山林の固定資産税はいくらかかるか。相続後は土地活用や売却も考える

相続で山林を所有することになった人は、「どのように扱えばよいのかわからない」「維持費が気になる」「売却できるのか」など、さまざまな悩みを持っています。山林は住む場所ではなくても土地を所有していることに変わりないため、固定資産税がいくらかかるのか、気になる人も多いことでしょう。

山林の固定資産税についての知識を深めることで、これから山林をどのように扱っていくのかを判断しやすくなります。また、固定資産税などの維持費の支払いを避けたい場合、山林を売却するという選択肢も含まれてくることでしょう。所有する山林に関する悩みを持っている人に向けて、山林の固定資産税と活用や売却について解説します。

1. 山林の固定資産税とは

山林固定資産税-1

山林の固定資産税とはどのような税金なのか、まずは基礎知識を把握することが大切です。固定資産税を調べる方法、免税額について、評価替えについてなど、固定資産税に関するさまざまなことを学びましょう。

1.1 山林の固定資産税は所有する人にかかる税金

固定資産税は、毎年1月1日の時点で土地や家屋を所有する人にかかる税金です。山林は土地であるため、その土地の価格に応じる固定資産税の支払いが必要になります。

その額は、土地の評価額によって算出することが可能です。土地の評価額については、基本的に市区町村が決めており、固定資産路線価や固定資産税評価額を山林のある市区町村で検索して調べることができます。

山林の固定資産税の納税義務者は、その山林を所有する人です。所有する人は、土地登記簿や土地補充課税台帳に登記・登録がされているので確認してみましょう。登記・登録されている人が死亡している場合は、現在所有している人が固定資産税の納税義務者です。

1.2 山林の評価額が30万以下の場合、固定資産税が免税される?

固定資産税は、いくらまでは免税できるという額が決められています。その額に満たない場合は、固定資産税の支払いはありません。

土地の免税額は30万円です。つまり、山林の所有者であっても、30万円に満たないのであれば、固定資産税の支払いはゼロになります。ちなみに、家屋の免税額は20万円、償却資産の免税額は150万円と決められており、対象により免税額が異なるということも知っておきましょう。

1.3 固定資産税は3年に一度見直される

固定資産税の額は3年に一度見直されます。見直しされて決定した額は、その後3年間据え置きです。このことは「評価替え」と呼ばれており、評価替えがされる年のことは「基準年度」といいます。最近では、2018年が基準年度でした。

ただし、山林などの土地の価格において、地価の下落があった場合は、評価額をそのまま据え置きにはできません。その場合は、基準年度になっていなくても、簡易的な方法で価格の修正を行うことがあります。買い足しをした土地や土地利用の変換などがあった場合は、毎年評価し直して価格を決定します。

2. 山林の固定資産税の計算方法

山林固定資産-2

山林の固定資産税を計算する方法は、一般的な土地の場合と同じ計算式を使用します。計算式と相場、山林の固定資産税評価額について、山林の固定資産税額はいくらになるのかを確認していきましょう。

2.1 山林の固定資産税の計算式と相場

計算式は「課税標準額(固定資産税評価額)×税率」です。税率は1.4%であるため、「課税標準額×1.4%」で固定資産税が算出できます。

この計算式でポイントになるのは「課税標準額」です。課税標準額は場所により異なり、都市部や農村部は高く、山林奥地などは低くなります。このように、相場は場所や条件によって大きく異なります。

固定資産税=課税標準額(固定資産税評価額)×1.4%

2.2 山林の固定資産税評価額の基準

固定資産税の額は「固定資産税評価額(課税標準額)」により決まります。下記は、固定資産税評価額を決める基準とされているものです。

  • 道路の要件(道路幅や塗装など)
  • 最寄駅からの距離
  • 主要道路に面しているか
  • 大型店舗などの交通・接近条件(都市部にあるかなど)
  • 下水道やガスなど、供給環境の条件
  • 都市計画用途や建ぺい率、容積率など

