はじめての住宅売却。その時何をすればいい?方法とかかる費用とは

住宅を売却する方法

家を売るという経験はそう何度もなく、一度経験したことがあってもそれは何年も前の話という方は多いです。

家を売ることになった時、「何から始めればいいのか分からない」「どうやって売るといいのだろうか…」と思う方は多いのではないでしょうか。

そこで、家を売る方法から始めにやっておきたいことまで、住宅売買に必要な基礎知識を売買の流れに沿って解説します。

売買に必要な書類や押さえておきたいポイントを解説します。

1. 住宅を売却するまでの流れを把握する

住宅を売却する流れを確認
家を売るまでの期間は、条件にもよりますが3カ月から半年が目安と言われます。

どのような流れになっているのかチェックしていきましょう。

1.1 住宅を売却する際の希望条件や売却理由を整理する

初め一歩として住宅を売却したい理由やその希望条件を整理しましょう。

初期段階でこの点を整理しておくと、不動産会社や買主と交渉する際にスムーズに進みます。

売却理由を確認する

売却理由を明確にしておくことは実は必要な作業です。

大きな買い物になるので買主は慎重です。

物件の状態などはもちろんのこと、前に住んでいたのはどんな人かなぜ家を手放すのか、手放す理由は家の使い勝手が悪いのでは…と気になります。

そこで、明確に「子供が成長して手狭になったから」「転勤が決まったから」と理由を話してあげることで、納得感を与えることができます。

なかには「離婚するから」といったネガティブな理由もあるでしょう。

そういった理由でも明確にしておき、不動産会社に伝えましょう

伝え方によって買主に与える印象が違うので、不動産会社と伝え方を相談すると良いでしょう。

「○○だから、××のために家を売りたい」と簡潔に言えると、人に説明しやすくなります。

理由が具体的に整理できたら、確認事項として「賃貸にするのではなく手放したいのか」という点や「手元の資金」なども明確にしておきましょう。

売却の希望条件を確認する

希望条件とは「売却希望価格」や「いつまでに売りたいか」「新居は購入か賃貸か」といった、希望条件です。

もし、「今残っているローンを売却額で完済したい」「次も家を購入したい」と考えている場合は、売却額を高くする必要があります。

「転勤のため早く売却したい」「この月までに売却したい」という理由なら、価格を少し抑えてでも売却期間を短くするという手段もあります。

希望条件を明確にしておけば、不動産会社と販売計画を作りやすくなったり売却中におこる買主の値下げ交渉などの際にも対応がスムーズになります。

1.2 住宅の相場を調べて売却価格の目安を立てる

「住宅の相場」が分かると「売却価格の目安」が具体的に分かるようになります。方法はいくつかありますが、分かりやすいのは次の3つです。

  • 同じような条件の家を、不動産情報メディアで探す
  • 土地総合情報システム(国土交通省)で、実際に行われた不動産取引情報を検索
  • 一括査定を利用して査定額を出す

住宅周辺の価格を知るのなら、不動産メディアで探すか土地総合情報システムを使用します。

不動産メディアでは今販売している住宅の価格が分かりますし、土地総合情報システムなら過去に取引を行った実績データを見ることができます。

ただし、いずれも周辺のデータになりますし、古くからの家が立ち並び売買の少ないエリアだとデータが少なかったり、古い場合があるので注意が必要です。

具体的な調べ方に関しては以下の記事を参考にしてください。

土地には5種類の評価額が存在します。記事では5種類の評価額の違いと評価額と売値の関係、土地の売却価格の調べ方を解説します。

一括査定は売りたい不動産の今現在の価格を調べてもらえるので、最も参考になる価格です。

しかし、不動産会社によって提示する価格は異なるので、複数社に依頼しない相場は分かりません。

どの不動産会社も無料ですが、数社との連絡のやり取りは必要でしょう。

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1.3 不動産会社を探す

住宅を売却する際は、信頼できる不動産会社を見つけることがとても大切です。

近くの不動産会社をまわるのも良いですが、売りたい物件が遠方にある場合や周辺に不動産会社が数店舗ない場合は、相場を調べる時と同様一括査定サイトを使うと良いでしょう。

