不動産売買契約を結ぶ前に知っておくべき基礎知識と注意点

不動産売買契約を成功させる

慣れない不動産売却活動をし、ついに買主を見つけ不動産を売ることができる。買主との最後の関門と言っていいのが不動産売買契約です。

不動産売買契約は一度結んでしまうと、解約することが難しく違約金が発生してしまう場合もあるため慎重に行わなくてはなりません。そこで、今回は不動産売却契約をスムーズに行うために、当日の流れや契約書を作成する際に気をつけておきたいことを解説します。
契約の重みももちろんのこと、売主としては今までの努力が実る瞬間。不備なくスムーズに契約を済ませて、不動産売買を成功させましょう。

1. 不動産売買契約の基本

不動産売買契約の基本
不動産売買の経験がある人は少なく、不動産売買契約を行ったことがある人は少ないと思います。まずは不動産売買契約で知っておきたいことをまとめました。

1.1 基本的には自由に契約締結ができる

不動産売買契約とは売却する家をいつ引き渡すか、いくらで売るかなど条件を売主と買主で取り決めて、その内容で家を売却しますと双方合意の契約を結ぶことです。

よって、一般的に入れておきたい契約内容はありますが、基本的に契約内容は自由です。内容は自由で双方の合意の上で行う契約なので、自己責任です。契約を交わした後に後悔することはないか、内容をしっかりと確認する必要があります。

1.2 一般的な不動産売買契約書の項目とポイント

不動産売買契約を交わす際に欠かせないのが、「売買契約書」の存在です。これはある程度記載内容が決まっており、一般的な項目だと以下の13個が挙げられます。

  • 売買物件の表示
  • 売買代金・手付金等の額・支払日
  • 土地の実測および土地代金の精算
  • 所有権の移転と引き渡し
  • 付帯設備等の引き継ぎ
  • 負担の消除
  • 公租公課等の精算
  • 手付解除
  • 引き渡し前の物件の滅失・毀損
  • 契約違反による解除
  • 反社会的勢力の排除
  • ローン特約
  • 瑕疵担保責任

一般的な項目だけでも記載内容は多く、不動産や売買状況によっては内容が増減することもあります。
専門的な内容で難しく感じられるでしょうが、不動産会社に仲介を依頼する場合は、売買契約書の作成は不動産会社が行うため問題ありません。分からない内容があれば、営業担当者に聞きましょう

1.3 契約締結すると簡単には解除できない

売買契約書では複数の項目で細部まで契約内容が決められているため、法的な拘束力も強いです。
そのため、一度契約を締結すると、簡単には解除できないことは覚えておきましょう。
契約後に気が変わったからといって変更を申し出ても、法的な縛りで主張を受け入れてもらえないことも多いです。
簡単に変えられないからこそ、契約前に内容を念入りに確認しておかなければなりません。

契約前の「重要事項説明」の内容の把握が大切

不動産売買契約書の法的効力は強いため、締結前に必ず重要事項の説明が行われます。
これは資格を取得している不動産会社の宅建士によって行われ、売買契約書の内容に疑問点がある場合は、ここで質問し問題を解決しておかなければなりません。
契約締結後に疑問点や問題点を見つけた場合、それを指摘しても内容変更できないケースがほとんどです。
もちろん、悪質な内容なら一部変更可能な場合もありますが、それは稀なケースであるため、基本的には契約前に疑問や問題は全て解決しておかなければなりません。

売買契約が解除できる場合

契約を締結した後でも、以下の特例的なケースに該当する場合は、解除が可能です。

  • 特約による解除
  • 手付解除
  • 契約違反による解除
  • 危険負担による解除
  • 瑕疵担保責任に基づく解除
  • 合意による解除
  • クーリングオフによる解除

特約による解除は、ローン特約のように、何らかの特約を結んでいる場合に適用されます。特約を組んでいるからといって、それだけで解除の対象になるわけではありません。特約ごとに解除の要件が異なるため注意が必要です。

手付解除とは、相手が契約履行するまで有効な解除方法で、すでに支払った手付を放棄するか、倍額を支払うことで実行されます。
お金の支払いで済むという点では、契約違反による解除も該当します。たとえば売り主に代金が支払われたのに物件の引き渡しを行わなかった場合や、逆に買い主が代金を支払わず、催告をしても応じなかった場合などが契約違反です。これは事前に定めた違約金を支払うことで、契約を解除するものです。

危険負担による解除とは、天災や事故によって引き渡し前に物件が大幅に損傷した時、修理代が高くなり過ぎる場合に実行できる解除方法です。瑕疵担保責任も若干似ていて、物件や土地に瑕疵、つまり不具合があった場合に解除の要件とできます。

