地代の相場の調べ方と基礎知識。土地の賃料を決める計算とは

土地活用の方法は幅広く、駐車場経営やマンション経営などさまざまです。
その一方で、立地条件に見合った方法で活用しなければ、安定した収益を得ることが難しいと言われています。
自ら経営するとなるとハードルが高いと考えがちですが、土地を貸すことで収益を得る方法も土地活用の一つです。
ここでは、土地を貸す際にぜひ押さえておきたい、地代に関する基礎知識や相場の計算方法などについて、解説していきます。

1.地代についての基礎知識

地代の相場を知りたい

土地を貸すことを検討しているなら、まずは地代の定義や相場などの基礎知識を把握しておくことが大切です。それでは、地代について詳しく解説していきます。

1.1 地代の定義とは

地代という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、土地の貸借契約において借地人が地主へ支払う対価のことを指しています。
これは、マンションやアパートを借りる際に支払う「家賃」にあたる賃借料と、同様の定義です。
通常の場合は、毎月支払われることがほとんどですが、前払賃料方式で契約した場合には、契約期間に応じた金額が先に支払われます。
支払い方法については、地主と借地人とで取り決められます。契約時には確認の意味も込めて、借地人に支払い方法をきちんと伝えるようにしましょう。

1.2 地域や環境によって相場が変わる

地代の相場は、周辺環境や土地の広さなどによって変化するため、明確な相場はないとされています。
住宅地や商業地といった、エリアの特性によっても異なり、需要の有無が影響しやすいことが現状です。
一説では、固定資産税が相場の目安と言われており、住宅地の場合は固定資産税・土地計画税の3~5倍程度、商業地の場合は5~8倍程度だと考えられています。
ただし、固定資産税をベースにした地代は、あくまでも簡易的なものです。そのため、より正確に知るためには、後で紹介する複数の算出方法を用いて判断するようにしましょう。

1.3 所得税に対して税金がかかる

地主にとっては、地代は不動産所得と位置付けられるため、所得税がかかります
従って、地代全てが地主の収益となる訳ではなく、地代から所得税、固定資産税・都市計画税などの公租公課、修繕費などの必要経費を差し引いた金額が手元に残ります。
また、2019年10月には、消費税が10%にアップすることが決定しています。
これにともなり、地代もアップするのかと疑問に感じる人もいるでしょう。しかし、税制上では地代は住宅の貸付けと位置付けられているため、非課税となっています。
ただし、契約期間が1カ月に満たない場合や、コンクリートやアスファルトを敷くなど、手を加えられている土地の場合は、消費税の課税対象となっています。

1.4 地主が地代を把握しておくことが大切

地代は、相場に見合った金額に設定することで買い手がつきやすくなると言えるでしょう。
また、地代は周辺環境の変化で変動するため、周辺の類似物件と比較し、相場を把握しておくことが大切です。

適正な相場を知ることでロス回避になる

近年は、大手の業者を中心として、最適な土地活用の提案から管理までの全てをサポートしてくれるサービスが提供されています。
仲介業者に管理を依頼すると、借地人の募集や管理を全て請け負ってくれるので非常に便利です。
しかし、仲介業者や借地人に任せっきりだったり、地価の変動を把握していない場合、相場よりも安く貸してしまう可能性もあります。
相場よりも安い地代に設定すると、借り手がつきやすい一方で収益が下がってしまいます。
また、相場よりも高く設定しすぎた場合、借り手がつきにくくなるので注意が必要です。
従って、その時々の適正な相場を把握することで、継続的に安定した収益が得られると言えるでしょう。

地代は年単位の金額で考える

国土交通省が毎年公表する公示地価は、地代を設定する際の参考価格の一つです。
地価は、土地の特性や流通量、周辺環境の変化が影響すると言われています。
例えば、新駅の建設や大規模なイベントの開催、また地方都市においては、大型商業施設の建設などの再開発が挙げられます。
土地の場合は、利用目的や賃貸契約の内容によっても地代が変動するため、状況に見合った地代を設定することが大切です。
家賃の場合は金額や契約は月単位ですが、地代の場合は固定資産税などを用いて算出することが多いため、年単位で考えることが一般的です。
そのため、地代の相場を調べる際には年額で検討するようにしましょう。
ただし、地代が支払われるタイミングは、家賃と同様に月単位が一般的です。

2.地代の相場を自分で調べる方法と計算式

地代の計算方法を知る
地代には明確な相場はなく、固定資産税・土地計画税の3~5倍の金額を目安として、決めることが多いようです。しかし、より適正に地代を算出するために、次の4つの算出方法を用いられることもあります。それぞれの算出方法について、詳しく解説します。

