空き家を手にしたらどうするか?そのリスクと対処方法

空き家をどうするか
相続などがきっかけで空き家を手にする人が増えています。
空き家保有者の中には「空き家保有のメリットやリスクについて知りたい」という方も多いでしょう。

人口減少・世帯減少時代に入り、空き家数はどんどん増えています。
2018年の調査では、全国の空き家数は846万戸です。(総務省統計局平成30年住宅・土地統計調査
空き家数の増加に伴い、空き家に関連するトラブルやリスクが増加しています。

空き家とそこにから生じる問題を減らすため、空家等対策の推進に関する特別措置法も制定されました。
今までに空き家の保有者には、空き家の管理や問題発生を防ぐ対応が求められています。

空き家に関する具体的なリスクと、対処法を見ていきましょう。

なお、この記事では空き家の所有者個人が対処すべきリスクについて記載しています。
空き家がもたらす社会的な問題については、以下の記事をご参照下さい。

メディアで空き家問題の話題が増えていますが、人口は減っていても世帯数はまだ増えており、問題が深刻になるのはこれからです。空き家問題の今後と対策を紹介しましょう。

1. 空き家保有に伴う6つのリスク

空き家保有に関するリスクを見ていきましょう。
空き家も適切に管理すれば通常の住居と大差ありませんが、放置した途端に問題が生じやすくなります。
この点が空き家のリスクとして注意しなくてはいけない点です。

まず空き家問題として捉えられている問題の概要を確認します。
国土交通省の「空き家の現状と課題」では、下に挙げるような問題が挙げられています。

空き家の放置により発生するリスクのある問題
  • 防災性の低下(倒壊、崩壊、屋根・外壁の落下、火災発生の恐れ)
  • 防犯性の低下(犯罪の誘発)
  • ゴミの不法投棄
  • 衛生の悪化・悪臭の発生(蚊、蠅、ねずみ、野良猫の発生、集中)
  • 風景景観の悪化
  • 樹枝の越境、雑草の繁茂(樹枝の越境、雑草の繁茂、落ち葉の飛散など)

空き家に関する問題のイメージができた所で、上にあるもの以外も含めて代表的な空き家リスクを具体的に見ていきましょう。

1.1 空き家の破損・倒壊リスク

放置しなくても家は老朽化していきますが、放置するとさらに傷みやすいと言われています。
その理由は、採光・換気がされないことによる湿気と、傷みが進行する前に修繕する意思が働かないからです。

人が住まず、管理もされていない空き家は想像を超えるスピードで劣化していきます。
空き家に多い木造の家の場合は特にそうですが、それ以外の作りの家でも劣化は進みます。

劣化が進んだ家の場合、内装や外装、屋根などが破損したり、ひどい時には災害に合わせて倒壊する可能性もあります。
家だけでなく、塀などにも注意が必要です。

1.2 空き家が犯罪につながるリスク

誰も使っていない家は不法侵入を受け、犯罪者の温床になったり、その場に不法侵入者が居座ったりしてしまう場合があります。
家が不法利用されたり、家の中が荒らされたりというリスクに加え、犯罪に巻き込まれる可能性がある点が大きなリスクです。

1.3 近隣トラブルに発展するリスク

上の犯罪のリスクに加え、害虫や害獣の発生、ゴミの散乱、木や草が伸びて隣家との境界線を超えてしまうなど、近隣に住んでいる人たちとトラブルになる可能性は常にあります。
空き家を保有している人は、常に近隣トラブルに繋がるリスクの火種を持っているという意識をしましょう。

1.4 損害賠償のリスク

何か問題があった場合に「嫌な思いをする」程度で済めばまだマシな方です。
空き家の保有者には、空き家を適切に管理する義務があります。
空き家を放置してそれを怠った結果、空き家に関連して第三者に損害を与えてしまった場合、損害賠償請求を受けることがあります。
損害賠償となれば、金銭的な支出を大きく伴う可能性がある点に加え、裁判による消耗や、近隣からの目も気になります。

1.5 資産価値の低下リスク

再開発地域や人気のマンションなど、よほどの事情がなければ、家の市場価値が維持されることは今の時代において考えられません。
ですから、空き家であるかどうかに関係なく、築年数が増すごとに家の資産価値は徐々に下がっていきます。

それだけなら自己責任の範囲でも、放置された空き家が周辺に悪影響を与えるレベルに達すると、周辺物件も価値の下落を招き、同時に土地も価値を下げるでしょう。
また、荒れてしまった家や土地は、元に戻す費用(家なら解体費用)込みで取引されるのが通常で、それだけ売る側にとってマイナスです。

