買取・仲介・個人売買など不動産を売却する4つの方法

売買契約
家や土地を売りたいと思ったとき、誰でも最初に思いつくのは不動産会社に相談することですが、その時点で仲介を前提にしているのではないでしょうか?
家や土地を売る方法は1つではなく、よく知られている仲介以外にもあり、それぞれ異なる特徴を持ち、メリットもデメリットも異なります。

「高く売りたい」
「早く売りたい」
「諸費用を安くしたい」
など、人それぞれの希望があるので、選択肢は多く持っておく方が得です。
ここでは、仲介以外にも買取・オークション・個人売買について説明していきます。

1.仲介

通常、不動産売却と言えば、不動産会社の仲介を利用します。
不動産会社の営業力を生かして、広く市場に流通させ、購入希望者を募集します。

スタンダードな方法である一方、不動産会社の営業力や担当者の力量に頼る部分が大きく、不動産会社選びも重要になる方法です。

仲介のメリットデメリット

不動産市場に物件を流通させるには、不動産会社のサイトやポータルサイトへの掲載、折り込みチラシ、ポスティング、情報誌などへの掲載が考えられ、仲介依頼を受けた不動産会社は、これらを営業活動として行ってくれます。

また、不動産会社に仲介を依頼すると、不動産業者だけが利用できる、「レインズ」という全国ネットワークにも登録されます。
この点は非常に大きく、仲介における最大のメリットとも言えるでしょう。

デメリットは、仲介手数料が発生することで、法定の仲介手数料は概ね3%強です。

不動産売却にかかる仲介手数料と諸費用の相場
売り出しから成約までにはさまざまな費用がかかり、契約関係や引っ越し費用は見落としがちです。また場合によっては税金も発生しますが、これらは必ずかかるわけではないので、可能性があるものとその相場をまとめました。

また、前述のように不動産会社の選定が重要になり、やる気のない担当者にあたってしまうと、売れる物件も売れない事態が起こり得ます。

仲介の流れ

仲介を依頼するには、前段階として査定を依頼するのが通常です。
そうしないと、不動産会社が適正価格を判断できず売りにくいからで、査定価格は売り出し価格にも大きく影響します。

査定の結果、不動産会社に仲介を依頼するのですが、この契約を「媒介(ばいかい)契約」と呼びます。
媒介契約は基本的に3ヶ月契約になっており、売れなければ更新していきます。

媒介契約後は、不動産会社が広告等の営業活動を行い、購入希望者を募集します。
売主は購入希望者と交渉を行い、条件が折り合えば売買契約を結びます。

売買契約後は、代金の決済と登記、物件の引き渡しと進み、成約の報酬として不動産会社に仲介手数料を支払って取引が終了します。

売却価格は不動産会社の査定価格よりも安い?

不動産会社がこの価格なら売れそうだとして提示する査定価格は、その価格での売却を保証するものではなく、単なる参考価格に過ぎません。
実際の売却価格は、買主との交渉によって決まり、そのほとんどは値下げの交渉です。

その結果、一般的には査定価格よりも低い価格で売れるケースが多いです。
もちろん、査定価格で売り出す必要はなく、査定価格よりも高く売り出して、値下げ交渉の結果、査定価格付近に落ち着くケースもあるでしょう。

しかし、査定価格は市場の相場をある程度反映しているため、査定価格よりも過度に高い売り出し価格は市場の反応が鈍く、売れ残る危険もあります
したがって、査定価格を基準に売り出し価格を決め、売却価格は少し安くなるというのが、仲介での妥当な価格です。

不動産売却査定の方法と押さえておきたいポイント
家や土地の査定をしてくれる会社にも大手と地域密着とがあり、探し方や利用の仕方に違いがあります。また両方を対象とした一括査定もありますが、いずれも査定額の見方には注意が必要で、査定に関する基本情報をまとめました。

2.買取

仲介では、広く一般に購入希望者を求めますが、買取は不動産会社が自ら購入します。
仲介で買主が会社になるのと、買取で不動産会社に売却するのとは違い、仲介を受けていないので仲介手数料が発生しません

買取のメリットデメリット

仲介手数料が発生しない点は、費用面で売主のメリットになりますが、買取では仲介による売却よりも大きく価格が下がります。
相場としては、仲介による売却価格の6割、よくても8割程度までが限度と言われています。

