不動産売却時における仲介業者変更のポイントと手順

仲介業者の変更
不動産を売却するときには、身内など近い間柄でなければ、仲介業者を利用して購入希望者を紹介してもらうのが一般的です。
ところが、仲介業者も千差万別ですから、しっくりこない・不信感がある仲介業者もいるわけで、任せておけないと思ったら変更することもあるでしょう。

仲介業者との媒介契約は、無期限に続くものではないため、成果が出ない場合には、変更することに制限はありません。
ただし、一方的に媒介契約を解除するとなると、それなりにリスクも伴います。

仲介業者の変更について、知っておくべきポイントを説明していきます。
それ以前に、仲介業者の選び方で迷っているなら、以下の記事も参考にしてください。

不動産屋の選び方-免許番号や大手or地域密着等5つのポイント
「不動産屋さん」とは聞きなれた言葉ですが、どういう会社なのかまで理解している人は多くないかもしれません。 かんたんに言うと不動産を...

変更することによるリスクや注意点は?

まず、仲介業者を変更したからといって売れるかどうかは未知数で、販売活動を最初からやり直すことで、売り遅れるかもしれないリスクを覚悟しなくてはなりません。
売れない原因を仲介業者だけのせいにせず、内見対応や価格面で売り逃していないかも考慮するべきです。

仲介業者が原因で売れない理由としては、自社の仲介にこだわってレインズへの登録をしない、他社からの問い合わせを排除する「囲い込み」などありますが、消費者が実態を把握するのはなかなか難しいです。

内見への対策(掃除・説明)が不十分、相場よりも価格が高いといった売主からも改善できる要素があるなら、仲介業者ともよく話し合うことから始めてみましょう。
もっとも、アドバイスもしてくれず、連絡もとどこおる仲介業者なら、最初からやる気が感じられないので、変更の対象になります。

出回り物件には要注意

物件情報を拡散させようと、一般媒介契約で複数の業者と契約したり、仲介業者を次々に変更したりした結果、売れない物件として逆に市場で有名になってしまうと、ますます売れにくくなります。

物件情報には鮮度があり、時間が経つほど・広く出回るほど鮮度は落ちていきます。
少しでも情報を拡散させた方が売れるように思いますが、魅力的な価格の物件なら、そもそもレインズへ登録される前に、仲介業者の顧客内で売れます。

つまり、情報が広がって時間が経つということは、それだけ多数の目に留まっても売れなかった結果を意味するので、自然と敬遠されがちになるということです。
このような物件を「出回り物件」と呼び、売れない物件はどのようにしても出回ってしまうのですが、仲介業者の変更も出回る方向へ向かうことを知っておきましょう。

仲介業者の変更でブラック扱い?

不動産業界には持ちつ持たれつの関係もあって、仲介業者を変更することがリスクになる可能性も、まったくないというわけではありません。
よく言われているのは、仲介業者の変更でブラック扱いにならないかというテーマです。

特に、田舎になるほど仲介業者が減っていくのですから、狭い地域の中で力のある(取り扱い物件が多い)業者とトラブルになって、他の業者が敬遠してしまうことは十分に考えられます。

一度断ると再依頼が難しくなる他、仲介業者が「この顧客はブラックだ」と他の業者に触れまわるようなことはないにしても、感情が絡むだけに遺恨なく変更するように努めるべきです。

気になるようなら契約期間満了までやり過ごし、後は契約更新しなければよいので、わざわざ火種を大きくしてまで早急に変更する必要性を考えてみましょう。

変更のベストなタイミングは?

媒介契約の契約期間は、専属専任媒介契約専任媒介契約なら3ヶ月以内、一般媒介契約なら期間に制限はなく当事者の合意で定めます。
ただし、一般媒介契約においても、国土交通省の標準媒介契約約款では3ヶ月以内としていますから、準拠している仲介業者なら3ヶ月以内でしょう。

そこで、1つのタイミングとしては媒介契約から3ヶ月経過後となるのですが、契約期間は3ヶ月である必要はなく、初めて依頼する仲介業者など、不安があるなら3ヶ月よりも短い期間で契約してもまったく問題ありません。

媒介契約の契約期間満了時が、最も安全にトラブルなく変更できるタイミングとなり、今すぐにでも変更したいときは、中途解約のリスクを考えておく必要があります。

中途解約の理由が仲介業者にある場合

契約とはお互いの信頼に基づいて、義務の遂行を約束するために結ぶものです。
仲介業者が不誠実で怠慢が見られる、故意または重大な過失により事実を隠すなど、契約上の義務違反があったときは、売主から中途解約が可能です。

ところが、不誠実や故意・重過失というのは基準が曖昧であるため、自分では「ひどい対応」と思っても、トラブルになりやすいのが実状です。

  • レインズに登録しない、登録しても削除した
  • 他の業者の問い合わせに応じない(囲い込み)
  • 約束していた広告が出されていない
  • 購入希望者に嘘を言って売買契約に至らない
  • 法定義務である定期報告をしてこない

こうした不誠実な対応は、仲介業者の規模に関係なく行われており、売主に不利益を与えている、または法令違反から解約理由として妥当なのですが、すべての不正・怠慢が発見できるとは限らず、判断には悩むかもしれません。