2.1 公租公課から算出する

公租公課とは、国や地方自治体に収める税金などの金銭的負担のことを指しています。
このうち公租は所得税や法人税、公課には公租以外の罰則金などが含まれています。
土地の所有者には、毎年固定資産税と都市計画税が課税されます。
不動産分野における公租公課とは、固定資産税と都市計画税のことを指すのが一般的です。
地代の相場を調べる方法の一つに、公租公課を用いた公租公課倍率法があります。
この方法では、固定資産税と都市計画税の税率を乗じた金額☓の約3~5倍が地代の目安だと考えられています。

税金税率
固定資産税固定資産税評価額×1.4%
都市計画税固定資産税評価額×0.3%

このように、固定資産税と都市計画税の合計税率が1.7%となります。
地代の目安が約3~5倍とすると、地代は固定資産税評価額の5~8%程度となります。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の場合、年間で50~80万円が年間の相場になります。

2.2 期待利回りから算出する

地代の相場は、投資した金額から年間の利益を想定した期待利回りを利用して算出できます。
この方法はマンションなどの不動産投資にも用いられており、利益を得ることが予測される物件の期待率をベースにして算出されます。
このように、期待利回りを利用して相場を算出する方法は「積算法」と呼ばれています。
積算法は、以下の計算式で算出できます。

地代の相場 = 土地価格 × 期待利回り + 諸経費

なお、上記の計算式の「諸経費」には、固定資産税と都市計画税が含まれています。
例えば土地価格が2,000万円、期待利回り2%、固定資産税と都市計画税が20万円の場合、60万円が地代の相場になります。

2.3 路線価を元に算出する

路線価とは、公示地価の80%程度の価格だと言われており、相続税や贈与税を算出する際に用いられます。全国に設定した標準地をベースとして算出される公示地価とは異なり、路線価は土地に面する道路をベースとして算出されます。
また、国土交通省が毎年公表する公示地価に対し、路線価は国税庁が毎年7月頃に公表しています。なお、どちらの価格もその年の1月1日を起点としていることは同じです。
路線価をベースとして地代を割り出す場合、まずは以下の計算式で1平方メートルあたりの更地価格の目安を算出します。

更地価格 = 路線価 × 0.8(1平方メートルあたり)

地代の相場は、更地価格に1~1.5%を乗じた金額で算出されます。
例えば路線価が35万円で面積が100平方メートルの場合、更地価格は2,800万円となります。
さらに1~1.5%を乗じると相場の目安となり、28万円~42万円となります。 

2.4 周辺地域の借地料から算出する

地代の相場は、周辺の類似物件の借地料を参考・比較することでも算出できます。
この方法は賃貸事例比較法と呼ばれており、マンションや戸建てを売却する際にも似たような方法で用いられています。
この方法では、まずは貸し借りされている物件の事例を調べ、批准(ひじゅん)地代を算出します。
批准地代とは、類似物件の地代と建物の賃料から建物の賃料を差し引いて算出されます。
ただし、地方などの過疎地では類似物件に対する事例が少なく、地代の変動もほとんどないので参考にしにくいことが難点です。

2.5 お店や工場などの利益から算出する

地代の相場を調べる方法の一つに、収益分析法が挙げられます。
この方法は、土地に建てられている店舗や工場の純利益から、土地の貢献度を調べて算出します。
そのため、貢献度の高い事業が行われている場合は地代も高くなる一方で、貢献度が低い場合は地代は低くなることが特徴です。
ただし、収益分析法は調査が複雑になるため、専門家に依頼することが一般的です。

2.6 一括査定サイトを利用して専門家に相談を大まかな相場を把握しよう

地代の相場を知る方法にもさまざまありますが、方法によっては素人には難しいと言えるでしょう。
また、地代は固定資産税評価額の5~7%が目安と言われていますが、明確な相場はないとされています。
地代は周辺環境や土地の広さに影響されやすいため、一括査定サイトなどを利用して、相場を調べてみるのもおすすめです。
一括査定サイトでは、一度に複数の不動産会社に査定を依頼でき、更地価格を比較できます。
不動産会社を訪れて査定を依頼しなくても、インターネット環境さえあれば、簡単に大まかな金額が把握できるので非常に便利です。

HOME4Uの無料一括査定

3. 地代は定期的な見直しが必要

地代の相場は見直しが必要
地代は周辺環境の変化や土地の広さが影響しやすいと言われているため、定期的な見直しが必要です。
ただし、地代を変更する場合は、借地人の同意も必要なため、きちんと説明して理解してもらうことが大切です。

