太陽光発電の種類(パネル原料と設置方法)

太陽光発電の種類
太陽光発電で、最重要となるのがパネルで、同じ面積でもパネルによって、発電量の最大値は大きく変わってきます。
価格と発電量は単純に比例するものではなく、各メーカーの性能もまちまちです。

そして、同じパネルでも環境(日射量や温度)によって発電量は変化しますから、実はとても難しいのが適切なパネルの選択です。
設置できる場所の制限や、パネルに投資できる金額にも個人差があるでしょう。

この記事では、パネルの原材料による違いと、設置場所による違いを説明していきますので、正解は無いパネル選びですが参考にしてください。

原材料の違い

パネルの原材料(太陽電池の原材料)は、研究段階も含めると非常に多く、現在普及しているパネルについて、その特徴を説明していきます。

原材料 価格 発電効率 高温特性
シリコン系 単結晶シリコン 高い 15%~20% 悪い
多結晶シリコン 普通 12%~15% 悪い
アモルファスシリコン 安い 5%~10% 良い
ハイブリット(HIT) 高い 18%~21% 良い
化合物系 CIS系 安い 11%~14% 良い
CdTe系 安い 11%~15% 良い

シリコン系

最も普及している太陽電池で、国内の主要メーカーは、ソーラーフロンティアを除くと、ほぼシリコン系を主力商品にしています。
シリコン系の弱点である高温時の性能低下を補うため、技術革新がされてきました。

単結晶シリコン

歴史がある太陽電池で、発電効率も高いのですが、原材料・製造コストの高さが価格の高さにもなっており、価格が安い多結晶シリコンに押されています。
しかしながら、歴史があるだけに信頼性も高く、現在でも多く採用されています。

ほとんどのメーカーで扱っており、東芝のSPR-250NE-WHT-Jは、メーカー公表値で変換効率が20.1%と、量産レベルのパネルでは世界一を称しているほどで、250Wの希望小売価格も182,500円と高価です。

多結晶シリコン

現在の主力で、単結晶シリコンよりも発電効率は落ちる代わりに価格が下がって、性能・価格ともに中間的なバランスの良さで普及しています。

京セラが多結晶シリコンを比較的多く扱っており、KJ210P-3DD4CGは、15.8%の変換効率、210Wで希望小売価格が96,600円ですから、東芝の単結晶シリコンに比べ半分の価格にもかかわらず、出力は3/4程度までしか落ちていません。

アモルファスシリコン

シリコン系の中でも薄膜型と呼ばれるアモルファスシリコンは、ガラス基板にシリコンの薄膜を生成する製造方法が使われ、変換効率は単結晶・多結晶のシリコンに比べて大きく落ちますが、低コストでの生産を可能にしています。

また、アモルファスシリコンのよいところは、高温環境に強く、可視光での発電に優れている点で、これらは結晶シリコンの弱点(高温に弱く赤外光に優れる)です。
そこで、実用的には単結晶シリコンと組み合わせたハイブリット(HIT)や、多接合型と呼ばれる他の結晶シリコンと組み合わせた利用方法が主流です。

ハイブリット(HIT)

既に説明済みですが、単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせ、両者の長所を引き出すように工夫されています。
そのため、価格は高価ながらも、最も高い発電効率を得られます。

HIT製品は、パナソニックで販売されており、VBHN250SJ31は250Wで希望小売価格が163,000円、変換効率は19.5%です。
高温特性が優れているので、日射量の多い地域ほど有利になるでしょう。

化合物系

化合物系のパネルは歴史が浅く、原料としてシリコンを使用せず薄膜の化合物を用いる太陽電池で、海外では普及しています。
安価で高温特性も良く、コストパフォーマンスに優れています。

CIS系

原材料の銅(C)、インジウム(I)、セレン(S)の頭文字からCISと呼ばれ、国内ではソーラーフロンティが扱っています。
結晶シリコンに比べると製造コストが小さく、技術的にはこれからのパネルで、変換効率が高まってくれば、多結晶シリコンをしのいでいくでしょう。

また、パネル内でセルが並列に接続されており、パネルの一部が影になっても、発電能力が大きく落ちない特性から、設置場所によっては有利になる可能性があります。

CdTe系

アメリカのファーストソーラーが日本に進出したことで、にわかに注目されているCdTe系は、カドミウム(Cd)とテルル(Te)を組み合わせて製造されます。
現行の製品(FIRST SOLARシリーズ4)でも、メーカー公表値で変換効率が15%に達しており、今後の展開次第では普及の可能性を感じさせます。