山林の固定資産税評価額は高くありません。例えば、固定資産税評価額が10,000円の場合は、「10,000円×1.4%=140円」となり、140円が固定資産税額になります。

ここでポイントになるのが免税です。土地の免税額は30万円なので、課税標準額30万円に満たないと、固定資産税の支払いはありません。

3年に一度のペースで固定資産税評価額は見直しされます。この固定資産税評価額が課税標準額です。固定得資産税は課税標準額により決まりますが、山林の場合は、大規模な開発が行われない限り大きく変動することはないでしょう。

また、30万円の免税を受けるにあたって、固定資産税評価額が21万円の場合は固定資産税額が29万4千円となるため免税の上限目安になります。

「210,000円×1.4%=294,000円」

2.3 地目が山林の固定資産税は安い

地目が「山林」となっているなら、他の地目と比べても固定資産税が安くなります。固定資産税評価額は公示価格の70%が目安で概算を計算する上ではおおよその金額がわかります。また、課税標準額は場所により異なるため、都市部や農村部は高く、
山林奥地などは低くなります。このように、相場は場所や条件、自治体によって大きく異なります。しかし、山林は公示価格がない場所が多く、基本的に価値がないとされています。そのため、山林の固定資産額税額はかなり低いです。

住居はなくなにもない山林の場合、固定資産税は数百円~数千円程度になります。もし山林に家を建てていたのであれば宅地扱いになるため、この例には当てはまりません。

山林の固定資産税がゼロになることもある

既定の評価額である30万円に満たなければ、固定資産税の課税義務はないです。そのため、山林の所有者で固定資産税の支払いをしていない人はたくさんいます。山林の価値は低いとされているため、広大な面積がある山林でない限り、課税の心配はありません。

3. 山林を相続したら固定資産税はどうなるのか

山林固定資産税-3

山林を相続することになったら、戸惑ってしまうものです。山林を相続したら固定資産税はいくらかかるのか、他に相続にかかる費用はあるのかなど、さまざまな疑問があります。山林の相続にかかる費用や相続した山林の活用方法を知り、そのまま所有していけそうかを考えてみましょう。

3.1 エリアごとの山林の固定資産税評価額の例

相続した山林の固定資産税評価額はエリアごとに違うことを知るため、3つのエリアの例を見ていきましょう。固定資産税評価額は公示価格の70%が目安になるため、まずは公示価格を調べてから算出します。

仮に神奈川県鎌倉市に500平米の山林を持っていた場合の固定試算税評価額例

2018年のデータによると、神奈川県鎌倉市の公示地価は「27万4,680円/㎡」です。70%にすると「19万2,276円」になります。この数字は鎌倉市の市街地の公示地価なので、山林になるとさらに低くなる可能性があります。

固定資産税評価額=19万2,276円×500平米=9,613万8,000円
固定資産税額=9,613万8,000円×1.4%=134万5,932円
(※さらに低くなる可能性がある)

仮に神奈川県の山奥に500平米の山林を持っていた場合の固定試算税評価額例

2018年のデータでは、神奈川県の公示地価で最も低いのは「神奈川県三浦市初声町高円坊字隠田1619番」で「1,250円/㎡」です。70%にすると「875円」にですが、山奥なためさらに低くなる可能性もあります。

固定資産税評価額=875円×500平米=43万7,500円
固定資産税額=43万7,500円=6,125円
(※さらに低くなる可能性がある)

仮に岩手県の山奥に500平米の山林を持っていた場合の固定試算税評価額例

2018年のデータでは、岩手県の公示地価で最も低いのは「岩手県和賀郡西和賀町沢内字川舟35地割5番内」で「2,390円/㎡」です。70%にすると「1,673円」になります。ただし、山奥の山奥となると公示地価の表示がないことが多いため、以下の数字よりも安くなる可能性が高いです。

