月極駐車場経営の収入・費用と利回り(土地活用)

月極駐車場
すぐには使わない土地を活用して、少しでも収益を上げたいと思っているのなら、大きな投資を必要とせず、収入も安定している月極駐車場が1つの選択肢になります。
仮に失敗しても損失は小さく、人が住んでいる限り駐車場の需要は必ずあるからです。

また、今の時代は一家で複数台の車を所有することも多く、集合住宅でも戸数分の駐車場を確保しないケースもあることから、潜在的なニーズは意外と大きいです。
家族構成によっては、子供が大きくなって駐車場が必要になることもあるでしょう。

駐車場経営が始める前に、必ずしておきたいのが利回りの計算です。
駐車場経営の投資は、ほとんどが初期費用なので、初期費用をきちんと精査しないと、想定の利回りが実現できなくなります。

利回り計算と参考賃料

この記事で使用している利回りは、以下の条件を前提に計算しています。

  • 表面利回り(初期費用と満車時の賃料収入)で計算
  • 土地の取得費用はなし
  • 車1台につき20㎡~25㎡
  • 都市圏の工事費は1割増
  • 未舗装の駐車場は平均賃料から1割減

賃料相場の参考になるサイト

月極駐車場の料金は、郊外・地方では2,000円もあれば、都心なら5万円以上でも借りられない地域があるほどです。
また、同じ市区町村すら、商業地に近いほど高くなり格差は非常に大きいです。

そのため、平均的な賃料を求めて利回りの計算をしています。
地域別の平均賃料を求めるだけなら、駐マップというサイトが便利です。

駐マップ

トップページから都道府県を選択すると、次画面左上に平均賃料が表示されます。
地域の絞り込みも可能ですが、登録されている月極駐車場の平均賃料ですから、機械式も含めた地区内すべての月極駐車場である点には注意してください。

また、カーパーキングというサイトでは、都道府県単位なら平面式の平均賃料が確認可能で、この記事で使用している賃料もこちらを参考にしています。

カーパーキング

トップページから都道府県を選択して、次画面下部に駐車場タイプ別の平均賃料、最低賃料、最高賃料が確認できます。

利回りの計算方法

表面利回りは、初期費用を分母、最大の賃料収入を分子とするかんたんな計算です。

表面利回り=(駐車可能台数×月額賃料×12ヶ月)÷初期費用×100%

例として、8台駐車可能、月額10,000円の駐車場を、200万円かけて作った場合の表面利回りは次のようになります。

表面利回り=(8台×10,000円×12ヶ月)÷200万円×100%
=96万円÷200万円×100%
=48%

地域毎の舗装方法別利回り

土地の広さを200㎡(8台~10台駐車可能)とした利回りを、東京都、愛知県、大阪府、地方(北海道・福岡県の平均)に分けて試算してみました。
アスファルト・コンクリート舗装では、ライン引き・車止めを含めています。

また、200㎡よりも狭い土地では利回りを低めに、広い土地では利回りを高めに見込んでおくと、工事単価の差を吸収できます。

【東京都:平均賃料27,080円】

初期費用 利回り
未舗装ロープ区画 376,200円 622%~777%
アスファルト舗装 1,111,000円 236%~292%
コンクリート舗装 1,771,000円 148%~183%

【愛知県:平均賃料11,513円】

初期費用 利回り
未舗装ロープ区画 376,200円 264%~331%
アスファルト舗装 1,111,000円 101%~124%
コンクリート舗装 1,771,000円 63%~78%

【大阪府:平均賃料15,903円】

初期費用 利回り
未舗装ロープ区画 376,200円 365%~457%
アスファルト舗装 1,111,000円 139%~172%
コンクリート舗装 1,771,000円 87%~108%

【地方:平均賃料8,162円】

初期費用 利回り
未舗装ロープ区画 342,000円 206%~258%
アスファルト舗装 1,010,000円 79%~97%
コンクリート舗装 1,610,000円 49%~61%

利回りの傾向

駐車場にどのくらい投資するかで、利回りが大きく変わると分かります。
ただし、賃料が8,000円程度で、コンクリート舗装まで行っても利回りは50%近くに達することから、稼働率が高ければ投資を回収するのに苦労はしません。

この他に、フェンスや外灯を設けたり道路の切り下げ工事を行ったりしても、全体の㎡単価で10,000円程度までなら、数年で回収できる試算が成り立ちます。
また、地域の賃料格差は大きいのに対し、工事費の地域格差は小さく、月極駐車場に限定した土地活用では、都市圏の方が有利です。