合意による解除は、双方が納得して実行されるため、解除の中では穏便に済みやすいでしょう。

クーリングオフによる解除は、売主が不動産会社の場合のみ実行できます。個人間取引では対象外となり、不動産会社が相手でも、細かく条件があるため注意が必要です。

2. 不動産売買契約当日の流れの確認

不動産売買契約当日の流れ
不動産売買契約は、以下の6つのステップで進みます。

    売主と買主の顔合わせ
    内覧に立ち会うなど今までに顔を合わせている場合は特に問題ありませんが、遠方の家などで契約の時に初めて会う場合もあるでしょう。契約までに売主に会えないと不安がる買主もいるので、挨拶や丁寧な会話などで不安感を和らげてあげましょう
    重要事項の説明
    重要事項説明はその物件に関する内容や設備の状況、取引条件などを説明するものです。売主買主が揃って重要事項説明を受けることで、認識のずれによる後のトラブルを避けます
    売買契約書の確認
    売買契約書に書かれている内容を売主と買主で確認を行います。物件情報や売却価格、引き渡し日、手付金、固定資産税等の精算方法、瑕疵(かし)担保責任、付帯設備などについて確認します。
    売買契約書への署名捺印
    売買契約書の内容の確認ができて、その内容に納得ができれば売買契約書に署名と捺印をします。ここで必要分の収入印紙を売買契約書に貼付し納税します。
    手付金の支払い・受領
    売買契約が成立すると、買主は売主に売買価格の約10%の手付金を支払います。手付金は契約成立を意味します。
    仲介手数料の支払い
    多くの不動産会社では、仲介手数料は売買契約が成立した時に半額、決済の時に残りの半額を支払います。

売買契約の当日だけでも上記の6つのステップをこなさなければならないため、全てのステップをスムーズに進めるには、早めから動き出し準備をしっかりとやっておくことが大切です。

3. 不動産売買契約当日に用意が必要なもの

不動産売買契約当日に必要なもの
契約は法的な効力が発生することもあり、事前に用意すべきものが複数あります。
契約当日に必要なものは、売主と買主で異なるため注意が必要です。

売主の必要なもの買主の必要なもの
本人確認書類本人確認書類
権利証または登記識別情報印鑑
印鑑証明書手付金
実印仲介手数料
仲介手数料収入印紙または印紙代
マンションの管理規約や設備表
収入印紙または印紙代

これらは契約内容や物件の特徴によって必要かどうかは変動します。不動産会社に確認しておくと良いでしょう。
本人確認書類や物件情報を示す資料、最低限の現金はどの場合でも必要なため、忘れずに用意しましょう。
細かい持参物については、その時々で確認しておくことが大切です。

4. 不動産売買契約で売主が注意すること

不動産売買契約での注意点
不動産売買では売主と買主に分かれますが、特に注意が必要なのは売主です。
なぜなら売却に関する法的な決まりが多いからです。不動産の売却が最後で後悔にならないように、注意点を覚えておきましょう。

4.1 手付金について理解しておく

手付金とは、簡単に言えば契約するための一時的な預り金であり、代金の先払いです。
不動産売買では買主が手付金を支払うことで購入の予約をし、万が一契約解除となった際には、すでに支払った手付金は没収、あるいは追加で支払われます。

しかし、手付金に関する罰則は売主にもあり、売主の都合で契約解除となった場合、支払われた手付金を返すだけではなく、倍額を支払わなければなりません。手付金は物件価格の5~20%程度が相場のため、その時々で金額は違いますが、物件が高額になるほど解除時の負担は大きくなるため注意が必要です。

手付金は物件価格の一部であり、高く設定したからといって、最終的な受け取り金額が増えるわけではありません。先払いしてもらえる分、仲介手数料などを売却の際に必要になるお金に充てることができるメリットはありますが、高くし過ぎると解除の際に大きな代償を支払うことになるため注意しましょう。

4.2 瑕疵担保責任について理解しておく

売主が担う責任のひとつに、瑕疵担保責任があります。
これは取引する不動産に隠れた瑕疵が見つかった場合、補償の責任を売主が負うというものですが、実は物件だけではなく土地にも責任はかかっています。物件の場合は、「雨漏り」や「白アリ」、「腐食」などが挙げられ、土地の場合は埋没物が該当することは覚えておきましょう。