なお、マンションは戸建てよりも資産価値の下落が鈍く、部屋単位での老朽化も考えにくいのですが、空き家が増えすぎると管理組合の意思決定に支障をきたし、修繕等の対策ができずにスラム化して、資産価値を大きく落とす懸念もあります。

1.6 固定資産税増加のリスク

空き家増加の理由1つに、家つきの土地は固定資産税が安くなるという特例があります。
更地と比較して、空き家でも家がついていると、固定資産税が最大1/6になる制度です。
この制度により、たとえ住んでいない家でも解体するよりも残しておいた方が節税の観点で得、という話が広まりました。

ただし、空き家対策特別措置法の制定により、空き家が「特定空き家等」に指定されてしまうと、その段階で税金の優遇が効かなくなってしまう点に注意が必要です。
つまり、空き家が「特定空き家等」に指定された場合、固定資産税の優遇措置がなくなり、税率が最大6倍に大きく変化します。
くれぐれもご注意下さい。

空き家と固定資産税の詳細は以下の記事で更に詳しく解説しています。

空き家を所持すると、どのくらいの税金がかかるのでしょうか。売却という手段もありますが、人によっては所持し続けたいと思う人もいるかもしれません。しかし、放置し続けるとペナルティの原因にも。そのため、空き家にかかる税金について把握しましょう。

空き家対策特別措置法については詳細な内容を以下の記事で記載しています。

平成27年5月26日、空き家対策特別措置法が完全施行されました。これは誰が対象で、どういった効果や固定資産税などへの影響があるのか?噛み砕いて解説してみます。

2. 空き家リスクへの適切な対処法

特定空き家への指定や、家の劣化などを防ぎ、空き家のリスクを問題化させないために、有効な対処法はどのようなものでしょうか。

具体的な対策としては、以下の3点が有効です。

空き家リスクに対処するための3つの行動
  • 空き家を管理する
  • 空き家を活用する
  • 空き家を売却する

1つずつ具体的に見ていきましょう。

2.1 空き家を管理する

空き家に関するリスクや問題は、主に空き家が利用されていないことから生じています。
同じ家でも人が普段から住んでいる家では起こりづらい問題が多いです。

一方で、空き家の持ち主には別の家があるなど、住居として使っていないからこそ空き家になっているという背景もあります。
住むことは難しいが、空き家を劣化させたくない場合は空き家を適切に管理することが重要です。
定期的な点検や通水、風通しなど自分で行う方法もありますが、管理サービスを提供している会社に依頼することも有効です。

月額数千円~1万円程度で空き家を管理してもらうことができ、サービスに寄っては通常レポートはもちろん、動画レポートで報告を受けることも可能です。
空き家を放置した場合の損害リスクを考えれば、十分支払う価値のある金額と言えます。

空き家管理について、具体的に検討したい場合はこちらの記事を参照して下さい。
管理サービスを行っている会社の比較も行っています。

空き家の悪影響は植栽や防犯面などを考えると、新しい家でもあり得る話です。空き家の水道や庭の管理、郵便物の対応、害虫や防犯の対策は何をどのように行えばよいのでしょうか?また火災や地震保険は入った方がよいのでしょうか?

2.2 空き家を活用する

家に住むのは何も自分だけでなくても構いません。
通常の賃貸や民泊として他の人に貸したり、公共用途に活用するなど、家を利用してもらい、リスクを抑えるという方法もあります。

空き家活用の魅力は、なんと言っても、「リスク」「マイナスの資産」だったはずの空き家が収益を生む資産に変わることです。
他社にとっても魅力的な空き家を保有している場合は、空き家活用も検討しましょう。
具体的な空き家活用のメリット・デメリットや、どのような人に向いているかはリンク先の記事をご参照下さい。

空き家の活用は貸して貸家とするか、売却して他の活用を考えるのが大半ですが、思い通りにいく物件ばかりではありません。そこで今回は、住居以外にした事例や自治体の取り組みも含めた、空き家活用の方法を紹介します。

2.3 空き家を売却する

どうしても空き家を手放したくない場合以外は、売却を検討することも有効です。
すぐに売るわけではなくても、売却したらいくら位になるのか、見積もりを得るだけでも今後の判断の手助けになるでしょう。

空き家は、もし売るなら基本的には早めに売却した方が良いという性質を持っています。
家は基本的に時間が経つほど価値が下がっていきます。
空き家という状態であれば更に劣化が早く進んでしまうので、資産価値の下落が大きくなる傾向にあります。
また、保有すればするほど、支払った固定資産税額の累積も大きくなっていきます。

