玄関リフォームのポイントを箇所・性能別に

玄関は水回りと違って劣化による不具合がリフォームのきっかけになることは少ないかもしれません。
玄関のリフォームを考える時には他の部屋にも不具合が出ており、そこで合わせて候補に挙がるという流れでしょうか。

もう1つ考えられるとすれば、住む人の変化によって不都合が出て、リフォームを考える流れです。
バリアフリーや収納がその具体的な不満の対象で、他の箇所と合わせて行う場合も、これが決定的な理由になることが多いようです。

これは別の視点から捉えると、もし設計時にできる限り先のことを見越して造っていれば、長く快適に使うことができるということです。
特に玄関は設備ごとの入れ替えなどがないので、先のことを見据えて設計するのが、全体に通ずるポイントと言えるでしょう。

玄関リフォームのポイント

“玄関は家の顔”と呼ばれるほど、玄関は来客に対して強い印象を残します。
確かに、玄関が暗く清潔感がないと、見てもいない家の中まで、なぜか同じような印象を与えるのは残念です。

その一方で住んでいる側からすれば、外部との境界に存在するため、外気による温度変化、雨風の侵入、防犯への不安要素になるでしょう。
リフォームはドア、収納、床、框(かまち)、壁紙などが対象です。

【玄関に良くある不具合や不満】

  • 光が入らず暗い
  • 防犯上の不安がある
  • すきま風が入って寒い
  • 靴の臭いがする
  • 間取りが狭い
  • 収納が足りない
  • 家族が高齢で段差を変えたい

これらの不具合や不満は、複合的に発生しているため、例えばドアを交換しただけで、すべてを解消するものではありません。
玄関全体をリフォームの対象と捉え、要望に応じてリフォームしていくことになります。

ドア

防犯上、玄関ドアは気になる箇所で、ピッキング等の解錠技術は年々向上しています。
また、すきま風や騒音対策、砂埃の侵入を抑えるためにも、玄関ドアは重要です。

最初に玄関ドアで決めなくてはならないのが、開き戸か引き戸かの選択でしょう。
デザインの好みもありますが、事情によって選ぶケースもあります。

ドアの種類

大きく分けると開き戸と引き戸でも、現在はかなり細分化されています。
また、固定部(袖の固定されて開かない部分)やランマ(上部の固定されて動かない部分)をどうするかという選択もあります。

開き戸

間口が狭い玄関に適しており、洋風なイメージ・デザインが多いドアです。
主流は「片開き」で、「親子ドア」(袖もドアとして開けることができる)、「片袖固定」「両袖固定」、間口が広めなら「両開き」(左右対称のいわゆる観音開き)も設置可能です。

開口部を多く取りたいのなら、固定部のない片開きか両開きとなりますが、その場合、玄関が奥に引っ込んだ構造では、壁とドアハンドル等がぶつかって、90度以上開かない可能性も出てくるので要注意です。

また、開口部が大きくなるということは、それだけドアが大きくなり、特に片開きでは扇状に開くスペースも広く確保が必要です。
したがって、ドアが開く側(一般にはドアの外側)のスペースや開く角度も考慮して、片開き・両開き、固定部の有無を決めていくことになるでしょう。

もう1つ、外からドアを手前に開くとき、ドアをかわして入室する都合上、右開きでは左側に固定部があると体の置き場所があって入室しやすく、右側に固定部があるとドアが開く角度を大きく確保できます。

健常な人はかんたんにドアをかわして入りますが、高齢や車いすの人になると少しの移動でも大変なので、そのあたりも配慮しなくてはなりません。

引き戸

以前は和風のイメージでしたが、現在では色々なデザインが増えてきました。
引き戸は、横方向にスライドして戸を開ける構造から、左右のどちらかに戸をスライドさせるスペースが必要で、それが確保できなければ間口の一部を犠牲にします。

一般的なのは「引き違い戸」といって、2枚の引き戸を並べ、左右のどちらか(または両方)から移動できるようにしたものです。
その他にも、引き戸が1枚の「片引き戸」、中央から両側に戸が開く「引き分け戸」、引き戸が壁に沿うか収納される「引き込み戸」などがあります。

引き戸のメリットは、開き戸と異なり前後方向のスペースを必要としない点です。
開き戸でも説明したように、高齢や車いすの人は、開けてからスムーズに入室できる方がよく、引き戸のほうが移動は楽です。
病院や福祉施設では、引き戸が多く見られることからも利便性はよくわかります。

