から徒歩10分以内、住宅ならアピールできる距離ですが、コインパーキングの場合だと利用客はほとんど見込めません。

人気飲食店の近く

駅やモールなど大きな施設の近くでなくてもコインパーキングに向いている土地はあります。それは周辺に人気の飲食店がある土地

商業施設の場合は施設内に駐車場を持っている場合も多くありますが、飲食店の場合は駐車場を持っていないことも多く、一時停止で車を停めるのが難しいので近くのコインパーキングが重宝されます。

行列のできる店舗なら待っている間からコインパーキングを利用をしてくれるので最も望ましいでしょう。行列ができていなくても人気のケーキ屋さんやパン屋さんなど来訪者が多い店舗でも可能です。

車道に面している

いくら商業施設の近くでも車が入るのが難しいような土地では、コインパーキングの経営は難しいです。車が入りやすいように大通りなど車道に面している土地が良いです。

住宅の場合はうるさいからと敬遠されがちですが、コインパーキングの場合は土地が道路に面しているほど車の出入りがしやすく良い土地です。出入り口を分けることも可能なので、コインパーキング内で事故も起こりにくくなるでしょう。

しかし、あまりにも交通量が多く車の流れが早い幹線道路などはコインパーキングに気がついた時には通り過ぎていることも多く向いていません。コインパーキングの入り口のすぐ近くに電信柱や標識など車を出し入れする際に邪魔になる物がある土地も避けるのが無難です。

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コインパーキング経営のメリット・デメリット

コインパーキング経営のメリデメ

コインパーキング経営を含める駐車場経営にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
もう少し分析してみると、労力・資金・流動性・設備のそれぞれにおいて、アパート・マンション経営とは違った性質を持っていることが分かります。

メリット1:比較的小さい労力で運営できる

物件管理と入居者管理の両方が必要なアパート・マンション経営とは異なり、駐車場経営で求められるのは、かんたんな清掃と敷地内での事故・不正利用への対策程度です。
清掃や対策などは日常的に発生するものではなく、事故についても管理責任を問われる状況は多くないため、経営的な労力は小さくて済みます

また、アパート・マンション経営における退去時の原状回復義務など、トラブルになりやすい要因が少ないことから、自己運営でもほとんど労力を消費せずに経営できますが、管理業者に委託することで、より不労所得に近くなるのは駐車場経営の魅力でしょう。

メリット2:投資額が小さくて済む

建物がないので、絶対的な投資額が小さいことはもちろんですが、追加投資も多くありません
つまり、初期投資が大半を占めるため、収入が予想外になることはあっても、支出が予想外になりにくいのはメリットです。

投資が小さいことは、もし自己資金が不足しても借入金が少ないことを意味しますから、金利変動に左右される借入金を減らすことで安定経営に繋がります。
ブレ幅が小さい経営は計画も立てやすく、初心者向けと言われる理由でもあります。

メリット3:撤退や転用がしやすい

経営がうまくいかなかったときに、多額の借入金を必要とするアパート・マンション経営は、建物の処分から先に考えなくてはならず、土地の流動性が低くなります。
多くの設備を必要としない駐車場経営なら、撤退や転用がしやすい土地活用です。

パートーナー会社と契約している場合、契約を更新しないタイミングなどがあり急に明日辞めることは難しいですが、アパート・マンション経営と異なり契約している利用者はいません。
1人1人に挨拶して、撤去を知らせをするというような手間も必要ありません

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土地の有効活用

メリット4:老朽化の影響や災害リスクが小さい

根本的に貸すものが「土地」である駐車場は、建物と違って老朽化を心配する必要がなく、老朽化するとしても舗装・フェンス・機器類(コインパーキング)などの設備だけです。
多少のメンテナンスは避けられないとしても、賃料が立地で決まる駐車場経営は、設備の老朽化で賃料が下がることを考えなくて済みます。

また、災害については、海沿いや山沿いといった駐車場に限られないリスクを除外すると、災害時の緊急避難先として利用されるほど、平坦で建物がない駐車場の災害リスクは小さいものです。

