太陽光発電システムの価格や工事費など、初期費用の相場

太陽光発電の価格
太陽光発電では、投資のほとんどが初期費用で、初期費用の相場を持っていないと、回収の試算がまったく立たず、初期費用の見積もりは非常に重要です。
しかし、kW単価で語られる初期費用は、一体どのような内訳なのでしょうか?

もちろん、見積もりを依頼する業者次第で見積もり額は変わりますし、唯一の存在である家や土地は、同じ条件が1つもありません。
どこに設置するのか、どのメーカーを選ぶのかなど、条件が多すぎて平均的な数字しか示すことはできませんが、初期費用を細分化してみます。

システム全体の費用

太陽光発電協会の公表によると、住宅用の太陽光発電でのシステム費用は、平成26年4月~平成27年2月までの補助金交付申請があった案件(131,182件)で、平均38.5万円/kWでした。
内訳としては、新築が36.7万円/kW、既築が40.5万円/kWです。

例えば、住宅用のベースである4.2kWの容量だとすると、38.5万円/kW×4.2kW=161.7万円ということになります。

一方で非住宅用ですが、資源エネルギー庁の資料によれば、高い方が10kW~50kW未満で32.2万円/kW、安い方が500kW~1,000kW未満で28.4万円/kWでした。
トータルで考えると、野立ては30万円/kW程度が相場で、大きいほど安い傾向です。

野立ての場合は、おおよそ10㎡~15㎡につき1kWの設置が目安です。
300㎡の土地があったとすると、小さく見積もって20kW程度なので、32.2万円/kW×20kW=644万円かかる計算になります。

システム全体に対する費用割合

自然エネルギー財団が2014年に行ったアンケート調査(888社、有効回答数125件)では、太陽光発電の費用割合が次のようになっています。

  • パネル(モジュール):40%
  • パワーコンディショナー:11%
  • 架台:12%
  • 工事費用:23%
  • その他(接続費用2%、諸経費・業者利益含む):14%

自然エネルギー財団 太陽光発電事業の現況とコスト2014

ただし、これらの割合はシステム規模、保証期間、造成の有無によっても異なりますし、特にパネル(モジュール)については、国内メーカー・海外メーカーでも異なるため、一概にこの比率で割り出すことができるとは限らない点に注意してください。

設備費用

初期費用の6割から7割を占めるのが設備費用で、工事費等の人件費相当部分は、なかなか安くならないことから、設備費用の多少が、初期費用を大きく左右します

パネル(モジュール)

仮にパネル費用の割合を、システム費用全体の40%としたとき、住宅用では15.4万円/kW、非住宅用では12万円/kWです。
しかし、単純に規模が大きくなるだけで単価が下がるのではありません。

屋根設置で造成が不要な住宅用では、品質への信頼性から高い国内メーカーが好まれる傾向で、2010年度~2012年度の実績値は、パネル費用の割合が60%を超えています。
そうすると、住宅用では23万円/kW以上にまで跳ね上がりますが、こちらは業者の利益も含まれているので、パネル単体ではもう少し安いでしょう。

また、10kW以上50kW未満の設備において、自然エネルギー財団の調査によると、海外メーカーは10万円/kW~12万円/kWが中心、高くても16万円/kWまでです。
対する国内メーカーは、10万円/kW以上から20万円/kW以上まで広く分布して、平均的に国内メーカーはパネルが高いことを示しています。

目安としては、国内メーカーで18万円/kW前後、海外メーカーで12万円/kW前後なら、それほど的外れな価格にはならないはずです。

パワーコンディショナー

メーカーの希望小売価格では、5万円/kW~6万円/kW程度が相場でしょう。
しかし、実売となると値引きから8割から6割相当になって、4万円/kW台までは落ち込んでいるようです。

システム全体の11%をパワーコンディショナーの費用と見た場合、住宅用では4.24万円/kW、非住宅用では3.3万円/kWです。
また、太陽光発電の買取価格を実質的に決めている調達価格等算定委員会でも、住宅用20年間の維持費として、パワーコンディショナー交換は20万円を計上しています。