ドアの材質と色

ドアの材質は、金属製木製に分かれ、断熱特性に優れた断熱扉もあります。
いずれであっても、色は塗装次第なので自由に選ぶことはできますが、家の造りや壁に合わせて材質を選ぶのが一般的です。

金属製は鋼板アルミステンレスなどが主な素材で、耐久性が高い代わりに、木製が持つ独特の温かい雰囲気に欠けます。
また、熱伝導率が高く、冷えやすいので結露に繋がりやすい点も難点ですが、木材よりは加工が容易であることからデザイン性には優れています。

一方の木製は、ナラチークなどが利用され、木材は元々断熱効果が高い材質ですし、結露が発生しにくいメリットを持っています。
その代わり、塗膜がはがれてしまうと、急速に傷んでくるため定期的なメンテナンスを必要とするデメリットも持っています。

断熱扉は、扉内部に断熱材が充てんされており、ガラス部分は複層が基本です。
金属製に多く見られますが、木製の断熱扉がないわけではありません。

中にはLow-Eガラス(複層ガラスの内面に金属膜がコーティングされた断熱性に優れたガラス)製品もあるので、値段は少し高くなりますが検討の価値はあります。
最近は、開き戸だけではなく、引き戸にも断熱扉が増えています。

ドアの性能

製品や施工の精度にも依存するとはいえ、あくまでも一般的には、開き戸のほうが引き戸よりも気密性は高いとされます。
引き戸はレールが必要なこと、スライドさせる構造から、わずかにでも壁との隙間や重なる戸との隙間がなくてはならず、それが気密性を落とす要因です。

防犯性においても、開き戸に分があるとされますが、そもそも空き巣の侵入経路はガラス窓を壊されるのが圧倒的に多く、解錠に時間がかかれば玄関からは入りません。
つまり、開き戸でも引き戸でも、高性能な錠前が2つもあれば大抵は大丈夫です。

採光面では、扉の違いよりも、間口全体のどのくらいをガラスにするかで変わります。
袖やランマにガラスを用いるだけで、採光は大きく変わりますし、ドア自体に大きなガラスを組み入れるか、引き戸でよく見られる格子状のデザインも明るくなります。

ただし、ガラスは断熱性を落とす要因なので、採光と断熱を両立させようとすると、複層ガラスを用いるなどしてコスト高になるでしょう。
また、通風口が付いているドアなら、ドアを開けずに換気ができて、湿気対策には有効ですが、同じく断熱性を落とすので、機能は取捨選択が大切です。

最後に操作性で、近年引き戸の人気が高くなっているのは、開閉のしやすさやドアを開けたままにできる(開き戸はある程度まで開かないと閉まる)ことが理由です。
引き戸の欠点である気密性についても、改善されてきた証拠ではないでしょうか。

また、開き戸の中でも、ドアハンドルを回すタイプでは、ドアハンドルを下に付けることが使い勝手から難しいですが、引き戸は縦長のバーを付けることで、小さな子供でも開閉可能なドアを実現できます(メリットとは限りません)。

収納

限られたスペースしかない玄関の収納は、最低でも靴と傘、可能ならコート類などのアウターから、掃除用具、ゴルフバッグ等のスポーツ用品までニーズが高い部分です。
寸法の異なるものを同時に収納したいので、収納棚にもひと工夫必要です。

デッドスペースの活用が最有力

玄関に立ってみて、使われていない空間を探してみるのが一番ではないでしょうか。
腰くらいの高さまで靴箱があり、カウンターになって飾りが置かれている一般的な玄関では、天井までの収納棚に換えるとかんたんに収納を増やすことができます。

高い位置に棚があることで、使いづらくなるように思えますが、高い位置には普段使わない履物などに利用すればよく、普段使っている傘立てを取り除いても、玄関側面を収納棚にすることで十分に対応可能でしょう。
その代わり、解放感が失われるため、機能性との折り合いになります。

また、収納棚は土間から少し浮かしておくと、収納するまでもない一時的に使うサンダルなどを隠しておいたり、収納棚の底版を一部外して、ブーツや長靴など高さのある靴用や、傘置き場にして傘の水気を排水するために使ったりする工夫も便利です。

