3つのパターンで考える田舎の土地活用方法

田舎の遊休地

田舎の土地は比較的地価が安いとはいえ、親が持っていた土地を相続すると、相続した人が固定資産税を負担し続けなくてはなりません。

どのような土地でも、固定資産税は基本的に土地の評価額に対して一定率で課税される税金であるため、税額が安くても高くても資産が毎年失われていきます。

遊休地の活用方法には、「建てて貸す」、「土地を貸す」、「太陽光発電」が考えられます。
それぞれの特徴を把握し、適切な選択ができるように知識を深めておきましょう。
せっかく相続した土地を、生かせずに税金だけ支払うのはあまりに惜しいですし、どうしていいか分からず、結果的に土地のままにしているケースもあるようです。

どんな活用方法があるか確認しておくのは重要です。

1.建てて貸す方法

移住者、転勤者、旅行者、高齢者など、人に貸す建物を建てて賃料を得る方法です。
大きな投資を必要としますが、建物や土地を担保にしてローンでも調達できます。

それぞれにおいて、成功すれば安定的な収益に繋がる一方で、規模に応じたデメリットも発生するため、投資して運用した後のことまで見据えて始めなくてはなりません。

アパート・マンション

マンション

田舎ではアパートやマンションの需要は小さいですが、交通の要所になる駅の周辺、外部の人が集まる大学や大きな工場が存在すれば、学生や労働者向けに賃貸も可能です。

ただし、特定の需要を対象にして賃貸物件を建てると、移転・閉鎖・撤退によって、入居対象者をすべて失ったときに立て直しが効きません。
長期的な展望を予測するのは難しいですが、大学や工場も経営的な判断が必要ですから、それを頼りにするなら、最低でも入学者数の推移や企業業績くらいは把握しておくべきです。

戸建賃貸経営

家

戸建住宅は、家族向けでなおかつ比較的長期の住居として利用されるため、田舎暮らしを希望する移住者や、周辺の企業等への転勤者が対象です。

また、実家があるならリフォームをすれば費用が抑えられますが、そもそも田舎の戸建賃貸は、入居者の絶対数が少なく安定しづらいデメリットも持っています。
1戸なので入居者がいなければ収入はまったく入らず、それでも賃貸物件として使うからには管理も必要になるなど、需要の見極めが大切です。

ペンション、貸し別荘

別荘

群馬県吾妻郡 愛ふる貸別荘 リゾート・ビラ

近隣にレジャー施設、リゾート施設、テーマパーク、スキー場などがあれば、旅行者に貸し出す方法も有効です。

有料で人を宿泊させる施設は旅館業の適用を受けるため、消防署や保健所の検査等をクリアしなければならない面倒さがあります。
なお、Airbnb等を使って短期に宿泊させる民泊も最近話題ですが、一般に行われている民泊は旅館業違反とされているので(2016年時点)、合法化を待つ方が無難でしょう。

サービス付き高齢者向け住宅

ふくふく荘

大阪府堺市 ふくふく荘

サービス付き高齢者向け住宅とは、いわゆる老人ホームと異なり、高齢者用の賃貸住宅に介護や医療サービスを付加しているので、分類は賃貸住宅の一種です。

静かな田舎は、環境的にサービス付き高齢者向け住宅の需要もあるのですが、付加サービスに対する人材不足やサービス事業者の確保が難しい側面を持っています。
また、個人が行うには規模が大きい事業なので、サービス付き高齢者向け住宅を建てたい企業に、事業用地として貸す方法も考えられます。

建てて貸す方法の注意点

遊休地には、原野や雑種地のように、建物を前提としていない土地もあります。
地目が原野や雑種地でも、宅地として利用した過去があり、地目変更していないだけなら問題ないですが、現況でも原野や雑種地なら、すんなり建てられないかもしれません。

建物を建てるには建築基準法の制限を受けますし、建てられたとしても電気・ガス・水道の敷設に膨大な工事を必要とするケースも考えられます。
電気は電線を見れば容易にわかりますが、ガス管・水道管は地中のため、最低でも前面道路にこれらの埋設管が存在するか調べてみましょう。

2.土地をそのまま貸す方法

土地をそのまま貸すと、所有者は投資がほとんど不要ですぐに収入を得られます。

事業用地

コンビニ

店舗や事務所など、沿道が有利な事業用地もありますが、比較的場所を問わない工場、サービス付き高齢者向け住宅など、広い敷地を必要として交通の利便性がそれほど問われない用途もあるため、事業展開したい企業があれば需要はあります。

事業用定期借地権は10年から50年までの契約期間で、契約満了後は更地で返還されるため、安心して貸せるメリットもあります。

駐車場

駐車場

田舎での駐車場需要は低いですが、地域によって格差があるため、土地を借りてでも駐車場が成り立つ地域もあります。

投資をせずに土地を貸して地代を得る方法だけではなく、駐車場は投資が小さいので自分で始めることも可能です。
どちらを選択するのかは、リスクとリターンの大きさで判断すれば良いでしょう。

