家を売るために知っておきたい7つのこと

家を売る
ほとんどの人にとって、人生の中で家を売る回数はそれほど多くないでしょう。
そもそも、家を買うときの動機が定住を前提としていますし、予定外の転勤、実家の相続などなければ、売る機会は少ないからです。

そのせいもあって、一体どのように家を売ったらよいのか、何も経験がなくて分からない人がほとんどではないでしょうか?
そこで、家を売る方法から、注意点やポイントなどをまとめて解説していきます。

1.家を売る方法は4つある

家を売るためには、取引相手となる買主を探さなくてはなりませんが、その方法として次の4つが候補になります。

・仲介
不動産会社と売却依頼の契約(媒介契約)を結び、不動産会社から物件を広告してもらうことで買主を探します。
最も多く利用されており、無事成約すれば不動産会社に仲介手数料を支払います。
・買取
買取には2種類あって、1つは買取専門業者に買い取ってもらう方法、もう1つは仲介で一定期間売れなかったときに、同じ不動産会社へ買い取ってもらう方法です。
いずれの場合でも、一般に仲介での売却より価格は下がりますが、確実に売れるメリットがあるので、売却期間が限られているケースでは有効です。
・オークション
個人間で広く利用されているオークションとは異なり、不動産のオークションでは、不動産会社を介在させることで取引の安全性を確保しているのが通常です。
入札参加者が多くなるほど落札価格は高くなる一方、希望価格に達していなくても落札されてしまえば売るしかありません。
・個人売買
親族や知人と売買する以外にも、インターネット上で個人と売買できます。
トラブルが発生しやすい方法なので、契約や登記は個人で行わず、司法書士等の専門家を介在させることも多いです。

2.仲介における売却までの手順

家の売却は高額取引になるため、取引の安全性と、ある程度の売却価格を両方確保したい場合は、不動産会社の仲介で売る方法がメインです。
他の方法は、安全性か売却価格のどちらかを犠牲にするのでリスクを伴います。

仲介で家を売る場合、決まった手順があり、たいてい次のような流れで進みます。

  1. 不動産会社への相談・査定依頼
  2. 不動産会社と媒介契約
  3. 売り出し価格を決める
  4. 購入希望者への内見対応
  5. 買主との価格交渉
  6. 買主と売買契約締結
  7. 決済と登記
  8. 買主に家を引渡し

仲介で家を売るためには、売却を依頼する不動産会社を探さなければ何も始まりません。
とはいえ、賃貸経営をしている人以外は、日常的に不動産会社と付き合うこともないので、どの不動産会社にしようか迷うはずです。

まずは相談からですが、不動産会社へ直接問い合わせる以外にも、査定依頼や一括査定サイトを利用して、不動産会社からのアプローチを待つ方法があります。
時間の余裕や都合に合わせて、相談方法を決めていくとよいでしょう。

それぞれの手順を詳しく知りたい場合には、以下を参考にしてみてください。

家や土地の売却方法。査定から引き渡しまでの一連の流れ(仲介)
不動産の売却方法にもいくつかありますが、大半が仲介による取引です。ここではその仲介での取引の流れと、宅地以外のケースを紹介します。

3.不動産会社との契約は3種類ある

不動産会社が決まったら、売却を依頼するために媒介契約と呼ばれる契約を結ぶのですが、媒介契約には3種類あって、それぞれ特徴が違うので要注意です。
難しく考える必要はなく、イメージとして次のようになっています。

説明 複数社契約
専属専任媒介契約 不動産会社にすべて任せる契約で、不動産会社にも法律上の厳しい義務が課せられます。不動産会社を経由せずに売買することはできません。 できない
専任媒介契約 不動産会社に任せるだけではなく、自分で買主を見つけて売買することもできます。不動産会社の義務は専属専任媒介契約より緩くなります。 できない
一般媒介契約 複数社と契約できるメリットがある代わりに、不動産会社の義務はそれほど厳しくなく、最も自由度が高い契約方法です。 できる

ここでいうところの「不動産会社の義務」とは、レインズという不動産会社専用ネットワークへの登録や、依頼者(売主)への報告などを意味します。
その解説や選び方を詳しく知りたい場合には、別記事を用意したのでご覧ください。

一般媒介と(専属)専任媒介契約の違いと選び方
家や土地を売る場合、不動産会社に売却依頼して市場に物件情報を流してもらい、購入希望者が現れるのを待つのが一般的な流れです。 このとき、...