玄関に窓がある家は収納を増やせる

玄関で収納を増やす可能性があるとすれば窓で、玄関側面に窓がある家は多いです。
特に、北向きの玄関では、側面の窓があると明るさは段違いなのですが、収納を優先して考えたときには、窓を諦めて大きな棚にする選択も必要です。

また、収納を優先させて窓を棚の上下、つまり、天井付近と床付近に横長の窓を付けても、天井と床に反射した光が漏れて、それなりの明るさは保てます。
窓にはどうやっても収納できないことを踏まえ、収納場所を確保しましょう。

広いスペースを取れるならウォークインも検討

リフォームで広いスペースを取ることが可能なら、土間と室内側の両方に繋がっているウォークインクローゼットも検討してみましょう。
ウォークインクローゼットは、土足のまま使えて利便性がかなり向上します。

靴、傘、コート類はもちろんのこと、広さ次第でベビーカー、子供のおもちゃ、スポーツ用品なども収納でき、空間が独立しているので玄関が乱雑になりません。
もし、玄関の土間が少し狭くなったとしても、靴箱や収納棚がなくなる分だけ、圧迫感はそれほど感じないはずです。

リフォームの前に整理整頓してみる

長年履いていない靴を思い切って処分してみたら、意外にも収納は不足していなかったという話はよくあります。
デザインが古い、足に合わないなどの理由があるのに、捨てられない靴は多いです。

最近は、靴を上下重ねて収納できるアイテムも売られているので、捨てられないとしても箱にしまっておかず、効率的な収納ができないか試してみましょう。
ずっと履かない靴を、将来履くようになるとも思えず、リフォームや収納棚の設置は、一度整理整頓してからでも遅くはありません。

玄関の土間部分は、家の内部では唯一土足で使う場所ですから、汚れることを考慮した上で、床材を選んでいく必要があります。
床材には、「タイル」「コンクリート」(モルタル)「天然石」に分かれますが、それぞれが一長一短なので、材質別に解説していきます。

タイル

土間ではポピュラーな存在で、モルタルの下地にタイルを並べて貼り付けます。
土間とポーチ(玄関前)は、同じタイルを使う施工が多く、それは同一素材で統一感を出す好みの問題と、タイルの繋がりが土間の狭さを錯覚させるからとも言われています。

タイル貼りは表面的なものなので、個別に割れてしまう可能性を常に残しますが、サイズ・素材・色の種類が無数にあり、自由度の高い土間を実現できるので人気も高いです。

吸水性と滑りやすさは正反対の関係

タイルだけの問題ではないですが、基本的に表面がフラットで光沢があるほど、摩擦が小さい上に吸水性が低く、滑りやすさを助長してしまいます。
したがって、焼き物のタイルでは釉薬の有無なども関係してきます。

素朴な風合いが魅力のテラコッタタイルは、いわゆる素焼きなので表面はざらざらしていて吸水性が高く、同時に汚れやすいタイルです。
タイルメーカーの技術は進歩しており、滑りにくさを保ったまま、吸水性を抑えた製品もあるので、気にいった色やデザインを探してみましょう。

手入れのしやすさで言えば、光沢のあるフラットで大きめのタイルに分が上がりますが、子供や高齢者など、安全面には十分に配慮したいものです。
また、タイルを小さくしていくと目地の部分が増えて、滑りやすさは軽減されていきます。

汚れが目立ちやすい色は白と黒

雨風にさらされない玄関の土間は、掃除をしないときれいになりません。
ですから、玄関外のタイルよりも土間のほうが汚れやすいと言えます。

色別では、清潔感のある明るい白系と、シックな黒系で汚れが目立ちます。
これは、洗車しないで走っている自動車と同じで、白地の汚れが目立つのは言うまでもないですが、黒の場合には泥が乾いて白くなると目立つからです。

自動車もそうであるように、グレー(シルバー)や茶系では、汚れていてもあまり目立たなくて済むので、掃除が苦手な人は色にもひと工夫です。

コンクリート(モルタル)

コンクリートの場合、表面の仕上げ方法によって、いくつか種類があります。
それぞれ特徴があって選択も難しいので、あらかじめサンプルなどで確認してから依頼したほうが安全でしょう。

金ゴテ仕上げ

左官職人の腕次第ですが、コテを使って表面をフラットできれいに仕上げます。
土間は土汚れが多いので、表面をフラットにすることで、掃除しやすいメリットは大きいですが、雨の日に滑りやすくなり注意が必要です。