また、コンクリート舗装は耐久性が高いので、将来の補修費用を考慮したとき、必ずしも費用の安いアスファルト舗装が優位とは限らず、この点は業者の施工技術や原材料の質にも依存するでしょう。

なお、新築が人気の賃貸経営と違って、新しい駐車場だから人気が高いというものではなく、近くに別の駐車場ができるとすぐに賃料競争が始まってしまうため、稼働率も賃料も低めに見積もって試算する必要がありそうです。

駐車場経営の初期費用

以下は参考までに、駐車場経営にかかる初期費用を紹介します。
前提は未舗装の更地で、そこから月極駐車場を始めるまでに必要な費用を初期費用としています。

整備にどのくらい投資するかで利回りが決まるため、考えている整備内容から、初期投資の予想を立ててみましょう。

未舗装の整地費用

車は重いので、地盤を強固にするため、平坦に土を削り取り、その上から砕石を敷き詰めて転圧する工事が必要です。
掘削+残土処分費、砕石実費+敷き詰め、転圧費用の合計が整地費用です。

まず、どのくらい土を削り取るか(どのくらい砕石を敷くか)ですが、5cmでは不足すると考えられ、10cmは欲しいところです 。
そうすると、土地の広さ×0.1㎥の残土が発生し、掘り起こした土は空気を含んで増えるので、残土量は1.2倍程度で換算しなければなりません。

掘削は機械を使えば2,000円/㎥程度 、残土処分は安くても5,000円/㎥ (処分場までの距離も影響します)はするでしょう。
残土量は1.2倍換算なので、6,000円/㎥は見込んでおく必要があります。

続いて砕石ですが、4tダンプで運んでもらって3,000円/㎥程度 (砕石の種類で違います)、
10cm敷き詰めるとして、石が地盤に食い込む分を考慮すると、砕石も1.2倍換算の3,600円/㎥で見込んでおきます。

ここまでは㎥単価ですから、深さ10cmの㎡単価はその10分の1です。

掘削200円/㎡+残土処分600円/㎡+砕石実費360円/㎡=1,160円/㎡

この他に、砕石の敷き詰め、転圧にかかる費用が上乗せされます。
重機の使用料・回送費が、ユンボ(バックホウ)とローラーで15,000円程度×2台、作業員2人の日当(雑作業も含む)を踏まえれば、合計6万円くらいでしょうか。

例:200㎡の整地費用
200㎡×1,160円+60,000円=292,000円

もちろん、土地が広くなって作業員が増える、残土処分に何度も処分場を往復する、1日で作業が終わらないなど、条件が変わると費用はさらに高くなりますが、基本的に土地が狭いほど単価は高いと思って間違いありません。

区画ロープ張り

未舗装のときは、駐車マスを区画するために、通称トラロープと呼ばれる黒と黄の縞模様になったロープが良く使われます。
トラロープは50円/m程度、ロープ固定用のペグは200円/本程度です。

自分でロープを張るなら実費で済みますが、業者に頼むとすれば、作業員2人、材料費込みで50,000円程度あればカバーできそうです(広さで変わります)。
必須の費用ではないので、区画ロープを張るときに加えてみてください。

アスファルト舗装

アスファルト舗装は、駐車場の場合5cm の厚さにすることが多く、その場合、未舗装の整地と同じように、土を掘削して砕石でならし、その上から舗装します。
そのため、掘削の深さが15cmになり、余計に費用が発生します。

砕石の量は変わらず、掘削と残土処分が10cmから15cmに増えて1.5倍です。

掘削300円/㎡+残土処分900円/㎡+砕石実費360円/㎡=1,560円/㎡

加えてアスファルト舗装の施工費用ですが、概ね3,000円/㎡前後、整地と併せて4,000円/㎡~5,000円/㎡ というのが一般的な相場でしょう(広いほど単価は下がります)。

コンクリート舗装

コンクリート舗装も、土を掘削して砕石敷き詰め、転圧する整地作業は、工程としてアスファルト舗装と同様です。
ただし、コンクリート舗装は厚さを10cmは取る ので、掘削が20cm必要です。

ですから、下地だけでも掘削と残土処分が10cmから20cmに増えて2倍です。

掘削400円/㎡+残土処分1,200円/㎡+砕石実費360円/㎡=1,960円/㎡

また、コンクリートは収縮でひび割れる性質を持ち、駐車場の広さになると、適度な間隔で収縮を吸収する目地(スリット)を作ること、ワイヤーメッシュという金網状の補強材を入れることなどから、アスファルトよりも手間が多く単価は高くなります。

