全国の空き家情報を正確に知る方法|空き家バンク制度も理解しよう

日本では高齢社会に伴い、全国各地で空き家が急増しており、空き家問題が深刻化しています。また、空き家を放置することで倒壊などのリスクが高まり、特定空き家に指定される可能性もあります。

さらに、特定空き家に指定されることで、固定資産税が約6倍になるため、できる限り有効活用することが望ましいと考えられています。ここでは、全国の空き家情報を知る方法や、注意点について解説していきます。

1. 空き家バンク制度を知ろう

全国各地で空き家問題が深刻化しており、空き家対策の一環として、2015年から「空き家対策特別措置法」が施行されています。この制度によって、空き家の有効活用や、各自治体などの空き家バンクの運営がスタートし、全国的に広がりを見せています。

1.1 国土交通省により立ち上げられた制度

空き家問題を深刻に捉えた日本政府は、2015年に「空き家対策特別措置法」を施行し、空き家対策に乗り出しました。空き家が放置されることで、どのような弊害が発生するのかというと、近年全国各地で頻発している、大規模な地震などの自然災害によって、空き家の倒壊や崩壊のリスクが懸念されます。

この他には、空き家を放置することで害虫や害獣の棲み家となり、ゴミの不法投棄や不審者の侵入など、犯罪リスクが高まることが挙げられます。このようなリスクがある、空き家対策への取り組みの一環として、空き家対策特別措置法と共に「空き家バンク制度」が立ち上げられました。

空き家バンク制度は、国土交通省が運営する信頼できる制度で、高齢社会への対策や、過疎化が深刻な田舎への移住策など、国と自治体が協力した政策となっています。

1.2 空き家バンク制度の定義

空き家バンク制度は、空き家の売却や賃貸などを希望する所有者から、申込みを受けた情報を、過疎化が深刻な地域への定住などを目的とした、空き家利用の希望者に対して、紹介する制度のことを言います。

この制度は、自治体が不動産事業者や関係団体などと連携して、空き家の所有者から登録された空き家情報を元に、買い手や借り手とマッチングさせる仕組みになっています。

このような空き家対策は、空き家の活用に悩んでいる所有者と、近年の古民家ブームや、田舎への移住を夢見る人たちをつなぐ、橋渡し的な役割を担っています。また、移住者に助言を行うアドバイザーの設置などによって、より移住しやすい環境が整えられつつあると言えます。

2. 空き家バンクに登録できる物件と公開情報

空き家は築年数にかかわらず、場合によっては、築浅物件が空き家バンクに掲載されている可能性もあります。また、空き家バンク制度には、全ての物件が登録できるという訳ではなく、登録できる物件には、以下のような条件が設けられています。

2.1 登録できる物件は2通り

空き家バンクに登録できる物件には、以下の2つの条件が設けられています。

  • 賃貸用・売買用や別荘等に利用されていない住宅
  • 民間不動産ポータルサイトに掲載されていない物件

この2つの条件に該当しない物件は、空き家バンクに登録できないことになっているので、注意が必要です。なお、空き家バンクに登録できない物件については、【HOME4U土地活用】に相談することをおすすめします。

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2.2 空き家バンクの登録方法と公開情報

空き家バンクには、各自治体に必要書類を提出し、現地調査などを経て登録できることになっています。

登録の流れ

空き家バンクに登録したい場合、まず、各自治体の専用窓口に必要書類を提出します。ここで必要な書類には、空き家バンク登録申請書や本人確認書類、土地や建物の登記事項証明書、地籍図などが挙げられます。これらの書類は、各自治体の公式ホームページなどで、事前に確認しておくことをおすすめします。

次に、自治体の担当者が現地調査を行い、空き家バンクへの登録に支障がないと判断された場合に、登録手続きに進みます。その後、空き家の価格や賃料の査定、修繕を要する箇所などについては、所有者・役所・宅建協会の三者で意見交換を行います。すべての条件がクリアされたあとで、自治体から「登録完了証書」が発行され、登録手続きが完了するという流れになります。