相場を調べる際に一括査定サイトを利用された方はそのまま複数社の中から選ぶと再度査定依頼をせずに済み、スムーズです。

いくつかの不動産会社とやり取りを重ねることで、自分と相性の良い不動産会社や営業担当者と会うことができるでしょう。

この不動産会社と契約を結びたいと思ったら、実際に住宅を見てもらう訪問査定を依頼し、一括査定よりもより詳細に査定をしてもらえます。

こだわりのある住宅や手入れの行き届いた住宅は、築年数が経過していても、訪問査定でより高い値段が付く可能性があるでしょう。

1.4 不動産会社に仲介を依頼し媒介契約を結ぶ

不動産会社が決まったら、売買契約という売買の仲介を、正式に依頼するための契約を結びます。
媒介契約の形態は「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類で、自分の売却方針に合った媒介契約を結ぶことが大切です。媒介契約は、次の3つのポイントで大きく異なります。

  • 売買契約の有効期間
  • 指定流通機構(レインズ:不動産会社への情報提供システム)への登録
  • 定期業務報告

なお、契約形態の詳細やどの契約を選ぶかは下記を参考にしてください。

不動産会社に不動産の仲介を依頼する際は、不動産会社と媒介契約を結びます。 媒介契約には専属専任媒介契約と専任媒介契約、一般媒介...

1.5 住宅の売り出し価格を決めて売却活動を始める

売り出し価格は、その後の売却活動に影響します。

そのため、自分の希望だけでなく、不動産会社の査定価格や周辺の売却事例、相場の動向などを踏まえて慎重に決める必要があります。

仮に周辺相場より売却価格が高すぎると購入希望者の選択肢から外れ、最終的に希望額の値下げを余儀なくされることも否めません。

売却活動が開始されると、あなたの住宅に興味を持った「購入希望者」が物件の見学(内覧)に来ます。

その際には、以下のポイントを踏まえたうえで、購入希望者と売買価格や引渡し時期、代金支払い方法など交渉しましょう。

    家の中は水回りを中心に掃除をしっかりしておく
    水回りは特に清潔さが求められるポイントです。汚れが目立ちやすく、内覧者が厳しくチェックします。
    お風呂や洗面所、トイレなどは水垢を取り、綺麗な状態にしておきましょう。
    清潔な服装を心掛ける
    内覧対応の際に売主が好印象を与えることも大切です。着崩したスウェットなどは、だらしないという印象を与えかねませんのでNGです。
    逆に着飾りすぎても、内覧者に緊張感を与えてしまうため、清潔感を与えつつ、リラックスした服装を心掛けましょう。
    できるだけ口出しせず自由に見学してもらう
    丁寧に説明しようとして、張り切りすぎるとかえって内覧しにくい状況を作ってしまいます。できるだけ口出しせず、自由に見学してもらうようにしましょう。
    喋りすぎて、後で「あの時◯◯と言った」とトラブルのもとになる可能性もあります。
    アピールポイントは事前に不動産会社へ伝えておく
    物件のアピールポイントは、不動産会社にも共有しておきましょう。あらかじめ伝えておくことで、営業担当者と協力して物件の良い点を買主に伝えられます。
    マイナスポイントを探してしまう買主も多いので、良い所を意識的に見せましょう。

高く売りたい売主と安く買いたい買主、お互い譲らなければ交渉は平行線です。

前段で解説した希望条件を基に、ここまでは妥協していいというボーダーラインを作っておくと良いでしょう。

不動産会社のアドバイスを聞きつつ、妥協点をお互い探りながら進めることが大切です。

1.7 売買契約を結ぶ

購入希望者との交渉がまとまったら、売買契約を結びます。

基本的に、売主が用意できない書類は、不動産仲介業者が必要書類を作成してくれます。

そこからは、売主と買主の間で契約内容を1つ1つ確認しながら、進めていきます。

その際に、買主から手付金を受け取りますが、トラブルを避けるためにも、住宅に関する情報を、正確に買主に提供することが必要になります。

たとえば「家のここが水漏れをするが、引き渡しまでにはリフォームを完成させる」「住宅に太陽光発電システムがあり、定期的なメンテナンスを受けたほうが良い」などの注意点です。