ハケ仕上げ

最後に表面をハケで引き、細かい縦線が入るように仕上げる方法です。
金ゴテ仕上げの滑りやすい欠点を解消する代わりに、掃除に手間がかかり、ただでさえ汚れやすいコンクリートが、溝によってさらに汚れを落としにくくします。

ステンシルコンクリート

一見するとタイルのようですが、コンクリートに網目模様などのステンシル(型紙)を敷き、その上から顔料の入ったカラーハードナーと呼ばれる硬化剤を擦り込みます。
その後、ステンシルを取り去って、表面保護剤を塗ります。

色もステンシルのパターンも選べますし、タイルや石の貼り付けと異なり剥がれる心配もなく、表面に硬化剤を擦り込んでいるため、デザイン性と耐久性を兼ね備えます。
デメリットは、説明してきたように手間がかかるので高くなる点です。

スタンプコンクリート

ステンシルコンクリートとは逆の発想で、模様を付ける際に型紙を敷くのではなく、上から型を押しつけることでパターンを実現します。
メリットもデメリットも、ステンシルコンクリートと同様です。

洗い出し仕上げ

玉砂利を入れたコンクリートが乾く前に、表面を洗い出して粒が残るように仕上げます。
滑りにくくなり、玉砂利の大きさや色を変えることでバリエーションも付けられるのですが、洗い出しは職人の腕にも影響されやすい施工です。
また、使っているうちに、いつかは表面の玉砂利が取れてくるデメリットを持ちます。

天然石

建築石材で使われる天然石は、大理石御影石(みかげいし)です。
石灰岩である大理石は淡い色が多く、御影石は聞き慣れないかもしれませんが、墓石に使われている石で、黒に近い色からグレー系、ピンク系、緑系など多彩です。

大理石

昔は大理石を使うとすれば、高級住宅と相場は決まっていましたが、人工大理石の登場で安価になって、キッチンなどでも普及するようになりました。
ただし、ここでは天然大理石を使う前提で解説します。

大理石は、ほとんどの場合、光沢を出すために磨いて使われますから、玄関の土間として使うには滑りやすくなる欠点を持っています。
そして、吸水性を持つため、泥水などが染み込んで取れなくなるなど、メンテナンス面でも課題が多い素材で、表面に樹脂を塗って保護する方法も一考です。

すぐに水分を拭き取れば、シミになることはないですが、雨や雪の日に毎回拭き掃除をするのは、とても手間ですし来客中に掃除するわけにもいかないでしょう。
独特の高級感を好む人が多い一方、土間では手入れが大変な側面を併せ持ちます。

御影石

吸水をほとんどしないので、土間の素材としては大理石よりも向いています。
大理石同様、磨いて光沢を出すと当然滑りやすいので、そのデメリットをどのように捉えるかで選択肢が変わってきます。

バーナー仕上げといって、表面をバーナーで加熱し、結晶を壊して凹凸を作る加工をすると、滑りにくい御影石もできますが、色が薄くなり光沢による高級感も失われます。
また、凹凸によってどうしても汚れやすくなるため一長一短です。

例として、磨き仕上げとバーナー仕上げを組み合わせてモザイクにする、次で説明する框(かまち)には磨き仕上げを使い、土間はバーナー仕上げで妥協するなども考えられます。

框(かまち)・式台

「框」とは、玄関の土間から上がった廊下の床面と、土間との段差に渡す化粧板です。
外から玄関に入って、正面に見える(廊下が正面とは限りませんが)段差の部分には、床板の断面が見えるので、それを隠そうと化粧板を付けるわけです。

「式台」というのは、玄関の段差が高いときに、土間との間に一段低い台を渡して、段差を解消する役割を持つ板のことです。
以前は戸建でも珍しくなかったのですが、式台のある玄関はずいぶん減りました。

酷使されて擦り減るほどの箇所ではないですが、土間から上がるときに、強い力で踏まれる箇所なので強度は求められます。
しかし、どちらかというと、強度よりもインテリア志向が濃い箇所でもあります。

玄関に入って目に入る箇所なので、例えば、既存の框の上から木材を重ね張りできる、「リフォーム框」と呼ばれる製品があったり、土間や廊下の床面で使う天然石やタイルを、框に貼りつけたりして、デザイン性を楽しむ人が多いようです。