固定資産税評価額=1,673円×500平米=83万6,500円
固定資産税額=83万6,500円×1.4%=11,711円
(※さらに低くなる可能性が高い)

3.2 山林の相続にかかる費用

山林の相続では、多くの場合は相続税は発生しません。広すぎる山林など、理由があり価値が認められて相続税評価額が高額になれば、相続税が発生することはあります。山林を相続したら、相続登記の手続きと市区町村への届け出が必要です。山林の相続の手続きの期限は90日以内なため、早めに手続きを済ませましょう。

相続登記にかかる費用

相続登記にかかる費用として、「登録免許税の額」「固定資産評価証明書の交付手数料」「戸籍謄本の交付手数料」の支払いも必要です。「登録免許税の額」は、固定資産税評価額の0.4%、相続する人が法定相続人以外であれば2%になります。「固定資産評価証明書の交付手数料」は市区町村により異なりますが、200~400円が目安です。「戸籍謄本の交付手数料」は、戸籍謄本一通につき450円程度になります。

相続登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、報酬の支払いも必要です。司法書士に支払う報酬の相場は、70,000円~10万円程度だといわれていますが、場合により費用は大きく異なるため、事前に費用の確認をしましょう。

相続後は維持管理の費用がかかる

相続の手続きが済んだら、維持費として毎年固定資産税の支払いが必要です。ただし、山林の固定資産税はとても安く、場合によっては支払いがゼロになることもあります。

山林はしっかり管理していかないと近隣に迷惑をかけることになるため注意が必要です。そのため、維持管理のために伐採や間引きなどを行う費用も発生します。維持管理を森林組合に依頼するとなると、その費用も必要です。市区町村により、山林に補助金制度が出るところもあるため、相談してみましょう。

3.3 山林を放置せずに活用を考えよう

山林を管理するには手入れが必要です。手入れをしなければ、周りの住民や自然体系に害を及ぼす可能性があります。特に、傾斜がきつくその下に住宅や学校などがある場合は、大雨などの自然災害があった際に二次災害によって被害が拡大する恐れがあるため注意が必要です。

また、所有者の管理責任を果たす目的で市町村により山林の管理に関する条例が定められています。地域に寄り内容が異なるため、自治体のホームページで確認してみましょう。

所有している限り手入れをずっと続けなければならないので大変です。山林の管理は手間がかかるため、売却を含む山林活用を検討しましょう。

 

4. 相続した山林の活用方法

山林固定資産税-4

相続した山林を上手く活用していけるのであれば、維持管理の費用の支払いも苦にはなりません。下記は、山林の活用方法の例です。

  • 木材を売る
  • 林産物を売る
  • レクリエーション地として提供する
  • 太陽光発電を行う
  • 企業などに賃貸する

事業を行う土地として活用する方法もありますが、利益を得るまで事業を軌道にのせるのは簡単ではありません。手間も時間もかかり、さらに事業に失敗すれば借金を負うことにもなるのでリスクが高いです。

山林をどのように活用するか、慎重に考える必要があります。土地活用についてのプランを無料で提案してもらえるサイトもあるため活用してみましょう。

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5. 山林の固定資産税を支払いたくないなら売却する

山林固定資産税5

山林を上手く土地活用していく自信がない、もしくは土地活用できず、固定資産税を支払いたくない場合は売却することも考えましょう。山林は、住宅や宅地を売るよりも難しいといわれています。山林の売却にかかる費用や相場、売却する方法、売却の注意点を確認し、売却成功に向けて準備を整えておきましょう。

5.1 山林の売却にかかる費用

山林の売却にかかる費用には、「仲介手数料」「所得税」などがあります。売買に不動産会社を通さなかった場合は、仲介手数料の支払いはありません。所得税は、「山林所得税」と「譲渡所得税」があり、確定申告ではそれぞれ別に申告します。