3.1 環境にあわせて地代も変化する

近年では、地方都市の再開発が顕著となり、2019年3月に公表された公示地価では27年ぶりに地方圏が上昇したことが話題となりました。
地方都市だけでなく、都市開発や大型商業施設の建設は地価を上昇させる要因となっています。
地価が上昇すると、地代もアップする可能性があります。「借地借家法の11条1号」にも地代の見直しについて明記されていますが、土地の価格が物価や所得上昇によって変化したときは、地代を見直すことも大切です。
周辺と比較してみて地代が極端に安いようであれば、値上げを検討するタイミングといえるでしょう。

3.2 変動率を元に相場を見直す

地代を見直す際には、現行の地代に変動率を乗じて算出できます。変動率は、経済情勢や周辺環境の変化に応じて変化します。土地・建物・物価などの変動指数によって算出する仕組みとなっているため、その時々に合った地代の相場を割り出せます。
土地の借り手を募集していても、周辺の類似物件よりも相場が高ければ借り手はつきにくくなります。
また、借り手がつかなければ、毎年土地の所有者に対して課税される固定資産税と都市計画税の支払いが負担になります。
このようなことから、土地を貸し出す場合、最低限でも税金の負担金額は回収したいと考えることでしょう。
土地を貸して継続的に安定した収益を得るためには、経済情勢や周辺環境の変化に応じた地代の設定が大切です。

3.3 地主と借主双方の同意が必要

地代を見直した場合地主だけの判断で変更することはできず、地代を支払ってくれる、借地人の同意が必要です。
特に地代を値上げする場合、借地人がスムーズに応じてくれるとは限りません。
そのため、税金の変動や土地の価格を定期的にチェックし、地代を変更する根拠を示すなどの工夫が必要です。
例えば、固定資産税と都市計画税は地主が負担するため、税金のアップで負担が増えることを理由に交渉すると、応じてくれる場合があります。

4. より高い地代を得るために専門家に相談しよう

より高い地代を得るために
土地を所有していて、なるべく地代を高く設定できれば、それに越したことはないでしょう。しかし、知識もなくどうすべきかからわからないということも多いかと思います。
そんなときには、まずは専門家に相談することから始めることもおすすめします。

4.1 依頼するメリット

土地をいかして、できるだけ効率的に地代を得たいけれど、誰に相談すべきかわからない…。こんなときには、土地活用の専門家に相談してみてはいかがでしょう。以降で、専門家に相談するメリットを紹介します。

土地貸し以外の活用方法がわかる

土地をお持ちなら、土地を貸して地代を得るほかにも、さまざまな活用方法があります。ただ所有しているだけだと、管理するのにも労力がかかり、固定資産税などもかかってしまうので、できるだけ有効に活用したいもの。
しかし「そうはいっても、どうすればよいのか見当もつかない」ということもあるでしょう。そんなときは、経験豊富で土地活用に詳しい会社に相談すれば、さまざまな土地の活用法から具体的なプランまで、一から教えてもらえます。

収益を最大化するプランを提案してもらえる

土地活用法にもさまざまな種類がありますが、できればより高く収益をあげたいところでしょう。しかし、自分の土地の広さや場所、形状などによって、最適な活用方法も違ってきます
そんなときにも土地活用の専門家に相談すれば、所有している土地のさまざまな条件を考慮したうえで、最適なプランを提案してもらえます。よって、収益を最大化する活用法が見つかるでしょう。

4.2 一括プラン請求サイトなら条件に合った会社が見つかる

土地を貸す以外にも、より効率よく高い収益を得られる方法を知りたいという場合。地元で相談先を探すといっても、誰に相談すればよいのかわからないことも多いでしょう。そんなときには、土地活用のさまざまなプランを提案してもらえる「一括プラン請求サイト」が便利でおすすめです。

土地活用の無料プラン比較【HOME4U】

地代の相場を把握して土地の活用法も検討しよう

地代の相場で活用方法を考える
地代の相場というのは、明確にすることは難しいとされていますが、固定資産税を目安に算出したり、ほかにもいくつかの算出方法を用いたりすることで把握できます。土地を貸すなら、できるだけ地代を高く得たいところですが、土地を貸して地代を得るほかにも、さまざまな土地の活用方法があります。
より効率的に収益をとお考えなら、ほかの活用法を検討してみることも一つでしょう。所有している土地を有効活用できるように、一度専門家に相談してみてはいかがでしょう。

土地の貸し方にも損をする貸し方と得をする貸し方があります。土地を貸すパターンや貸す際に知っておきたい法律は以下の記事を確認してください。

土地をそのまま貸すことができれば、費用負担を負うことなく収益源を作れる上、場合によっては税金も軽減できます。田舎でもできるパターンと収入例について調査しました。