式台

式台は必須なものではなく、マンションのように土間と室内の段差がほとんどないのに、式台を付ける意味はありません(低すぎて付けられない)。
土間との段差を高いと感じるかどうかは、家族構成にも影響されるので、式台を必要とする子供や高齢者がいるかどうかもポイントです。

また、式台は人が乗っても大丈夫な強度を求められ、宙に浮いている式台は、それなりの厚みと強度のある板が必要です。
したがって、底を付けて階段状の式台にしたいところですが、宙に浮いた式台は、下に靴類を一時的にしまっておけるというメリットもあって迷うところです。

壁紙

一般的な家では、玄関の間口をそれほど広く取っていません。
ということは、幅よりも高さのほうが長いので、土間や廊下の床面積よりも、壁の面積のほうが大きくなり、壁紙の色が玄関内部の印象を大きく左右します

基本的には、白やベージュ系の明るい色のほうが、開放的で広い印象を受けやすく、室内の壁紙にも好まれることから、玄関でも同様に明るい色が好まれます。
単調な代わりに、土間でアクセントを付けるなどインテリアの工夫はできるはずです。

玄関の壁は汚れやすい

ただでさえ玄関は手を洗う前の段階ですし、立って靴を脱ぐときなど、片手を壁に付いて体を支える機会も多く、何かと玄関の壁は汚れやすい場所です。
そのため、拭いて汚れを取ることができる、撥水性の高い壁紙が適しています

また、単調になるのが嫌なら、柄ものを使うのもよいですが、採光不足の玄関では、柄が生えずに沈んでしまうため、明るめの照明にして補完しましょう。
調和を考えるあまり、玄関が同系色でまとまってしまうとつまらないので、適度に濃淡や柄を取り入れてアレンジすると際立ちます。

消臭壁紙や消臭タイルの効果

臭い対策は後述していますが、消臭壁紙や消臭タイルの効果を、玄関で見極めようとするのは相当難しいと考えられます。
家の中で、開放が頻繁に行われ室内とも繋がる玄関は、消臭効果のある壁紙やタイルを使っても、閉め切ったトイレなどと異なり、効果を測定するのが難しいからです。

また、機能性の壁紙は、面積を広く取るほど機能が発揮されて当然で、収納を重視して天井までの収納棚を設けた場合など、壁が埋まって一部の設置では効果も半減です。
これらを考えると、本当に消臭効果が高い壁紙でも、外気が入る・面積も小さいとなれば、その効果を体感できるほどにはならないのではないでしょうか。

その他機能性とデザイン

玄関は、家族全員と来客が使う共有部分で、使用勝手のよさが求められます。
リフォームの際は、家族構成をよく考えて、来客時にも印象がよくなるように、機能性やデザインについてもできることがないか検討してみましょう。

臭い対策

玄関の臭いは、外から玄関ドアを開けた瞬間に最も感じます。
これは、外の新鮮な空気に鼻が慣れてしまい、家の中の異なる臭いに敏感に反応するからで、玄関だけではなく家の内部から来る臭いの可能性もあります。

しかし、臭いに慣れているはずの家の内部から玄関に来ても臭う場合は、玄関の消臭を本気で考えなくてはなりません。
玄関で発生する臭いは、誰もが考えるように履物からが多く、雨の日に濡れて帰ってきたり、冬場は結露で湿気が溜まったりすることによるカビでも発生します。

臭いは換気が一番

玄関の臭いは履物を清潔にすることや消臭剤を使うなど受け身の対応になりがちで、それはある程度家族が使って、時間が経つまで発生しないからです。
臭いの基本的な対策は換気ですから、リフォーム時は空気の流れを考えましょう。

最近は、玄関扉に網付きの通風口があり、内側から開閉できるタイプがあります。
2ヶ所以上が開口していなければ換気効率が悪いため、上下で開閉できる製品を使うか、玄関にも1ヶ所通気口を設けると効果的です。

もちろん、扉の上や側面が子窓になっていれば、同じ対応は可能ですし、他にも調湿・消臭効果のある壁材を使うなど、機能で対策する方法もあります。
他にあるとすれば、ウォークインクローゼットに臭いがこもってしまうパターンで、開口部が広いからといって軽視せずに、換気口を取り付けてもよいくらいの場所です。