また、山林を売買するにあたり測量が必要になった場合は、測量にも費用がかかるため注意しましょう。一般的には、山林の測量を実施することはほとんどなく、法務局の登記簿に記載のある公簿面積を参考にし、売買価格を決めることが多いです。最近では、インターネットで土地の面積を無料で測量するサービスもあります。

5.2 山林の売却価格の相場

山林の売却価格の相場は、場所により大きく異なります。山林の場所は大きく分けて、「都市近郊林地」「農村林地」「林業本場林地」「山村奥地林地」の地域があるので、売却予定の山林がどの地域に分類されるのかを確認しましょう。

「都市近郊林地」は都市部に近く宅地化の影響を受けやすいため、売却価格が高くなる傾向があります。「農村林地」は、農村地域の近辺にあり、都市近郊林地の次に売却価格は高いです。

「林業本場林地」は、林業が盛んな地域で、売却価格は低くなる傾向があります。「山村奥地林地」は山奥にある地域で、交通の便が悪く売却価格は4つの地域の中で最も低いです。

5.3 山林を売却する方法

山林を売却するには、所有する山林の土地全てを売却する方法と、樹木だけを売却する方法があります。どちらを選択してもデメリットが生じるため、判断は難しいです。

山林の土地全てを売却すれば、維持管理費の心配がなくなりますが、広大すぎる山林の場合は買い手が付きにくいことがデメリットになります。また、立地状況や樹木の品質も影響するため、売却は容易なことではありません。一方で樹木だけを売却する方法は、個人で林業をすることと同じです。そのためには、伐採や搬出、木の処理など、膨大な経費がかかります。

素人が山林の売却を成功させることは難しいため、売買の仲介をプロの不動産会社に依頼しましょう。山林の売買の実績がある会社であれば、どのように売却したらよいかのアドバイスもしてくれます。

5.4 山林を売却する際の注意点

山林を売却には、さまざまな注意点があります。売却に失敗しないために、注意点についても把握しておきましょう。下記は気をつけたほうがよいとされている山林売却の注意点です。

  • 山林を売却する際は、土地だけでなく立木の売却にも税金がかかる
  • 山林は宅建業法が適用されないため、仲介手数料の制限がない

特に気をつけたほうがよいのは、仲介手数料についてです。山林は宅地ではないため、宅建業法が適用されません。そのため仲介手数料の上限がなく、無料にもできますが、高額にすることもできるのです。つまり、悪徳業者が高額な仲介手数料を請求することも考えられるため、仲介を依頼する会社は慎重に見極めましょう。

5.5 山林を少しでも高く売るためには

山林は高く売れる可能性は低く、値段をつけることさえも難しいといわれることもあります。少しでも高く売るためには、山林の売却に強い不動産会社に依頼することポイントです。

売却の依頼先を見つけるには、「一括査定」「山林の近くの不動産会社に相談」「森林組合に相談」する方法があります。この全ての方法を一通り試してみましょう。すぐにできる方法としてまずは一括査定をし、相場がいくらになるのかを把握することから始めることをおすすめします。

山林売買について更に詳しく知りたい方は、下記もあわせてご覧ください。

日本の山林(森林)は約58% が私有林です。しかし取得ルートは譲渡や相続が多く、活発に売買されてはいません。ここではその実態を価格や税金面を交えて見ていきます。

6. 山林の固定資産税は安いが土地活用できないなら売却を検討

山林固定資産税-6

山林を所有することになったら、まずは土地活用できないか相談してみましょう。山林を所有している限り管理もし続けなくてはなりません。素人の方には管理するのは大変なため、土地活用を視野に入れたほうがよいでしょう。

土地活用の相談をする中で手間だと感じたら、売却を検討するのがベストです。山林は価値が低く高額で売れない場合が多いですが、一括査定サービスで山林に強い会社を探すことで、少しでも高く売ることにつながるため、利用してみましょう。

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