もし、こうした不具合や注意点を伝えずに引き渡すと、嘘をついて物件を売ったとみなされ、後々裁判になるケースもあります。

また、この段階で「瑕疵担保責任の期間」、「固定資産税の日割り分割」、「登録免許税の折半」についても双方で確認しておいたほうが良いでしょう。

当日の流れや必要なものは以下の記事を確認してください。
不動産売買契約を結ぶ前に知っておくべき基礎知識と注意点

1.8 住宅を引き渡す

買主から売買代金を受領するのと同時に、抵当権抹消や所有権の移転の登記申請を行います。

抵当権とは

抵当権とは、住宅ローンを借りるときに、その住宅に対して銀行が設定した権利のことです。

この権利によって、もしローン返済が滞ったとしたら、銀行は代わりにその住宅を競売という方法で売却し、ローン残高を回収することができます。

抵当権付きの状態だと、自由な売り買いに支障が出ます。

抵当権がついた状態では、ローンが完済されているか分からず、「完済した」と説明しても信頼性が乏しくなってしまいます。

また、抵当権付きだと買主がローンを組めなくなってしまうこともあるため、必ず抹消手続きをしておきましょう。

抵当権抹消登記

抵当権抹消登記を行うためには、ローン完済が必須です。

残債のあるローン完済方法は、一般的に買い主から受領した売却代金で返済すると覚えておきましょう。

なお、物件を引き渡す際に抵当権抹消登記と所有権移転登記は同時に行われます。

住宅ローンを完済したら、抵当権抹消手続きを行います。抵当権は、設定するときには金融機関が行ってくれますが、抵当権抹消手続きは自分で行わなくてはなりません。この記事では、自分でもできる抵当権抹消の流れについて徹底解説します。

所有権移転登記

所有権移転登記は、売主が持っている家の所有権を、買主へと変更することです。

自分で行うことも可能ですが、一般的には司法書士に依頼します。

所有権移転登記の申請書類は不動産登記の申請書様式について|法務局で用紙を入手できます。

引き渡す前の準備

物件を引き渡すまでに、それまで利用した公共料金の精算や、引っ越しの用意もしておかなくてはなりません。

引き渡し当日には買い主と現地立会いのもとで備品等の取扱いや敷地内の設備について、最終的なチェックを行います。

お互いに合意のうえで引き渡しをして、売却の手続きが完了します。

引き渡し後には、税務申告や諸費用の支払いなど、手続き漏れがないように注意しましょう。

2. 住宅売却にかかる諸費用について

住宅売却にかかる費用

住宅売却は、手続きや書類請求などに伴い、諸費用がかかります。

「決まってかかる費用」と「売却額で異なる費用」があります。

2.1 住宅の売買契約時に支払う費用

売買契約時に支払うのが、売買契約時に支払いを行う「仲介手数料」です。

ただし、手数料の支払い条件は不動産会社側と協議することができます。

なお、仲介手数料には法律で上限が定められています。

仲介手数料の金額が妥当なのか判断するために、その仕組を知っておきましょう。

不動産売却で損をしないためには、不動産の売却額だけでなくかかる費用を知ることが大切です。この記事では、不動産を売却するときにかかる費用を解説します。

2.2 登記手続きにかかる費用

家を売却すると、持ち主は買い主へと移ることになりますが、その所有権移転に伴う法的な手続きが「住居変更登記」です。

基本的には買い主側が請け負うため、売り主に費用の負担は掛かりません。

売り主側で行う必要があるものは「抵当権抹消」で、登録免許税として不動産1個につき1,000円と、司法書士への手数料は15,000円ほどかかります。

不動産登記は、複雑で時間がかかるため、司法書士に依頼することが一般的です。

2.3 不動産売却における各種税金と控除制度

不動産を売却する際には、様々な税金がかかります。

主な税金は以下になります。

  • ・売買契約書締結に必要な印紙税
  • 譲渡益が出た際に支払う譲渡所得税
  • 所有権移転登記の際に発生する登録免許税

税金を支払ったら売却額が予想していたより手元に残らない…なんてことになるとその後の住み替えにも影響が出るでしょう。

税金には控除制度があります。

売却額を少しでも多く残すために、控除制度はチェックしておきましょう。

不動産を売却すると税金や諸費用でお金がかかります。せっかく高値で家を売却できても、税金などで売却代金が減ってしまってはその後の住み替えなどに支障が出てしまうのではないでしょうか。控除制度などを上手に利用し、売却を成功させましょう。税金などの計算方法もご紹介します。