売却を検討するなら早期に動くことが正解です。
家を売る具体的な流れや、高値売却のポイントは以下の記事をご参照ください。

ほとんどの人にとって、人生の中で家を売る回数はそれほど多くないでしょう。 そもそも、家を買うときの動機が定住を前提としていますし、予定外の転勤、実家の相続などなければ、売る機会は少ないからです。ここでは、家の種類や、売却の理由、個別の事情などにより、どのような点に注意すべきか、1つずつ具体的に解説していきます。

3. 行政による空き家問題の対策

市町村単位で進められてきた空き家対策は、これからの人口減少時代を踏まえ重要な国策になっており、国は法整備を進めて市町村の空き家対策を支援しています。
現状でどのような対策が行われているのか確認してみましょう。

3.1 住宅用地特例の適用除外や強制解体

空き家対策特別措置法の施行により、周辺に悪影響を及ぼしている、またはそのおそれがある危険な空き家は、「特定空き家」と認定されて措置の対象になります。
具体的な措置の内容は段階的で、次のような流れで進みます。

  1. 市町村から改善のための助言・指導
  2. 改善がなければ勧告され固定資産税の特例適用除外
  3. 改善勧告に従わなければ改善命令
  4. 改善命令にも従わなければ代執行により強制対処

まず、市町村から助言・指導が入る時点で、もはや猶予がないことを告知されたのも同然ですから、速やかに改善を施して悪影響を取り除かなくてはなりません。
そして、助言・指導で改善されない場合は、改善勧告を受けます。

改善勧告は、同時に土地の固定資産税・都市計画税が上がるペナルティを伴います。
住宅の敷地は、固定資産税が最大で1/6、都市計画税が最大で1/3に軽減されますが、勧告によって軽減の対象から外れ税額が3倍~4倍程度に上がります。

それでもなお改善されない場合は改善命令が発令され、命令も無視すると市町村が代わりに改善を施す代執行によって、強制的に悪影響の要因が取り除かれます。
解体することでしか改善できない空き家では、所有者負担で強制解体となります。

3.2 空き家バンク

空き家バンクとは、市町村や市町村に委託されたNPO法人等が、登録された地域の空き家情報を提供することで、空き家の利用者とのマッチングを行うサイトです。
全国の約7割の市町村が、空き家対策の一環として空き家バンクを開設しています。

売買・賃貸をあっ旋する仕組みとしては有用なのですが、運営主体が市町村単位であることから仕様が統一されておらず、全国規模での情報検索に難がありました。
利用者側の手間が大きいことは、空き家バンクの活用意欲を低下させ、実際に空き家バンクは期待されたほどの成果を上げていません。

この状況を見て、国土交通省の国土審議会は、空き家バンクの物件情報を一元化し、標準システムを整備するよう政策提言をしました。
提言により予算が確保され、2017年度からモデル事業が開始されました。
不動産ポータルサイトとして運用実績のあるLIFULL(ホームズ)とアットホームがモデル事業に参加し、試行運用のサイトも既にオープンしています。

LIFULL HOME’Sのサイト
アットホームのサイト

こうした動きは、空き家対策にITを取り入れ、増えすぎた空き家の利活用を促進させるもので、空き家対策が重要な課題であることを示していますが、2018年1月12日時点で、1/4程度の自治体しか全国版空き家バンクへの参加を表明していません。
完全な意味での「全国版」は、まだまだこれからの段階です。

3.3 解体やリフォーム補助金

市町村にとって空き家の存在は、地域の衰退と住民税の減収に結び付きます。
人が住んでくれれば最良ですが、建て替えや解体が行われるだけでも、経済効果を生み出しますし、空き家対策のコスト低下は歓迎すべき状況です。

そこで、多くの市町村が空き家に対する何らかの補助金制度を導入しており、空き家の所有者としては積極的に利用するべきでしょう。
一例として、次のような費用への補助金が多く見られます。

  • 解体費用
  • リフォーム費用
  • 家財の撤去費用
  • 管理費用

空き家関係の補助金は、空き家バンクと結び付けている(空き家バンクへの登録を条件にしている)市町村もあるので、空き家バンクの利用と並行して考えたいところです。

まとめ

空き家はそのまま持っていても出費しかなく、資産価値を落とす二重の損失があります。
最も問題が大きいのは、空き家を放置することのリスクです。
空き家対策特別措置法で行政の介入が許されるようになった今、空き家の所有者は真剣に空き家活用を考えなくてはならない時代が訪れています。

思い入れの強い空き家なら、手放すことに抵抗はあるかもしれませんが、経済的に余裕のある人を除くと、やがてお荷物になってしまうのは目に見えています。

管理する場合はしっかりと管理する、そうでない場合は売却するのか、活用するのか、あるいは解体するのかを明確にして早め早めに行動しましょう。

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