買い取った不動産会社は、必要ならリフォーム等をして転売します。
その際に、利益を出さなくてはならないので、仲介よりも安くなります。

その代わり、買っても転売できないと判断される物件を除くと、早く確実に売れるメリットがあり、売却期限に追われて困っている売主は重宝するでしょう。
また、一定期間の仲介やオークションによる売却ができなかったときに、買取保証を付けている不動産会社もあって、最初から買取ありきとは限りません。

買取の流れ

買取で最初に行うのは、買取業者に査定依頼をすることです。
仲介での査定は、市場で売れると予想する金額ですが、買取の場合には、買取業者が買い取る金額を査定価格として提示してきます。

説明のとおり、買取業者の買取価格は安いので、この段階で金額に不満があるなら、断って別の買取業者や他の方法での売却も検討すべきです。
すぐに売りたい場合は、金額面を妥協するしかないでしょう。

金額が折り合えば、売買契約を済ませ、決済・登記・引き渡しと進みます。
この期間は一般の買主よりも短く、早ければ売買契約当日、遅くても1ヶ月程度までとしている買取業者が多いようです。

3.オークション

不動産のオークションサイトはいくつかありますが、有名なのはヤフーと提携しているマイホームオークションではないでしょうか?
1998年に開始しており、落札実績が4,000件もあります。

マイホームオークション

オークションのメリットデメリット

オークションのメリットは、多数同時参加を可能にしている点です。
売主にとっては、多くの希望者が競って価格が上がっていくことを期待できます。

仲介では先着順で交渉が始まるので、もしかしたら今の希望者よりも高く買ってくれる人が後から現れる期待感を捨てきれませんが、オークションでは入札期間中に最も高い価格で落札した人へ売ることになります。

一方で、仲介のように価格が折り合わない理由で交渉決裂とはならず、価格が予想より低くても、入札者が1人でもいて落札されてしまえばキャンセルはできません

オークションの流れ

不動産のオークションサイトには、決まった流れはありません。
ただし、ほとんどのオークションサイトは、不動産会社の介在が前提で、ここではマイホームオークション(ヤフオク)の例を取り上げます。

売却相談と査定

マイホームオークションで出品するには、マイホームオークションが提供している無料査定サービスを利用することから始まります。

無料査定に申し込んだからオークションに出品するというものではなく、オークションはあくまでも売却方法の1つです。
査定価格に不満があるなら、オークションへの出品を断ることも可能です。

出品と媒介契約

査定価格を参考に出品価格を決めますが、不用意に安くしてそのまま落札されてしまう危険を防ぐため、出品価格は普通に考えて最低売却価格です。
また、出品はマイホームオークションに加盟している不動産会社が行います。

ですから、出品することになった時点で、加盟店との専属専任媒介契約が必須です。
専属専任媒介は1社の不動産会社に売却を任せる契約なので、既に他の不動産会社へ仲介を依頼しているときは、契約を解除してオークションを利用することになるので注意しましょう。

内覧等の対応

仲介と同じように、マイホームオークションでも購入希望者が内覧に訪れます。
購入希望者としては、入札するかどうかの決め手となるため重要です。

その他にも、出品した物件は紙媒体やインターネットなどで広告されます。
もっとも、媒介契約を結んでいるのですから、入札者を増やすために、不動産会社の営業活動として広告は当然に行われます。

落札と売買契約

落札されると、不動産会社から落札者(買主)に連絡を取り、原則1週間以内に売買契約が結ばれ、後日決済と引き渡しを行います。
なお、オークションへの出品に費用はかかりませんが、マイホームオークションは実質仲介なので、売買契約の成立によって仲介手数料を支払う必要があります。

オークションの落札価格は予想できない

オークションという仕組み上、入札者が増えるほど落札価格は上がっていきます。
入札者を増やすには、出品価格を下げるしかないのですが、低い出品価格にすると、入札者が少ないときに、思っている金額で落札されないかもしれません。

そのため、落札価格が希望を下回る可能性もあって、出品価格の設定は難しいです。
この点は、購入希望者との値下げ交渉で売買価格が決まる仲介と明確に異なり、高すぎると落札されず価格を下げて再出品、安すぎるとその価格で落札となってしまうので、許容できる最低価格からスタートすることになるでしょう。