不動産会社が売却のカギ

仲介による売却がうまくいくかどうかは、不動産会社の営業力に大きく左右されます。
相場よりも安く売ることは誰でもできますが、相場価格やそれ以上の高値で売れるかどうかも、不動産会社の能力に影響されます。

どのように家を宣伝していくのか、どのくらいお金をかけて広告をするのかなどは、基本的に不動産会社次第でお任せですから、頑張ってくれる不動産会社も手を抜く不動産会社もいるということです。

よって、不動産会社選びが最初のポイントになることは間違いないでしょう。

不動産屋の選び方-免許番号や大手or地域密着等5つのポイント
不動産の売る・貸すの実現には、不動産屋の存在が欠かせません。その選び方が金額や期間など、結果を大きく左右するのです。査定だけではない5つのポイントをまとめます。

4.相場

すべての不動産は形や場所が異なるため、特に定価は存在せず、売主と買主が折り合った価格であれば、自由に取引されます。
そうなると相場はないように思えますが、似たような物件は同程度の価値=同程度の価格で売買が増え、相場が形成されて他の売買でも参考にされます。

相場の調べ方にはいくつかあり、次のような方法が使われます。

・公表されている取引事例を調べる
国土交通省やレインズが、過去の取引事例を検索できるシステムを用意しています。
近い地域に絞り込み、同じような家の取引事例を集めることで価格帯を調べます。
・一括査定サイトを利用する
不動産会社の査定価格は、相場に基づいて算出されています。
しかしながら、一社だけに査定を依頼しても信頼できる査定価格になっているとは限らず、複数社へ同時に査定依頼できる一括査定サイトで査定価格の信憑性を高めます。
・売り物件を確認する
不動産のポータルサイト(スーモなど)で売り物件を検索して調べます。
近所の家が売りに出されていないと情報を集めにくく、売り物件なので相場よりも高めの価格帯になる点には注意が必要です。

仲介での査定価格と相場

不動産会社はプロなので、査定を依頼すると相場価格に近い査定価格を出してきますが、だからといってどの不動産会社も同じ査定価格にはなりません。
高く査定する不動産会社もいれば、安く査定する不動産会社もいるわけです。

そもそも査定価格とは売れそうな「期待値」の価格であって、査定価格での売却を保証するものではなく、不動産会社の査定能力や意向が反映されています。
そして、相場を反映した査定価格ですら、売却価格は買主の値下げ交渉で下がります。

また、不動産会社の査定能力が正確でも、相場は常に変わっていきますし、家は徐々に価値が下がるので、今の相場や査定価格がいつまでも維持されるとは限りません。
相場・査定価格・売却価格は、必ずしも一致しないと頭に入れておきましょう。

5.手数料と税金

支出となる手数料やその他の諸費用、税金については概ね決まっています。

名称 説明
登記費用 住宅ローンが残っている場合と登記上の住所変更が必要な場合にかかる費用(登録免許税+司法書士報酬)
仲介手数料 仲介での売却時に不動産会社へ支払う手数料(消費税を含む)
繰り上げ返済手数料 住宅ローンが残っている場合に一括返済する手数料
その他の諸費用 引っ越し費用やハウスクリーニング費用など
印紙税 売買契約書に貼り付ける収入印紙で納める税金
譲渡所得税 売却で利益が出た場合の所得税と住民税

この中で大きい金額になるのは、不動産会社に支払う仲介手数料で、法定の上限額は売買価格によって次のように金額が変わります。
ただし、定められているのは上限額で、上限以下とすることに制限はありません。

売買価格 仲介手数料 (消費税8%込み)
200万円までの部分 5% 5.4%
200万円を超えて400万円までの部分 4% 4.32%
400万円を超える部分 3% 3.24%