トータルでは、整地込みで安くても5,000円/㎡から、立地等によっては10,000円/㎡でも妥当なところで、相場は7,000円/㎡~8,000円㎡程度だと考えられます(広いほど単価は下がります)。

ライン引き・車止め

アスファルト舗装やコンクリート舗装では、白い区画ラインを引かなくてはなりません。
必要なら、区画に番号を付けることも同時に可能です。

ライン引きはm単価よりも、一定距離までを一式価格にしている業者が多いです。
その基準は業者次第ですが、10台程度のライン引きで50,000円程度です。

また、縦にラインを引くだけなのか、四角い枠にするのか、番号の有無によっても手間と原材料費が変わってくるため、一概にどのくらいという相場はありません。
番号を付ける場合でも、文字数×数百円の単価で請け負っている業者が多いです。

車止めについては、1個3,000円を2個付けるとして1台6,000円程度です。
台数が多くなる分にはこの程度の単価で、車止めを固定する作業が入るので、数が少ないと人件費込みの一式価格になるかもしれません。

歩道の切り下げ

新しく道路との出入口を作る場合に、歩道を切り下げて進入可能にする工事です。
段差解消にブロックやスロープを設置しているケースも多いですが、道路法に抵触しており、自治体は段差解消の設置物を撤去させる方向で動いています。

歩道の切り下げ工事は高く、自治体への連絡も必要になって、業者に事務作業まですべてを任せると数十万円は取られます。
業者次第ですが、30万円~50万円は見込んでおきたい費用です。

ランニングコストと実質利回り

最初に紹介した利回りは、「表面利回り」といって、上記で紹介した駐車場経営を始めるまでに必要な初期費用と、満車時の賃料収入から求めています。
対して、さらに稼働率とランニングコストを含めた利回りを、「実質利回り」と呼びます。

常に満車で運用できるとは到底思えないので、半分空車なら稼働率は50%になりますし、固定資産税などのランニングコストも毎年かかります。
それらは状況によって上下幅があるため、表面利回りでおおよその目安を知ることは無駄ではありませんが、実質利回りは表面利回りよりも大きく下がってもおかしくありません。

表面利回り=満車時賃料収入÷初期費用×100%
実質利回り=((賃料収入×稼働率-ランニングコスト)÷初期費用×100%

月極駐車場経営のランニングコストは次のとおりです。

固定資産税・都市計画税

土地を所有している限り、毎年市区町村から課税され、固定資産税と都市計画税の税額は、固定資産税納税通知書で確認できます。
元々所有しているのが空き地であれば問題ないでしょうが、戸建て住宅の固定資産税は最大1/6の軽減が適用された税額なので、それを目安にしていると計算が狂います。

最低でも年間の賃料収入が税額を上回らないと収益になりませんが、賃料収入は地価と必ずしも連動しないため、地価が高い地域ほど実質利回りを下げる傾向です。

事業税・所得税・住民税

駐車場経営も事業なので、事業者として確定申告が必要です。
税額は収益次第で、砕石の整地でも舗装でも、税務上は構築物という扱いになって、一定年数は所得から控除可能です(減価償却できます)。

管理委託料

常時管理するほどの手間はないにしても、賃料の回収や簡易な清掃、定期巡回、クレーム対応などが面倒なら、専門業者や不動産会社に管理委託もできます。
相場としては、賃料の5%程度で考えておけばそれほど外れません。

補修費用

短期的には不要ですが、未舗装なら砂利の追加・ロープの張り替え、アスファルト舗装では摩耗、コンクリート舗装でもひび割れで、いつかは補修費用が発生します。
ただし、補修が新規の工事費よりも高いはずもなく、都度対応できる費用でしょう。

まとめ

駐車場経営は、初期投資が少なく利回りが高くなる代わりに、賃貸経営に比べると収入は少ないのが特徴です。
それはリスクの小ささでもあり、駐車場経営のメリットでもあります。

注意したいのは、利回りが高いからといって、収入の多さには結びつかない点です。
利回りは投資回収の早さを示す数値で、同じ利回りなら、収入の多さは初期費用とランニングコストの大きさに比例します。

それでも土地を遊ばせておくよりは、はるかに良い活用方法なので、小さいコストで転用もしやすい駐車場経営は、土地活用の第一歩として魅力でしょう。

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駐車場経営は短期間での資金回収が可能で、月極駐車場であれば、最小限の設備投資で始めることができます。
一方のコインパーキングは、ある程度の初期費用が必要ですが、その分高い利回りを実現できる可能性があります。

さらには月極とコインパーキングを併用するプランもあり、次のようなサイトでは、各社のプランをかんたんに比較できます。