なお、カドミウムは有害で知られていますが、単体ではないCdTe化合物は安定性が高く、外部への排出を防ぐため、安全な封止がされているとメーカーは説明しています。

設置場所の違い

太陽光発電は、パネルをどこへどのように設置するのかでも分かれます。
設置場所で必要な工事も変わるので、コスト面への影響は大きく、広い場所ほどコストが下がって収益率が高まる傾向にあります。

屋根設置

住宅、事業所、店舗、工場、役所、学校など建物の屋根に設置します。
屋根の形状・傾斜・方角に大きく影響を受け、パネルの設置を考慮せずに建てられた建物では、十分な日射量が得られない可能性もあります。

例えば、片流れ屋根と呼ばれる、斜めの屋根が1面だけの形状では、屋根が南向きか北向きかで、設置の可否が決まってしまうほどです(もちろん南向きがベスト)。
逆に、陸屋根と呼ばれる水平な屋根では、架台の設置によって、パネルの傾斜・方角を自由に選ぶことができて有利でしょう。

設置面積が小さいため、面積あたりの発電量が多い単結晶シリコンやハイブリット(HIT)が選ばれやすい傾向にありますが、影に強いとされるCIS系、予算次第では多結晶シリコンも選択肢に入れたいところです。

なお、屋根設置では架台を利用しますが、屋根の傾斜とパネルの傾斜が大きく異なると、風圧の影響を無視できず、陸屋根以外では屋根と平行に近い設置が一般的です。

屋根材一体型

分類としては屋根設置ですが、架台を使ってパネルを固定するのではなく、パネル化された屋根材を使って設置する方法です。
最大のメリットはデザイン性で、屋根そのものですから自然な形状が得られ、風の影響を受けにくい点と、後載せの施工不良でありがちな雨漏りも防ぐことができます。

また、別途屋根材を必要としない点は、建材の節約や屋根の軽量化、工期の短縮などをもたらす代わりに、将来交換するためには屋根を葺き替えるのと同じになります。
好みの問題にもなってくるので、どちらがよいと言いきれるものではありません。

他に屋根材一体型の違いとして、固定資産税が家屋評価を受ける点も大きいです。
後載せタイプでは、住宅用の10kW未満で課税対象外ですが、屋根材一体型は10kW未満でも家屋の価値が上昇したとして評価され、家の固定資産税が高くなります。

屋根材一体型は、自然通風での冷却効果が小さいことからパネルが高温になりやすく、高温特性にも注目して選ぶ必要性が高まります。
発電効率と高温特性で、高価でもハイブリット(HIT)を選択したくなりますが、固定資産税の上昇もあって、CIS系が無難かもしれません。

地上設置(野立て)

主に事業者が広大な土地で大規模に行っており、野立てとも呼ばれます。
電柱・電線さえ敷設可能であれば、むしろ市街化していない地域のほうが日射量を得られやすく、なおかつ土地の取得コスト小さくなるため、原野や山林でも行われています。

土地が平坦である必要はないので、利用価値が低い斜面を利用して、屋根設置のようにパネルを並べるか、階段状に整備して設置する方法もよく利用されています。
他には、農地を利用して農業と兼用するソーラーシェアリングと呼ばれる方法も、一部の農業者が実践しており、一時転用の許可を受けることで可能です。

架台を固定するために、ある程度地盤に強度を求められますが、コスト面から舗装してまで行われることは少なく、屋根設置と違って土ぼこりが舞い上がる環境も多いことから、定期的な清掃回数も増えるでしょう。

大規模で日射量も得られる野立てでは、発電効率よりもコスト重視でパネルを選ぶ傾向と、大量導入によるスケールメリットを生かし、多結晶シリコンやCIS系を採用して、収益性を高める手法が用いられます。

まとめ

太陽光発電全体の費用では、パネルの比率が最も高く、パネル選びは非常に重要です。
だからこそ、パネルの特性を良く知って、設置する環境に適したパネルを選択したいところですが、単純に発電効率(変換効率)だけを鵜呑みにはできません。

一方で、価格を目安に選んでも、安かろう悪かろうでは意味がないので、性能・コスト・設置場所の3つを総合的に検討する必要があります。
選択肢が多くなったことは、消費者にとって確実に有利ですから、頭ごなしに特定のパネルを除外するのではなく、どのパネルも十分に検討してみましょう。

太陽光発電一括見積もり
太陽光発電一括見積もり

太陽光発電を始めるには、パネルなどの設備費用、設置と電気関係の工事費用、場合によって土地の造成やフェンスなどの整備費用が掛かります。
また設置するプランも1つではないので、どこの依頼するかで質や費用が違ってきます。

『あなたの土地ではいくらかかり、どれだけの収入が見込めるのか?』
3ステップで一括見積もりします。

主な見積もり会社

関連記事