なお、不動産の価格は景気や地域の人気度、地価動向などにも左右されるため、相場は常に変化していると考えなくてはなりません。
そして、売るタイミングで大きく税金が変わることもあり、いつ売るべきかをかんたんに判断しないよう心掛けたいところです。

家を売るベストなタイミングは?売れる時期や価値、税金の兼ね合い
家を売ることには目的があり、それによって時期も必然的に決まるでしょう。ただ、時期を選べる場合における基準はどうでしょう?基本的には早く売った方がよい理由が大半ですが、少し待った方がよい限られたケースもあるので、それぞれの考え方を紹介します。

6.必要書類

家を売るときには、思っているよりも多くの書類を準備しなくてはなりません。
代表的なものは、家と敷地の登記簿謄本(登記事項証明書)、登記済権利証(登記識別情報)、建築確認済証・検査済証、固定資産税の証明書、印鑑登録証明書などです。

・登記簿謄本(登記事項証明書)
家と敷地の所在、所有権者などを含む登記記録の証明書です。
・登記済権利証
家の所有者に一度しか交付されないもので、所有者の本人確認に使われます。
・建築確認済証・検査済証
家が適法な建築物であることを行政が証明した書類です。
・固定資産税の証明書
毎年送られてくる固定資産税納税通知書や課税明細書で大丈夫です。
・印鑑登録証明書
住民登録をしている役所に印鑑登録することで交付してもらえます。

これらの書類を含め、家の売却に必要な書類についてはこちらで確認してください。

不動産売却に必要な書類とその取得方法
不動産売却で主に必要になる書類とその内容をまとめました。どのタイミングで必要になるかは取引次第ですが、これから取得する書類と手元にある書類、もしくは本人確認に使用する書類とに分け、足りない書類が分かる一覧表も設けているので、ご活用ください。

7.売却時によくあるケースと疑問点

人それぞれ所有している家は異なり、それぞれ置かれている事情も違うでしょう。
すべてのケースを想定して説明することはできませんが、いくつかケースごとに注意点を説明しますので、当てはまるところがないか確認してみてください。

家が古い場合は?

古くてもまだ人が住める状態なら、リフォームして売却しようと思うでしょうか。
しかし、自分で手直しするために古い家を探している層は確実にあるので、自分で費用をかけてリフォームするよりも、買い手側に任せるほうが無難です。

また、家が不要な買い手は、解体前提なので最初からリフォーム物件を買いません。
確かにリフォームすることできれいになりますが、好みの問題もありますし、それ以前にリフォームしても売れなかったら本末転倒でしょう。

その一方で、リフォームをすると即入居したい買い手に絞り込んでしまう反面、家の印象がよくなるので売れやすくなるかもしれず、この点は売主の考え方しだいです。
手広い購入層に売ることを考えているのなら、リフォームは避けるべきです。

解体を考えている場合も同じで、解体を必要とするかどうかは買い手しだいですが、古くても家が欲しい購入層を諦めて、先に解体することできれいな更地になり、一般には売れやすくなります。

ただし、古い家の中には、現在の法令に適合しておらず、解体することで再建築できないケースがあって、古いからと安易に取り壊すのはタブーです。
建物が建てられない土地は大きく価値を落とすので、解体には気を付けましょう。

築浅の場合やローン中の家の場合は?

築浅で家を売却する場合、新築よりもお得感があることで、買い手が積極的に動きますから、よほど相場を外れなければ売れやすいです。
ただし、新築から数年は価格が下がりやすく、売却を迷うと後悔するかもしれません。

例えば、築30年と築35年の5年差に比べ、新築と築5年の5年差は、誰でも価値の差が大きいと感じるのではないでしょうか。
それが価格に反映されるため、家が新しいうちは価値が下がりやすいのです。

ちなみに、固定資産税における木造住宅の評価方法では、新築の翌年にいきなり80%評価まで下がり、5年目には62%~67%評価まで下がります。
そのくらい、家の価値は新しいほど落ちやすいということです。

また、築浅に限らず住宅ローンが残っている場合、家を売ったお金で住宅ローンを完済できることが売却の絶対条件です。
住宅ローンの残債を、売却代金か自己資金で用意できないと家は売れません。

だからといって、無理に売り出し価格を引き上げても、相場より高くなった家は簡単に売れませんから、結局は売れ残ってさらに価値を下げる結果となります。
住宅ローンがある場合には、完済の見込みを必ずチェックしましょう。

田舎の家の場合は?