公開情報の詳細

空き家バンクに登録されると、自治体の公式ホームページなどで空き家情報が公開されます。ここで公開される情報の詳細は、以下の通りです。

  • 空き家バンク登録番号
  • 売却または賃貸の区分
  • 所在地
  • 売却価格または賃料
  • 物件の概要
  • 物件の位置図
  • 間取り図面、敷地利用図面
  • 現地の写真

このうち、空き家の所在地については、原則として番地は掲載されないことになっており、価格や賃料については、所有者の希望額が掲載されることになっています。また、物件の概要には、周辺の利便施設や交通の利便性、使用状況や設備状況などが掲載されます。

このように公開情報の詳細については、一般の賃貸物件などとほとんど変わらない内容が、掲載されるということがわかります。

3. 全国の空き家情報を知る方法

2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されて以降、全国各地の自治体が空き家バンクを開設しており、各団体も独自の空き家バンクを運営しています。

3.1 全国版空き家・空き地バンクを調べる

全国の空き家情報を知る方法は、以下のような提供事業者や、自治体の公式ホームページなどで調べることができます。

全国版の提供事業者は2社

全国各地の空き家情報を掲載した全国版の提供事業者は、「アットホーム」と「LIFULL」の2社となっています。この2社は、政府がモデル事業者を公募して、採用されたという経緯があり、趣向の異なる2つのサイトの構築で、異なるユーザー層の獲得を目的としています。

また、各自治体の空き家などの情報を集約して、全国どこからでも簡単にアクセス・検索できるようにする「全国版空き家・空き地バンク」が構築され、全国の空き家・空き地情報がワンストップで検索可能です。なお、このサイトは、2017年10月31日から試行運用をスタートさせています。

サイトの検索機能を使って全国の空き家を調べる

全国各地の空き家情報を調べるには、政府がモデル事業者として採用した「アットホーム」と「LIFULL」の活用が便利です。これらのサイトでは、地方自治体が管理する、空き家や空き地の情報を集めて公開しています。

また、全国の物件をワンストップで検索可能です。たとえば、掲載されている空き家情報に関心を持った利用者は、全国版サイトから各自治体等の窓口に、メールや電話で問い合わせができる仕組みとなっています。

3.2 所在の地方自治体のホームページから調べる

全国各地の空き家情報を調べるには、所在の地方自治体の公式ホームページの活用が便利です。その理由は、全国版の空き家や空き地バンクが、地方自治体を通して登録された情報になっているためです。

また、地方自治体の公式ホームページの情報は、全国版の提供事業者が公開している情報ソースでもあります。そのため、空き家を探したい地域が決まっている場合は、地方自治体の公式ホームページの活用をおすすめします。

4. 全国版空き家・空き地バンク2社それぞれの特徴と違い

政府がモデル事業者として採用した、2社の全国版空き家・空き地バンクでは、ターゲット層や掲載する物件種目に違いがあります。ここでは、それぞれのサイトの特徴を順に解説していきます。

4.1 ターゲットとしてる消費者層の違い

「アットホーム」と「LIFULL」は、ターゲットとしている消費者層が以下のように異なります。2つのサイトでターゲット層が異なり、アットホームでは主に空き家を探している人、LIFULLでは主に空き家を活用したい人をターゲットにしています。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

アットホームの場合

アットホームの場合、自治体が発信している情報を探している層や、アットホームの通常のポータルサイトを閲覧している、消費者層をターゲットにしているという特徴があります。

さらに、アットホームが展開する不動産総合支援サイトを活用している、不動産事業者からつながる消費者層を、想定しているという特徴があります。

LIFULLの場合

LIFULLの場合、「買いたい、借りたい、建てたい、リフォームしたい人」など、住まいに関心のある層や、移住定住や二地域居住に加えて、空き家を利活用したい消費者層を、ターゲットにしているという特徴があります。