そこで、どうしても仲介業者の対応に納得できなければ、事前に関係行政へ相談してみる(場合によっては指導してもらう)など、先手を打ってから解約を申し出ると、話を進めやすくなるでしょう。
仲介業者も多少なりとも費用をかけて営業しているため、不満があるというだけの理由では、かんたんに中途解約には応じてくれないからです。

また、一度は誠実に対応することを求め、それでも改善されない場合に中途解約を申し出た方がよく、いきなり中途解約したいと言い出すのはカドが立ちます。

仲介業者に非がない場合

自己都合での中途解約、または客観的に見て仲介業者が常識的な営業をしているのに、売主から中途解約する場合は、契約解除による費用償還の請求をされる可能性があります。
その費用とは営業活動における実費で、本来なら仲介手数料に含まれるべき金額です。

ただし、営業実費がどのくらいになるかは、物件の書類関係の取得費用、ポスティングなどの広告費用以外は不明瞭です。
仲介業者との関係が悪化していると、思いがけなく費用請求されるかもしれず、費用を覚悟しているとしても、中途解約はリスクがあると言えるでしょう。

売買契約が進んでいる場合について

数少ないケースですが、既に買主と話が進んでいる場合についても考えてみます。

仲介業者が行う業務は、売買契約の成立によって成果があったと言えるため、売買契約が成立した時点で仲介手数料の請求権が発生しています。
したがって、仲介手数料や対応の理由で、売買契約後に売主・買主が仲介業者を排除して取引しても、仲介手数料の請求権は失われません。

仮に裁判で争って減額が認められるとしたら、仲介業者に不誠実な対応が認められる場合ぐらいで、原則としては契約どおりの仲介手数料を満額支払う必要があります。
ただし、一般的には売買契約時に半額、決済後に残額と仲介手数料を分けるでしょう。

その理由は、不動産の売買が決済・登記・引渡しまでされないと取引完了にならないためですが、決済前に売買契約が解除されてしまっても当事者の都合であり、仲介業務に対する報酬には影響しないと考えられています。

その一方で、決済前に売買契約が解除されたときは、未完了の事情を考慮して、仲介手数料を半額にする対応もあるので、満額を支払うかどうかは仲介業者との協議次第です。
いずれにせよ、売買契約後に媒介契約を中途解約しても仲介手数料は取られます。

なお、売買契約後に仲介業者を変更しようと考えても、変更先の仲介業者には、仲介業務が含まれず仲介手数料が発生しないため、決済・登記・引渡しの立ち会い等だけを引き受けてもらうのは難しいでしょう。

変更の手順

媒介契約に契約期間がある以上、契約更新せずに契約終了にしてから変更先の仲介業者と契約するだけで、変更に特別な手続きは必要ありません。
また、契約を更新するかどうかは当事者の自由ですから、更新しない理由をあえて仲介業者に伝える義務もないでしょう。

専属専任媒介契約・専任媒介契約の場合

専属専任媒介契約・専任媒介契約では、売主から契約更新を申し出なければ更新されない決まりで、法律にも規定されているため、勝手に更新されることは絶対にありません(もしあっても法令違反で無効を訴えることができます)。

したがって、先に仲介業者から更新を聞かれた場合は更新しないと伝えればよく、仲介業者が何も言ってこない、自分から更新をしないと伝えた場合は自動的に契約終了です。
契約期間が終わったら、次の仲介業者と契約しましょう。

一般媒介契約の場合

一般媒介契約では、そもそも複数の仲介業者と媒介契約できるので、変更先の仲介業者といつでも契約することができます。
変更前の仲介業者とは、契約更新しなければ自然に契約終了で切れます。

注意したいのは、専属専任媒介契約・専任媒介契約と異なり、一般媒介契約が自動更新の特約を定めることもできる点です。
自分では連絡もせずに更新していないつもりでも、自動更新には気を付けましょう。

もし心配なら、更新しない旨を記した書面を送れば更新はされず、万全を期すなら内容証明郵便で送るくらいはしてもよいかもしれません。

中途解約の場合

中途解約の場合には、なぜ解約したいのかという理由は告知するべきです。
どのような契約でも甘く考えてはならず、中途解約に相当するほどの正当な理由を示さないと、わだかまりが残ってはお互いによくないからです。

まずは、現在の対応に不満があることを伝え、猶予期限を付けて改善を求めてから、応じてもらえない場合に中途解約をするべきでしょう。
もしかしたら、釘をさしておくことできちんと対応してくれる可能性もあります。

不動産業界は、お互いにお互いの物件を仲介するケースも出てくるため、ライバルでありながらも協力関係がある不思議な構造です。
不用意に中途解約して、悪い噂が広がってしまわないように気を付けましょう。

まとめ

不動産の売却が、仲介業者次第で成功したり失敗したりするのはよく聞く話ですし、仲介業者でも得意不得意があるでしょうから、売れなければ変えてみる、気に入らなければ変えてみるというのは何も不自然ではないです。

ただし、売れない本当の理由が物件や売り出し価格にあって、仲介業者は努力しているのに、誤解したまま変更しようとしているのなら考えものです。
次の仲介業者が「当たり」だとは限らず、変更して悪くなるケースもあるからです。

もっとも、働かない仲介業者というのは、定期報告を受けていく段階で予想が付くので、誤解がないか意思の疎通を図り、それでも改善されないなら切っていくべきでしょう。

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