家を売る方法。査定から引き渡しまでの8つの手順

家を売る方法

実家を相続したり、転勤を余儀なくされたりと、田舎の家を手放さなくてはならないとき、賃貸の需要がなければ売ることを考えるはずです。
思い出の詰まった家を売ることに抵抗があっても、住まない家を所有しても税金の負担だけではなく、何らかの管理を必要とするため、経済的な損失が大きいからです。

不動産取引の商習慣上、家を売るには決まった手順があり、知人に売る場合を除くと、どの手順も避けることはできません。
順に説明していくので、失敗しないように先に手順をイメージしておきましょう。

家を売る8つの手順

  1. 不動産会社への査定依頼
  2. 不動産会社と媒介契約
  3. 売り出し価格を決める
  4. 購入希望者への内見対応
  5. 買主との価格交渉
  6. 買主と売買契約締結
  7. 決済と登記
  8. 買主に家を引渡し

これらの手順は、順番が入れ替わることはなく、一本道で進んでいきます。
しかし、売り出しから売買契約までは、希望者次第でいつまでかかるかわからず、売買契約から決済までも時間はかかるのが普通で、一概にどのくらいの期間とは言えません。

手順1:不動産会社への査定依頼

査定とは、現在の家の価値が実勢価格でどのくらいあるか見積もってもらうことです。
査定自体は無料で行ってもらえますし、査定をしても媒介契約をする必要もなく、一括査定サービスで複数の業者から査定を受けるのが賢い方法です。

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一社の査定で決めてしまうと、本当は自分の家がどのくらいの価値を持っているのか、正しく把握できずに売ることになります。
それが妥当な査定価格かもしれませんが、実はもっと価値のある家かもしれません。

複数の査定価格を比べ、適正な価格帯を知ることで、不当に高く売ったり安く売ったりするリスクを減らすことができます。
高く売りたいからと無理な価格設定をした場合、どうしても欲しい人がいなければ売れる可能性はゼロに近く、安く売ると確実に損をしてしまうでしょう。

手順2:不動産会社と媒介契約

査定してもらった不動産会社の中から、いずれかを選んで媒介契約を結びます。
媒介という言葉に馴染みが無ければ、仲介と同じ意味だと考えてください。
媒介契約とは、売りたい人と買いたい人を引き合わせる仲介を依頼する契約で、媒介契約により不動産市場へ物件として流通します。

媒介契約は「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類ありますが、いずれの契約でも買主を仲介してもらう点では変わりません。
専属専任や専任という名称でわかるように、両者は特定の不動産会社に依頼する契約で、一般媒介契約とは複数の不動産会社に依頼する契約です。

基本的な考え方としては、不動産会社にお任せなら専属専任か専任で良く、ほとんどの不動産会社はどちらかを勧めてきます。
また、自分で買主を探す可能性があるなら、専任か一般を選ぶと考えて正しいです。

(媒介契約については今後詳しく解説予定です)

手順3:売り出し価格を決める

媒介契約を結んで、いよいよ売り出すわけですが、売り出し価格の決定は非常に難しく、家を売るときの重要なポイントの1つです。
売り出し価格を間違えると、まったく相手にされなかったり、値引き交渉に屈して損失が大きくなったりするため、楽観視せずに慎重に決めましょう。

売り出し価格は、査定価格を基準にして、若干上下させる程度になるはずです。
ですから、その基準となる価格は、手順1.で適正な範囲を把握することが大切なのです。

そして早く売りたければ安くして、売れるまで時間がかかっても問題ないなら高めにして、買い手が付くのを待ちます。

売り出し価格を甘く見てはいけない

当たり前ですが、誰でも可能な限り高く売りたいと思っています。
そのため、どうしても高い価格から売り出し、売れなければ安くしていく戦略を取りがちで、このパターンは危ないかもしれません。

売れないからと価格を下げても、家は年々価値が下落していくので、実質的にあまり価格が下がっておらず、売れないからとまた下げます。
いつのまにか、もう下げられない価格まできて、初めて売り遅れたことに気付くのです。

ただし、田舎の家では古い場合が多く、家の価値がほとんどなければ、このような悪循環には陥らないと考えられます。

手順4:購入希望者への内見対応

家の場合には、購入希望者が事前に家を見に来るのが普通で、これを内見と呼びます。
引っ越してから空の状態で見てもらうのが一般的ですが、現在住んでいる状態でも行われ、その場合は家族の誰かが対応します。

内見は、購入希望者と不動産会社の担当者(買主側の仲介業者が別ならそれぞれ)が立ち会い、購入希望者の質問に答えます。
この後買主は交渉する可能性があり、売主としては家のアピールができる最高のチャンスでもあります。