火災の心配も極めて少なく、大地震・津波など大規模な自然災害では、駐車場が影響を受けるほど大きければ、アパート・マンション経営ではより大きいダメージを受けますから、相対的には災害リスクに強いと言えるでしょう。

デメリット1:土地の運用効率は低い

土地の広さは決まっており、最大限の運用効率を得るためには、アパート・マンション経営のような上方向に収益物を設置していくのが基本です。
タワー型の大規模な駐車場は別として、平面の駐車場や小規模な立体駐車場では、面積あたりの収益率が落ちてしまいます

もっとも、アパート・マンション経営と駐車場経営は、性質も投資もまったく違うので、運用効率が低いことをただちにデメリットと考えるほどではないのですが、同じ土地を同じ期間で運用する前提では、数字上の効率は劣ります。

デメリット2:節税効果が薄い

アパート・マンション経営には、住宅用地として固定資産税の軽減、小規模宅地として相続税評価額の減額があり、節税対策として知られています。
土地を持っている限り固定資産税は避けられませんし、土地を引き継ぐ相続人に負担をかけたくない思いから、経営は二の次でアパート・マンション経営を始める人もいるくらいです。

駐車場経営は、住宅がないので固定資産税は安くならず、相続税評価額については、舗装をすることで小規模宅地の評価減を受けられる可能性がある程度です。
特に、固定資産税の軽減率は1/6または1/3と高いので、大きな差が付くでしょう。

デメリット3:需要が減少する可能性も

全国的には自動車の保有台数が増えており、乗用車は6千万台を超えています(2015年、自動車検査登録情報協会公表値 )。
しかしながら、保有台数が増えているからといって、駐車場の需要が増えていくとは限らず、将来は需要が落ち込む可能性も十分に考えられます。

理由は、少子高齢化と人口減少で、車を運転する人の絶対数が減るからです。
付け加えると、人が減ることで土地需要が減り、空き地が増えるほど駐車場に困る人も減っていくということです。

また、車が生活上必須ではない都市部では、カーシェアリングで負担を減らす動きもあって、駐車場の需要は減少する方向に進むのでしょう。
ただし、アパート・マンション経営でも人口減少と空き家の増加に大きく影響を受け、駐車場経営だけのデメリットではありません。

駐車場経営を前向きに検討するなら、一度プロにプランを提案してもらうと良いでしょう。どれくらいの費用がかかり、利回りはどれくらい得られるのかイメージできます。

コインパーキング経営にもリスクはある

コインパーキング経営もビジネスの1つ、運営していく上でリスクは発生します。以下のようなリスクが発生する恐れがあるので、注意しましょう。

事故やトラブル

よくある対策として、「駐車場内での事故には責任を負いません」とする文言を、看板で設置したり契約書に記載したりするのですが、これは駐車場側に過失がないことを前提としており、適切な管理を怠って過失があると、責任を免除することはできません

例えば、駐車マスや車路が通常必要とされるよりも狭く、接触事故が起こっても何ら不思議ではない、出入口の見通しが悪いのを知っていて改善しない、コインパーキングの車止めやゲートなど設備が壊れていて損害を与えたケースです。

また、破損や車上荒らし、不正利用(無断駐車)、盗難といったリスクは、全面的に管理責任が発生するものではないとしても、定期的な巡回すら行わず、リスクの発生まで放置したとすれば、管理体質を問われてもおかしくありません。

管理業者への委託で収益は下がりますが、リスク回避のための必要経費だと思って考えないと、損害賠償を請求されたときの面倒さは金額以上に大きいものです。

災害リスク

駐車場で災害を受けるとしたら、大地震による液状化現象や地割れ、津波・高潮・集中豪雨・洪水による水没、土砂崩れによる埋没など考えられます。

いずれの場合であっても、ローリスク・ローリターンの駐車場経営なら、保険で備えるほどではないかもしれませんが、運営できなくなるリスクはあります。

ただし、駐車場が運営できなくなるくらいの大災害では、大よそ周辺も日常生活できない状況だと予想できますので、仮に駐車場が無事だからといって運営できるというわけでもないでしょう