4.個人売買

不動産会社を介在せず取引を行う個人売買は、身内など親しい間柄ではそれほど珍しいことではなく、売買契約書を交わさない個人売買すらあります。
余計な費用が発生しない個人売買は、専門サイトもあるくらいで広がりつつありますが、対象が高額な不動産だけに、他人同士ではいまひとつ普及していません。

流れをかんたんに説明しておくと、個人間の直接取引なので、交渉に始まり、お互いの条件が合えば売買契約です。
そして、決済と登記が行われ、引き渡しで終了するという極めて簡潔な流れです。

個人売買のメリットデメリット

個人売買では、仲介手数料が発生しないという絶対的なメリットを持ちます。
売買価格の3%強を上限とする仲介手数料は、売主・買主の双方で発生すると6%以上になるので、個人売買で節約できると大きいです。

また、仲介手数料ほどではないですが、司法書士に依頼する登記手続きも個人で行えば、10万円程度の節約にはなるでしょう。
このように、個人売買のメリットは金銭面で、安全面では不安を残します。

売買契約は法律行為なので、不動産のように高額の売買契約を、素人が安全に行うのはハードルが高く、売主と買主に法的な知識差があると、そこに付け込まれて不利な売買契約を結んでしまうこともあるでしょう。

また、物件や契約内容をきちんと確認せずに売買契約を結んでしまい、後からトラブルになる例は、他の方法でもあるとはいえ個人売買に多く、重要事項説明をしてくれる不動産会社の存在は、買主が決まっているから無駄というわけではありません。

重要なのは売買契約と登記

個人売買に限らず、どの方法でも同じく重要なのは、売買契約登記の2つです。
売買契約は、一般に売買契約書に署名押印の形式でされますが、口約束でも違法ではありません。

ただし、口約束はトラブルの元で、証拠として残すために売買契約書を交わします。
そこで問題となるのは売買契約書で、売買契約書のひな型は入手が容易ですし、売主と買主が協議しながら作ってもよいでしょう。

口約束でも書面契約でも、売買契約をした時点で、買主は代金の支払い、売主には物件の引き渡しと登記への協力に義務が生じます。
また、決済(代金の支払い)が行われた時点で、実質的な権利は変動しますが、登記を済ませないと公的な記録上の権利は移転しません。

したがって、登記も売買契約と並んでとても重要な手続きです。
安全に行いたいと考えるのなら、売買契約書の作成も登記も司法書士に依頼することですが、その費用も惜しいのなら当事者だけで行うことは可能です。

登記だけは司法書士に依頼がベスト

決済後の所有権移転登記は、売主と買主の両方が申請者となります。
しかし、登記をする法務局で売却代金を受け取るわけにもいきませんから、決済と登記は当然に別の場所で行われます。

ここで、売主が売却代金を受け取った後、登記に応じなかったり、登記するまでの間に他の人へ売却したりすることは契約違反ですが、実質できてしまいます。
一方で、登記を先にすると、所有権を手にした買主がお金を払わない可能性もあります。

仲のよい親族・知人間など、完全に信用できる間柄なら、こうした問題はないでしょう。
赤の他人と個人売買をするときは、決済と登記のどちらが先でもリスクは大きいのですが、決済と登記を同時にできないので仕方がありません。

可能だとすれば、決済のときに売主が買主へ委任状を渡して、買主が登記する方法です。
ベストなのは、やはり第三者である司法書士を決済にも立ち会わせて、登記関係の書類を司法書士にすべて手渡し、司法書士に登記してもらう方法です。

なお、買主がローンを利用することで金融機関が関係してくるときは、抵当権設定登記を個人にさせることはないので、必然的に司法書士に登記を任せることになります。

まとめ

家や土地を売る4つの方法を説明してきましたが、どの方法が優れているというよりも、事情によって使い分ける、または併用して考えるべきでしょう。
それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが大きいか判断しなくてはなりません。

また、不動産会社が介在しない個人同士のオークションや個人売買では、取引の安全性の面から、何らかの形で司法書士に依頼して危険を回避したいところです。
諸費用を安く済ませたい気持ちは当然あるでしょうが、売主・買主とも不安があるなら、専門家に任せるほうが確かです。

大きな金額が動く不動産取引は、悪いことを考えている人も多く、不動産会社も決して善良なところばかりとは限りません。
妥当な価格で安全に取引することが、何よりも利益になるものです。

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