また、家を売ると決めたら、汚さないように注意しなければならず、何度も内見に来たのに続けて話が流れると、精神的にもダメージを受けます。
内見は事前に不動産会社からアポがありますから、入念に掃除して向かい入れます。

内見日を留守にする場合

内見日に不在でも、不動産会社に鍵を預けて対応してもらうこともできます。
売主がいた方が、購入希望者の細かい質問に答えられて好ましいですが、外せない用事があるなら仕方ありません。

むしろ、用事があるからと内見を断ると、買主を逃してしまう可能性も考えましょう。
なぜなら、購入の決め手は、内見したときの第一印象になる例は多いからです。

既に住んでいない場合でも、可能なら内見に立ち会った方が無難で、購入希望者の質問に不動産会社の担当者が応えられず、がっかりさせてしまうのは避けたいものです。

手順5:買主との価格交渉

売主が高く売りたいように買主は安く買いたいため、不動産の取引は値引き交渉が前提にあって、売り出し価格で売れることはほとんどありません。
内見して購入希望者が欲しいと思えば、値引き交渉が始まります。

交渉の大原則はお互いの譲歩で、交渉になる場合、最初はお互いの希望額が大きく離れていることもあります。
そこから折り合う金額で交渉していくので、最終的には売り出し価格よりも安くなり、売り出し価格を決める時点で、値引きできる幅も考慮しておきます。

冷静に交渉を進めることが大事で、あまりにも安い金額を提示されたからといって、感情的に断るのではなく、買主の真意を探るようにしましょう。
買主も値上げできる幅を考慮して、低い金額を出してくるのは常套手段です。

土地と違って、家の場合には売主にも買主にも引っ越しがあり、実はお互いに切羽詰まっている状況も多くあります。
相手がいつまでに買いたいのか、なぜ自分の家を希望しているのか聞き出せると、少しは交渉が有利になるかもしれません。

引渡し日について

原則としては、決済日に引き渡すことが前提でも、どうしても引っ越しができなければ、引渡しを猶予してもらえないか買主と交渉します。
ただし、所有権の移転は決済日になり、お金だけ先に支払って、所有権の移転は引渡し後でOKという条件はあり得ません。

したがって、引渡し猶予の間は、買主の所有物件を借りるのですから、賃貸料を請求される場合も考えておく必要があります。
また、引渡し日を猶予して欲しいときは、売買契約前に話しておかないと、契約時にトラブルになりやすく、まとまった話がかんたんに流れるので気を付けましょう。

手順6:買主と売買契約締結

交渉がまとまれば、不動産会社の担当者も交えて売買契約の締結です。
売買契約書を交わすことで、法的な効力が発生しますから、契約内容は不動産会社とも相談して慎重に決めなくてはなりません。

契約に先立ち、売主は家の瑕疵(不具合)を、知る限り買主に明かす義務があります。
一方の買主は、売買契約が成立すると、一定額(または一定率)の手付金を支払います。
不動産会社は、売買契約が成立すると仲介手数料を請求でき、この時点で一部を支払う場合もあるので、不動産会社に確認しておきましょう。

売買契約から決済日までの期間

売買契約では決済日も決めますが、決済は買主が資金を用意できたタイミングです。
一般に不動産の取引は高額なため、買主がローンを利用することも多くあります。

ローンでは審査に最低でも1ヶ月くらいかかり、確実に審査を通過するとも限らないことから、売買契約から決済日まで3ヶ月程度空けることも珍しくありません。

手順7:決済と登記

少額の場合を除き、不動産の決済では、現金では行われることは極めてまれです。
単に支払いをするだけではなく、権利関係の登記が必要になることから、売主、買主、売主と買主の仲介業者の他に、司法書士が同席します。

決済は金融機関の一室を借りて行いますが、司法書士が仕切って進行し、金融機関の担当者はお金の動きがあるときだけ登場してきます。
司法書士は通常買主側で手配し、買主がローンを利用する際は、金融機関から指定されることも多いようです。

お金の動きとしては、買主の口座から売主の口座へ振り込むだけで、金融機関の担当者が処理して、買主や売主は伝票や通帳などで確認します。
買主がローンで借りるなら融資してもらう手順、売主にローンが残っているなら完済する手順があるため、それぞれ確認しながら行います。

売却代金の支払いが確認されると、固定資産税の日割り精算、直近まで住んでいるなら公共料金の精算、必要なら司法書士への報酬を支払って決済は終了します。
これらの諸費用は現金で清算されることが多く、別途用意しておかなくてはなりません。

決済後にされる登記

家の売買で必要な登記は、所有権移転登記、抵当権抹消登記、抵当権設定登記です。
ただし、抵当権抹消登記は売主のローンを完済した場合、抵当権設定登記は買主がローンで融資を受けた場合に行われます。