2.4 住宅のある土地の測量の際にかかる費用

土地の境界線や越境物の有無、面積の確認のために測量が必要になる場合に、測量費用がかかります。

依頼する業者や敷地面積によっても異なります。

一般的には100坪前後までで50万円程度、国や市の立ち合いが求められる場合は、80万円近くかかることもあります。

この測量が正しくないと、誤った金額を買い主に請求することになるため、境界が曖昧になっている場合は測量を行いましょう。

2.5 引っ越しの際にかかる費用

引っ越し費用や不用品の処分費用についても、しっかりと諸費用に含めて計算しておきましょう。

とくに、仮住まいに一度暮らす場合は、引っ越し費用が2回かかることになります。

また不用品の処分費用は、量や業者によっても異なります。

処分品が出ることが分かった時点で、処分業者についても複数業者の見積もりを取りきちんと比較検討しましょう。

2.6 その他の諸費用

その他の諸費用として、印鑑登録証明書、ローン残高証明書、住民票などの取得費用がかかります。

ただしこれらは、物件の条件や売却物件と住所が異なる場合など、条件次第でかかる費用です。

そのため、一律でどの程度かかるかは不明確であり、基本的には売却決定後に支払うことになります。

3. 住宅売却時の必要書類

住宅売却に必要な書類
書類の準備段階としては「売却を依頼するとき」「売買契約をするとき」「確定申告」の3つの段階があります。

3.1 住宅売却を依頼する際に必要な書類

住宅の売却に必要な書類は様々です。

必須とされる登記事項証明書は、売却したい住宅のある地域を管轄する法務局にて申請します。

固定資産税納税通知書は毎年支払いのために郵送されてきたもののうち、最新のものを用意しましょう。

不動産会社によって違うものもあるため、詳しくは下記から確認をしてください。

不動産売却で主に必要になる書類とその内容をまとめました。どのタイミングで必要になるかは取引次第ですが、これから取得する書類と手元にある書類、もしくは本人確認に使用する書類とに分け、足りない書類が分かる一覧表も設けているので、ご活用ください。

3.2 売買契約をする際に必要な書類

無事に買い主が見つかったあとで、売買契約を結んだ際に、引き渡し時までに用意すべき書類は次の通りです。

  • 身分証明書
  • 印鑑証明書・実印
  • 銀行口座の通帳
  • ローン残高証明書
  • 住民票(登記上の住所と売り主の現住所が違う場合)

必ず必要になるものは、身分証明書など本人確認ができる書類と実印、印鑑証明書です。

実印があると、不動産売買において証拠能力や信用度が高まります。

もし持っていなければ早めに作り、あらかじめ実印として届け出をしておきましょう。

4. 住宅売却に成功するポイント

住宅を売却するポイント

住宅を売却するなら高く売りたいところですが、成功のポイントは「売り出し価格」と「不動産会社」です。

4.1 適正な売り出し価格を設定する

不動産会社に査定をしてもらったとしても、必ずしもこれを売り出し価格にする必要はありません。

査定価格は不動産会社にとって、「これなら何カ月以内かには売れるだろう」と推測した金額です。

査定後に売り出し価格を決めるのはあくまで売主であり、その金額が査定額より高くても低くても問題ありません。

ただし、市場に出した価格を値上げすることは印象がいいとは言えません。

そのため、最初は適正価格内で売却価格を高めに設定し、買主が見つからない場合は徐々に価格を下げていきましょう。

その際、査定額をどこまで下げるかは売却活動の始めの方で定めた希望条件を思い出し、ボーダーラインを作っておくと良いです。

なかなか売れない場合、焦って極端に値下げしてしまわないように気をつけましょう。

極端に値下げされたものは、何か問題があるかもしれないと思われ不信感を抱かれやすいためです。

大きな買い物になるため、買主もさまざまな不動産の価格などを細かくチェックしています。

4.2 複数の不動産会社に査定依頼をする

高く売りたいのであれば、複数の不動産会社に一括査定を依頼することは一つのポイントです。

一括査定で不動産会社を比較検討し、その複数社のなから1社を決めるためにはコツがあり、詳細は下記を確認してください。

不動産の売る・貸すの実現には、不動産屋の存在が欠かせません。その選び方が金額や期間など、結果を大きく左右するのです。査定だけではない5つのポイントをまとめます。

5. 住宅売却を検討する際は基礎知識をしっかり身に付けよう

住宅を上手に売却
「家を売る」ということは、とても大きな決断です。

勢いで売却を決定するとリスクが跳ね上がり、あなた自身が損をしてしまうかもしれません。

耳慣れない言葉も多いため、話を聞いてみても良く分からず、かえって混乱する場合もあります。

売却するまでの流れを大まかでも把握するなどし、住宅を納得できる状態で売却できたと思えるようにしましょう。