土地に関する瑕疵は、売主も気づいていないことも多いですが、故意ではなくても事前に通知していないなら担保責任を負わなければなりません。埋没物がある場合は、撤去作業が必要で、この費用は全て売主の負担となります。瑕疵担保責任の保証期間は2~3カ月程度が一般的です。解体に数ヶ月かかることはないので、瑕疵があればこの期間中に見つかることが多いでしょう。

土地の瑕疵を見つけるには、事前に地盤調査を行うのがおすすめです。

土地の瑕疵は見ただけではわからないため、土地の購入には慎重になる人がほとんどです。その点、Fi地盤調査済の土地ならスムーズに売却できます。ここでは、事前に地盤調査を行うメリットや方法を解説しているので土地の売却の際に参考にして下さい

地盤調査には費用がかかりますが、瑕疵担保責任を果たす場合より安くなる場合が多いです。
事前に調査し、結果を買主に提示すると安心感を与えて購買意欲を高められ、かつ瑕疵担保責任も免除できます。
事前調査で回避できる問題のため、売却にあたっては土地の調査もしておいたほうが良いでしょう。

瑕疵担保には土地や建物以外にも発生します。他の瑕疵担保責任を把握し、後々トラブルにならないように気をつけましょう。

不動産売却は引き渡しが済むと完了ではありません。売却後も瑕疵担保責任があり一定期間、修理などの費用の負担を負う可能性があります。ここでは、瑕疵担保責任について解説しているので、正しく理解してリスクを減らせるように備えましょう。

5. 不動産売却を検討している場合には

不動産売買を検討していたら
今、現在不動産を持っており、売却を検討している、売らなきゃと思って売れていない。という方は売却するのがおすすめです。

5.1今が高く売れるタイミング

現在東京オリンピックや大阪万博などの影響で地価は上昇しており、今年2019年3月に発表された公示地価では27年ぶりに地方の土地の価格も上昇していました。さらに、増税の対策の一環として2021年くらいまで売却にかかる一部の税金は減税措置が取られています。東京オリンピック後は不動産価格も下落すると言われており、売却をするなら今です。

また、売りたい不動産が土地ではなく家の場合、築年数を確認してください。家は築年数が経つほど価値が下がり、売却額が下がるというのが不動業界では一般的です。

つまり、売却を先延ばしにするほど売却額は下がっていきます。特に築18年、19年という家は要注意です。築10年を過ぎた頃から家の価格は下がり続け、多くの家は築20年になると価値がゼロになると言われており、価格が大きく下がる時期です。

この時期を境に家も売れづらくなるので、現在築18年、19年という家を所有している場合は、早めに売却活動を始めた方が良いでしょう。

5.2不動産会社は信頼できる会社を探すべき

不動産売買契約の流れで解説した通り、契約書を作るのは不動産会社ですし、買主を見つける手伝いをしてくれるのは不動産会社です。

不動産売買の経験が豊富な人はそうそういません。多くの人が不動産会社を頼り相談することも多いでしょう。その時、重要なのが信頼できるかどうかです。

不動産会社の利益を考えて売主にアドバイスしていると感じてしまったら、何を言われても疑心暗鬼になってしまいますし、相談もしづらくただでさえやることが多く大変な不動産売却がさらにしんどくなってしまいます。

信頼できる不動産会社=信頼できる担当者です。自分に合っている担当者に出会えるように不動産会社を選ぶ際は複数社に査定を依頼しましょう。

不動産会社とのファーストコンタクトは不動産査定です。不動産会社に査定してもらう際に担当者の対応などを見て、信頼できるか担当者とやっていけそうかを見極めましょう。

複数社依頼しておくと、担当者の比較ができるので見極めもしやすくなります。

一括査定サイトで不動産会社探しの精度を上げる

不動産会社を探す際は一括査定サービスを利用すると精度が上がりやすいです。一括査定サイトは一度申し込むだけで複数社に査定を依頼できるというサービスです。

一括査定サイトは利用者の満足度を上げるために、悪質な不動産会社などとは提携せず、一定基準以上の不動産会社としか提携していないところがほとんどです。

よって、自身で不動産会社を探すより一定以上の質が保たれるので、信頼できる担当者に会いやすくなります。

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6. 不動産売買を行う際は知識を得てから契約を結ぼう

不動産売買契約は慎重に
不動産売買契約は、売却活動でも終盤の工程のため、最後まで油断せず行うことが大切です。
契約書の内容は細かく確認し、疑問点は契約前に解消しておきましょう。
契約書の内容の細部は変更可能なため、不動産会社と相談しながら、必要に応じてカスタマイズすることが大切です。
契約後は内容の変更は簡単にはできないため、必要なことは全て契約前に行い、正しい理解を持って最後の工程を進めましょう。