4.2 掲載する物件の種目の特徴

「アットホーム」と「LIFULL」では、掲載する物件の種目にそれぞれ以下のような特徴があります。2つのサイトでは掲載する物件種目が異なっていて、アットホームでは幅広い種目を、LIFULLでは中古戸建と土地に絞って、掲載しています。それぞれについて、詳しく解説します。

アットホームの場合

アットホームでは、売買物件に関しては、中古戸建て・土地・マンション・事業用を取り扱っています。また、賃貸物件に関しては、戸建てやアパートなどの居住用物件・土地・事業用を取り扱っているという特徴があります。

LIFULLの場合

LIFULLでは、売買物件に関しては、中古戸建て・土地、賃貸物件に関しては、中古戸建・土地を取り扱っているという特徴があります。

5. 全国版空き家・空き地情報を利用する際の留意点

全国版空き家・空き地情報は、各自治体の公式ホームページや、政府がモデル事業者として採用した、2つのサイトが利用できます。しかし、これらのサイトを利用するためには、以下のような点に注意する必要があります。

5.1 全ての情報が全国版に反映されるわけではない

全国版へ掲載される物件の選択は、各自治体の担当に任されているため、全ての情報が全国版に反映されている訳ではないので、注意が必要です。また、全国版空き家バンクと自治体の空き家バンクは、統合されていると思いがちですが、実は統合されていないことが現状です。

5.2 2社に重複する情報もある

政府がモデル事業として採用した2つのサイトは、それぞれが個々の情報を掲載しているという訳ではなく、重複している情報もあるので、頭に入れておくと良いでしょう。また1つの物件が、両方のサイトで紹介されている場合もあり、良く見ると掲載される情報に、違いが見られるケースもあることが現状です。

5.3 空き家・空き地バンクの仲介手数料は発生しない

一般的な不動産の売買や賃貸においては、不動産業者に仲介を依頼する場合がほとんどで、仲介手数料を支払う必要があります。しかし、政府がモデル事業として採用した2社の場合は、不動産取引には介在しないことになっています。

そのため、情報提供のみを行いますが、不動産業者が介入した場合は、仲介手数料が発生します。また、空き家バンクに対する仲介手数料は発生しませんが、空き家や空き地の売買や、賃貸のマッチングへの成功報酬として、通常の不動産業務と同じく、仲介手数料が発生することになっているので、覚えておきましょう。

5.4 規制がある物件も存在する

全国版空き家・空き地情報で掲載されている物件の中には、規制がある物件が存在するので注意が必要です。具体的には、空き家や空き地の敷地に、接する道路を利用する場合に制限があったり、農家の空き家を購入する場合には、クリアすべき法律があったりします。

また、住宅を建てる目的で空き地を購入した場合、法令上の制限によって、建てる住宅に制限が出る場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

6. 空き家バンクの情報は信頼できるサービスとして活用できる

空き家バンクの活用は、空き家を探している人と、空き家を活用したい人の双方にメリットがある仕組みです。しかし、新築物件とは異なるため、安価で購入しやすいものの、予想以上の劣化が認められるケースもあります。

また、政府がモデル事業として採用した2社や、自治体の空き家バンクを活用すると、不動産業者を介さずに、自分たちで交渉できることが特徴です。ただし、自分たちで交渉すると仲介手数料の支払いはありませんが、契約内容を巡ってトラブルに発展しやすいので注意が必要です。

空き家バンクは、国土交通省が立ち上げた制度であるため、信頼できるサービスだと言えます。そのため、このようなサービスをうまく活用し、素敵な空き家を見つけてみてはいかがでしょうか。

空き家バンクについての利用手順など、もっと知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。

空き家バンクとは?自治体の取り組みとメリットデメリット
空き家問題は田舎に限りませんが、需要がより少ないのは明らかです。それを改善するための取り組みが空き家バンクで、実は利用者のメリットが大きい仕組みになっています。

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