資材置き場

資材置き場

資材の置き場所に困るほどであれば大きな会社か、または一時的に大きな公共工事が付近で始まった場合にも考えられます。

連結する道路にある程度の幅があれば成り立つのですが、問題はむしろ需要にあり、局所的で一時的な需要をアテにしてしまうと安定しません。
また、借主が現れたとしても、一時使用であることや建物を認めない契約にするなど、法的に気を付けなければならない点もあります。

太陽光発電

太陽光発電

太陽光発電は長期的な事業計画を必要とし、安定収入を得られる反面、土地を長期間貸し出す契約になり、将来をあらかじめ考えておくことが大切です。

また、田舎では太陽光発電に適した土地が多く、遊休地の活用方法として優れています。
日照が確保できる土地で、送電に問題がなければ収益を得られる手堅い事業でありながら、大きな投資を必要としないので、自分で行う選択肢もあるでしょう。

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土地をそのまま貸す方法の注意点

借主がいる前提なら、費用が発生するとしても整地費用(借主負担の場合もある)くらいしかなく、土地をそのまま貸す方法のメリットは投資と手間の少なさです。

ただし、土地を貸すと借主にも法的な権利が発生し、別な活用方法を思いついても容易に切り替えることはできず、土地の流動性が低くなります。
相続があると、相続人に地主としての権利も受け継がれますが、このとき土地を貸していることで、次世代が困らないようにするべきです。

土地を貸すことのメリットデメリットや収入相場はこちらでまとめました。

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3.太陽光発電で利用する方法

土地をそのまま貸す方法でも触れましたが、日照が確保できる土地なら、長期安定収入が見込める太陽光発電は注目される事業モデルです。

買取需要以外の第三者による需要を必要としない点で、他の活用方法とは一線を画しており、条件がそろえば運用できます。

太陽光発電に必要な条件

太陽光発電の設備は建築物に該当しないので建築基準を満たす必要はなく、ほとんどの遊休地で可能になる事業です。
だからといって無条件とはいかず、次のような条件は必須になります。

  • 日照がある
  • 発電パネル設置用の架台を固定できる地盤がある
  • 電気が通じている
  • 電力会社に買取需要がある
  • 長期間土地を使用しない
  • 1kWあたり30万円程度の設備資金を用意できる

日照は説明の必要もありませんが、発電パネルが受ける風圧の関係である程度は強固な地盤を必要とし、土地によっては地盤改良もあり得ます。
電気が通じているというのは受電と送電の両方の意味で、太陽光発電の設備自体を動かすための受電と、発電した電気を売る送電です。

他にも、電力会社に買取を制限されないことの確認、10年以上は土地を他の用途で利用しない計画性、最もコストがかかる初期投資用の資金が必要とします。

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太陽光発電では制度の動向にも注意

太陽光発電の固定買取価格制度は、多くの一般消費者と営利企業の興味を引き、以前までの補助金制度も拍車をかけて、普及が急速に進みました。

しかし、毎年買取価格が下がっている現状は、導入コストが下がった結果でもあり、太陽光発電の認知度は制度開始前よりも格段に高くなっています。
また、自然エネルギーは太陽光発電だけではなく、太陽光発電は他の自然エネルギーよりも優遇されていた経緯から、制度是正の検討も始まりました。

既に導入済みの一切を無視して、根底から変えることはないとしても、買取価格の低下は当然ですし、利益が出る前提の買取制度はいつまで続くか定まっていません。

まとめ

遊休地の土地活用は、選択肢は多くても地域における需要や資金調達から、選択できる方法は限られてくるでしょう。
売らない限り手元に残り次世代へと受け継がれていくのが土地なので、出口戦略として将来どうするのか今から計画を立てなければなりません。

不動産として長期的な運用を考えるなら、建物を建てる方法、事業用地として貸す方法、太陽光発電などありますが、土地を自由にできなくなるデメリットを持っています。
流動性をあまり下げず、駐車場や短期の資材置き場として最適な時期を待つのも1つの戦略であり、制度や需要の動向を見誤らないことです。

また、土地の運用だけにこだわらずに現金化することも、土地を資産の1つと捉えた活用方法です。
田舎の土地を売るポイントは別記事でまとめていますので、合わせてどうぞ。

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土地はあくまで保有する資産の1つで、自己使用や現金に切り替える売却も、“資産活用”の1つです。
その上で、一般的に土地活用と呼ばれる賃貸経営を行うのであれば、1つでも多くの可能性を探り、十分検討することが欠かせません。
賃貸経営は数十年の長期的な運営となるため、スタートしてからの方向転換は困難で、最初の準備にすべてがかかっていると言っても過言ではないのです。

各社のプランはバラエティ豊かなので、最初はプランを見比べるところから始めるだけでも勉強になるでしょう。
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