住宅用は4.2kWをベースとしているので、20万円÷4.2kW=4.76万円/kWになることからも、4.5万円/kW前後なら妥当な価格と言えそうです。
非住宅用はスケールメリットで、3万円/kW台になっても不思議ではありません。

架台

架台については、屋根でも野立てでもパネルの固定、角度調整のために必須で、4万円/kW~5万円/kW程度を見積もっておく必要があります。
架台が他の設備と異なるのは、規模が大きくなっても単価があまり変わらない点です。

これは、実際の出力容量となるパワーコンディショナーの容量よりも、意図的に多いパネル容量を積載することで、売電量を上げる「過積載」という手法の影響があるとされます。
パネルが多くなると、架台の数も増えて単価が下がらないという理屈です。

パネルの過積載とは

太陽光発電の発電量は、日射量の関係で太陽高度が高い昼間にピークを迎えます。
そこで、ピーク時の最大出力でもロスが起きないように、パワーコンディショナーやパネルの容量を決めるのですが、逆に日射量が少ない朝夕は発電量が小さくなります。

そこで、ピーク時にロスが発生する前提で、パネル容量を増やし、朝夕でもより多くの発電量を得られるようにするのが過積載です。
もっとも、過積載の結果、ピーク時のロスとパネルを増やすコストが、増えた発電量と見合わなければ意味はなく、コストパフォーマンスから最適なパネル容量を選択します。

工事費用

工事費用には、野立てなら造成に始まり、設備の設置、配線等の電気的な工事まで様々で、個別の詳細な見積もりを出してくる業者は少ないと想定されます。
システム全体に対する割合で23%としているのは、すべて含まれています。

そのため、住宅用では8.9万円/kW、非住宅用では6.9万円/kWとなるのですが、規模が大きくなっても工事単価が安くなるとは限らず、むしろ屋根設置が安く、野立ての方が、工事費用の割合も金額も高い傾向にあるようです。

その理由の1つは、住宅用に造成費用が不要になる点で、造成費用を考慮すると、住宅用で7万円/kW 、非住宅用で8.7万円/kW程度です。
また、住宅用の小規模な施工は、手掛ける業者も多く工事期間が短い、大規模な施工は造成も含め工事期間が長くて人件費もかかるということなのでしょう。

他には、50kW以上になったときにキュービクル(変圧設備)を設置するのも、住宅用には見られない非住宅用の特徴です。
建築資材の高騰、人手不足も工事費用を押し上げる要因となっています。

造成費用

資源エネルギー庁の資料では、造成費用の発生した案件で、高い方が10kW~50kW未満で1.95万円/kW、安い方が1,000kW以上で1.35万円/kWでした(中央値)。
全体では1.78万円でしたが、造成費用というのは土地によってまったく異なります。

単純に考えると、平坦に近い土地と、斜面や地盤の弱い土地では、天と地ほど造成費用が異なって当たり前でしょう。
土の掘削の深さ、盛土の高さだけでも造成費用には大きく影響します。

そのため、造成費用の単価は、実際に設置する土地がどの程度の造成を必要とするか、個別に判断するしかありません。
住宅用・産業用両方に対応した見積りサイトもあるので、詳しく知りたい場合は利用してみてください。

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まとめ

これまで説明してきたkW単価を、まとめると次のようになります。
※目安であり、合計しても全体の費用とは一致しません。

住宅用 非住宅用
全体 38.5万円 30万円
パネル(モジュール) 国産:18万円前後、海外:12万円前後
パワーコンディショナー 4.5万円 3.3万円
架台 4.5万円 4.5万円
工事費用 7万円(造成なし) 8.9万円(造成あり)
その他 5.4万円 4.2万円

施工業者の見積もりでは、定価見積もりから大幅に値下げして、個別の金額は不明なことも多いですが、大体このような構成で成り立っているということです。
最終的には、見積もり金額とシステム出力からkW単価を求め、適正な価格帯かどうか判断していくことになるでしょう。

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また設置するプランも1つではないので、どこの依頼するかで質や費用が違ってきます。

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