田舎の家は需要が小さく、どうしても売るのが大変そうに思えます。
しかし、移住者やUターンで戻ってくる人達にも住宅は必要ですし、隣家が土地目的やゲストハウス用に買うケースもあって、まったく需要がないわけでもありません。

むしろ問題は価格で、いくらお金をかけた注文住宅でも、買う人がいなければタダの箱にしかならず、価格面での妥協は仕方がないでしょう。
土地と違い、家の価値は地域差が小さいとはいえ、需要のなさには勝てません。

また、田舎では空き家の増加に歯止めをかけるため、空き家を登録することで購入希望者とマッチングしてくれる「空き家バンク」を促進している自治体も多いです。
現在でも十分に機能しているとは言えない状況ですが、空き家バンクについて自治体に確認しておきたいところです。

空き家バンクへの登録を条件に、リフォーム・解体に補助金を出しているケースもあるので、現状では売れないのなら、補助金を利用してリフォーム・解体してみるのも1つの方法ではないでしょうか。

早くと高くの両立は難しい

家を高く売りたい…誰でも思いますし、希望価格で売れるなら誰も苦労しません。
普段の買い物では少しでも安い店を探しているのに、売る側になった途端に高く売りたいと思うのですから、それが難しいことは明らかです。

ここでよく考えておきたいのは、家を高く売る「高く」とは何であるかです。
ある人は、買ったときよりも高く売りたいと考えるかもしれませんが、家の価値は買ったときよりも下がっているので、土地が高くなっていない限りほぼ無理です。

また、人によっては相場よりも高く売りたいと考えるかもしれません。
相場より高く買主に損をさせる売買は、自分が買主の立場なら敬遠するはずで、人気エリアなど何か別の事情がなければ難しいです。

そう考えると、家を高く売るためには、高く買ってくれる買主を現れるのをじっくりと待つしかなく、運が悪ければ長期間売り残ります。
土地と違って売れ残った家は価値が下がり、売り遅れるほど高く売れなくなります。

反対に、価格を下げると早く売れるのが市場原理でもあり、家の売却で「早く」と「高く」が両立することは極めてまれです。
結局は「相場の価格」で「価値を落とす前に早く売る」のが、家の売却では無難な結論ではないでしょうか。

「早く」や「高く」は、不動産会社の営業努力でも変わってくるため、不動産会社選びが大切であることは既に説明してきたとおりです。

名義が本人でない場合や共有の場合

家の売却には登記簿上の所有者全員の承諾を必要とし、所有者全員が売主となって売却しなければ、買主が全体の所有者として登記できません。
したがって、本人名義ではない家や共有名義の家では、所有者を代理して、または共有人を代理して売ることになります。

具体的には、所有者から委任状を取り付ければよく、委任状が真正であることの証明として、所有者の印鑑登録証明書、住民票、本人確認書類などを添付します。
その他は、本人が売る場合や単独名義と変わりはありません。

もちろん、共有名義の場合の売却代金は、所有者全員で持分に応じた分割をするので、売却に伴う諸費用も所有者全員で分割します。

不動産会社8社に査定を依頼したら
不動産会社8社に査定を依頼したら330万円の差があった

今後の目安のため、一括査定サイトを使って実家の査定を依頼したところ、安い会社と高い会社の差が330万円ありました。
簡易査定なら情報を入力するだけで、その日の内に連絡が来る会社も多く、売却相場がすぐに分かります。

主な不動産会社

「でも、わずらわしい営業電話はこないのか?」
「どのような感じで連絡がくるのか?」
そんな疑問に身をもって体験した結果はこちら。

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