幾度となく大災害を経験してきた日本では、災害対策の難しさがよく知られています。

根本的な対策はないとしても、ハザードマップを確認するなどすれば、自分の土地がどのくらいの災害リスクを負っているか知ることは可能です。

国土交通省:ハザードマップポータルサイト

基本的には低い土地ほどリスクが高い(特に水害)ので、周辺よりも低いようなら、盛土をして高さを増しておくと、いざという時に役立つかもしれません。

賃料の未払い

悪質な利用客の場合、ロックシステムのない場所に駐車したり機械を壊して料金を支払わないということがあります。特に後者の場合は利用料だけでなく、機械の修理や機械が壊れている間その場所を利用できないこともあり損失は膨大です。

対策としては、防犯カメラを設置し未払い車のナンバーを分かるようにしておくことや駐車場のシステムを破損される可能性の低いロックレス方式にする手段があります。

未払いの発生は立地による可能性やコインパーキングは誰でも使えるという特徴からゼロにすることは難しいですが、対策を講じることで被害を抑えることはできるでしょう。

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コインパーキングと月極駐車場の経営を比較する

コインパーキングか月極か
ここまで、コインパーキング経営の特徴や儲けるコツを理解したら、自分と自分の土地にはどちらが合っているのか検討してみましょう。

求める収入や土地の特徴によって、どちら向いているのか異なります。

コインパーキング経営が向いている場合

コインパーキング経営の魅力はなんといっても高い収益性です。

月極駐車場なら都心部でも月3万円程度が平均ですが、コインパーキング経営は同じく都心部の1時間の料金は500円前後になるので、利用が半日以下だったとしても1周間程度で月極駐車場の収益を上回ります

多少リスクはあっても高い収益性を得たいという人はコインパーキング経営を選ぶと良いでしょう。

ただし、コインパーキング経営は月極駐車場以上に立地勝負です。前段で解説したような商業施設や人気飲食店などの近くで、車が入りやすい場所に土地がないと高収入は期待できません。

交通量の少ない場所の場合は、本当にコインパーキング経営で収益が出せるのか、綿密に計算してみた方が良いでしょう。

こんな人におすすめ

・リスクはあっても高収入を得たい
・都心や商業施設の近く、駅周辺などの土地を所有している

月極駐車場が向いている場合

月極駐車場の魅力は、安定した収入と初期費用の安さです。月極駐車場なら契約者がいる限り自身が設定した価格で収入が得られます。

また、コインパーキング経営はいくら機械等の費用がかからないとしても、アスファルト舗装や場合によっては柵の設置が自費で必要です。しかし、月極駐車場なら駐車場用のラインをロープで作る程度でも可能。初期費用が抑えられる分、ローリスクにできるでしょう。

月極駐車場の利用者は土地周辺で生活している人です。住宅地やオフィス街など土地を持っている場合は月極駐車場がおすすめです。

こんな人におすすめ
・手堅く収入を得たい
・ローリスクローリターンが良い
・住宅街やオフィス街に土地を所有している。

より月極駐車場の内容を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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月極駐車場

コインパーキング経営は立地が命

コインパーキング経営は誰にでも始めやすい土地活用ですが、成功して長く経営を続けるには、条件に合った土地が必要です。

他の土地活用に比べると手軽に始められますが、費用が必要な場合もあるので焦らず、適している土地なのかよく検討してから判断するようにしましょう。

コインパーキング経営で儲かる土地かどうかは、土地活用のプロに見積もってもらうことをおすすめします。土地の状態や周辺状況を調査して、具体的な収益プランを提案してもらえるでしょう。

home4u土地活用運営会社株式会社NTTデータ・スマートソーシング
運営開始時期2001年11月
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累計利用者数700万人
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