どの登記も、すべての必要書類は決済の場で揃えられ、司法書士が確認します。
実際の登記は、司法書士が必要書類を持って法務局にて行うため、決済の場で待つか、解散して後日連絡されるどちらかでしょう。

手順8:買主に家を引渡し

決済が終わると(厳密には所有権移転登記が終わると)、家は買主のものになるため、事前に引渡しの猶予を定めている場合を除き、引渡しは決済日と同日が原則です。
ですから、引っ越しがまだの場合は決済日までに済ませ、売買契約で定められた必要な修繕等があれば、すべて完了しておかなくてはなりません。

家の引渡しは単に鍵を買主に渡すだけで、不動産会社への仲介手数料を支払って、取引のすべてが終了します。

家の売却に関する他の疑問

同じような不動産の取引でも、買主と売主の事情によって違う流れもあり、契約行為なので当事者が合意して契約していれば、色々なパターンが許されます。

ここでは、家の売却で良くありがちな疑問について補足していきます。

家の解体がある場合は?

家が古い場合など、解体を前提としている場合には、どちらが解体費用を負担するのか決めることになります。
どちらが負担するとしても、売却価格が上下するので、解体の話が出たら一旦交渉を留保して、解体費用を見積もっておくと交渉が楽です。

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解体は買主の都合なので、売却価格を変えずに買主負担にしたいところでしょう。
しかし、買主は不要な家をセットで買わされるイメージを持つので、値引きできる範囲内で、解体費用も考慮してあげた方が成約しやすくなります。

住宅ローンが残っている場合は?

住宅ローンが残ったままでも、家を売り出すことに問題はなく、買主が支払う売却代金をアテにして住宅ローンを完済する計画を立てます。
売却価格がローンの残債に届かなければ、差額は自己資金で用意します。

住宅ローンの完済は絶対条件で、住宅ローンを残して買主に引渡す売買は、知人で了承がある場合など一部の例外があるのみで、通常は買主の了承を得られません。
住宅ローンにより設定されていた抵当権を外し、きれいな状態で買主に引き渡します。

具体的には、買主から売却代金を受け取り、売却代金で住宅ローンを完済すると、借りていた金融機関から、抵当権抹消登記の承諾書を渡されます。
売主は抵当権抹消登記を必要としますが、通常は決済時に司法書士へ承諾書を渡すことで、登記を代行してもらいます。

つまり、住宅ローンが残っている物件では、決済において買主の支払いが最初に行われなければ、完済できずに取引が進まないということです。
しかし、住宅ローンが残っていなくても、買主の支払いは最初に行われるのが普通で、この点は特に問題にならないでしょう。

ローン中の家を売るコツや注意点はこちら。

ローン中の家には抵当権が付いており、滞納すると金融機関は差し押さえて売ることができます。これが外れるのは完済した時で、つまり全額返済が売却の条件となるのです。

引っ越しはいつするべき?

現在も住んでいると仮定して、解体して更地で売るなら解体前の引っ越しが当然です。
解体せずに売る場合には、引渡しの前ならいつでも引っ越しできます。

ただし、新しい家をいつ決めるのかという問題は、現在の家をいつ売るかという問題と絡み、意外とタイミングが難しくなります。
というのも、新しい家にも契約(建築・売買・賃貸)があり、現在の家にも売買契約があって、それぞれは同じ日程で進まないからです。

新しい家が決まらなくても、現在の家を売ることはできますが、引渡しが遅れるため買主から短期的に借りることになり、買主の承諾が必要です。
先に新しい家を決めておくとクリーンですが、現在の家を売るまでは二重の負担が生じ、もし売れなければ現在の家を空き家にして、所有し続けなくてはなりません。

賃貸はともかく、現在の家の売買契約が成立してから新しい家を探すのでは確実に間に合わないので、何らかの負担増になるでしょう。
また、新しい家の資金を現在の家の売却代金に求める場合は、もっとタイミングが難しく、それ以外の資産や与信にもよるため、決まった答えはありません。

不動産会社や金融機関との調整も大切です。

まとめ

家の売却には決まった手順があり、不動産取引における一般的な手順に沿って進めていくことになります。
特に重要なのは、売り出し価格の決定から売買契約の締結までで、この期間は気を引き締めて臨みましょう。

家を売る=別の家に引っ越すのですから、次に住む家の契約も重要になり、タイミングのズレによって、余分な負担を増やしてしまいます。
しかし、田舎の家には買い需要が少ないことを考えると、すぐに売れるとは考えず、年単位での売却計画を立てて、理想的な状況で売れなくても慌てない余裕が大切です。

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