下からの臭いはできれば下で換気

臭いの元が靴だとしたら、多くの場合は下のほうに発生源が置かれています。
玄関に立って臭いを感じるときは、下から上に臭いが立ち昇っているのは間違いなく、リフォームの際に下から排気できないか検討してみるべきです。

下から来る臭いを上から排気するのは、自ら臭いを引き込んでいるのと同然です。
イレギュラーな方法ですが、上に排気口を付けるなら、扉付きで背の高い棚に靴を収納し、天板を外してその上に排気口を付けると緩和されるかもしれません。

段差の解消と活用

木造の戸建住宅では、古い家でも新しい家でも、集合住宅に比べて玄関の土間と床面の段差が高くなっていることが多いです。
場合によっては30cm以上の高さがあり、杖をついて歩く高齢者はもちろん、車いすにとっても高さがネックになります。

一方で、玄関扉の外と土間の段差は、小さいかフラットもありますが、玄関扉の外と土間がフラットな玄関では、土間と床面の段差が高くなっていないでしょうか?
その理由は、木造住宅の床面が、地面から45cm以上と定められている からです。

45cmの段差を、玄関扉の外、土間、床面に続く部分で解消するためには、徐々に段差を付けるか大きく段差を付けるかしかなく、リフォーム時に段差を決めます。
理屈上は、玄関扉の外が地面から45cm以上の高さがあれば、土間から床面までフラットにできますが、そのためには玄関前に階段か長いスロープを要します。

段差の高さは一長一短

土間と床面の段差が高いと、座って靴を履けるので楽なのに対し、高齢者には段差の乗り越えが困難で、床面と土間の間に設ける式台が必要でしょう。
逆に段差が低いと、今度は乗り越えが楽になっても、靴を履く際に座る動作と立つ動作が、高齢者には負担です。

このようなときは、段差を低くして、高齢者用にイスや収納型のスライドベンチを設けると、座っての履き換えと段差の乗り越えの両方を解消できます。
同じく、車いす用にスロープを付けるなら、段差は低いほうが楽です。

手すり

廊下に腰の位置で付ける横長の手すりだけではなく、玄関に手すりを付ける場合は、縦方向の手すりも考慮するべきです。
健康な人は利用しませんが、高齢者にとって段差のある玄関は不安だからです。

靴の履き換えや段差の乗り越えで転倒しないように、立っても座っても使える縦長の手すりが必要で、縦の手すりと横の手すりの連携もスムーズに使える位置を工夫します。
手すりは動線(人の動き)に付けないと、何の意味もないので気を付けたいところです。

鏡の有無と設置の仕方

玄関は出かける前の身だしなみを最終チェックできる場所として、可能なら細長でも姿見を置きたいところです。
場所が取れないとしても、収納棚の扉を利用すれば、それほど設置は苦労しません。

むしろ玄関の鏡においては、位置(左右正面)が重要だとされ、これは風水による根拠ですから、風水が気になるようであれば従えばよく、気にしない人であれば、左右正面のどこでもよいでしょう。

風水では嫌われる玄関から入って正面の鏡ですら、外からの光を反射して玄関が明るくなる効果を持つくらいです。

ニッチ(飾り棚)

ニッチとは、壁を凹ませた状態の飾り棚のことで、ニッチを作って飾り物を置くと、スタイリッシュな玄関に生まれ変わります。
採光不足で薄暗い玄関でも、ニッチに小さな照明を付け、飾った物をライトアップすることで、薄暗さが逆に効果的なインテリアを演出します。

例えば、腰高の靴箱の上に、花を飾っている例では、天井までの収納棚にすることで花を飾る場所が無くなるので、逆側の間仕切り壁にニッチを作るなどです。

もっとも、ニッチを作るためには壁の厚みと空洞が必要になり、間仕切り壁なら容易でも、外側の壁になると構造耐力上の問題に関わってくるため、専門家の判断を要します。
どこにでも可能なものではないので、作ることができそうか聞いてみましょう。

まとめ

玄関は一度設計してしまうとおける家具も限られ、大きな改善にはリフォームかそれ以上の大がかりな工事が必要になります。
逆に一度将来の変化も考慮した設計を行っておけば、手を加えなければならなくなるサイクルは早くありません

採光は証明で補え、リフォームで考えられる選択肢は他の部屋に比べれば多くないので、しっかり考えて進めたいところです。

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